極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第7話<熱砂の竜>

G&Mのどきどき戦闘講座



「あ、どーも初めまして。あたし、アルフェリッツ傭兵事務所の所長やってるM(ミリィ)っていうんだ、よろしく。今日の講座の講師は、あたしがやるから、しっかりついてくるように。あと、今日はあたしの研修生時代の教官であるギラの奴……じゃない、ギラ軍曹を呼んで、あんたらのために簡単にゲーム上の戦闘のコツを伝授することにしたんで、心して聞くようにね。じゃ、始めるよ〜」
清水「ちょっと一言。これはあくまで、清水三毛の独断と偏見によるルール解釈なので、誤解なきよう。公式じゃないですよ。あと、講座と銘打ってはいますが、ここだけ読んでも遊べないので、ルールブックをちゃんと買ってネ♪」



M「まずは戦闘の基本、二点交差発生式プラズマからね。最初に高速中性子線を二条、空間の一点で交差させて……」

ギラ「こら。いきなりそーゆー『深イ』ことをするんじゃないの。この宇宙の殆どの読者は、そんな真似できないんだから。ところで……なんなの? このタイトルは?」

M「あたしがつけたんだ、オシャレだろ。それより、どうかねえ、この連中の戦いざまは? あたしはこういう、キレてる連中って好きなんだけどねえ」

ギラ「結果としては、ミッションを達成できたからいいんだけどね。同行して、陰ながら見守ってたあたしとしては、色々いいたいこともあるわねえ」

M「あんたの『陰ながら』ってのは、『ハデに暴れまくる』ってのと同義語みたいだねえ(笑)」

ギラ「相変わらず失礼ね……。それに、あたしのことは軍曹って呼びなさいって、何度いわせるの?」

M「はいはい。じゃ、さっそく本題に」

ギラ「そ、そうね。まず、前半のトラザメ戦は素晴らしいんだけど……はッ! そういえばリンダちゃん! あの<死の白昼砂漠行軍>はいただけないわよ! 私の下で修行しておきながら、あの醜態は何なの、いったい!」

M「(無視)そーいやGMからレジュメ渡されてたんだけど。その1、対メカ戦闘および対怪獣戦について。その2、サイバーウェアについての注意点。その3、艦隊戦。ちゃっちゃとやんなきゃおわんないよ、これ」

ギラ「もう、しょうがないわねえ……対メカ戦? まず、兵装のダメージが[火力値]っていって、対人戦闘の10倍として扱われるのよ。戦闘機の砲はダメージ4しかないから食らっても平気〜♪ なんて思ったPCが機銃掃射を食らうと」

M「40ダメージになるわけか。即死だね、こりゃ」

ギラ「メカ(編者注:正式には[輸送機器]という)にもシートがあるから、その項目一覧を見てもらおうかしらね」

R「メカとくれば私の出番ですねッ! まず、これを見てくださいっ! シナリオ集第1巻に載ってる[輸送機器管理シート]です!(別紙[輸送機器管理シート]参照:未掲載、掲載予定ナシ)」

ギラ「な……なんなの、とつぜん……」

M「気にしなさんな、昔からこーゆー奴じゃないか」

R「まずっ! [攻撃力]ですが、これはそのメカの火器管制コンピュータの照準能力を表しています。
 それから、[火力1]。これはおもに、主砲の火力値を示しています。で、[火力2]は搭載している対艦ミサイルの火力値とその本数を示しています。ミサイルは使い切ったら補充しない限り、もう撃てません。
 あぁんど! [防御力]は、対空レーザー砲の命中率、すなわち火器管制コンピュータの対空防衛性能を示しています。CIWS、いわゆるバルカン・ファランクスシステムのスペオペ版みたいなものですね。
 [機動力]は、その輸送機器の速度と旋回性能を総合的に表しています。
 で、[装甲値]ですが。これはPCと違って、そのままヒットポイントを表しています。ゼロになったら、完全に破壊されたということです。
 あとは……[耐久値]ですね。これは、その輸送機器が、機能性を失わずに一度に受けられるダメージの上限を示しています。これ以上のダメージを受ける度に各判定値が下がっていき、最後には停止、撃沈されてしまいます。まあ、そんなところかな? ……ああぁ、なんだか声がかれちゃったみたい。じゃ、そゆことでっ!」

ギラ「いったい……?」

M「わが妹ながら、面白い奴め。さて、メカ戦闘はねえ……。
 攻撃には<攻撃判定値>、回避には<機動判定値>を用いるのと、<大成功>によるダメージが人間同士と違って、倍々に大きくなっていく。注意するのはそれぐらいかなあ」

ギラ「あと、[距離ランク]っていってね、5から1までに戦闘時の距離が区分されてて、それぞれ使用できる兵装が違ったりするわ。
 で、戦闘機とか宇宙怪獣? みたいに高速移動する輸送機器を人間が攻撃する場合は、そっちの方がずっと速いから、この距離ランク分のペナルティを受けちゃうわけね。それから、人間同士の戦闘に関わる場合、1ターンにつき距離ランク2づつ、高速輸送機器は移動してしまうの」

M「なるほどん。不用意に人間がメカに戦闘しかけると不利になるねえ、けっこう」

ギラ「まあ、止まってるエアカーぐらいなら、牛さんが<切り札>を5回、連続で出せば破壊できると思うわ。エアカーの装甲値はたった5で、牛さんのコブシはMAX状態で火力値1点にも達するから(笑)」

M「いや、厳密にルールを適用すると、実は牛さんでもメカは破壊できないんだよ(生物からの攻撃は、耐久値も防御点に加算されてしまう)。GMの判断次第だよな。
 それより注意すべきは、例えば、装甲が火力値で5ある<怪獣>だったら、どうやっても素手じゃ勝てないってこと。<怪獣>はPCと同じように、装甲値ぶんダメージを防いじゃうからね(これは1996年当時の清水の解釈であり、今は……フフフ)」

ギラ「そう、そこが<怪獣>の恐ろしいところよ。ゾンドの背中に貼りついて、殴りつけようとしてたけど……火力値で装甲が40点もあったからねえ。もしやってたら、かすり傷ひとつ負わせられずに、牛さんは二階級特進してたわね。
 とにかく、対怪獣戦では体より頭を使うこと。<怪獣>の武装、行動パターンなどの生態を緻密に分析した上で、弱点を攻めるってのが対怪獣戦術の基本ね」

M「もー耳タコ! ってぐらいあんたから聞いた台詞だねえ。さて、じゃあここで、参考事例を見てもらおうかな」



 事例1:宇宙傭兵、牙 狼々が対戦車ライフルで撃つ! 目標は100メートル上空から突っ込んでくる戦闘機だ。距離ランク2なので判定値が−2される。それでも彼の出したカードはスペードの7。<切り札>だ。戦闘機は単カードのみしか出せず、回避に失敗。対戦車ライフルは[火力値]1なので、3レベルの<大成功>では合計8点の[火力値]ダメージを輸送機器に与える。戦闘機は一撃で爆発四散!



M「ちなみに、メカの搭乗者の方は、[使用された武器の巻き込みダメージ−そのメカの耐久値]分ダメージを受けるよ。あと、メカの<ボディゲージ>が下がった場合、自動的に同じ分のダメージを受けるってさ。これには防具は無効だけど、<運試し>の成功レベル分だけダメージを減らせるんだ」

ギラ「まあ、そんな感じね。あとはその場でGMが教えてくれるでしょう。次、サイバーウェアについての注意点」

M「サイバーウェアってのは身体に埋め込む機械部品だから、一定の条件のもとで故障することがあってね。これを<サイバー・ハングアウト>っていうんだけど、その条件を読み上げると……。

 1、サイバーウェアを使った判定で<大失敗>した場合、そのレベル分の数のサイバーウェアが故障する。


 2、電磁ライフルなど高電圧を流す武器や、漏電などでダメージを受けた場合。

 3、一度にボディゲージが5以上下がるような大ダメージを受けた場合、[実質ダメージ−4]基のサイバーウェアが故障する。

 あと、サイバーウェアを装備してる人は年に1回、定期整備を受けないと<大失敗>で故障するサイバーウェアの数が2倍になるんだってさ。詳細は基本ルールブックにあるよ」

ギラ「ではここで、事例を」



 事例2:星界軍の発射した宇宙機雷群を回避するため、宇宙傭兵リンダは空識覚ならぬ<スーパー合体君>(似たようなものだ)を使って宇宙艇による<回避判定>に挑む。
 GM側の札は4カード! だがリンダは2カードしか出せなかった。1レベルの<大失敗>なのでサイバーウェアが1つ、故障する。有料装備/無料装備/電脳結界の順で故障するルールなので、まずスーパー合体君が故障することに。しかも故障前に1回、サイバーウェアは<誤作動>する! リンダは機雷を食らうわ、神経系を傷めるわと踏んだり蹴ったり。



M「手軽に強くなれるサイバーウェアだけど、それなりにリスクを負うってことを覚悟しといた方がいいってことだね。それにこのGMの趣味だと、電磁波とか電撃とか、果てはプラズマ攻撃とかしてくる宇宙怪獣なんか出すかもしれないからねえ、サイバービジネスマンの人は大変だよねえ」

ギラ「……その宇宙怪獣って、あなたのことじゃない?」

M「そう言われると、照れるけど(笑)」

ギラ「照れないでよ(苦笑)。さて、次はいよいよ、<艦隊戦>! やっぱり、スペオペの真骨頂はコレよね〜!」

M「あたしゃ対怪獣戦がスペオペの真骨頂だと思うけど」

ギラ「(無視)一言でいうと、艦隊司令どうしの[戦術](INT)を使った交渉判定なのよね。で、そのとき司令官の出した札によって戦況が変化して、そのつどPCは[操縦]などの技能を使って<生存判定>を行わないといけないわけ。まあ、一兵卒の目からみた艦隊戦って感じかしらね」

M「(レジュメを読む)……ふうん、それぞれの艦隊全体の総装甲値を初めに算出しておいて、それをお互い削り合うわけか。けっこう大ざっぱだねえ」

ギラ「複雑にしたって、わかんないくせに。まあ詳しいことはそのうち実戦で学ぶとして……(詳細はルールブック参照のこと)
 そう、あと1つ大切なのは、艦隊の損耗率が10パーセントを越すと、艦隊司令は[指揮]技能(SOC)を使って<士気チェック>をしなきゃいけないってこと。人望のない司令だと、どんどん兵員が脱走しちゃって、なかなかに哀れよ」

M「[戦術]をもつ牛か、SOCの高い志尾原か。どっちが提督向きかねえ」

ギラ「牛さんが、艦隊司令……『牛提督』!」

M「似合わねー!(爆笑)」

ギラ「悪いわよ、笑ったりしちゃ(爆笑)」

M「ひいい、苦しい〜(笑)。ぅほん、さて。もう1つ特筆すべきことは、<イベント>かな。切り札とかジョーカーを艦隊司令が使うと、いろいろ不測の事態が起こって面白いよ」

ギラ「経験点が入った上で、病院船が通りかかったり、金華帝国の近衛艦隊の主砲乱射! に巻き込まれたりね(笑)。詳しくはルールブックを読んでね」

M「さて、そんなとこかな?」

ギラ「まだちょっと時間があるから、あとは普通の対人戦闘なんかの補足ルールの講義をしましょう。以外といろいろあるのよ、コレが」

M「ふむ」

ギラ「まず、[奇襲][峰打ち][複数行動]。これは確か、本編で解説したってGMが言ってたから省略ね。
 他には、[口先]っていうのがあってね、PCが敵を台詞や行動で脅かしたり、動揺させることができるの。但し、プレイヤーに実際に演技してもらうけどね。効果的な行為ならボーナスを加えた上で敵とSOCかINTで<交渉判定>を行って、勝ったら相手の手札を見て好きなカードを一枚もらった上に、不要なカードを相手に押しつけられる。そういうルールよ」

M「あと、DEXが低い人が射撃する羽目になった場合は、[狙う]といいよ。目標を指定して1ターンまつごとに+1のボーナスが入るんで、少しでも有利になるんだ。最大3ターンまで出来るんだってさ。手札を1枚すてて、山札から引くことも出来るし。[突進]する時は、これが必要だよ」

ギラ「あとは……[チャンスを窺う]。自分の番で何も行動しないかわりに、好きな枚数だけカードを捨てて、山札から引くことができるわ」

M「戦闘に自信がないっていう人は、[助言/応援/支援]するといいよ。手助けできる状況なら1枚だけ、仲間にカードを渡せるんだ。[指揮]技能分だけ、枚数は増やせる」

ギラ「ああ、あと! 銃撃戦では、なるべく周囲の物陰に隠れて撃った方がいいわよ。そうすると、敵側にマイナス1から4までのペナルティがつくからね」

M「逆に、優秀な敵ならそういう戦術をとるだろうし……こっちだけ仁王立ちで撃ってちゃ、不利になるよなあ」

ギラ「……あらあら、もう時間だわ。じゃあみんな、宇宙傭兵として悔いのない戦いをするようにね! 理力がともにあらんことを!」

M「また、銀河のどこかで会おうぜ!」



清水「ここから次へ! <GMインタビューコーナー>ですぜ」

清水「第7話最終章へもどる?」

清水「さあ、さっそく第8話をよんでみよう!」

清水「パラフリ議事録一覧はこっちですよん」

清水「ここまで読んでくれて感謝! おつかれさま! 表紙へどうぞ」