極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第14話<勝者の黄金龍>

第4章 拷問
リンダ「まずは偽者リンダの手足をしばって、あとは猿ぐつわをかましとかないとね。ちゃんとしばったな? ……おし、じゃあ起きろォオ!」
八重樫「そんなに一生懸命しなくてもいいのに(笑)」
田宮「そのまえに、場所を変えたほうがいいのでは」
「それ以前にケガ治してやろうか? 失敗するとダメージ4だけど(笑)」

 牛がもっている鍼灸技能は体力を回復させることができる。しかし、判定に失敗するとダメージとなってしまうのである。

リンダ「死ぬ! それダメ駄目! 起こすおこす。コチョコチョ。はーいどうも、こんにちわ偽者さーん(笑顔)」
GM「起きた。睨みつけて、なんかいいたそうだけど、『もがもが』」
リンダ「まずはYES or NOでこたえてもらいましょうかね。首、たてにふれるからね。そうだ牛、階段から蹴落しても首を折らないような固定の方法、教えてよ」
GM「……ナニをするつもりだ……?」
志尾原「それは後ということで。猿ぐつわだけ外しておきましょう」
リンダ「じゃ、質問にこたえてください。ハイ、誰に頼まれたんスかー?」
GM「『誰がいうものかっ!』と、リンダにむかってペッと唾を吐く」
リンダ「おっけおっけオッケー(笑顔)。いいレスポンスだぁあ〜、ウン」
GM「いう気はなさそうだ」
リンダ「マジ言う気ないの? マジで? はーん、じゃあいいや」
GM「ううッ、ついに始まったぞ、捕虜拷問の瞬間が……! そのパーティの人格が問われるという、有名なイベントが(笑)」
志尾原「じゃ、まあ。こう、顔に名刺シューターつきつけて、『とりあえず、こたえてください』」
GM「ガタガタ震えながら、汗をダラダラたらしてるんだけど、でも言おうとしないな」
リンダ「じゃ、よし。志尾原、ちょっと任せて。まずね……肩、はずせる?」
志尾原「ていうか、名刺シューターで耳をそぎおとすとか?」
リンダ「いやそれはイカン、女性だから」
GM「同じだ、おなじ!」
リンダ「あ、そうだ。手、折ろう」
GM「泣けてくるなあ。あ、ようやく警察のサイレンが聞こえてくるんだけど」
リンダ「じゃ、奴かついでさっさと逃げるぜ」
志尾原「警察の撹乱はお任せください」
GM「オイオイオイ」
「ぼくは平和的にホテルに帰るから(笑)」
GM「でもあえて止めようとはしないのね……」
田宮「平和的にアサルトライフルの弾を漁って(笑)」
GM「マガジンが1個のこってる」

 本格的に拷問が始まった。判定はSOCで犯罪技能を使えるということにした。内容としては脅迫だろう。

リンダ「マジ殺したくないから、正直にこたえて。このままだとね、止められないから、ウン」
GM「俺は3枚だすよ。交渉判定だから伏せて同時に。……9の3枚」
リンダ「犯罪5なんだけど、全然いい札がないんだ。(札を見比べて)……駄目!」
GM「じゃ、言わないな。『ケッ、このあばずれめ!』」
リンダ「仕方ないッス! 首を固定して、階段から蹴落とす。死にゃしないだろう」
GM「ううッ……(泣)」
田宮「わたしは参加しないから」
GM「階段ねえ。ダメージ2くらいかな。縛られてるから回避マイナス3くらいで……失敗してるけど、防具のせいか、あまり効いてないな。聞くに耐えない悪態を速射砲のようにあびせてくるよ」
リンダ「マジ元気じゃん」
志尾原「再び腕の名刺シューターをほっぺにつきつけて、『耳がなくなるのと喋るのと、どっちがいいですかー?』と優しい声で(笑)」

 脅迫なので、SOCで判定をする。双方ともに2のペアだったので、志尾原は脅迫に失敗したことになる。

志尾原「じゃ、なくしましょう♪」
リンダ「おいおい、ちょっとまてー! 女の耳なくすなんてキミ鬼っすよ!」
GM「お前も相当なモンだと思うが……」
志尾原「ていうか失敗した以上、なくしますから。左耳さん、なくなって下さい」
GM「うわぁマジかよー!? ……じゃあ、悲鳴が裏路地にこだまする。肉の落ちる柔らかい音が」
風間(見学者)「ぼたっ」
リンダ「うわあああ!」
GM「のた打ち回っているな。喋れる状況ではないようだ」
リンダ「じゃ、猿ぐつわかまして耳を止血して……」

 こんなの、もうパラフリじゃないやいっ。そのときGMは、密かにそう思った。

GM「いま2人とも、そばに立ってるでしょ? 回避してもらえるかな。いきなり光ってね」
風間(見学者)「じばく?」
GM「そうそう。まぁオーソドックスにネ(笑)」
リンダ「殺しておいたほうがよかったね」
「ていうかキミ。いま自爆は致命的なんじゃないのか(笑)」
リンダ「やばいね。手札、全然よくないんだけど」
田宮「ぜんぶ志尾原が悪い気がするのは気のせい?(笑)」
GM「そばにいるから直撃ダメージもアリだなー。はっ!? 路地裏だから、しかもダメージが倍になるんだ♪ 回避判定にマイナス2ね♪」
八重樫「いま路地裏って気づいた瞬間のマスターの表情、すごい嬉しそうだったなあ(笑)」

 GM側は4の2枚。2人とも爆発にまきこまれた。まず直撃ダメージ4だが、防具で減らせた。次に巻きこみダメージだが、閉鎖空間での巻き込みダメージ増幅規則により、回避修正値マイナス2で、しかもリンダは出せる手札が2枚になっている……。

GM「あ、でも2人とも回避した。リンダ、体力いくら? 2か。あちこち骨折して死ぬ寸前だね(笑)。黒コゲで」
志尾原「耳がキーンとするなー」
リンダ「死ぬ……」

 リンダは瀕死だが、けっきょく志尾原はダメージ1を受けただけである。

リンダ「病院つれてってくれー!」
GM「サイバー化してるから、志尾原のアルカリ電池でリンダも回復できるよ。電子回路に活を入れるんだ、むりやり新陳代謝を活性化させてね(たぶん)」
志尾原「しかし、<しきがみレーザー>が撃てなくなるなあ。やめておきましょう」(←鬼)
一同「うわあー!(笑)」
GM「信じらンない!(笑)」
志尾原「しょうがないですね。病院にまではお連れしますよ」
リンダ「病院いったら捕まりそうなんですけど!」
GM「とりあえず治療はしてくれる。3点、回復していいよ。包帯だらけで集中治療室に入れられてるんだけどさ、なにか医者と看護婦が互いに目配せしている(笑)」
八重樫「さっきニュースに出てたあの人じゃない?(笑)」
GM「廊下で電話かけてる声がきこえてくる」
リンダ「逃げ出す!」
GM「重傷だろアンタ(笑)」

 志尾原たちはホテルへ戻った。リンダだけは病院に残された。やがて警官が病院を訪れる。報道では、宙港を襲撃したのはホロー分隊だった、ということにキッチリなっていたらしい。
 古来、このての物語では一般市民は本物の主人公とニセモノの区別をつけられない、というのが王道であるからして、やむを得ないことといえる。


GM「重傷だから仕方ないな、身元確認だけだ。即、警察病院に移したかったんだが(笑)」
リンダ「いやーっ、いやーっ!」

 いっぽう、ホテルに戻った一行は、金剛竜について調査をおこなう。
 生息地である惑星<火焔山>は自転していない。その、永久に太陽があたる高温の領域にある融けた鉛の海に金剛竜は棲息しているという。遊覧船などもある。じきに捕獲が禁止される。


田宮「どんな感じで猟がおこなわれるのか?」
GM「大昔はね、凍冷船という特別の浮遊船で鉛の海を冷却させながらすすんで、電撃銛で捕獲していたという。でも今は数が減ったから捕獲が禁止されるという状況」
田宮「じゃあ、こんなところでホテルに戻ります」

 ホテルに戻った一同は、集中治療室に入れられているリンダのことなどすっかり忘れ去ったかのように、戦いの垢を落としてくつろぐのだった。

リンダ「ホテルに4名、集中治療室に1名っすか!(泣)」
「すばらしく私はオイシイ役だったな。風のように味方のピンチに現れて、スパーン! ときめて、『じゃ』(笑)」
八重樫「いちばん危険なとこにはいなかったし(笑)」

 病院から脱走するかどうか、リンダは1人悩む。ていうか誰も助けようとしない。
 このままでは無実の罪で警察に逮捕されてしまう。包帯ぐるぐる巻きのまま、あせるリンダであった。


GM「(出してもらえるかどうか)正面から交渉してみたら?」
リンダ「でもSOC1なんだよ。1枚しか出せないんだよね」
志尾原「しかも誰もいないんで。誰も(<応援>に)参加しませんよ」
リンダ「脱け出そうかなー。下手に警察病院とか連れて行かれたらかなわねーしよー、犯罪者だし。……あー、脱け出そう(疲れぎみ)」
「そうだよねー、ホロー・チャージじゃなくてリンダ・ラ・ロンドの名前が出た瞬間に……」
志尾原「さらに大変ですからね」

 「この患者はどうやら整形手術を受けたようだな。瞳と毛髪の染色に薬剤を使用した形跡がある」
 激しい苦痛の中で薄れがちな意識の中でも、医師の言葉はききとれた。このままでは正体がバレてしまう。リンダはより一層あせるのだった。


GM「といってるうちに夜になったことにしようか。今は見張りの看護婦さんもいない」
リンダ「逃げ出す、にげだす! このままじゃヤバイ!」

 リンダは隠密技能(DEX)で脱けだす判定をおこなう。しかしリンダの首すじには七色のウロコが光っているので、隠密−2の修正をうけてしまうのである。

リンダ「なんだよオイマジー! 誰だよ世の中支配してる奴ァ!」
GM「俺」

 難易度は4とされた。対して、リンダは13の札をだした。

GM「お、成功した。じゃ、病院の外に出た。暗い、夜のモグラの街だ」
リンダ「そっこーでホテルに戻る!」
GM「ところが! 懐中電灯の光が! 警官がパトロールしてるんだ。あれだけの大事件だから、警戒中なんだよね」
リンダ「マジか!」
GM「『むっ!? あそこに誰かいるぞ!?』難易度5で、同じ判定を」
リンダ「マジーー!?」

 リンダは12をだした。とことん今のリンダは手札が悪かった。

GM「Aだ。『止まれ、止まれー!! 止まらんと撃つぞ!!』」
リンダ「あ〜〜ッ! 路地に入って逃げるよ!」

 追跡をふりきれたかどうか、STRで何回か判定をすることにした。STRならリンダには有利だ。<切り札>を1枚だして、次の難易度は少しだけ下がったものの。今回リンダの手札は悪く、決死の逃亡劇がつづく。

 夜闇のなか、開いた傷口が氷のように冷たく痛む。
 これは夢、そう、ただの悪夢なんだ。リンダはそう思いはじめていた。
 イマ本当ノ私ハ、温カイオ布団ノナカニイルノ。ソウニキマッテルサ。デモ、ハヤクサメナイカナァ、コンナ嫌ナ夢。


「そういえばリンダくんはどこに行ったのかな。ずいぶんと帰りが遅いねえ?」(←ホローだろ)
志尾原「そうですねえ。どこにいるんでしょーねー」
田宮「いま病院に泊まっているのでは?」
志尾原「ああ、入院してるんですよ。……さて! 対戦車ライフルの手入れでも(笑)」
GM「誰も助けにいかないんだね。薄情だね〜(笑)」
リンダ「この会話もしきいてたら、何するかわからねェぞマジで」

 リンダは2回めの判定に成功した。しかし3回目で判定に失敗、警官においつかれてしまった。警官は射撃姿勢をとっている!

リンダ「さらに逃げる!」
GM「あと2回失敗したら、捕まったことにするからね」

 けっきょくリンダは捕まってしまった。(その直後にリンダの遊戯者にペアの札がきた。)

リンダ「いまごろペアが出てもおせーんだよっ!(遊戯者、椅子を床に叩きつけて激しく暴れる)」
「うわ、なに考えてるんだお前は」

 正直に告白すると、GMである私もこのとき少し恐かった。

GM「『署まで来てもらおうか』モグラの警官にがっちり左右をかためられ、警察署へ。
『住所氏名から。きみ、昼間の事件のとき、どこにいた?』」

 えんえんと尋問がつづく。だいぶ時間がたったあるとき、扉が開いて立派な制服姿のモグラが入ってくる。

GM「『あっ、これは署長!』と敬礼しているぞ。
『彼女をすぐ釈放したまえ。上から通達があった』『本当ですか? あれだけの犯罪ですから簡単には』」
リンダ「ううっ、よかったぁああああああ(泣)」

 放免されたリンダは、ふらふらと夜の街をいく。と、結界通信がはいった。

GM「『君たち、宙港で暴れたのか? 秘書から連絡があったぞ』と、連さんが」
リンダ「いやニセモノが暴れて」
GM「『恨みでも持たれているのか、君たちは?』と」
リンダ「ぜんっぜん心当たりがありません! うらまれることなんてこれっぽっちもやってないし、泣きそうッスよホント。なんでなんでなんで、なんでわたしばっかり……ううううう(泣)」
GM「よくそこまで白々しく言うもんだよ(一同笑)。
『ところで、こちらの得た情報によると、守ろう会の輸送船が発進準備に入っているようだ。どういうことだ? あの爆破事件があったのは第1ドックだが、第2ドックは守ろう会が私有しているんだ。調べてみてくれないか、緊急だぞこれは』」
リンダ「わかりました〜……ホテルに戻って、みんなに合流して話します……」

GM「みんなどういうんだ、リンダの姿を見て(笑)」
志尾原「あれ、リンダさん入院してたんじゃなかったんですか(笑)」(←ホローだってば)
リンダ「いや〜冤罪ってわかったらしくて」
「冤罪より、傷の話は(笑)」
八重樫「宙港でわかれたときよりひどくなってる(笑)」
「それは確かにそうだ」
八重樫「一番の問題は、なんで志尾原さんだけ先に帰っているかという(笑)」
GM「さわやかに別れてたよネ(笑)」
田宮「自爆にまきこまれたことすら知らないんですけど(笑)」

<次章予告>
 当日を前にして、一同は情報収集に熱をあげる。だが、そこで1人の少年がリンダたちを尋ねる。あかされた真相は、衝撃的なものだった……! 次章へ急いだほうがいいかもよ!


 
ギラ「つづきはこ・こ・か・ら♪」


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表紙へパラパラ♪

2000.6.11.掲載