極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第7話<熱砂の竜>

GMいんたびゅうコーナー




「みなさんこんにちわ! アルフェリッツ宇宙傭兵事務所所属、経理担当のR(リュート)です。今日は、<パラダイスフリートRPG初号版第1期シリーズ>第7話『熱砂の竜』の脚本・監督・演出を担当された、清水三毛さんに色々とお話を伺ってみました。怪獣映画のムックによくある、スタッフ・インタビューみたいな感じで読んでくださいね。それでは!」

 編者注:文中にある<パラフリRPG零号版>というのは、清水の担当するもう一つのパラフリシリーズのことです。

−−今回の作品の企画について伺いたいのですが。

GM:これはね、以前の<パラフリRPG零号版>にあった『熱砂のドラゴン』が元になってるんですよね。まあ、リメイクとでも言えましょうか。で、事情があってしばらくGMを休業することになりましたんで、かねてから要望のあったギラ軍曹の登場する話を最後にやっておこうと。

−−なるほど、それで今回の企画がスタートしたと。

GM:まあそういうことです。ギラ軍曹ってのは、<零号版>では、あと3話ぐらいあとに登場する怪獣、もとい宇宙傭兵なんですが、今回『熱砂の竜』に登場させることを前提としまして、脚本を書き変えたわけです。あと、<エルレリア>とか……これは裏設定ですが、<抗グルーオン領域発生ドリル>などの小道具も新規に設定されてます。

−−他にはそういう新規設定はあるんですか?

GM:あとは、例のサメとか、地底竜は、生物体の放つ電位差による、微弱な電磁場の乱れを感知して攻撃してくる……とか、このへんも『熱砂のドラゴン』にはなかった設定かな。
 そうそう、設定じゃないけど、何といってもギラの登場シーンがね。NPCのくせに! という(笑)。実はあのシーン、私の弟の発案なんですよ。怪獣(笑)は、初登場シーンが重要とか何とか、そんな話で。『この登場シーンなら、<アメリX>ファンのプレイヤーがいればガッチリハートをキャッチだぜ!』なんて言われたらもう、ねえ!
 シチュエーション的にも、なんか『吊り橋でギャオスを倒すガメラ』みたいでカッコいいし(笑)。

−−あ、あのシーン私も大好きです! 姉なんて、劇場で叫んだんですよ、『イカスぞガメラぁッ!』て(笑)。

GM:まあね、弟のキャラもギラ軍曹には大分まいっておりまして。後輩を苦しめるのは楽しいみたいです(笑)。で、是非とも皆の苦悩の声を……という要望があって、今回リプレイ収録ということになったんですわ(笑)。最初は、ギラは『あの』演説の場面が初登場の予定でした。街に入るといきなり、ああいう演説をやってて……という感じで。

−−実際、公開が終わって、リプレイを眺めてみた感じでは、手ごたえはどうですか?

GM:そうですねえ……評価はプレイヤーの方々に任せますけど。けっこう自分では気にいってます。やや長めで、対メカというか、対巨大怪獣戦などもあるので、初心者向けではなかった気もしますが……PCの方々のおかげで、シナリオ段階よりも面白いシーンが増えてますし。

−−特に、ギラ軍曹におびえるリンダさん? 私もギラさんの訓練にはついていけないけど、それ以外ではいい人だと思いますが(笑)。

GM:事前に打合せというか、リンダにだけ情報公開をしておいた甲斐がありましたよ(笑)。『じっ、じい!? Gが動いているう!』とか、リプレイ起こしてても笑っちゃいました。今回、ギラを登場させるとは言っておかなかったのも、いい方向に作用したんじゃないかな。あと、古代遺跡でトランを射殺しようとしたシーンの『へええ〜?』っていう台詞?(笑)
 あれ、ホントはギラとしての台詞じゃなくって、展開に困ったGMの困惑の声だったんですが(笑)。あそこまでノッて演技してもらえると……笑えますね(笑)。

−−遺跡の場面では、彼女、主役みたいでした。いや、ボケ役かな?(笑)

GM:まあ、ある意味ではね(笑)。やっぱ最後の、竜変化のインパクトが(笑)。あれもホントは、PC全員がドラゴンに乗り込んで、トランのドラゴンと巨大怪獣戦! となるはずだったんだけど。睡眠時間一時間で疲れきったGMに、そこまでやる気力がなかったんで、アドリブでああいう形に落ち着いたんじゃないかと今では思ってます(笑)。

−−ダンジョンのシーンは、やはり疲れる?

GM:それもあって、以降の脚本ではああいう大規模なダンジョンは少なくなっているハズです。まあ、今回はPCが取るものだけ取って、最短距離で突破したからマスタリングは楽でしたけど。<零号版>では大変でした、トランとリアルタイムで卵のある部屋まで競走させたりしたもんで(笑)。単分子剣は見つけられず、なぜか古代のハニワなんか拾ってるし。キミのことだよ、牙 狼々!(笑)

−−牛さんの活躍シーンが、いつもに比べて少なかったような気がするんですけど。別に、私が肉弾戦が好きとかそういうわけじゃないんですが(笑)。

GM:でも、ゾンドとの砂漠戦では牛さん活躍してたでしょ? 恒例の友軍誤射もきっちり食らってるし(笑)。
 ただなあ……やっぱりGM泣かせなのが、対戦車ライフルマン(笑)。モンスターが近寄る前に、全部吹っ飛ばしちゃうんだもんなあ。戦闘、ほとんど一撃で終わってるし……今後は、<切り札>への対抗策が課題かな(笑)。今後といえば、商売シナリオもいいかも。戦闘がないシナリオで、趙さんとか魚さん、アンディ君なんかがどう動くか、楽しみですねえ。志尾原君はもう、目に見えてるけど(笑)。

−−カットされたシーンなどはあるんですか?

GM:ええ、一応。ギブラーズの防衛軍基地に一行が行きますよね? 脚本ではあの後、PCは旅館にもどって作戦を練って、とりあえず寝る……と、そういう行動をとることが想定されてたんです。でも結局、ああいう展開になったので、リンダとギラのバーでの師弟水入らず〜(笑)のシーンがなくなったし、あと、ギラに教唆されて怒りに燃えた市民が、夜中ホテルに放火するシーンもなくなったな。<零号版>では、今回のギラに相当する役の仙人に、いきなり部屋にプラズマ弾ぶちこまれてたけど(笑)。あれはちょっと惜しいかも(笑)。あとは……そうそう、宝石店か、防衛軍化学科部隊でフェルテクト集積体を分析してもらうシーン? あれを実行してれば、すぐニセモノってわかったんですけど。

−−集積体といえば、夜の砂漠でのゾンド戦が印象的ですね。
でも、ニセモノなのになんでゾンドが誘引されたんですか? ひょっとして、演出ミス? それに、戦車に怪獣が倒されちゃうっていうのも、王道外れてるんじゃないですか?

GM:…………キミ、なかなかいい性格してるネ。あれはそういうわけじゃなくて、表面だけは本物だったんだよ! ちゃんと、<『内部は』プラスチック>って言ったハズ……だけどなあ。そうじゃないと、集積体の放つパルスをエルレリアで遮断して、トランが遺跡に直行した意味がないから。PCの方に誘引されてくれないとね。戦車の件は……ミスなんだけど、実は(笑)。あのロッドが作用した時点で、竜は昏倒するって展開だったんだけど、うっかり『茫然としている』なんて描写しちゃったもんだから……。でも、結果的には志尾原君の活躍が見れて、よかったじゃないか! ねえ!

−−なるほど、そうやって自らの失敗を美化するんですね♪

GM:…………ッ!

−−それに、お手製シナリオのリスト見てると、今回のも含めて毎回、<原住民>とか<土着宗教>とか同じモチーフが入ってるんですけど。意図した効果ですか?

GM:ふはッ!(自爆)

−−ごまかさないで下さいよ。それも水木先生風に。

GM:……あッ! あんなところに<ちびXさ>と<アメXア>と<ラXィール>が歩いてるぅ! きゃほッ!

−−(ぼそっ)重症……。

GM:おお! いかんいかん。キミが訳わからんことを言うから、ついついハードかつ重厚な怪獣研究家っぽくないことを口走ってしまったではないか! 全くもっていかん!

−−はああ(ため息)。まったく、この人は……。それでは締めくくりに、今後の展開など。

GM:ま、まあ今後は、重厚なスペオペというか。ハードSFみたいなのも、2クール(14話〜26話)からは、やってみたいかなー、と。まあ、狼々くんの<零号版>ではもう、1クール目のラスト、<サイバードラグーン>にさしかかってるわけで、ここは1つ、しっかりと今後の展開を見据えてですね、質のいい脚本を提供したいものと思っております。これからもどうぞよろしく……。

−−ハードSF? 1クール目までを見る限り、どこにそんな要素が……? ねえ、ロンちゃん? (「がう!」)

GM:ええいッ、やると言ったらやるんじゃああ! 以上、これで終わるっ!

−−んもう、強引なんだから。では皆さん、また次の号でお会いしましょうね。それじゃ。

(最後の2つのコーナーは、月刊<宇宙傭兵大好き!>銀河暦1996年11月号より抜粋)


清水「次にいこう。<スペースオペラのススメ>だ。内容は古いまんまですがね(苦笑)」

清水「第7話最終章へもどる?」

清水「さあ、さっそく第8話をよんでみよう!」

パラフリ議事録一覧へ!

清水「ここまで読んでくれて感謝! おつかれさま! 表紙へどうぞ」