SF・RPG基礎講座
教練2:SFアイテム・コレクション:武器・防具(防具編)
ギラ「銃器の前では、フルプレート・アーマーさえ無力よ。実際、中世の騎士がきていたような甲冑が衰退していったのは銃器が発明されたせいなんだから。
 近代戦では大破壊力の火器が多いから、なにより敵に見つからないことと回避することが重要なんだけど、ある程度の防具はあるのよ」

清水「防御力という数値があるけど、これは打撃や銃弾などの物理的攻撃に対するものです。化学兵器などに対するものではありません。そういう性能は数値化にむかないからね」


 <防具>

 1、宇宙服
防御力
価格100万gsc
 宇宙SF・RPGでは必須。完全密閉型の生命維持装置を内蔵しており、放射線や有毒ガス、気圧・温度変化に対する強力な防護服となる。また、旧式の厚手の宇宙服なら、下手な格闘家の攻撃くらいは防御できるだろう。ただし動作は限りなく鈍くなる。参考として、20世紀末地球のNASAの宇宙服は、重量113kgで、着用に30分ほどかかる。1着の値段は1億円以上という。むろんスペースオペラの世界では、現代の水着のように一般的となっているだろう。また、スラスターなどを搭載した船外活動ユニットと一体化されていることもあろう。
 文明が発展した世界の宇宙服は身軽で動きやすいはずだが、戦闘用の防具としては期待できないと思われる。

 2、ソフト・ボディアーマー
防御力
価格20万gsc
 ふつうの衣服の下に着ることができる軽量のボディアーマー。胸部と腹部を防御する。拳銃弾や手榴弾の破片ていどなら防げる。刀剣類やクロスボウ、ライフル弾などに対しては無力なので注意。プラスチック片を内蔵して防刃性を高めたものもある。一般市民や警官が使用する。
 ボディアーマーとは、いわゆる防弾チョッキのことである。ボディアーマーとよんだほうが専門的に聞こえてよい。抗弾ベストという呼称でもよい。
 材質はケプラー繊維やスペクトラ繊維。ケプラーは鋼鉄の5倍の強度をもつが水分を含むと抗弾能力が落ちる。スペクトラは鋼鉄の10倍の強度があって、軽量だし耐水性も高い。でも高価(^_^;)。
 これらの繊維が大きくたわむことで、弾丸を停止させるわけだが……衝撃までは防げないから注意が必要。38口径の拳銃弾だと大きなハンマーで殴られたくらい、44マグナム拳銃弾だと内臓破裂をおこすほどの衝撃を受けるという。衝撃吸収パッドを内蔵したボディアーマーもあるが、かさばるだろう。

 3、ハード・ボディアーマー
防御力
価格30万gsc
 軍用のボディアーマーで、胸部と腹部にくわえて首すじや肩も防御できる。通常の衣服の上に着るもので、もちろん隠すことはできない。
 ケプラー・スペクトラに加えて前面にセラミックプレートなどを内蔵し、ライフル弾すら防ぐことが可能。表面に予備弾倉ポーチや手榴弾ポーチをいくつも備え、ボディアーマーそのものが戦闘服となっている型が一般的。迷彩塗装されていることが多い。
 防御力は高いが、重いので長距離任務をおこなう傭兵や特殊部隊では使わない。こうした目立つ防具を市街地で装備していると、交渉に不利だし、逆にテロの標的にされることもある。注意しよう。星域によってはハード・ボディアーマー以上の防具の装備は違法とされる場合もある。

 4、対NBCスーツ
防御力
価格50万gsc
 放射線、生物兵器、化学兵器に備えるための特殊な衣服。全身を被い、顔にはフルフェイス型の防毒マスクを装備する。通気性が悪く、長時間の装備は苦痛となる。
 戦場によっては必要になる。宇宙怪獣を倒したあとの死体処理作業のときなどにも使われることがあるだろう。未知の宇宙生物はどんな毒や寄生生物をもっているかわからないので、一着あるといいかもしれない。

 5、重装甲戦闘服
防御力
価格1500万gsc
 全身を被う強固な鎧。合成樹脂などでつくられ、防御力がきわめて高いものとなるだろう(映画<スター・ウォーズ>の帝国軍兵士を想像してほしい)。ただし個人の体型にあわせて制作されるから高額である。整備には専門の技術を要する。空調、暗視装置、照準器、通信機器などが装備されるのが普通。宇宙服の機能をあわせもったものもあるだろう。
 上記装備に加えて筋力増幅装置、フィードバック回路や跳躍用ロケット等を内蔵したものは<パワードスーツ>とよばれ、歩兵の戦闘能力を飛躍的に向上させる。ロバート・A・ハインラインの<宇宙の戦士>(ハヤカワ文庫SF)で登場して以来、宇宙SFの定番となった。

<盾など>
 銃器はどんな小さなものでも両手持ちが基本だから、盾はほとんど使われないんだけどね。補助的に使うこともあるから紹介するわ。戦場にあわせた迷彩を施したほうが目立たなくていいわよ。
 そうそう、よく剣士が刀で弾丸を弾く場面があるけど、まず不可能だからやらないように。弾丸の運動エネルギーから考えるとふつうの刀剣なんて簡単に折れちゃうし、そもそも弾丸やレーザーを見切るのは人間には不可能なのよ。<ジェダイの騎士>は別だけどね(笑)。

 1、抗弾膝あて・肘あて
防御力追加修正+1
価格5万gsc
 屋内での突入戦をおこなう特殊部隊などでは装備する。硬い床に伏せたり、ラペリング(ロープによる降下)をするときに肘や膝を防御する。

 2、抗弾ヘルメット
防御力追加修正+2
価格10万gsc
 9ミリ拳銃弾ていどは防ぐヘルメット。抗弾バイザーで顔面も保護される。 文明が発達した世界ではバイザーに戦闘情報や銃器と連動した照準情報などが表示されるものが一般的。

 3、防毒マスク
防御力追加修正+0
価格10万gsc
 化学兵器や生物兵器を防ぐマスク。一定時間使用したらキャニスター内の濾過材を取りかえないと効力を維持できない。マスクをつけたままで水を飲める型もある。対テロ特殊部隊では、犯罪組織に顔をしられるのを防止するためと、犯罪者に威圧感を与えるために黒い防毒マスクを装備するのが普通。その場合、戦闘服も全て黒一色である。

 4、抗弾シールド
防御力追加修正+3
価格30万gsc
 抗弾素材でできた片手もちの盾。屋内に突入する警察の特殊部隊が使用することがある。階段などでの銃撃戦が予想される場合に、先頭の隊員が装備して身を守る。透明な素材でできたものは、戦況を把握しやすくて使いやすい。
 ライフルを使う野外での戦いには全くといっていいほど使われない。ライフルは必ず両手を使わないと撃てないためである。盾を装備していると回避行動も遅くなる。ふつう、ロケット弾や機関砲弾をふせげる盾は存在しないので、盾など装備せずに素早く回避したほうがよい。
 パラフリRPGには、レーザー反射材で出来た<ミラーシールド>も存在する。

 5、力場障壁
防御力追加修正さまざま
価格さまざま
 いわゆるエネルギーシールド。バリアともよばれる。エネルギーの防御壁を展開してレーザーや弾丸を防ぐというもの。SFの定番で、有名な<ATフィールド>もこの一種。<スター・ウォーズ>のように、目には見えないが、殆どの宇宙艦艇がシールドを備えているという場合もある。ハン・ソロだったか、「シールドを前面に集中しろ!」という台詞が印象的だった。エネルギーの防御壁なので、出力配分を自由に変更できるのだろう。
 たいていある種の電磁波や素粒子によって敵の攻撃を食い止める。重力によって空間をねじまげ、あらゆる攻撃をそらせることが可能な<重力シールド>も存在する。
 個人を防護するものから惑星をまるごと包むものまで、さまざまな種類がある。一般的にいって、エネルギーシールドの維持にはかなりのエネルギーを消費するので、電源などに注意が必要である。高度な技術力を要するから、世界によっては滅びた超科学文明の遺産となっている場合もある。
 レーザーは防ぐが弾丸や投石は防げないもの、運動エネルギーすら吸収してあらゆる攻撃を防ぐもの、スペースゴジラのシールドのように敵のビーム兵器を反射させて攻撃できるものなど、性質もさまざまである。
 ……まぁ、ただの弾丸を防ぐなら普通のボディアーマーで十分である。レーザーは煙幕で止めれば良いし。わざわざこんな超兵器をもちだす必要がない場合が多いが、使うとスペースオペラらしくなるので一度は使ってみたい。

 6、ファランクス・システム
防御力追加修正+5
価格1200万gsc
 連射性の高いバルカン機関砲などで敵の攻撃を防ぐという、攻撃的な防御方法。ミサイルや砲弾の接近をレーダーで感知し、電子頭脳が全自動で迎撃をおこなう。ふつうは大型艦に装備されているが、超小型レーダーと超小型の機銃が開発されれば個人での運用も可能となる。小型の迎撃ミサイルで弾丸やミサイルを撃墜する場合もあるだろう。
 当然ながら手動で行うのは不可能で、レーダーと火器管制コンピュータがなくては成立しない。清水三毛版パラフリの創作設定では、<バルカンはりねずみ>なる個人用ファランクスシステムが採用されている。

 

 つづきよ。SF・RPGにでてくる乗り物について教えちゃうわ(^^)
 
ギラ「SF・RPG講座のアイテム編目次へ戻るならここから」


ギラ「ココからSF・RPG講座の目次へ!」


ギラ「ココから表紙へ戻れるのよ」