極楽艦隊RPG遊戯議事録
第15話<銀河帝国より愛をこめて>
第3章 勃発! 山華竜泉会戦!
メルカヴァルをもとめて蓬莱核の残骸におりたったリンダたちの前に、5体の小型戦車があらわれた。はたして敵か味方か? 暴風雨のなか、戦車から降り立ったのは、身長2メートルはありそうな鋼鉄の歩兵だった。
リンダ
「歓迎パーティ、いきますか!」
GM
「統率のとれた動きをみせる。明らかに軍事組織」
リンダ
「<大角>(ダージャオ)つかっていい? やつら、ミルオーガンかもな」
志尾原
「見た目で、どこの所属かわからないんですか」
GM
「難易度3。……帝国宇宙軍の一部の精鋭強襲揚陸部隊で採用している、ファイアスラッグと、パワードギアという兵器だ。パワードギアというのは、一種のパワードスーツだね」
リンダ
「ひー!」
GM
「公国でも宇宙海兵隊で採用しているらしいんだけどね、げんざいここに派遣されている艦隊には強襲揚陸艦とか降下艇とかは見当たらなかったようだ。それに、識別章はなにもついていないようだ。ただ真っ黒に塗られているだけで。志尾原の電子眼でしかわからないことだけどね」
八重樫
「識別章がないっていうのは、かなり危険ですね。ヒトに知られたくない行動をするときには、識別章を外しますよね……」
牛
「てことは、ここでなにをやっても、それは知られない」
八重樫
「逆に言えば、我々がなにをやっても問題はないということです。」
志尾原は強化装甲服に身をつつんだ歩兵部隊を注視しつづけた。300メートルは離れているので、志尾原にしか見ることはできない。
どす黒い闇に稲光がはしり、一瞬だけ、濡れた特殊鋼の巨人が荒野にうきあがる。それは、慄然たる動きをみせた。銃口をこちらにむけたのだ!
GM
「それで、全長3メートルはあろうかという、大砲のような巨大なライフルを君たちの方にむける。あっ、光った。ピカッ!」
リンダ
「撃たれたの!?」
牛
「当方に迎撃の用意あり! お前のその行為、宣戦布告と受取った! カ・ク・ゴ完了ォオ!」
リンダ
「覚悟完了したようですっ(泣笑)」
八重樫
「さよなら、お母さん。」
GM
「船が揺れる。ガガーン! 『装甲鈑、破損!』装甲を1点、減らしてもらおう」
志尾原
「[火力値]1ですね。じゃ、いきますかコッチも!」
牛
「もちろん扉を開けて外に出るッ!(笑)」
GM
「頑張ってくれ、距離300メートルだからな(笑)」
志尾原
「そんなに近いんですね(笑)」(普通の人にとっては近くない)
牛
「だーいじょうぶ、なんとなくたどり着けるはず!」
志尾原
「とりあえず、撃ちますからねわたしは!」
リンダ
「お前らー! なんかスゴイ生き生きしてるよー!」
射撃のために、志尾原は舷窓をあける。耐爆構造の固定ボルトを外し、重い樹脂のかたまりをもちあげる。開けた途端、顔面をなぐりつけるような暴風が突入してきた。志尾原は対戦車ライフルをかまえる。全長2メートルもの小銃であり、なみの兵士ならとても室内で扱えるものではない。志尾原の強化された肉体は、それを玩具のように持ち上げ、最良の射撃位置に固定した。弾倉を機関部に叩きこむ。ボルト・チャージングハンドルをコックする。12.7ミリの大口径弾が薬室に飛びこみ、撃発位置におさまる。カワセミが水中に飛びこんだような鋭い金属音が、暴風の咆哮を引きさく。聞きなれた撃発準備の音響に、志尾原は口の端に笑みをうかべた。
GM
「風がふきこんでくるが撃てないほどではない。身体がびしょびしょに濡れて、稲光に君の笑顔がうかびあがる(笑)」
リンダは格納庫の<大角>に向かっているという。牛と志尾原がまず戦闘に参加。牛はハッチをあけて外に出ている。
GM
「牛さん外にでたのか。風に吹っ飛ばされてないかどうか、STR難易度5で判定を。失敗したら、200メートル吹き飛ばされて海に落ちて、二度と帰ってこれないから(笑)。……あ、うまくいってる。どうにか踏ん張ったね。毎ターン判定してもらうからね」
敵・パワードギア部隊は、すでに全員が戦車から降りている。イニシアティブをもっていかれ、戦闘がはじまった。
GM
「最初の目標は牛か。閃光が見える」
牛
「風速50メートルの中で弾道兵器を使うというのは、修正どれくらいなんだ(笑)」
GM
「おお、なるほど(ニヤリ)。しかし、その特有の衝撃音からすると、(敵がもっているのは)電磁加速兵器らしい」
リンダ
「えーーッ!?」
牛
「それじゃ、そうは(横風で弾丸は)曲がらないか」
GM
「もちろん影響は受けるよ。しかし、あの装備からすると、かなり高度な電子照準修正装置を搭載していることは間違いないだろう」
志尾原
「なにーっ。動きは? 重々しい? じゃ、回避は遅いな」
GM
「7の3カードね。DEXで回避してね♪」
リンダ
「殺る気だ(笑)」
牛
「あ〜〜〜〜〜。当たるのは仕方ないな、12だ」
GM
「当たってるよキミィ。ダメージ10ね」
志尾原
「10ゥウウウウ〜!?」
驚愕する一同の声をよそに、牛はまず単分子剣による絵札防御で1点ダメージを軽減。つぎに胴着により、1点軽減。最終的に8点のダメージを受けた。
リンダ
「うわーーー!」
牛
「痛いなァア。これは困った。手札が5枚になっちゃったよ!」
GM
「君の身体は衝撃で宇宙船の隔壁に叩きつけられる。生温かい血が、口からあふれるよ」
一撃で牛は重傷を負った。さながら肋骨が何本か折れ、消化器にも傷を負ったというところか。
GM
「戦術技能をもっている牛さんは知っているだろう。どうもこれは、一部の精鋭陸戦パワードギア部隊専用の、<メガ・レールガン>とかいうモノらしい。対装甲車輌・対パワードスーツ用の火器でね、人間には持てないサイズと反動があるんだ」
リンダ・志尾原
「うわーーーっっ」
牛
「ちょっと遠すぎたか……!」
GM
「もうちょっと近寄らないとネェ」
志尾原
「しかも、これがあと4体!」
GM
「撃ってくるよ!」
次は舷窓から銃をだしていた志尾原が狙われた。パワードギアからみると目標が小さいので、じゃっかん照準しづらかったようだ。回避能力だけみれば、回避技能8をもつ志尾原の敵ではない。レールガンの銃弾は外れ、船内に飛び込んで火花と破片を撒き散らした。
次に狙われたのは牛だが、今度は攻撃カードが1枚だったので回避できた。地面に1メートルはあるクレーターができた。つぎのパワードギアの攻撃も牛を狙っている。
牛
「(GMがだした札を見て)よかった、だいぶ温情が入っているね」
GM
「ちょっとねー。この辺でつかっちゃうのもナニかと思うしね(笑)」
リンダ
「後でナニかある!?」
八重樫
「後でもっと殺したい時がある?(笑)」
GM
「ウフフッ♪」
志尾原
「やべぇ、マスターがあ! いまの笑いはなにか企んでいるー!?」
牛は最後の銃弾も回避した。一時撤退ということで、船内にもどる。八重樫は、敵がのってきた小型戦車にハッキングを試みる。
GM
「電子、難易度6。……切り札!? じゃ、セキュリティは解除できた。つぎはシステムの掌握だ。……失敗してる」
八重樫
「あっ、ブロックされましたか」
GM
「兵士がハッキングされかけたことに気づいたようだ」
いっぽうリンダは、ようやく格納庫の<大角>に乗りこんだ。つづけざまに計器に灯をいれ、仮想情報グローブを握り締める!
どうしたわけか、サイバードラゴンのあの力強いエンジン音がいつまでたっても感じられない。かわりに、眼前のHUDに、真紅の文字列が表示された。なにかの一覧らしい文字列は、上から下に、延々と列をつくって流れていく。
GM
「起動の判定には成功してる。……前回のミッションで、部品が摩滅してるから。それに各部のオイル、充填材、冷却材、燃料その他もろもろ、しめて500万ガメル分の補給と整備が必要だ! それをしないと動かない!(笑)」
リンダ
「マッジーーーー!?(一同笑)」
GM
「OSがちょっと動いただけだったね(笑)」
リンダ
「駄目だ! 降りよう!」
GM
「というわけで、500万払わないと動かない。しかも部品の調達判定は別にやるんだぞ(笑)。サイバードラゴンはまるごと規格外だからね。一体50億ガメルもする特殊な機体なんだ。駆逐艦50隻ぶんだぞ!」
リンダ
「ぐは!!」
牛
「ハッチ内にとびこんで、複数行動できますか? ルールブックかしてくれ。……よし。重傷から回復するために、鍼灸術を。べつに自分にできないとは書いてないっ」
GM
「ううん(笑)。打ちにくいツボなどあるだろうから、判定値からマイナス1で、難易度5でDEX」
牛
「ちくしょう、切り札使えなくなっちったまったじゃないか! 10、11、12」
GM
「うまくいってる」
牛
「さあ、3つ回復!」
リンダ
「レールガンで撃たれたあとに鍼灸術で直している牛……なんかイヤ〜(笑)」
GM
「初速マッハ20超えてるのに〜(笑)」
志尾原
「撃って隠れます。複数行動ってことで」
暴風雨の中、300メートルもの遠距離目標を志尾原は撃つ。スコープを搭載していない対戦車ライフルでは、300メートルでは遠距離修正をうける。修正がマイナス4。が、志尾原は牛を撃ったばかりでよそ見をしているパワードギアを狙った。修正プラス1。結果、マイナス3の修正。志尾原は切り札9をだす。
GM
「こっちは2枚すてて。……ダメージ11か、ちょっとよろめいたな」
志尾原
「あ、通常ダメージなんですね。[火力値]かと思ってたんですけど」
リンダ
「それよりもさ。お前の切り札9でよろめいただけってのが問題なんだよ!」
GM
「でも、装甲鈑がめくれて、中破しているかんじだよ」
志尾原
「アレでいけてしまうということは、ただの人間レベルの兵器でしかないということですから……」
リンダ
「だからお前は非人間だけど、こっちは人間で、なおかつ弱いのよ!」
牛
「しょせんヤギ程度だよ!?」
GM
「ただ、[火力値]だとダメージ倍々になって一撃必殺を狙えるけど、通常ダメージだとそうはならないからね」
志尾原
「でも、わたし以外でもダメージを与えられることになりますからね」
GM
「
装甲を貫通すればね。
」
リンダ
「装甲5以上ありそうだろ! こっちは武器がよええんだよ!」
牛
「装甲5なんて、ヤギといっしょじゃん」(Dr.ファナティックの重機動ヤギのことか)
志尾原
「変わらないですよね。10ぐらい与えてやれば、なか通りますからね(笑)」
リンダ
「だから、お前ら人非人はー!」
八重樫
「恐いですね。」
1発撃って、志尾原も艦内にひっこんだ。パワードギアが連続で発砲、<母飛>は停泊中なのでドカドカと命中し、激しく艦体が振動する。装甲値マイナス5。上空から主砲で攻撃しようということになり、緊急離陸することになった。
(ここでかふう氏が登場。以前別のところでつくったカエル中年男性、滲蠢游で遊ぶことになった)
GM
「傭兵ギルドにいたのを、八重樫さんのつてで連れてこられたってことで。で今回、傭兵艦隊にいて、リンダたちと合流した、としようか」
八重樫
「……むかし同じ星にいたことがあるんです。」
滲蠢游
(しん・しゅんゆう)「<美貌>もってるんだ。カエルのわりには美形なんだ(笑)」
八重樫
「わたしと一緒に夜明けのハエを食べないかい?(謎)」
彗星衝突まで、あと15時間。
リンダたちは上空にあがった。しかし志尾原は手札が悪いし、ミサイルは置いてきてしまっている。パワードギアはそれぞれ5メートル以上離れているので、[火力値]5の主砲では、巻き込みダメージは5なので、1発で1体しか仕留められない。
主砲で射撃! しかし通常札なので、回避されてしまった。
もういいや、ということで、リンダたちは衛星軌道上にもどることにする。<母飛>は、嵐を裂いて上昇していくのだった。
八重樫
「さっきアクセスした豆タンクに、ハッキングを続けますよ」
GM
「電磁嵐の影響で、そろそろネットを介しているコンピュータがやられはじめているようだ。もう電脳戦も行えなくなる」
リンダ
「しゃーないから遺跡でもまわるか。メルカ会いたいんだけどなー」
GM
「いま上昇中なんだけど。リンダさん、INTのみ、難易度2で判定してもらえるかな。あ、成功してるね。首筋のウロコに、なにか熱いモノをかんじるネ」
リンダ
「えっ!? なんスかそれーー!?」
牛
「そういえば、リンダの首は虹色のウロコに覆われているんだったな」
GM
「リンダの目の前に、黄色い小さなトカゲのようなモノの幻が見えてくる。見覚えはない。ギラ軍曹の肩にのっているゼランボラに、ちょっと似ていなくもない……」
志尾原
「ホローさんどこみてるんですか? もう駄目になっちゃったんですね(笑)」
八重樫
「あ〜あ。」
「竜泉2号星にいきなさい」トカゲの幻影がリンダに告げた。口は動かしていない。その声は、リンダの脳に直にひびいてきた。
牛
「ホロー分隊の運命について、三枚ほど(私物のタローを)ひいてみたんだが。星の逆位置、女教皇の逆位置、審判の逆位置。なかなか楽しかったぞ(笑)。希望の逆、決断力や神秘的な知恵の逆、審判の逆、という意味が(笑)」
リンダ
「審判の逆って……、滅びですかッ!?(泣)」
謎のトカゲの幻影は、さらに告げた。「S−ユニットを起動させるしかありません。かれらを阻止するには」そう言い残し、幻は消えていく。
リンダ
「ぜんっぜん、心当たりないんですけど!」
八重樫
「サディスティック・ユニット。」
志尾原
「スナネズミ・ユニット?」
リンダ
「じゃあ、とにかくその第二惑星のほうに行きましょう! エンジン全開でいきますわ!」
半壊しかかったハッチのそばをぷらぷらと通ったカエルハーフ、滲蠢游が気づいた。(INT判定による)
奇妙な物質がハッチの縁にこびりついている。黄色いゼリーに似た、半固形物質である。生臭い臭気があたりにたちこめていた。
滲蠢游
「やべ、なんか親近感わいてきた(笑)」
GM
「傭兵ギルド関連で欠員補充されてきたなら、知ってるんじゃないかな。それはフラクタル物質というものでね。あのクレーター一面に、これがこびりついていたらしい」
牛
「プラズマ♪ プラズマ♪ ひとりよりふたりがいいさ……」
リンダ
「いますっごく嫌なこと思いついたんですけど! あのクレーター、プラズマで出来たんだよオイー!?」
大気中でプラズマ体を交差発生させると、周囲に浮遊している有機分子が荷電粒子に分解され、有機物として再構成される。これがフラクタル物質である。ただし、いつでも生じるものではなく、山火事の煙などのエアロゾルが周辺に浮遊していた場合にだけ生じる。また、上級仙人ならこうした痕跡を残さずにプラズマ体を発生させることができるという。
GM
「つまり、仙人による特殊攻撃の可能性が高い」
リンダ
「でも上級仙人なら、こんな痕跡を残すかな」
GM
「300メートルのクレーターを3つ開けるんだぜ。敢えて痕跡を残すということもあるかもよ。だとすれば示威行動だ」
滲蠢游
「というわけで。逃げましょう!(笑) みんなレベル6だけど、俺だけ1なんだよ〜」
リンダ
「全速力で第二惑星の方に向かいます!」
軌道上にあがった<母飛>に、牙竜から通信がはいった。ギラから連絡があったのだという。リンダはギラ軍曹と直接話をさせてもらう。
GM
「彗星衝突には、間に合わなかったみたいね。メルカちゃんには会えたの?」
リンダから話をきいたギラは、軽い調子でいうのだった。
GM
「ふうーん、なるほど。諦めて帰るっていうのもテかもね〜」
リンダ
「あのわたし、なんか黄色いトカゲの幻影をみたんですけど!」
GM
「『メルカちゃんのシンボル・ユニットね』といっている。『それで、なんといってたの?』」
リンダ
「第二惑星に早くこいって。S−ユニットを……」
S−ユニットときいただけで、ギラ軍曹の顔色がかわった。
GM
「画面の中でギラがさーっと青ざめて、冷や汗たらたら流して、『え……S−ユニットォオオオオオ!?』と、10メートルぐらい後ずさりするんだけど(笑)」
リンダ
「なんか映像が浮かぶんですけどー!」
GM
「ごくりと喉をならして、『そ、そうね。仕方ないわね、状況が状況だものね。がんばってね!!』と、勝手にぷつりと通信をきる(笑)」
リンダ
「ちょっと待ってぇええ! S−ユニットってー!?」
志尾原
「素直に第二惑星に向かいましょう。そこに答えはあるでしょう」
GM
「いまので1時間くらい食ったから、あと衝突まで14時間といったところか」
GM
「第二惑星に着いた。木星のような巨大なガス惑星で、オレンジ色と茶色の入り乱れた雲海が広がっている」
志尾原
「遺跡がどこにあるのか調べます」
GM
「それは違法アクセスになるぞ。しかも帝国首都の防衛コンピュータ<西王母>にアクセスしなければならない。帝国直轄領だからね。親衛艦隊がすぐ側に配置されているしね。君たち、よく考えるように。一斉射でチリも残らないぞ」
志尾原
「イチかバチか、やってみますか。見つかったときは死にますけど、見つからなければいいんですよ♪」
滲蠢游
「運がよければ必ず成功するって発想、やめようよ(笑)」
志尾原の電子技能は9だが、八重樫は12だという。強力な防衛コンピュータに違法アクセスする大任は、新人サイバーOLが負うことになった! 八重樫はいつもと変わらぬ陰うつな口調で心境を述べた。
八重樫
「違法アクセスで吹っ飛ぶのは、わたし以外のヒトにしてほしいんですけどね(笑)」
志尾原
「いいカードがあるし。絶対に成功させます!!」
リンダ
「すごい、志尾原係長が燃えてる!」
八重樫
「愛の告白みたいだ。」
難易度9。志尾原はさらっと応援として切り札12をだす。このころは判定がヌルかったので、八重樫は判定に成功した。
八重樫
「鬼アクセス、開始!」
GM
「帝国首都の防衛コンピュータに違法アクセスしたと!(笑)」
八重樫
「ちょっと快感ですよね♪」
GM
「じゃ、つぎは遺跡なんかについて調べるのね。サクっと難易度10(笑)」
次も志尾原が切り札12をだす。簡単に成功した。志尾原と八重樫の組み合わせは鬼である。
GM
「赤道のやや上方に、直径1キロのリング状監視ステーションがある。その下のアンモニアとメタンの雲のなか、大気の底のほうに未知の遺跡があるらしい。調査はろくに進んでいないが、とりあえず直轄領に指定され、厳重に保護されている。座標も公表されてないぐらいだからね」
リンダ
「ここまでわかってしまうとは!」
八重樫
「違法アクセスばんざい!」
志尾原
「違法アクセスって素晴らしい!」
牛
「犯罪者の集団(笑)」
リンダ
「自分だって一緒にいるくせに」
牛
「たまたまね」
GM
「レーダー担当八重樫さん、判定。難易度2。……成功したね。レーダーに巨大な反応が。帝国の長江級重戦艦が追跡してきているようだ」
リンダ
「長江級! こないだモスコ=ミュールを爆散させたのは?」
GM
「あれは巡洋艦クラス、重戦艦に比べれば全然たいしたことないね(笑)」
志尾原
「渡り合うことはできないんで、逃げましょう!」
八重樫がまた、<西王母>にハッキングを開始した。<母飛>のレーダー反応を敵艦から消失させるのだという。軍用の専門的データを操り、なおかつ敵艦のレーダーコンピュータに転送して欺瞞しなければならない。これはすさまじい難易度になる。
GM
「よし。じゃあ、電子難易度ズバリ13いってみよう!!」
牛
「やばいっ! 神の領域とよばれる……!」
操艦中の者もいて、みなはたいして応援できなかった。失敗した!
GM
「失敗してるね。てゆーか逆探知されてるんで(笑)」
八重樫
「ゴメン。」
GM
「攻撃プログラムによるKOダメージがくる。STR難易度5ね」
リンダ
「八重樫、STR1なんですケド!」
GM
「2のペア」
八重樫
「オヤスミ。」
GM
「あ、気絶した。火花が走って倒れる。どさっ、ゴトッ」
牛
「ハッカー敗れる!(笑)」
リンダ
「うちらがどんどん犯罪者集団になりさがってるー!」
GM
「今ので帝国警察にも手配されたな。国防省中枢コンピュータに侵入した伝説のハッカー(笑)」
八重樫
「いきなり犯罪者になるとは思わなかった(笑)」
滲蠢游
「レーダー手、交替しないといけないんじゃ?」
志尾原
「わたしがレーダー手いきましょう」
GM
「
彗星衝突まで、あと13時間
」
さっそくレーダー手は判定をおこなう。難易度3。
GM
「成功した、気づいた。長江級戦艦が、大破した! おびただしい赤外線反応が!」
リンダ
「は!?? ナニがあったんですかー!?」
牛
「とりあえず。振り返るな、前を見ろ。希望はそこにあるはずだ。全速前進!」
八重樫
「いつごろ目がさめるんでしょう」
GM
「あ、もういいよ」
無敵を誇るはずの重戦艦が大破していく。その姿がレーダーモニターに映じられている。無数の破片がガス惑星に落下していく。煙の尾をひきながら、長江級戦艦は回頭していく。それは帝国の人間には信じられない光景だったはずである。親衛隊の重戦艦に、これほどまでの打撃を与えるとは!
GM
「長江級はぶざまに軌道から離脱していく。その後ろから、一個艦隊があらわれる」
一同
「いっこかんたいーーー!?(本気で絶叫)」
反応を解析すると、駆逐艦クラスが10隻、戦艦が2隻。
GM
「ものすごい機動力で追撃してくる、このままではあっという間に追いつかれるぞ」
八重樫
「八重樫はだいぶ不機嫌そうなんだけど。あんな、沈む船のために大犯罪者だよ。『滲蠢游、よかったね。ヘビ(型戦艦)、沈んでくれたよ』」
GM
「難易度1でレーダー判定を。成功したか。<母飛>の前方に、みたことのある船が。モッケンディー君の船が!」
志尾原
「みなさーーん♪」
リンダ
「いましたねーーー!! フクロだーー!」
緊迫した状況に似つかわしくない流麗な美しい中型艇がモニターに映る。なにか目的があるらしく、モッケンディーの宇宙艇のほうから接近してきた。ドッキングがおこなわれる。難易度3なので、判定は簡単だった。
リンダ
「モッキンさんいらっしゃーい♪」
GM
「やぁ久しぶりだな諸君」
リンダ
「『やぁ久しぶりだな!』 まず右ストレートォオ!」
GM
「え。じゃ、『グハッ!?』といってブッ飛んで、歯が2、3個床に転がるんだけど(一同笑)」
滲蠢游
「やべぇ」
リンダ
「おねんねの時間はまだだぜ、オイオイ! 気ィ失うんじゃねーぞぉ! ウチらの金はどこだぁー!?」
GM
「『あのときは急な調査という事情があったから仕方なかったんだ! いきなり殴るなんてひどいじゃないか、金を返そうかと思ったがやめだなコレは!」
リンダ
「フクロにしよっかァ!」
牛
「モッケンディーさん。コブラツイストって知ってますか?」
志尾原
「モッケンディーさん。腕一本とお金、どっちが大事ですか?」
GM
「おまわりさーーん!」
ここで、モッケンディーはキリッとシリアスな顔に戻って、言い放つ。さっき5メートルほど後ろに飛んだサングラスもきっちりかけ直している。じゃっかん歪んでいるが。
GM
「そっそんなことより! 今は艦隊が後ろに迫っている! これは大変だ!」
リンダ
「うちら遺跡に行かないといけないんだ。S−ユニットがらみで」
GM
「ならば奴らとぶつかるのは、もう仕方がないよ!」
リンダ
「ところで、S−ユニットって何だか知ってるの?」
GM
「…………。さあ、撃退しよう!」
リンダ
「おいこらまて、S−ユニットってなんなんだー!?」
牛
「モッケンディーさん。ご同行をお願いしましょうか」
GM
「『もちろんそのつもりだ。あんな、直轄領にある第一級の古代遺跡に触れられるなんて、ぼくのような傭兵学者にとっては夢のまた夢だからね!』といって、サングラスをキュピーン! と動かしている」
リンダ
「とにかく。お金を返してもらって、一緒に行こうか」
後方に謎の艦隊が迫る。とりあえず、敵であることだけは明白だった。砲撃がはじまったのだ。衝撃の中、リンダたちは慌てて艦橋に戻る。
GM
「いま操艦してなかったから、回避だめだろうな。サクッと装甲10点マイナスしておいてね」
牛
「マイナス86か。とっくに半分いってるか」
GM
「さて。その未知の艦隊が、あたかも鶴が羽を広げるように上下左右に展開し、……『は、早く撃ち返すんだ!』」
牛
「3次元鶴翼の陣(笑)。多勢に少数だから、撃ってもしょうがないんだ。後ろをむいて逃げ出すのが一番安全だよ」
志尾原
「そのままダッシュですね!」
リンダ
「お腹のサイドラはなんとしても救出せねばならん!」
<母飛>は、竜泉2号星の濃密な大気のなかへ突入した。渦巻く激しい乱流と雷光が、<母飛>を襲う。しかし、なおも謎の艦隊は追跡してくる! 戦艦級まで瞬時に大気圏に突入してくるとは……どういう船体構造をしているのだろうか? 必至の操艦のなか、リンダは思った。
GM
「まだ追撃してくるぞ、ふりきれ! でも目的地が同じだから、意味ないような気もするケド。」
リンダ
「言ったあとに鋭いツッコミってのは、どうにかしてくれもう!」
牛
「さあ、早く遺跡にたどり着くんだ! 白兵戦なら火力差がもっと縮まるはずだ(笑)」
GM
「レーダー判定を……成功したか。船舶がジャンプする時に生じる重力波によく似た反応が。大気圏内なのにね。反応が消えたようだ」
志尾原
「艦隊がジャンプしましたねー。どこへいったんだ?」
リンダ
「大気圏内でジャンプするなんて、めっちゃ危険な奴らだぜオイ! どこにジャンプしたんだ?」
GM
「モニターのなかはものすごく視界が悪くて、オレンジ色と茶の嵐が吹き荒れているんだけど。その大気を裂いて、突然、敵駆逐艦の船首が目の前に!」
リンダ
「いやあー! うわあああー!」
GM
「その主砲に光が灯る」
リンダ
「撃ってくるの?」
GM
「もちろん。一斉砲撃だっ! 青い閃光が雨嵐と大気を裂く。難易度10で回避してね!」
リンダ
「みんなのキモチが欲しい! みんな、わたしを信じてっ!」
八重樫
「……みんな死ぬんだ。」
滲蠢游
「死にたくないーッ!」
牛
「全速で衝角突撃!(笑)」
GM
「宇宙海賊か、あンた」
艦隊から<母飛>一隻への射撃であり、火線が多い特殊な攻撃判定となる。面倒なので、一般判定で一括処理をした。GMがめくった札は10の3カード。<母飛>側は、応援もふくめたが、11のペア。砲撃が命中してしまう。2,3本主砲射撃が命中したということで、装甲値ー30。装甲値のこり44点。<母飛>は崩壊寸前である。艦橋は、もはや真っ赤な警告灯の嵐に満たされていた。火花が計器から飛び散り、焦げた臭いが漂う。
リンダ
「昔もこんなような状況、味わったことある気がする!」
GM
「装甲鈑剥離、プラズマ雲発生、艦内温度上昇!」
リンダ
「牛! 戦術技能で、艦隊の手薄なところ見つけられないかな!?」
滲蠢游
「きっとそこはヤマトを誘いこむ罠だ(笑)」
八重樫
「前回からの新メンバー2人、妙に悲観的な発言が(笑)」
操縦桿をにぎりしめながら、リンダは叫ぶようにたずねる。
「なあ、あんたの兵法でなんとかならねーのか!? 牛!」
牛ハーフ青年は、三次元画像の軌道相関図とレーダー画像をにらんでいる。一歩だけ前へ踏み出す。こたえた声は、古びた岩の塊がうなるように重々しかった。
「やってみよう」
GM
「
彗星衝突まであと12時間
」
<次章予告>
いよいよ苛烈になっていく謎の艦隊の砲撃! たった一隻で、リンダたちはこの猛攻を どうしのぐのだろうか!? そして、古代遺跡に隠された重要な秘密とは!? 次章へいそげ!
モッケンディー
「フ。つづきだよ」
モッケンディー
「フ。パラフリの総合目次だ」
モッケンディー
「ホロー分隊戦記14話から26話までのパラフリ議事録一覧さ。」
モッケンディー
「ホロー分隊戦記13話までのパラフリ議事録一覧さ。」
表紙へパラパラ♪
2000.8.10.作成 清水三毛.