極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第7話<熱砂の竜>ふろく


 スペースオペラのススメ
                −あとがきにかえて−

(注意:議事録作成当時に勢いでかいたものなので、あちこちで情報に誤りがあったり、古かったりしております)    



            
 うおおおおおおっ! やっぱスペオペは燃えるぜい! ファンタジーなんぞに負けちゃいねえええ! ついでに怪獣モノなんかもちょっと混ぜたりなんかしちゃったりして、こいつが清水流<パラフリRPG>ワールドでいっ! さあみんな、熱きスペオペ&怪獣ワールドへワープ・インっっ!!

 ……という感じで、リプレイそのものは1週間ほどで仕上がった。挿絵などの付録作成にむしろ時間をとられた感があるが、スペースオペラでは特に映像面も重要と考え、自分なりに力を入れたつもりである。如何?

 今回はじめてパラフリの世界に触れられた方でも、だいたい雰囲気や世界観は把握できたものと思うのだが、スペースオペラそのものに馴染みがないという方もおられると思うので、参考資料を幾つかあげておく。これらを鑑賞すれば大分、情景なども具体的に想像しやすくなるものと思う。

(小説)
<キャプテン・フューチャー>シリーズ/エドモンド・ハミルトン/ハヤカワ文庫
<スターウルフ>シリーズ/上同
<星界の紋章>シリーズ/森岡浩之/ハヤカワ文庫JA
<知性化戦争>デイヴィッド・ブリン/ハヤカワ文庫

(映画/公開西暦年度)
<スター・ウォーズ>シリーズ(1977〜)
<エイリアン2>(1986)
<ガメラ 大怪獣空中決戦>(1995)
<ガメラ2 レギオン襲来>(1996)
<ゴジラVSメカゴジラ>(1993)
<ゴジラVSキングギドラ>(1992)
<ゴジラVSビオランテ>(1989)
<ゴジラ>(1984)
<三大怪獣地球最大の決戦>(1964)
<ゴジラ>(1954)

(ゲーム)
<ギャラクシーファイト>(サンソフト)
<スターグラディエイター>(たぶんカプコン)

 一部、別分野の作品が紛れているが気にしないように。

 また、マンガでは藤子(F)大先生の<21エモン><モジャ公>にも熱きスペオペ魂が溢れているのだが、近ごろ書店で見かけられないのが残念。ちなみに、アニメ版<モジャ公>は不可。うっ、そういえば! あのとき早稲田で見かけた<モジャ公>(愛蔵版)、買っておけばよかったああ! などという個人的事情はさておき。

 こんなにたくさんエイガ観る気はねーよ、という方は、せめて<スター・ウォーズ>(第一作目)だけでもご覧いただきたい。飛び交う宇宙戦闘機や巨大戦艦、交錯するレーザー、さまざまな異星生物……スペオペのすべてのビジュアル・イメージがここには存在している。全9部作(近ごろは6部作という説もあるとか)だそうだが、いまのところ映画化されているのは三部作だけである。まあ、三部作どれでも、とにかく文句なしに面白いんで。そういえば、来年(97年)に修正版が劇場公開されるという話もあることだし、関連の小説や模型などを買いあさって<スター・ウォーズ>世界にどっぷり浸るのも悪くはないだろう。

 また、日本SF大賞を受賞したという<ガメラ2>に至っては、鑑賞はもはや日本国民の義務である。元々、怪獣映画という分野は、その特殊性と、一部に熱狂的な愛好者がいるという点で、スペースオペラとの共通項が多い……と私は感じている。
 そこで、多分こんなことを提言するのは私だけであろうが、いちおう以下に、アルフェリッツ傭兵事務所教練課程に基づいた<怪獣道2年習得システム>の全容を記しておく。

 『手順としては、(まだ二本しかないが)まずは<平成ガメラシリーズ>をしっかりと脳内思考結晶記憶巣に収め、次に<平成ゴジラシリーズ>に進むのが妥当であるものと解する(通説・判例)。また、1996年11月現在、放映中の<ウルトラマンティガ>(土曜/TBS系夕方6時より)は、無論、必見である。裏番組の動画作品など視聴しているようでは、<至高の怪獣神>(?)への到達は、到底おぼつかないものといえる(判例同旨)。

 最終的には、初代<ゴジラ>を含め、旧<ガメラ>(1964〜1980)シリーズなどの怪獣映画作品を網羅的に鑑賞するのが望ましい。また、この課程で<ウルトラマン>(1966)を始めとする旧ウルトラシリーズをそれぞれ最低でも1クール分は視聴し、SFの誉れ高い<ウルトラマングレート>(1990)を総括として全話鑑賞すると尚更、理解が深まるものと思われる(有力説)。なお、情報量の多さに鑑みて、各社から出版されている怪獣愛好者向けの『ムック』を最低でも十冊ていどは読破し、情報整理を行うべきであろう。
 さらに学習の進んだ方は、季刊<宇宙船>(朝日ソノラマ刊)を毎回購読し、最新の学説・判例を学ぶのが望ましいものと思われる。以上。』

 まあ、ここまでしなくても最低限、平成ガメラだけでも観ておけば、だいたい怪獣モノの雰囲気は掴んだといえるだろう。リアリズムに基づいた、かつての怪獣映画のあるべき姿が、あの二作には凝縮されているといえる。観るべし。

 一方で、旧ガメラや<VSギドラ>以降の平成ゴジラシリーズの奔放さもまた、怪獣界のもう一つの重要な魅力であろう。

とくに、並み居る怪獣たちの中でも独特の位置をしめるメカ怪獣について知るためには、<VSメカゴジラ>(旧メカゴジラでもよいが)は必修科目である。

 さらに付け加えるなら、一部で<東宝自衛隊>とよばれる、現実には存在しない超兵器群の存在も忘れてはならない。これは、徹底した現実主義に基づいた平成ガメラシリーズには全く含まれていない要素なので、ゴジラシリーズで学ぶしかないだろう。新しめのところでは、八四年版<ゴジラ>、<VSビオランテ>に登場する<スーパーX>、<スーパーX2>は、メカゴジラとモゲラを除けば史上最強の対怪獣兵器であるといっても過言ではない。

 んもう、とにかくカッコいいんだから! 私の母親なぞ、スーパーXのテーマを今でも口ずさむくらいである。

「司令! カドミウム弾はもうありません! 通常兵器だけです!」
「かまわん。発進する!」(84年版<ゴジラ>より)

 くううっ、カッチョイイ〜。

 ちなみに、4代目(2代目と呼称する場合もある。世界観が交錯していてややこしいため、詳細については省略)ゴジラの遺作となった<VSデストロイア>にも<スーパーX3>という後継機が登場するが、活躍場面は少ない。また、メーサー兵器(制式にはメーザーなのだが、あえてこう呼ぶ)も熱狂的な愛好者を有する対怪獣兵器である。平成ゴジラシリーズには<92式メーサー戦車>が通して出演しているので、毎回、形状のことなるメーサービームの美しさを比較、研究してみるのもまた一興。ただ、カリスマ性? という点においては、<サンダ対ガイラ>(1966)に出演した<66式メーサー殺獣光線砲車>が一番かと。演出の良さのためか、未だに愛好者が多いメカだそうだが、少なくとも外見的には現メーサー戦車の方が美しいといえるのではないか(私見)。

 また、<宇宙怪獣>のカッコよさに浸るなら、『あの』キングギドラが初登場する<三大怪獣地球最大の決戦>は不可欠であろう。これは私のような平成G世代の怪獣愛好家どくとくの意見であると思うのだが、あの頃の怪獣映画からは我々がまだこの世に生を受けていない、六十年代やそれ以前の時代の雰囲気がどことなくにじみ出ているような感覚があって、なかなか味わい深い。ギドラの出現シーンが最高にイカスし、これも必見かな、ウン。引力光線の地上掃射による空爆も非常に『燃える』!(平成ギドラもよいが、動きの美しさは昭和ギドラが一番である)
 飛行怪獣による都市空爆も、いずれ<パラフリRPG>でこなしてみたい情景ではある。

 いっぽう平成キングギドラは宇宙怪獣ではないが、指向性光学兵器による対地攻撃およびそれに対する対空攻撃戦術を学ぶ上で、<VSキングギドラ>は必見であろう。そもそも、平成両Gシリーズの最大の功績の一つに、芸術の域にまで達したビーム描写というのがある(私見)が、これは<VSキングギドラ>がその嚆矢となったわけで、指向性光学兵器−−いわゆるビーム兵器−−愛好者の方は、必見である。

 そういえば、ビーム兵器もまた、怪獣の大きな魅力である。

代表的なものとしては、まず、ゴジラの<放射能熱線>がある。その発射形態には、<体内放射>(VSギドラ等)<融合反応熱線>(VSメカゴジラ等)<連続発射>(VSスペースゴジラ)などが……むぅ、いかん。このへんで止めねば。読者がひいているような気がする。

 さて。若干ほんらいの趣旨から外れた気がするが。

 小説では何はともあれ、<星界の紋章>シリーズ(全3巻)がオモチロイ。一番さいきんのスペースオペラ作品(某<ローダン>シリーズは除く)だし、ちょっとハイ・ファンタジーな雰囲気が漂うところなど、いかにも日本的、現代風で良い。設定も適度に『濃い』し、こいつぁハマる作品だぜ!

 あと、<とんがり耳の美少女>マニアのそこの君! そう、キミだよ! 君は必ず読むこと!(趣味)。

 ただ、私はどちらかというと、<地球中華思想>(造語)に基づいているSFよりも、いろいろ異星人が出てくる作品の方が本当は好きなのだが……。はッ!? <知性化戦争>は、異星人美少女(?)マニアの君は必読! そう、(以下略)。

 ふっ、イカンな……どうもアツくなりすぎたようだ。まあ、<知性化戦争>って、殆どのSF愛好者は『スペオペなんかじゃない! これはハードSFだ!』って言うと思うんだけど、異星人ゾロゾロな宇宙観がかなり私好みなんで、リストに入れさせてもらった。それぞれ個性的な種族で、ホント面白いッスよ。因みに私は、ソロかティンブリーミー派。

 次に、シブい傭兵部隊のカッコよさに酔いたいなら、<スターウルフ>(全三巻)かな? 傭兵の人は読むこと(高圧的)。高重力の星で育ったという戦闘民族、スターウルフがカッコいい! 悪役だけど(笑)。

 渋いのより楽しいのがいい! という人は、<キャプテン・フューチャー>がお勧め。私も詳しくは知らないが、なんでも戦前? の作品だそうで、古典的名作といってもよいだろう。太陽系の惑星それぞれに異星人が住んでいるあたり、古き良き時代の香りが漂っていて、個人的には好きである。それに、何といってもサイモンやグラッグ、オットーなどといったキャラクター同士のかけ合いが楽しい。<パラフリRPG>や<モジャ公>は、どちらかといえばこちら系のような気もする。やっぱり個性的な登場人物ってイイよな。

 まあ、それはそれとして。

 [対戦車ライフル]マニアのキミは、<エイリアン2>を観るべし。対戦車ライフルこそ出てこないが、重武装の『宇宙海兵隊』(この単語好き)が、重火器でもってエイリアンを片端からしばき倒すところが異様にカッコよいので。輸送機器類も、スラコ号、ドロップシップ、装甲兵員輸送車など、もう鳥肌モンである。それに、ヒロインが男まさりで凛々しいのも良いし、何より、エイリアン女王との最終決戦の<アレ>が……っ!

 なお、<しきがみおえど>出身PCの遊戯者は、企業倫理の冷徹さを知るために、第1作<エイリアン>(1979)を観るとよいかもしれぬ。実はあの冷酷な<企業>、日系企業だという裏設定があることだし。映画を観る時間がなければ、角川文庫からシリーズ全三巻の小説も出ている。

 ただし、映画版第一作は『SFホラー映画の金字塔』といわれるだけあってかなり描写が生々しいので、そういった系統の物語が苦手な人には勧められない。注意せよ。

 最後に、ゲームについて。<ギャラクシーファイト>は、スペオペ対戦格闘ゲームの傑作。たしか、セガサターンやプレイステーションで遊戯できたと思う。ちなみに私の持ちキャラは宇宙怪獣? ギュンターくん。あれで、最終ボスが人間型をしてなければ、完璧なんだがなあ……。ちなみに、リンダさんはこのゲームの宇宙盗賊ジュリがモデルということなので(タカ氏談)、イラストの方も、ほとんどジュリのパクリとしてしまった。いかんなあ、まったく(笑)。どうでもいいけど、ムサファーって<ロボコップ2>に出てきた悪役ロボット、<ロボコップ2>にそっくりだよね。

 <スターグラディエイター>は、三次元式対戦格闘ゲーム。映像が華麗だし、何より非地球人類型生物が多いのがたまらない(リムガル超好き)。やはり爬虫人類は男のロマンですぜ、旦那! ……しかし私は、対戦格闘ゲームは<サイキックフォース>と<電脳戦機バーチャロン>以外は全くもって苦手なのであった(悲)。だから詳細は不明ということで。すみません。たしかプレステで遊戯できたと思うんで、誰かやりこんで、同人誌でも作ってみては如何?

 余談ではあるが、<企業戦士ヤマザキ>(富沢順/集英社*スーパージャンプコミックス)は、<しきがみおえど>のサイバービジネスマンの元ネタになったマンガだと私は睨んでいる。読むと心象が具体的になって良いやもしれぬ。

 さらに余談。高校時代の拙作<追跡者>シリーズを読んで下さっていた方は、あれの<追跡者SS/宇宙篇>を思い浮かべると、私なりの宇宙観を捉えてもらえるものと思う。ただ、まだ読んでいないという方は、読む必要は全くないものと解する。けだし、今の私自身、あの程度ではとても満足できないので、読者の方は尚更であろうから。

 いずれ、これが俺の代表作だ! と言えるものが出来上がったときには、独創のTRPGにでも仕上げたいものである。なお、<パラフリRPG>に、<追跡者>のそれに類似した人物や設定が登場しても、それは全くもって気のせいなので、意に介さぬように。

 むうう、つい長くなってしもうたわ。一言ことわっておくと、私はさほどSFや怪獣に詳しいわけではないので、いろいろと突っ込まないよう、お願いする(そもそも一介の大学生が偉大な先人の業績をああだこうだと言うこと自体、おこがましいというものよ)。まだまだ面白い作品もあるし、あとは読者のみなさんご自身で探されるとよいだろう。

 最後に、5時間以上もPCを熱演してくれた遊戯者のみなさんに感謝を。ではまた、再会を期して。

 銀河暦1996年11月末、自宅にて       清水三毛



 追伸
 むきょー! <モジャ公>ついに発見! 小学館コロコロ文庫で出てたなんて知らなかったッス! さあ、みんなも一緒にモジャろう! このマンガは『買い』ですぞ!

 でもこの文庫、<ダンボコ>の話が収録されてない気がするんだけど……なんか、最終回の結末も記憶と違うし。誰か、
事の真相を教えてくれませんか?

 追伸その2
 <モジャ公>の単行本について。近ごろはアニメ版の物語をマンガ化したらしいまがい物(笑)も出回っているので、ご購入の際は混同なさらぬよう、ご注意なされよ。



次へ! 逆襲編と元祖パラフリの変更点を検証する!
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