極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第7話<熱砂の竜>

第5章 リンダの受難


GM「戦車から降りると、『久しぶりね、リンダちゃん』と、リンダには聞き覚えのすごくある声が」

「あ、さっきのお姉さんだ。リンダって、誰のこと?」

リンダ「なっ、何いってるの!? 私はホロよ!」

「なんだリンダ、いったいどうしたんだい?(笑)」

アンディ「元も子もない一言〜(笑)」

GM「そうか、ホロちゃんね、ホロちゃん(笑)」

「ホロのお姉ちゃん、この人とお知り合い? お友だち?」

GM「ではここで、解説しよう(笑)」



 蒼い長髪をもったこの迷彩服少女は、ギラ軍曹という。

 宇宙傭兵ギルドでは、資格試験に合格した後、教官傭兵に師事して2、3年の研修期間を経ないと独立資格を得ることができない。かなり人気が高いということで、リンダはギラ軍曹に師事したのだが、聞くのと実践するのとでは大違い。

過酷な訓練でしごかれた上に、なぜかギラ軍曹はリンダが過去に犯した大犯罪についても知悉している……と、そんな事情があって、リンダはギラに頭が上がらないらしい。


リンダ「で? 何の用でしょうか? と、笑いながら目は涙目」

GM「あの竜を倒すとは、私が見ぬ間に進歩したもんね」

「リンダさんは倒してない(笑)」

リンダ「仲間が良かったから(笑)」

GM「『でも、なんで今時分、この星に来たの?』と、蒼い瞳で睨みつけるんだが」

リンダ「仕方ない、この人に嘘なんてつけないよ。かくかくしかじか、割れたクリスタルのことも」

GM「『クリスタルが割れた!? 倒れたくらいじゃ割れる筈がないのに!』といって、見て、やっぱり言うんだな。『ニセモノだー!』」

リンダ「あの、もしかして、このクリスタルをもってたせいで、わざわざ指命手配(?)なんてしたんですか……?」

GM「ま、話してもいいでしょう。この星の第1聖地……なんて言ったっけ、そう、エジェンガか。ちょっとそこで、久々にトレジャー・ハンティングなんかしようかなーって思って、ねえ。ARACの警戒くぐり抜けて、それで集積体を盗んだのはいいんだけど、それがまた、ある宿屋で寝てる間に盗まれちゃってねえ」

「そういうことか!(笑)」

GM「それで、あのクリスタルはこの星の第2聖地に持っていかないと効力を発揮しないものなわけよ。

 それで、ヤツはこの星から一度は逃げても必ず戻ってくると思って、この星で網を張って……わざわざホテルまで爆破して捜査しやすくして、待ってたのにい!」

リンダ「あんたが元凶だったんかい!」

GM「『おのれ許せん!』といって、怒りに燃えてるな」

「極道な!(笑)」

「お姉ちゃん、このお姉ちゃんこわ〜い」

リンダ「昔からこういう人なのよ」

GM「いいじゃん、死人が出てないんだからさ」

リンダ「死ぬかと思ったわー!(笑)」



リンダ「じゃあ、あの、トランさんは一体……」

GM「トラン? そう、奴は、そういう名前なのね」

リンダ「じゃあ、ヤツが盗んだわけ? ……ということはなに? うちらはギラ軍曹の尻拭いというか、巻き込まれたってわけ!?」

GM「おのれ、許すまじッ!!」

アンディ「わかりやす〜い(笑)」

「これがあの有名な、責任転嫁ってヤツだな(笑)」

GM「『問題はヤツがどこにいるか! ラジェランドラの場所さえ分かればッ!』といって、歯噛みしてるんだけど」

リンダ「んなこと言ったって、遊牧民しか知らないよ」

GM「遊牧民! そうか! 遊牧民を捜すのよ! さあ! さあ! さっさと捜しに行った、行った!(一同笑)」

「あんたもだ、って突っ込みたくなってきた(笑)」

リンダ「ところで、あの2匹の竜はいったい?」

GM「『ああ、あれ? 第1聖地に眠ってた守護者なのよね』と言ってる」

「もしかして、あんたが目覚めさせたんか?」

GM「いやあ、私は別に。ちょっと財宝をくすねたら、勝手に追っかけてきたっていうだけで(笑)」

リンダ「さっさと殺してくれよおおお!」

GM「あたし、お金にならないことはしない主義なのよね」

リンダ「じゃあ、さっき竜を吹っ飛ばしたのは、お金になったんかい!」

GM「いや、あれは個人的に腹が立ったから(笑)」

「お兄ちゃんたち、この人に噛みついていい?」

リンダ「命が惜しくなかったら……」

「やめるー(笑)」

GM「そうすると、ドタバタいって、また兵士が駆け込んでくる。『観測班より緊急入電! 大規模な電磁嵐が、座標27−963に発生している模様!』」

アンディ「……どこ?(一同笑)」

GM「で、ギラ軍曹が、『ナルホド、そこが例の遺跡か』といってる。そういうことなんだよ。
『まさかあんたがたも、トランに一泡ふかせないで、このまま帰るなんてことはしないわよね』」

リンダ「トランは死んだはずじゃ……」

GM「死んだの確認したの? 脱出艇は何個あったの?」

リンダ「……ということは、ニセ情報? 結局、うちらは囮ってこと? いまこの時点でギラ軍曹に同意ッ! あのクソ生意気な女をぶちのめさないと気がすまないッ!」

GM「じゃ、一気にラジェランドラへ行きましょう!」

アンディ「……状況がわかんない(笑)」

GM「(アンディに解説する)」

「もう、牙なんかむき出して怒ってるかもしれない(笑)」

志尾原「いえいえ、感情に流されるのはいけません」

「そう、感情に流されるのは未熟者のすることだ」

リンダ「うわあ、そうか! 明鏡止水(笑)」

志尾原「じゃ、さっさと武器を補給して……」

GM「いま電磁嵐が吹き荒れてるってことは、遺跡にかけられてた偏光シールドが解除されただけって可能性が高いわ。そうすると、戦闘はおそらく遺跡内になるはず。戦車なんかよりも、あなた方による突入と、トランの逮捕! そうなるわね」

アンディ「ビームサーベルしかない……」

リンダ「そういや、もってるんだっけ。ダメージ5! 強い! 対戦車ライフル並みだ!」

「すげえ、俺のコブシ並みだ!(一同笑)」

リンダ「じゃ、さっさと行っちまおう!」

アンディ「単に、斬る(笑)」

志尾原「ひたすら撃つ!」

「噛みつく!」

GM「と、さっきのコモド中佐が、『……おい。座標27−963は、この星の裏側だぞ。どうやって行く気だ?』」

志尾原「穴を!(笑)」

リンダ「もうこうなったら仕方ない! 軍曹、頼みます!」

GM「『ふっふっふ、任せなさい!』といって、にやり」

アンディ「なんか、あるらしい……(笑)」

GM「うむ。一声、声高く『おいで、ゼランボラ!』と叫ぶとだな、ずばあッ! と砂漠が割れて、50メートルほどのドラゴンが出てくるわけだよ!」

アンディ「なんか、いるよ……(笑)」

GM「そんな感ぢ? ま、オーソドックスな二脚歩行タイプだ。『お呼びで、軍曹!』とかいってる(一同爆笑)」

リンダ「気分はもう、ドルギランだ(笑)」

GM「(歌)どるどるどるどる、どるぎらん♪(分からないキミは、<宇宙刑事ギャバン>を観てみよう!)」

「よろしくねー」

GM「うむ、よろしく」

リンダ「ぐ、軍曹の部下にしては礼儀正しい!(笑)」

志尾原「では、名刺をあげておきましょう」

GM「『あ、これはどうも』と、1メートルほどもあるツメの先で受け取る(笑)」

リンダ「いつ知り合ったんだ、こいつと」

GM「リンダさんは前から知ってるよ。普段は小さいトカゲの形で、軍曹の肩に乗ってるんだ。
さて、『めんどくさい、<光子翼>を展開して、一気にかっ飛ぶわよ!』」

リンダ「周りはどうなるんだ! 基地は!?」

GM「知らん。忘れろ(笑)」

「ホロおねーちゃん、さすがお姉ちゃんの先生だね」

リンダ「さすがとか言わないで。ちょっと恥ずかしいわ」


 かくて一同は、ゼランボラの胸部装甲の内部に収納されて飛び立ち、わずか2分半で惑星を半周した。
(一同「速すぎるうー!(笑)」)


 極超音速で着陸したはずだったが、内部には衝撃は全くない。展開した装甲から外をみると、惑星のこちら側はちょうど正午ごろらしかった。黒い結晶質の砂から成る砂丘が連なる漆黒の砂漠を、2つの太陽が数千年ぶりに照らしている。
「このエネルギー反応……あれが例の<神殿>ね」
 ギラの視線の先には巨大な黒い要塞に似た建物がそびえており、入口らしい開口部から白い光を放っていた。その周囲には、黒い結晶材で建てられたかつての高層ビルらしきものが、あちこちで傾いて崩れかけた残骸をさらしている。


アンディ「……着陸の影響じゃないだろうね(笑)」

GM「影響は、竜を中心に50メートルくらいがクレーターになってるだけだ(笑)」

「竜さん速いね! すごいや!」

GM「いやあ(一同笑)。これでも超光速出せますから」

「なんか、和んでる。純粋に感動している(笑)」

アンディ「もっと考えてくれよ……(笑)」

リンダ「相変わらず、ついてゆけねーな……と(笑)」

「こういう連中に勝てるようになってこそ、<師匠>の域にたどり着くんだろうな(笑)」
GM「竜が言うには、『あっしはちょっと、この中には入れませんで』。ギラが、『じゃあみんな、行くわよ!』と飛び出す」

「竜さん、ばいばーい♪」


 ラストにひかえし複雑ダンジョン。会議室の使用期限まで、あと25分しかないぞ!
 どうする、GM。巨大な神殿に、一同は突入する!
GM「ベフィス・ブリングがあれば……」)


GM「遺跡といってもね、スペオペなんで。中はつるつるした、光り輝く壁が。さ、入るんだよ、はい(地図用の紙を渡す)。『とりあえず、トランが目ざす仙竜の卵は下にあるはず!』仙竜ってのは、さっきギラが乗ってたような奴だよ」


 仙竜というのはどうも、古代の<戦略生物>らしいのだが。詳しいことは、追々あきらかになっていくであろう。
(最近、つまり1999年の現時点では、<仙竜>ではなく、<攻竜騎>などと呼称されている。これはGM清水三毛の別の空科小説からとられた名称だが、だいぶ定着してしまったのでそのまま使われている単語だ。こういう、スピンオフはよくないかもね(笑)。)


リンダ「自分も仙人になろうってわけ!? あのクソ生意気なピンクハウス女が仙人になるのだけは、ゆるせん!」

アンディ「壁なんか、コンコンって叩いたりなんかしちゃったりして」

「というわけで、右だ!」

GM「右にいくと、こうなってるが(地図を描く)」

リンダ「左だ!」

GM「さあて、お約束! ダンジョンのモンスター♪ えっと、つるつるした天井をだね、ガサガサガサ……と、3メートルほどもある紫色のクモというか、カニみたいな甲殻類が迫ってくる。黄色い一つ目が爛々と光ってる」

志尾原「3メートル! 狙いやすいじゃないのお! 1発で仕留めますかあ!(何かハイになってる。こわい)」

 サクっとイニシアティブをとって、志尾原くんが<切り札>で射撃!
 一撃で我がソルジャーレギオンは落とされ、死亡……。しかも、一同は殆ど最短距離でダンジョンを攻略していく。
 さて、もう1つのお約束、トラップである。

GM「先頭いくのは誰だ」

リンダ「ギラ軍曹はどうしたんだ?」

GM「後ろで、君たちのやりざまを眺めている」

アンディ「その人の性格からいったら、先頭突っ走ってそうだよね」

GM「あのね。ドラゴン一撃で倒すような武器が、この密閉された遺跡内で使われた場合、他の人にどんなダメージが及ぶかってことを考えようね」

リンダ「はい分かりましたあ!」

「(ジャンケンして先頭を決める)……俺かあ」

GM「さーあ、知性判定だ!(一同爆笑)」


 難易度3だが。牛氏に成功を求めるのは酷というもの。


GM「君らが走り抜けていくと、壁が、ピカっ! と光る」

「全く問題なし! 行くぞ行くぞ!」

GM「で、いきなり自分たちの体重が10倍になった感じがする。比喩でなく、ホントに動けない」

「ぬう!」

「おーもーいー!」

リンダ「なんなんだ、これはあ!」

GM「傭兵であるリンダさんは知っている。こうした古代遺跡にはよく、このような重力嵐トラップが仕掛けられているものだ」

リンダ「しまったああ!」

「俺が修行したナントカ星に比べればー!(笑)」

GM「難易度6で生存判定(STR)に成功したら、脱出できる」

「ナントカ星に比べれば、余裕っち! って感じッス!」

GM「君らの目の前で、赤いボールがふわふわ浮いている」


 趙さんだけが、はまったままで泣きわめいている。


GM「ギラ軍曹が牛さんに、『えっと、名前まだ伺ってなかったけど……』」

「牛 孟闘と申します!」

GM「ああ、牛さん。ふつつかな娘ですけどもね、よろしくお願いしますね♪
リンダ「なんだそりゃー! ちょっと待てえ!」)
 とにかく、そこに浮いてる発生源を壊しなさい」

「じゃあ、壊させていただきましょう。バアン!」

GM「うむ、判定はいらん。重力嵐は消える」

リンダ「さっきの発言はいったい、何なんだよお!?」

「要するに、ザコだけども気にしないでくれと(笑)」


 さらにダンジョンは続く。途中、崩れかかった扉を牛くんが破壊すると……。


GM「武器庫らしい。判定はいいや。探すと、壊れていなさそうな単分子剣が一振りだけ見つかるよ」

「なにそれ?」

リンダ「単分子剣、ほしいいい!」

「欲しくはあるな」

アンディ「俺はないよ、もらう必要は」

志尾原「俺、もらってもしょうがないですから」

GM「単分子剣というのは、古代銀河帝国の<伝説の武器>の1つで、何でも斬れる片手剣だ。もっていくのかな?」

アンディ「もらってあげなさい」

リンダ「おっしゃあ! 単分子剣! 命名してやるぞ!」

「オイ。ジャンケン……」


 運命の女神は、ときとして皮肉な裁定を下す。


リンダ「あううううう! 単分子剣〜(泣)」

志尾原「銃器はないんですかね」

(BGM:「あああああ、単分子剣〜(泣)」)

GM「古代銀河帝国は高度なバイオテクノロジーに依存してたらしくてね、ここにある銃器類の殆どは生物っぽくて、『どうやって使うんだ』って形のものばかりだ。しかも干からびてミイラになっている」

「銃のミイラ(笑)」

(BGM:「おおおおお、単分子剣〜(泣)」)

「とりあえず、ミイラに向かって手を合わせておく」

「ふふふ♪ ようやく俺の腕に見合うだけの剣が♪」

アンディ「ぶんぶん振り回してるわけね」

リンダ「ちくしょおおおおおおお…………(号泣)」


 わめき続けるリンダを無視して一行は進む。と。


GM「扉が開いてだな。部屋の中に入ると寒くて、人の身の丈ほどもある金属製の筒が並んでいる」

リンダ「なんだそりゃ」

GM「筒を開けると、溶液をつめた試験管がずらっと」


 どうも、古代の兵器生物の遺伝子らしいのだが。冷凍保管だから、外に出したら腐るだろうということで、持っていかないことに。惜しいねえ、それでも生物関係の企業に密売すれば、少なくとも500万ガメルにはなったのに。ふふふ。


「では、進めすすめ! 先へ進め!」

GM「また、さっきの甲殻類の化け物が」

リンダ「もう殺ス、絶対殺ス、今すぐ殺ス!」


 群体レギオンちゃん、1回も攻撃できず(せっかく独自に設定した拡散メーザーカノンがあ……)。わずか1ターンのはかない命であった。
さて、通路を更にいくと。


GM「牛さん、知性度で判定を(笑)」


 無論、失敗。今回はややGMのカードが強かったが。ともあれ、いきなり通路の気圧が急減圧して、ショック波が一同に襲いかかるのであった。
 志尾原君と魚さんが気絶、ダメージ1。


GM「誰か起こしてやれ!(笑)」

「どうやって?」

GM「蹴る、殴る(笑)」

「はあい、顔を舐める(笑)。狼ハーフだもん」

GM「それは、みんなすぐ起きるな。ギラ軍曹が、『リンダちゃん、いい友達もってるわね』」

リンダ「そうね……といって、ふっと涙目になる(笑)」

GM「さあ、そこを曲がって下へ降りると! 小さい薄暗い部屋だ。そして奥の祭壇に、玉虫色に輝く金属で出来た、卵のようなものが並んでいる。5、6個かな」

「お姉さんの匂いはあるかな?」

GM「匂いも何も、脇に立って高笑いしてるんだよ(笑)。『ふっ、今頃きづいても遅いわ!』とかいって」

リンダ「うおおお! そのタマゴを取るのは、私ぃい!」

「髪を逆立てて怒ってる。ふーっ! がう!」

リンダ「もう殺ス、絶対コロス!」

GM「『カプセルを取らせちゃダメ! 壊すのよ!』と、ギラが叫ぶ」

リンダ「ええっ、壊すのお?」

志尾原「(歌)イニシアチブ〜取りにいくぜえ〜♪」

「(歌)取りにいくぜえ〜♪」

「取りにいくう!」

GM「今リンダさんが壊すの嫌がってたけど。たしかに、この手のものは生物関係の企業に密売すれば高く売れるぞ」

志尾原「(歌)カネは関係ない〜、とにかく〜潰すゥ〜♪」

リンダ「カネだあっ! 6個あるんなら1個ほしい!」

「今回は戦闘に1回しか参加してない。よって殺ス。」

アンディ「参加したいけど、みんな後ろから撃ってくるんだったら、突っ込んで斬れないから(笑)」

「あ、ちなみにどっちにしろ突っ込むから(笑)」

GM「(ヤバイって、この狂人の群れ。ここでトランを殺されると後々まずいから、本気でいくゼ)じゃ、トランもイニシアティブとるぞ! カプセルに手をのばそうとする!」


 なんと、牛とトラン、2のペアで引き分け!


「2のペア! ぐふふふふ、ぐふぁふぁふぁふぁ! とったりいいい!」

GM「なにい、同時かあ! どう処理しようか……牛は何をしようとしてるの?」

「とうぜん走りよって、ナグるに決まってるじゃん!」

リンダ「駄目だ、トラン死亡かもしれん!」

GM「とりあえず、牛は近接距離まで行ったと」

「うん。攻撃はまだナシね?」

「じゃ、月ちゃんも一緒に突っ込んだ」

志尾原「(歌)あまいぃ〜〜私は遠距離で撃つぅ〜〜誰に当たろうと知らないいぃ〜〜♪」

アンディ「……ホラ、ホラ(笑)。だから、待機になっちゃうんだ(笑)」

GM「ふむ、同時だからな。牛が距離をつめると同時に、トランがカプセルに触れたということになるのかな。
すると、カプセルが光り輝いて、トランも光り輝いて……」

志尾原「(歌)輝いてるうちに撃つぅう〜〜♪」

GM「何を撃つ? 卵か、トランか」

志尾原「(歌)そのへん一帯ぃい〜〜♪」

「やめろ、バカモン!(笑) ライフルであってマシンガンではないぃ!」

GM「じゃ、卵を狙うのかな。判定値マイナス2」

志尾原「はい、いきま〜す。スペードの7〜♪(笑)」

GM「……当たってるよなあ。卵が吹っ飛ぶと同時に、トランが、ハッと我にかえって『ああッ、何てことををを! 私の竜があッ!』」

リンダ「次は私ですね。卵が欲しい! モーレツに欲しい!(鳥人系異星人のいき後れ娘か、お前は)」

志尾原「卵はもう、潰れてます!(嬉)」

GM「1個はね。あと5個だ」

志尾原「えッ、対戦車ライフルで撃ったのに!?」

GM「対戦車ライフルといったって、ただの徹甲弾だよキミ。炸裂はしないんだよ。隣にあった卵が1個、『ころッ♪』って転がって、横になった(笑)。それぐらいにしとこう」

志尾原「だって、車が弾け飛ぶような、こんなデッカイ弾が当たってるのに! 周りもみんな消し飛ぶんじゃ!?」

「ところで、卵の大きさってどれくらいだ?」

GM「ダチョウの卵ぐらい」

「じゃ、しょうがねえな(笑)」

リンダ「ま、いいや。トラン殺ス。撃ちぬく」

「ちょっと待って、逮捕が目的なんじゃ!?」

志尾原「(冷酷)消シ飛ベ。」

リンダ「だって軍曹さ、『出来れば』って言ったじゃん!」

GM「『……………へええ〜?』」

リンダ「……い、今一瞬、殺気を感じた! 卵、取りにいきます(一同爆笑)。卵、取りにいきます!」

GM「ああ、そうなの?(笑)。ふうん、撃たないのか。それは残念だね(笑)」

リンダ「だ、駄目だ。『へええ……』という、その一言で(笑)」

「動けなくすれば……」

「膝、撃ちぬくとか」

GM「パラフリって、そんな細かいルールないんだよね」


 使うとすれば、<峰打ち>くらいか。攻撃判定マイナス2だが、命中すれば相手にKOダメージのみを与えられる。
 さて、GMは、『走りよる』ことで『卵を取った』とすることにした。判定は不要、カードを出すだけ。簡単だ。


リンダ「ツーカード」

GM「ま、問題ないな。卵を1個つかんだ(あ、そうだ。こうした方がオモチロイな、こうしよう)。
 ……ああ、つかんじゃったのか。ヤレヤレ(笑)。そうすると、君の体は光り始めてだな……」

リンダ「はい!? なに!?」

GM「何というのだろう、光り輝くエネルギーの場とでもいうようなものがリンダさんを中心に発生して、部屋全体が崩壊しつつあるんだなあ」

リンダ「しまったああ!」

「うわああ!」

GM「で、『久しぶりに起こしてくれたな』と、脳裏で声が聞こえるような気がするよ、リンダさんは(笑)」

「バカモンが!」

「お姉ちゃん、なにやったの!?(笑)」

リンダ「どうすりゃいいんだあああ!」

GM「で、トランとかが『ひいい〜』などといいつつ逃げ惑っている。さて、次の人の番なんだが」

アンディ「え? 待機、待機(笑)」

GM「あの、外壁が崩れてくるんだけど(笑)。『ドドド……』とかいって」

「待避、ですね」

志尾原「撤収ぅ〜(笑)」

GM「撤収? じゃ、瓦礫をよけながら逃げてくれ。リンダさんは、そのまま変態を続けていてくれ(笑)」

リンダ「ちょっと待ってくれえええ!(絶叫)」

「さようなら、リンダちゃん……とかいって(笑)」

GM「光り輝いてます、光り輝いてます(笑)」

「お姉ちゃん、早くう! といいつつ、逃げる(笑)」

GM「『やれやれ、リンダちゃんもちょっと早まったわねえ……』と、ギラ軍曹が言ってる。さて、難易度5で、DEXで回避を2回できたら外に出れたことにしようか」


 2回目はアンディ、牛、趙が落ちてくる瓦礫を避けきれず、頭に直撃して4ダメージもろに入る。血まみれの重傷だ。


GM「よし、じゃあみんな遺跡の外に出たね」

「リンダお姉ちゃんは?」

「知らない(笑)」

GM「神殿が、こう、中から幾筋も光の帯を発してだね、内部から崩壊していくんだよ。で、中から姿を現したのは、さっきのゼランボラと同じような、大きな竜だ」

「ああ、リンダさんだね(笑)」

GM「うん。やや戸惑って、自分の手など眺めたりしているようだ(笑)。さて、リンダさんなんだけど。気がついてみると、自分が巨大な竜に変化しているのを発見したね」

「お姉ちゃん……ワードラゴンだったの?(笑)」

「(歌)さよなら、さよなら、さよなら〜ぁあ♪」

「惜しいのう、けっこう可愛かったのに(笑)」

GM「うむ。『おお、連れ合いが出来たか!』といって、さっきのゼランボラが喜んでいる(一同笑)」

リンダ「…………やっちっったああ!(一同爆笑)」

GM「ま、トランもね。茫然と砂漠にしゃがみこんで、『やっぱり……よかったかも。とらないで』とか言ってる(笑)」

リンダ「ところでさ、『久しぶりに起こしてくれたな』ってことは、人格2つなの?」

GM「まあ、けっこう……そんな感ぢ?」

「けっこう、そんな感じらしいよ(笑)」

アンディ「たのしい〜(笑)」

「あ、そうだ。我にかえって、トランお姉ちゃん1発なぐりたい。なんで騙したの!? ぺち!」

志尾原「なんで騙したの!? ゼロ距離対戦車射撃(笑)」

「ウソついちゃいけないんだよ!」

GM「『うう、それはその……魔がさしたというか、ここのカプセルは生物関係企業に高く売れると聞いて……』と」

「『ごめんなさい』は!?(笑)」

GM「うむ。言葉もなくうなだれているな。
 さて。そうこうするうちに……」

志尾原「(リンダを指す)で、問題はコレ(笑)」

GM「……反重力エンジンの轟音が響くね。上から降りてくるのは、黒塗りの、直線的なカッコイイ駆逐艦だ」

リンダ「ARAC!」

GM「そう。それが着陸するとね、中からサングラスした黒づくめのサイボーグっぽい奴らがぞろぞろ降りてきて、トランを逮捕していくんだな。それで……、
『隊長! あの古代竜はどういたしましょうか!?(笑)』
『ふうむ、おかしい。報告ではこんなにたくさんいるハズはなかったということだが』
『どういたしましょうか。やはりここは、艦砲で殲滅するのがよろしいかと』」

リンダ「きさまあー!(一同笑)」

「うん。それがいいような気がしてきた(笑)」

GM「『まあ、まあ、まあ』といって、ギラが『ここはやっぱり、素直に分離させてあげるのがいいでしょう』と」

リンダ「え!? あ! 軍曹ー! 涙目(笑)」

「でもドラゴン(笑)」

GM「知性判定、難易度3で成功したら分離できるよ。まあ、乗り降りするようなもんです」

「失敗したらドラゴンになるらしい(笑)」

リンダ「たのむ! 誰か助けてえええええ!(笑)」

GM「<応援>しろ、みんな! ギラ軍曹も愛弟子のために応援するぞ!(笑)」


 リンダが出したのは、『友情ぱわー』のシーケンス。記録音声からは数値は不明だが。GM側はJのツーカード。


リンダ「あぶなかった、危なかったあ!」

GM「リンダさんは、ハッと気がつくと砂の上に寝かされていて、みんなが顔を覗きこんでいる」

「よかったね、お姉ちゃん! といって抱きつく」

志尾原「再びこのようなことがないように、我が社の保険に(笑)」

GM「『まだちょっと、あなたにはあの仙竜は早いと思うわ』といって、ギラ軍曹が首を傾げてる。『いずれ、そのうちね』ということだ」

リンダ「いずれ、そのうち……(笑)」

GM「さて、その工作員っぽい連中だが。回収作業をやって、遺跡から色々持ち出したようで、『まあ、かなり学術的に貢献されたことですし、あなた方も色々あったようですしね。とりあえずここは、金一封というか。遺跡の……』」

リンダ「口封じかい!」

GM「そういうことだ。『1人、240万ガメルを。では、この場所のことは奇麗に皆さん、忘れるように……』」

リンダ「その日から1週間、リンダさんは夜な夜な怪獣になる夢にうなされるわけね!(笑)」

GM「で、駆逐艦は飛び立って、ギラ軍曹も『じゃあね!』といって、竜に乗って飛びさっていく。今回は、マイルドに飛び立ったようだ(笑)」

「じゃあねー、竜ちゃん! といって手を振る」

GM「うむ、竜はまなじりの鱗を下げて応えてくれたぞ。で、光の翼を広げて飛び去っていく」

「この子、近づきすぎて吹っ飛ばされてそうだな(笑)」

GM「あれ? 気づくと君ら、置き去りにされてるんだな……じゃあ、救難が来るまでの1、2週間、そこで頑張っていたということで(笑)、今回は終わりだ。このシナリオ長かったから、経験点は1人100点あげよう」



 ということで、状況終了!


 追記:各人の成長について
    牛/成長なし。
  リンダ/成長なし。
 アンディ/レベル3に。具体的な成長は次回冒頭に。
  志尾原/レベル5に。DEXを1点上昇させる。
    趙/レベル3に。具体的な成長は次回冒頭に。
    魚/レベル3に。具体的な成長は次回冒頭に。


 成長について

 まず注意しなければならないのは、経験点は累積され、必要経験点に達した
ら、『成長』するということ。GMの弟はずっと勘違いして『ソードワールド』
式にいちいち経験点を消費、マイナスしていたため、1クール(13話)の冒
険を経た今でも、まだレベル6にとどまっているのだ(笑)。
 また、1回のシナリオでは最大2レベルまでしか成長することができない。
更に、成長は13レベルが上限である。

 *成長に伴い、出来ること(どれか1つだけ)*

 詳細削除。技能をあげたり、武器や防具を入手したり、悲劇、贈り物や艦艇を取得したり……、と選択肢が広い。詳細は基本ルールブックか逆襲編でご確認ください。
 5レベル以降は非常に成長しづらくなるので、技能をあげておいたほうが無難かも。



パラフリRPG怪獣大図鑑
              [第七話<熱砂の竜>篇]


         略称について:[火]=[火力値]。
 注:火力値の攻撃が人間に当たった場合、10倍の直撃ダメージが入り、なおかつ火力値分の巻き込みダメージも加わる。無謀な対怪獣戦は死ぬことと見つけたり。

 イ、傭兵仙女<ギラ軍曹(ギラ・ル・ド・ジーニャ)>
   身長/150センチ 3サイズ/上から(検閲)。
   技能:[戦術]8 [育児]9 [料理]7 等々
   出身:不明
   年齢:不明
   破壊力:不明
   性格:過激
   装備:携帯レーザー砲/ダメージ6([火]1)
      拳銃/ダメージ3 等々
   備考:仙竜<ゼランボラ>を相棒としている。
   職業:現在は傭兵業界の第一線を退き、主に教官として活躍している。
が、面白そうな事件があると勝手に首を突っ込み、さんざん周囲の人間に迷惑をかけまくって好き放題に暴れることも。

 ロ、地底巨竜<リュ・グ・ゾンド>
   体長/220メートル 体重/2300トン
   装甲:400
   能力値:4ランク(全ての能力値が4ということ)
   兵装:抗グルーオン領域発生ドリル/[火]30
      ソリトン状散弾プラズマ弾殻/[火]40
   生命点:1000/気絶/死亡
   備考:地底からの奇襲を旨とする<仙竜兵>。エジェンガで胚の状態で休眠していた<守護者>であるが、ギラの介入により復活した。周囲に電磁場を展開し、獲物の生体電位を感知する。


 ハ、遊砂斬魚<サバクトラザメ>(標準個体)
   体長/3メートル 体重/200キロ
   能力値:3ランク
   装甲:2
   生命点:4
   兵装:抗グルーオン領域発生ドリル/ダメージ4
      抗グルーオン領域発生ヒレ/ダメージ6
   備考:元々はエジェンガにあった卵が、数百年前に孵化して惑星全土で繁殖したもの。周囲に電磁場を展開し、獲物の生体電位を感知する。


 ニ、遊砂斬魚<サバクトラザメ>(大型個体)
   体長/6メートル 体重/1トン
   能力値:5ランク
   (以下、標準個体と同様)

 ホ、珪素生物<群体レギオン>
   体長/3メートル 体重/300キロ
   能力値:2ランク([回避]のみ4)
   装甲:2
   生命点:5
   兵装:爪/ダメージ4
      拡散メーザー砲/巻き込みのみ*ダメージ6
   備考:映画<ガメラ2/レギオン襲来>参照。





<さらなるパラフリ情報の目次>

 G&Mのどきどき戦闘講座

 GMインタビューコーナー

 スペースオペラのススメ

 追伸:逆襲編採用による主な変更点

 技能・装備一覧(未掲載・掲載予定なし)



<次回予告>
清水版パラフリRPG第8話<鉄血少女の憂鬱>

ギラ軍曹が収集した兵器の一部を売り払うという便りがリンダのところに
まいこんだ。
さっそく一同は駆けつけ、好き好きな武器を手にする。
だが、リンダが買ったそれは欠陥品で、しかも盗品だった!
本当の持ち主が現れて、ホロー分隊はまたも騒動にまきこまれることになる!

上級貴族の軍事おたく娘、レクシーの大暴走が楽しめる1本。
さあ、君も抗弾服をきてレクシーと握手!!



清水「さあ、さっそく第8話をよんでみよう!」

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清水「ここまで読んでくれて感謝! おつかれさま! 表紙へどうぞ」