極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第15話<銀河帝国より愛をこめて>

第4章 突入せよ、古代遺跡の深奥へ!
 竜泉2号惑星。そのアンモニアの嵐がうずまく大気の中へ、<母飛>は降下していく。リンダたちはS−ユニットを起動させるため古代遺跡へと急ぐが、それを狙う謎の勢力があった。帝国の重戦艦をも撃破した強力な艦隊が、いま<母飛>へと一斉射撃を開始した!

「現在の包囲された状況を分析するに……<戦術(名手級)>切り札7!」
GM「レーダーが真っ白になって見えなくなる。状況を把握する間もなかった。妨害をかけられたんだ、君たちの攻撃・索敵レーダーに、大出力で同じ波長をかけてきたんだよ」
八重樫「レーダー、ロストです」(ていうか全画面が使えなくなっている)
リンダ「ジャミングぅー!(泣)」
GM「敵は電子戦艦も配備しているようだ」
八重樫「一隻に対してここまでやるか?」
GM「近距離なら可視光モニターで見えるけど、この大気状態では艦隊全部を把握しようもないし、そもそも艦隊戦は人間の肉眼で捕捉できるものではない」

 牛は、最後にレーダーに映った画像をもとに、艦隊の手薄なところを探った。ルール的には、さきほど出した切り札で判定した。INTは低い牛だが、<名手級の戦術技能>がかれを策士たらしめているのである。

GM「6時方向の上方には駆逐艦しか配備されていなくて手薄だ。しかし長江級戦艦を一撃で大破させるようなテクノロジーをもっているらしいから……」
「比較の問題だよ」
GM「同じオーバーテクノロジーをもっている艦なら、戦艦よりは駆逐艦を相手にしたほうがマシってことか。でも、駆逐艦は火力が低いかわりに機動力が高いよ」
「どっちにしろ、球状陣形にとりかこまれている以上、いちばん薄いところを突っ切るしかないのだ(笑)」

GM「いま君らのターンだったから、突っ切る前に一回、こちらの攻撃を回避してくれ。レーダーが使えないから、回避に修正−5ね」
リンダ「機動判定値4.5しかないんですけど」
GM「あ、じゃあ当たるわ」
リンダ「あたるわっって、アンターー!?」
滲蠢游「ライデンはフェイ−イェンのしゃがみハンドビームを避けられないんですよ(笑)」

 近代戦においてレーダーの果たす役割は非常に大きい。輸送機器同士の戦いでは、人間が肉眼で捕捉できない超・遠距離かつ超・高速の砲火をまじえる。そのため、レーダーが使えなければ、敵がいつ発砲したかすら把握できないのである。人間でいえば、目をつぶされたのと同じ状態だと思えばよい。米軍などでも電子戦は最重要視されており、空爆の前には必ず敵レーダーに目潰しをかけるのが定石である。

GM「装甲値10マイナスね。『第一から第二エンジンノズル、破損!』」
リンダ「のこり34だー!」

GM「可視光モニターは見てるよね。ガス雲の上のほうで閃光が走って、火球が広がるのがみえるんだが」
滲蠢游「今度はなに?」
GM「駆逐艦が一隻、撃破されたようだ」
リンダ「どうしたの!?」
GM「通信が入る。ティラノサウルス・ハーフが、『なにをモタモタしているんだ』と。そして、斜め上方から、牙竜艦隊のレーザーが雨あられと降りそそぐ」
リンダ「おお〜、牙竜さあん! かっこいいとこもってきます!(笑)」
GM「さて、艦隊の指揮権をそちらに譲るぞ。戦術コンピュータを作動させろ!」
リンダ「牛提督ー!」
「相変わらず牙竜さんは我々を買いかぶっておられるようだが。たまたま運で切り抜けてきたから、しょうがないな」
GM「俺の腕じゃあこの救援艦隊を駆使する自信はないんでな。そっちにまかせるぜ。白兵戦が得意な者は、その艦に装備されているアサルトポッドで敵艦に突入してもらおう」
「♪パンパンパーンパパン♪ 提督出陣(一同笑)」
リンダ「ちょっとまってー! 残ってくださいよー!(笑)」

 牛は戦術技能は高いが、指揮技能がないので実は艦長にむかない。正確には参謀向きなのだろう。艦隊戦には指揮技能と戦術技能の両方が必要とされる。能力値でいうなら、SOCとINTが必要なのである。ということで、今回は志尾原が艦隊指揮の任についた。
 とにかく遺跡を起動させればなんとかなるだろうから、牙竜艦隊には時間稼ぎだけさせればいい。という方針で、艦隊戦が始まろうとしていた。ついに、ホロー分隊が本格的な艦隊戦を経験する!


 艦隊戦の規則は、通常の輸送機器戦闘とは大幅に異なる。まず、GMが事前に双方の艦隊の装甲値の総計を算出しておく。その場で計算するのは大変である(笑)。あとは、互いの指揮官同士の<戦術技能(INT)>で対抗判定をおこなう。このとき、それぞれの指揮官がどういう札をだしたかにより、艦隊の損耗率やPCの艦の生存率、ランダムイベントが規則本の表にもとづき、決定される。指揮官の戦術の特性により、この要素は変わってくるので注意が必要だ。また、艦隊の損耗率が高まると、部下の逃亡を防止するために<指揮技能(SOC)>で判定をおこなわねばならない。詳細は規則本を参照のこと。筆者の経験からいうと、計算器と筆記用具は必須である。
 開始当初、敵艦隊の装甲合計値は5000。ホロー艦隊のおよそ2倍である。牙竜が連れてきたのはしょせん、駆逐艦と輸送船で構成された救援艦隊なのである。しかもホロー艦隊の旗艦<母飛>は、レーダーがまだ回復しておらず、なお判定値に−2の修正を受けている。敵が圧倒的に有利だ。普通なら逃げ出すところだが……。


GM「まず戦術技能で対抗判定を。俺は2枚だすよ」
志尾原「5枚です♪」
リンダ「戦術演算回路もってんだ!」
GM「スペードの5を使ったんだね? そっちは艦隊損耗率10%で、あと、難易度5で生存判定をしてくれ。旗艦が生き残っているかどうか。弾幕を回避してくれ、舵手」
八重樫「左側の弾幕が濃いです」(応援)
志尾原「左側の弾幕が可愛いです♪」(志尾原は既に行動しているので、本当は応援できないはずである。応援は戦闘中は1回の手番を消費するのだ)
リンダ「2のペア!」
GM「やるねえ。かわしてるよ、あの集中砲火を」
「早く敵の旗艦をみつけるんだ! 少なくとも敵が人間である以上、白兵突撃がもっとも有効な……って、旧日本軍かい(笑)」
GM「敵艦隊は損耗率5%。それで、君らがどこまでやるかだがねー」
リンダ「ウチらは遺跡に突入するのが最大の目的なんですよ。そうできるように艦隊を動かしてもらえれば、それでオッケー」

GM「……切り札が使用された場合、イベントがおこるようだぞ! さっきのはスペード5か、『チームワーク:左隣の人に不要なカードを1枚まわす』。あと、さっき3レベル大成功してたよね。……8倍だから……、敵艦隊に40%の大ダメージを与えていた!」
リンダ「おっ、すげえ!」
志尾原「おっしゃ! これは勝ったな!」
GM「敵の駆逐艦が、何隻もガス雲の海に沈んでいく。それでも味方駆逐艦の艦長たちは、まだ不利な気がしているようで逃げたがっている。SOCで鼓舞してくれ部下を」
志尾原「大丈夫っ! 次で勝つッ! 次で圧倒的に勝つッッ!!」
リンダ「なんか志尾原キャラ違う(笑)」
「今日は志尾原が艦長だね。志尾原傭兵分隊(笑)」

 難易度3、SOCで。牛・八重樫による応援の威力もあり、志尾原の演説放送は成功し、一隻も逃亡はなかった。2ターンめ、次の戦術判定。ちなみに、ホロー艦隊側は、いまだレーダーが使いづらいため、−2の修正をうけたままである。(記録をみると、戦術判定はともかく、リンダは修正を失念しているようだ)

GM「俺は1枚だすよ」
志尾原「5カード♪」
GM「ちっ。2レベル大成功で。こっちは損耗率10%。<母飛>、難易度5で生存判定。弾幕やミサイルがすごいからねー」
リンダ「3の3カード!」
GM「回避に成功。で、こっちは……うおっ! 損耗率80%! 全滅!」
一同「おおおー!」
GM「戦艦が爆散し、駆逐艦が何隻も誘爆して雲海に落下していく!」
八重樫「なんです、この嫌がらせみたいな戦闘結果。」
志尾原「大戦果!」
リンダ「また伝説だよコイツー!」
「日本海海戦なみだ(笑)」

 彗星衝突まで、あと12時間。

GM「レーダー手、難易度3で遺跡の座標を。活性化しているようだ、幅広いスペクトルの電磁波がでている。『遺跡が活性化しているとなると、危険だ。さっきのホローのソレと、なにか関係があるのかもしれないが……』」

 八重樫は気づいた。すぐそば、前方50キロの地点に遺跡が浮遊している。ガスが濃いので視認はできない。そのとき、(また)艦が大きく揺れた。今度はなにー? といい加減、志尾原はイヤぎみな表情であった。

GM「爆発がまきおこって。ブリッジの後ろに通路があるんだが、そこに何人か降り立った気配がする。『今度こそ息の根をとめてやるぞ、ホロー傭兵分隊!』」
「ばんざーーーい!!」
リンダ「なんか喜んでる奴いるよー!」
GM「煙のむこうから、道士服をきたクジャク顔の仙人が……」
「戦闘前のお約束いいですか? STRレベル10の判定ね(笑)。サイヤ人は死の縁を超えるたびに強くなる、5枚組みのシークェンスがでたらお慰み(笑)」

 腰から古びた徳利をはずし、<得体の知れない古酒>を豪快に飲み下す牛 孟闘であった。判定に成功すれば一口でSTRが1あがるが、失敗するとダメージ5を受ける。

GM「成功。残り6口か」
リンダ「STR10か、いやあああ(笑)。戦闘12か!」

リンダ「レンファン道士が来たの? 左手に注目」
GM「機械化されている」
「しょせん機械化など、スーパーどどん波ていどよ(笑)」

GM「『メルカヴァルやS−ユニットのことはあきらめて、我々に引き渡せ!』といっている。『今日は、仙人は俺だけではないのだからな!』」
「仙人の1人やせんにん!(笑)」
八重樫「あっ。先に言われちゃった。(一同笑)」
GM「『ここで諦めたら、命だけは助けてやろう』と、羽をひろげている」
リンダ「悪役が命を助けてくれる保証なんて、どこにもねぇんだよ!」
GM「モッケンディーが、『お、どっかでみた顔。それはそうと、遺跡が活性化している。大気圏外に浮上したほうがいいぞ、遺跡がもうすぐ浮上するかもしれん』」
リンダ「じゃあ、戦闘よろしく。ていうかさ、レンファンさんこんなところで戦う気なのか?」
GM「一撃で灰にしてやる……!」
「できるものならな」
GM「仙人のダメージは、最低でも20くるんで」
八重樫「一撃でハイにされちゃったら、嫌ですよね」
リンダ「なんでそういう戦闘前に士気を下げるような(笑)」

 レンファンの前に、黒い服をきた異様に細身の恐竜人が2人、降り立つ。ベロキラプトル・ハーフだ。牛の口元がほころぶ。強敵との戦いの予感が、かれの脳髄を刺激しているらしい。モッケンディーと2人の助手は、コンソールの中に(笑)とっとと隠れた。
 いっぽう、リンダは操艦に成功し、<母飛>は雲海の上に浮上した。橙色の広大なガス雲がゆっくりと波打っている。そのうえに宇宙空間が広がっている。

 イニシアティブはホロー側がとった。「いくら仙人でも、機械の部分はしょせん機械ですよね」サイバーOLが陰うつにほくそえむ。
 レンファンの機械の腕にハッキング。対人ハッキングなので修正が−5あるが、それでも八重樫は乗っ取りに成功した。


GM「むっ、どうしたんだ俺の腕は!?」
「だから機械に頼ってはいかんのだ」
志尾原「ふっ、これだから機械は(笑)」
リンダ「お前は機械そのものだー!(笑)」

GM「リンダは操艦、と。じゃあ滲蠢游さん」
滲蠢游「隠れる(笑)」(レベル1だから無理もない)
八重樫「ぎゅうぎゅう詰めのコンソール内に、さらにカエルが(笑)。生理的にヤなんだけど(笑)」

 牛と仙人たちの距離は10メートル。ラプトルハーフ1に対し、恒例の「走りよって攻撃」。それでもラプトルハーフ側の札を9枚超えた。ダメージ13、単分子剣で文字どおり一刀両断!

「切れ目から、スーッと(笑)。ベロキラプトルの開き(笑)」
志尾原「じゃ。ベロちゃんもう1匹、死んでいただきましょう♪ 12枚!」
GM「回避に8枚だす……4枚差か、ダメージ9。かなりの重傷を負ったが、まだ生きているようだ」

 レンファン道士は、生身の腕から光線を放ち、機械の腕を焼き切った。これで1回の手番は終わり。
 ラプトルハーフ2が、脚の鉤爪で牛に斬りかかる。切り札9による攻撃を、牛は10枚でカウンター攻撃。ラプトルハーフは、それをさらに回避する! (本当は<大成功>しないとカウンター攻撃はできない)


GM「この斬撃を食らってればなあ、胴体が真っ二つになったのに」
「この斬撃を食らってればなあ、胴体が真っ二つになったのに(笑)」

 八重樫はすることがなくなったので、艦内の端末に接続していやがらせをすることにした。

八重樫「スプリンクラー作動」
GM「雨が降りだしたぞ」
「決闘には素晴らしい日和だ(笑)」

GM「さて。遺跡が浮上してくる。オレンジ色の雲海の下から、光の筋が幾つも差し込んできて。巨大な円盤型の構造物がせりあがってくる。全長20キロはあるだろう。上には塔が幾つも立っている。それが雲をかきわけて浮上してくる。で、<母飛>の機能が全部停止して」
リンダ「えっ!?」
滲蠢游「スプリンクラーが最後の機能だったんだ(笑)」
GM「牽引光線に捕まったみたいだ。遺跡の複雑な構造物にむかって誘導している。リンダの首筋が燃えるように熱く……今度は血がタラリと」
八重樫「ベルセルクっぽくなってきた(笑)」
リンダ「なんか、因縁みたいなものを感じるんですけど。『なんなんだよコレ、動かねぇじゃん! 引っぱられてる!』」

GM「滲さんの手番だ」
滲蠢游「とりあえず首だけちょっと出して」
志尾原「あっ、水だケロ(笑)」
八重樫「滲さんをおびき出すための罠か? 仲間を罠にかけてどーする(笑)」
GM「ワケわかんねー(笑)」

 仙人に通常攻撃は通用しない。牛は戦術を練っているようだった。視線が、レンファンたちが入ってきた突入口にとまった。そこはいま、自動修復装置で閉鎖されている。一瞬で固形化する合成樹脂が吹きつけられたらしい。構造的には、もろくなっているわけだ。
 投げ技でそこに仙人をぶつけ、宇宙空間に放り出すことにした。投げ技は戦闘技能−2。同時に、自分が真空に吸い出されないように、何かに捕まらないといけない。

「<複数行動>! 投げるのはマイナス2ね? 9枚!」
GM「吸い出されないようにふんばるのは、STR難易度5かな。レンファン切り札だしたのに投げられてるよー!」
「8枚! ぬははははは(笑)」
GM「『なんだあああぁぁぁーー!?』ボコォン! 吸い出された。仙人は空中でふんばって、『くっ、おのれ!』と真空中にもかかわらず捨てぜりふを吐いて、羽を広げて飛んでいく。ラプトルハーフは、血しぶきが飛び散って、そのまま落ちていく」
「捨てぜりふ吐くのはいいんだけどさ、(こっちに)聞こえるのが奴らのすごいところだな(笑)」
GM「電子技能、難易度2で誰か閉めて! あ、閉まった」
「よく真空からふんばった。って、考えてみれば、風速50メートルのなかでもふんばったんだから、余裕じゃないか(笑)」
GM「風速50メートルって、東京タワー曲がるよな〜」

  <母飛>は、遺跡に降下した。感知器によれば、呼吸できる大気が保持されている。一同はそのまま降り立った。強大なはずのこの星の重力も、標準重力に軽減されている。
 遺跡は、いずれの文化圏の意匠でもない生物的な線で構成されていた。白く光る未知の樹脂でできた滑らかな構造物である。そうした前衛芸術が、地平線の彼方まで続いている。
 目に見えないある種の力場が、遺跡全体をおおっているようだった。はるか上空では、力場に妨げられたガス雲の奔流が巨大な渦を巻いているのが見える。
 リンダは、遺跡の意匠がモッケンディーの船の意匠に似ているように思った。さっそく呼びつける。答は謎めいたものだった。

GM「……きみは、仙人のシンボルを見たんだろう。じゃあ、大丈夫だ」
リンダ「何が大丈夫なの、何が!?」
GM「最深部まで降りるぞ。この種の遺跡では、起動停止装置があるものだが……そういった場合、最深部に再起動装置があるものだ」
リンダ「そこに降りてS−ユニットをどうにかすればいいってことだね」
GM「ただ、防衛システムが多少あるかもしれん」
志尾原「それと戦え、と(笑)」
GM「手近なところに、継ぎ目も何もないんだが、パカっと穴が開いてね。通路になっている。『よし、ここから降下しよう』」
リンダ「すごいオーバーテクノロジーだ。もうびっくりだよ!」
GM「3人づつ並んで進める程度の広さだ。リベットも継ぎ目もない、どうつくられたかわからない白い曲線的な通路で。はいると、どこから照らしているか分からない間接照明がともる」

 人形を並べて隊列を検討する一同。この日、牛の遊戯者はガシャポンのブラックオックスを牛として使っていたので、とても牛が机上で目立っていた(笑)。
 さて、隊列というものは、先頭と最後尾に戦闘能力の高いものを配置するのが戦術的に正しい。銃弾は前から飛んでくるとは限らない。指揮官や通信兵は、隊列の中央にくるものである。


GM「君たちの目の前に、さきほどの<パワードギア>が。『トマレ!』と、電子化された音声で言って、大きなレールガンを向けてくる。大きいので1人だけ、距離は10メートル。例の、所属不明の真っ黒な奴」
「10メートル(ニヤリ)。銃を気にする必要がなくなった(笑)」
滲蠢游「中身は人間?」
「パワードスーツだから。ロボットではないはずだ」
リンダ「よし、じゃあサクッと殺りましょう!」

 イニシアティブをとったリンダが、手榴弾を投げる。なかなか手に入らないし破壊力が大きいので、貴重なものである。本気なのだ。

リンダ「どうやって投げればいいの?」
GM「安全ピンをぬく! 投げる! 空中でレバーが飛ぶ! 爆発するぅう!」
リンダ「みんな対ショック姿勢ね!」
滲蠢游「手榴弾さける時には口あけようね」
GM「とにかく伏せることが重要だ。4/4KOで閉鎖空間だから、8/8KOになって。……かすり傷だよ」
リンダ「マジかよ!?」

滲蠢游「リボルバー撃ってみようかな。2のペア」
GM「お、当たってるぞ。表面で火花が散っただけだ。……よく考えると、人外の戦いになっている気がするなあ(笑)」

 牛さんが走りよって接敵! 切り札12で単分子剣をふるう!

「10点プラスで、ダメージ15」
GM「ほお〜〜。あッ! 装甲ごとザックリと一刀両断! 中身がビチャビチャと飛び散る」
「パワードスーツの開き。本日2枚目、いつもより多く開いております(笑)」
GM「はらわたのにおいって臭いなあ、と君は思う」
八重樫「勝手に思わされた」
滲蠢游「なまじ拳銃はじいて調子に乗っていたら、次の瞬間とんでもないことに(笑)」
「ナイス牽制だ!(笑) 拳銃の弾といっしょに近づいてきた格闘家に気づかなかったのが、お前の落ち度」
八重樫「てかさ、あくまで常識的な話として。拳銃はじく敵に、剣で殴り掛かってくる奴って、そうとう恐いよね(笑)」
「この世界に2ケタ本数はないといわれる伝説の剣を、なぜか手にしている(笑)」
志尾原「で、その剣と同じダメージの拳をもっている、と(笑)」
GM「ただ、[火力値]はつかないからね。[火力値]がつくのはギラ軍曹がもっている剣だけだ」

GM「後ろから反重力モーターの浮上音が何体も聞こえてくる! パワードギアが追いかけてくるようだぞ! 『急げ急げ!』とモッケンディーが」
「さっきのは先発部隊だったんだな。『みんな走るんだ!』」
GM「『この道をいって、この重力エレベータを降りて……』だれか、道に迷わないかINTで判定を。難易度6」
志尾原「先頭の3名がやりましょう」
「6っ!(笑) かつて竜の迷宮では、全部わたしのが当たってたじゃないか」

 誰も道がわからなかった。1回の方角判定で1時間かかる設定にしてあるので、
 彗星衝突まで、あと9時間!
 次の判定で道がわかった。直径20キロもある遺跡である。数百階も下に一同は移動していた。これまで見たこともない巨大建築だが、感動している余裕はなかった。残り8時間。
 もう1回判定をさせる。が、札が悪く3人とも失敗。残り7時間。


八重樫「どこですか、ここ?」
リンダ「ヤバイ! そろそろ成功させないと!」
志尾原「後ろから、声かけてくださいよ」
滲蠢游「そろそろ追いつかれそうだよ〜。牛さんと代わる! 後ろから追いつかれたときに、そのほうが」

 八重樫が次の判定に成功した。いよいよ巨大遺跡の深奥へと一同は踏みこみつつあった。人類が数千年以上も目にしていない通路を、一同は息せききって走りぬけていく。遺跡の静寂を、リンダたちの機銃のような靴音が破る。

GM「さらに下の方に。あと判定1回だな。残り6時間」
リンダ「ひいい、こぇええ!」
GM「牙竜から通信が。『彗星が接近しているぞ! 早く脱出しろ!』」
リンダ「いや! いま全力を尽くしています! あと少しもちこたえてください!」
GM「くそっ、レーダーにまた、未知の艦隊が!」
志尾原「なにーっ!?」
GM「急いでくれ、我々の艦隊ではもちこたえられるかどうかわからん! 帝国軍の奴らも船を動かし始めたぞ!」
志尾原「急ぎましょう!」
「うーん。<スタータイド・ライジング>なみの奪い合いになってしまっているなあ」

 一同は最後の判定に成功した!

GM「おっとそのとき、悲鳴のような牙竜の声が無線ごしに、『砲撃が始まったァ!』」
リンダ「牙竜ー!(笑)」
GM「撃って撃って撃ちまくれェエ! 一歩もひくなぁアア!」
リンダ「牙竜、死ぬかー」
GM「ま、まて。帝国と公国と、さらにあいつらが同士討ちを始めた! もう少しはもちこたえられそうだ」
志尾原「さっきの謎の艦隊ですね」
GM「しかしこりゃあ、国際問題だなあ」
志尾原「牙竜さん、けっこうのんきだし!(笑)」
GM「『よし! 火力をあの未知の艦隊に集中しろ!』といって通信が切れる」

GM「さて。ようやく最下層についたらしい」
志尾原「長かったァ!」
GM「500階は下に降りたね。エレベータもあったし」

 一同の目の前に、広大な広間があった。
 直径5キロ以上はありそうな幾何学的な空間だ。リンダたちは城壁の上に立っていた。一辺が数百メートルはある巨大な多角形型の城壁である。その多角形が、入れ子人形のように幾つも重なって中央に達しており、地平線まで続く巨大な城壁を見下ろしているように思えた。
 城塞の各所から、巨大な尖塔が数本、突きだしているのが目に入る。それは中央部を囲むように配置されているようだった。見上げると、天井にも全く同じ構造物がある。重なった城壁と、尖塔だ。上下の尖塔を結ぶように、ときおり青白い雷電光が走っている。なにかの動力源が放電しているらしい。
 中央の多角柱の上には、水晶に似た物体が青く光っていた。


<次章予告>
 ついに、遺跡の中枢部へと一同は降り立った。メルカヴァルとおぼしき幻影に忠告された通り、リンダはS−ユニットを起動させ、この危機を打開しようと試みる。しかし、そこに思わぬ障害が!
 この巨大な遺跡に秘められた謎とは何なのか。せまりくる第2の彗星と、国際問題にまで発展しつつある4大艦隊の衝突を、リンダたちはどう解決するのだろうか。かつてない規模で佳境が展開されようとしている!
 そう、いままさに、リンダたちの戦士としての資質が問われようとしているのだ!
 次章、<戦士の条件>。お楽しみに!

 
清水「さあ続きを読もう!」


清水「総合目次へお戻り?」

清水「ホロー分隊戦記14話から26話までのパラフリ議事録一覧へ?」

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表紙へパラパラ♪
2000.8.23.作成 清水三毛.