極楽艦隊RPG遊戯議事録
第14話<勝者の黄金龍>
第3章 出現、偽ホロー分隊
リンダと志尾原が電脳結界で情報収集をしている一方。
<緑の銀河を守ろう会>火焔山本部の事務所に出向いた田宮たちを出迎えたのは、20代後半とおもわれる公国女性だった。名をメルリアナ・エムシスという。細い目をした、やせぎすで色白の女性だ。
「金剛竜は絶滅の危険があると認定され、帝国生物種保護法により保護対象動物に指定されました。われわれの帝国議会への申し出によってね」
事務的な、しかし強い意志をかんじさせる口調でメルリアナは言ってのけた。
田宮たちは、この団体が<大星祭>でどのような行動をおこなうのか、ききだそうとする。
GM
「われわれは平和的な保護団体ですから。ましてや妨害などと……! 人聞きの悪い」
田宮
「デモとかあるんですよね。何人ぐらい参加されるんでしょうか」
八重樫
「いえ私たちももちろんそのような暴力的な行為での妨害など一切考えておりませんが」
リンダ
「ウソはついてない!(笑)」
GM
「そうですね、まあ100人かそれぐらい集まればいいほうでしょうね」
田宮
「この地底都市の人口は?」
GM
「数ヶ月も暮らしていれば、知っているだろう。2万人ぐらいだ」
牛
「せいぜい5%か」
リンダ
「いいんじゃねーの別にィ」
八重樫
「(ペラペラと営業口調)どんな妨害があるかわかりませんから、よろしければ護衛などさせていただけるかと……」
GM
「彼女はかぶりをふって、『あらあら、これがしきがみお得意の商売ってやつなのかしらね』」
八重樫
「なにしろ平和的な目的の活動をされているあなたがたのことですから、こちらも出来るだけの譲歩はさせていただきたいと思っております」
GM
「『とりあえず間に合ってるんだけどね。そろそろ仕事があるし、無駄な時間を費やしたくないんだけど?』といって、嫌そうな視線を向けてくる」
八重樫
「なにかご希望などございましたら、こちらのほうまでご連絡ください」
GM
「そっけない態度でカードをうけとる」
と、そのとき。粗末な事務所が大きく揺れた。窓の外を、大きな機械が通り過ぎていくのがみえる。
「なんですかアレは」
「ああ、土木作業用の有人型多脚歩行機械ですよ」
田宮の問いに、視線を書類に落としたままメルリアナがこたえた。
田宮
「あれはどこの機械なんでしょう?」
GM
「それがあなたがたになにか関係あるのかしらッ!?」
リンダ
「そんなもんに興味があるとは、さすが<しきがみおえど>だねぇ」
GM
「アレは、ある企業から採掘試験を請け負ったものでね。企業秘密を守れといわれているんですよ。だから支部をこんな地底に建設したの」
八重樫
「それでは、長々と失礼しました」
GM
「挨拶もしないで彼女は席にもどる」
田宮
「表からその機械はみれないんでしょうか」
GM
「全く見えないんだよね。裏手のほうで動いてるようで。窓は裏手に開いていたから一瞬みえたと。警備用の柵がしてあって、ニコニコなシンボルマークをつけた警備員がいてね。工事現場らしくパイプなど色々おいてはあるんだが……」
八重樫
「多脚型機械って、それなりに重量があると思うんですよ。足跡かなにか残ってないですか?」
田宮
「クラブマンとかね(笑)」
志尾原
「ハイレッグは軍事用ですから(笑)」
田宮
「ハイレッグってさ、輸出用の上位機種じゃなかったっけ?」
リンダ
「だーッ、シャラップ!」
GM
「ハナシ進めようぜ。何も見当たらないね。第一、多脚型機械といわれても、君たちはピンとこない。聞いたこともない。なんのことだろうなぁ、と思うだろうね」
八重樫
「じゃあ今後の方針として……今、グリーンピースとかでも特定の企業の利益を代弁してたりするんで、今後は<緑の銀河を守ろう会>がどういう企業と関連をもっているかという方向から調査をすすめていきます」
いっぽうそのころ、リンダと志尾原は違法アクセスで情報収集をしていて、もう少しで当局に摘発されそうになっていた(笑)。ホテルの一室で肩をゆらし、息を切らす2人であった。
GM
「じゃ、君らは集合してホテルのロビーだ。昼飯を食ったらどうかな、という時間だな」
志尾原
「昼ごはんだー♪」
リンダ
「早いとこ済ませて、師匠のとこにいかないとなー」
志尾原
「あ、ボーイさん。単三アルカリ3つ♪」
GM
「さすがだ(一同笑)」
田宮
「たんさん、の字が違うわけね(笑)」
GM
「三流ホテルだから、メシの味はね、まあ……。しかし収容所の臭いメシに慣れていた君らにとっては、天国の食物のように思えるよ」
リンダ
「涙を流しながら食ってるよ。『おいしいー!』」
GM
「『まぁ何かしらあの意地汚い団体』とか周りで(笑)」
志尾原
「(しみじみ嬉しそうに)はぁ〜、電圧が強い(一同笑)」
牛
「やっぱりコイツは人間じゃねぇ!(笑)」
GM
「だから、もう生殖能力ないんだって。首から下、ぜんぶ機械だって(笑)」
牛
「はーい。首から下だけじゃないです。もう目も違うハズだから(笑)」
リンダ
「志尾原家はDNAだけで続いてのかな、アーヴみたいに?」
志尾原
「ああ〜、今まで液漏れしてたマンガンだったからなあ(しみじみ)」
リンダは連の秘書にこれまでどのような妨害活動があったのか、尋ねてみる。と……。
GM
「連さんはね、金剛竜が保護動物に指定されたとニュースをきいて、あわててココに支社を建設したらしい。だから割と最近なんだけど、<緑の銀河を守ろう会>の支部は、さらにそれを追うように建設されたらしい」
リンダ
「なるほど、そういうことか。それなら(<緑の銀河を守ろう会>支部の)あのプレハブにも納得いくよ」
GM
「『<守ろう会>は中央のほうで活躍している規模の大きな団体なのに、なんでこんな辺境にいきなり支部を建てたのか……そのへんは不思議なんですよ。個人的なしがらみでもあるのですかな』といっている」
リンダ
「秘書が言ってるんだよね。そりゃ過去に色んなトコロであったんだろう、しがらみが」
志尾原
「いまオレのなかで赤兜に立ち向かっていく犬の群れの絵が、なぜか(笑)」
護衛する現場を下見にいったほうが良いのではないか、という話になった。とりあえず宇宙港のドックを見にいこうか、などといっていると。
GM
「ロビーのトリディオで、『番組の途中ですが、臨時ニュースを申し上げます。近隣星系である<山華竜泉>で、災害が発生した模様です。一切の通信が不能となっており、住民の安否が気遣われています』」
リンダ
「おおー、天災か? 宇宙怪獣も天災のひとつだよな。ま、とりあえず現場を見に行こうぜ」
八重樫
「このモグラハーフの地底世界って、工事するとき申請とかしますよね。<緑の銀河を守ろう会>の工事許可などの情報をさぐってみましょう。今現在、許可をとっている企業、使っている土木機械など……」
リンダ
「また2班に分けるか?」
志尾原
「直接戦闘を好む人は現場を見に行く、と」
牛
「ちょっとまて、何をみにいく気だ、なにを!」
志尾原
「このポイントは狙いやすいとか、隠れるのにイイとか……」
リンダ
「そのへんはみとかないとまずいだろう」
GM
「アサルトライフルかりたよね。おいてくの?」
リンダ
「ンなわけないだろう!」
志尾原
「ライフルは置いていきますね。対戦車ライフルは(このあいだ買った)ケースに入れて背中に。むき出しだとSOCマイマスですから」
GM
「20キロもあるんだけどなー(笑)」
田宮
「え、アサルトライフルにはケースついてないの? 対戦車ライフルと両方もっていこうと思ってたのに〜」
GM
「どっちにしろちゃんと隠さなきゃネ。剥き身だと警官につかまるぞ」
志尾原
「隠さなくても、相手が振りむいた時には冷凍マグロにしていればいいんですよ(爽やか)」
火焔山まで下見するとなると、シャトルに乗らねばならない。たいてい、星系内でも乗車券1枚で50万ガメルはかかってしまう。そんな金はない(笑)ので、一向はとりあえず地表付近にある宇宙港を見に行くことにした。
GM
「収容所にいたとき見飽きているだろう。薄汚い、こじんまりとした宙港だ」
リンダ
「俺はアサルトライフル置いとく。拳銃もってきた」
GM
「剥き身で渡すとも思えないし、田宮さんはハードケースにいれてアサルトライフルをもってきたことにしていいよ」
八重樫はホテルに残り、電脳結界で調査を続行する。牛も単分子剣を磨いている。
GM
「建設省の工事認可記録をみたいんだっけ? 難易度1」
八重樫は余裕で判定に成功した。
八重樫
「認可されているかぎりの工業用機械群のデータを」
GM
「それは出てないみたいだね。各業者の裁量の範囲内とされているようだ」
八重樫
「じゃ、現在そこで工事をおこなっている企業のデータを」
GM
「さっきの<守ろう会>もちゃんと認可をとっている、とわかる。下請けの企業もちゃんと認可されているものだ」
八重樫
「工事区画にも特に問題はないですか?」
GM
「こういう地底都市では常に工事がおこなわれているからね。基本的に、届け出さえあれば許されると。そういうカンジなわけよ」
八重樫
「これ以上、情報でてきそうもないですね」
GM
「あとは違法アクセスか(笑)」
リンダ
「1人だけじゃ、バックアップにまわれないからな。3人ぐらいでつながってればいいんだけど」
志尾原
「1人は危険ですよ」
リンダ
「さっきも志尾原がいたから助かったし」
八重樫
「じゃ、とりあえず調査をうちきって、合流」
リンダ
「一方そのころ……(笑)」
リンダたちは、自分たちが祭の当日に警備するであろう宇宙空港にきていた。地底都市の最上部に位置する宙港である。太古の宗教の聖堂にすら似た、巨大な機械仕掛けの洞窟をおもわせた。
半球状の上部構造の頂きには、中型船が楽に出入りできる大きさのハッチがみえる。いま、ハッチが重苦しい作動音をあげ、左右にゆっくりと開いていくところだ。
リンダ
「(地図をみながら)宙港に行く唯一のルートが、このエレベータしかないの?」
GM
「そうだねえ。巨大なエレベータ・シャフトになっていて、エアカーが何台も乗り降りできる。で、今しも上のハッチが開いて、小型シャトルが降りてきたところなんだけど。それがいきなり火を噴いて、ブチ墜ちる」
リンダ
「は!?」
GM
「で、重機関砲の連続した発砲音が鳴り響くんだ」
リンダ
「はいーー!??」
GM
「間近できくと、それは音というより、身体全体を叩く打撃といってもいいほどの波動だね。機関砲だからね。初めて聞く田宮さんなんかは、驚いて、『きゃーっ』とか……」
リンダ
「言わないと思うぞ」
さらに、駐機していたシャトルが2機、3機と連続して爆発をおこした。火柱が狭い宙港に吹き上がる。破片がまい散る中、人々が悲鳴をあげる。重い銃声が大気をゆるがす。
GM
「どっからか撃ってるらしいけど、パニックになったモグラハーフの人々と、宙港設備が邪魔してよく見えない」
志尾原
「じゃ、俺はモグラさんの毛の感触を楽しみながらモゾモゾと先に(笑)」
GM
「DEXかSTR、難易度4で、人ごみをかきわけられたか判定を。失敗したら踏まれるからね」
リンダ
「6のペアです」
田宮
「7の3枚」
GM
「10。みんな成功か。じゃ、宙港の真ん中で、『俺たちがホロー傭兵分隊だ! よく覚えておきな!』と、悪役っぽい奴らが」
牛
「やばい! お話にツキモノの偽者か!」
リンダ
「なにーっ!?」
牛
「これでホローも犯罪者か(笑)。次はどんな名前になるのかなー?(笑)」
GM
「リンダっぽいやつが、『ドバッ! ドバッ!』と対戦車ライフルをぶっぱなす。また1機シャトルが爆発する」
リンダ
「ちょっとまてー! 当然止めに入りますよ!」
GM
「その前に。熱く焼けた金属のかけらが降ってくるから回避してね。回避技能、DEX難易度5といったところだ。密閉空間でシャトルが何機も爆発しているからね」
リンダ
「ちょおっと許せませんねー(怒)。志尾原、足ぐらいふっとばしちゃえよ」
志尾原
「さぁて、構えますか!」
3人とも、回避に成功。降ってくる破片をきれいにかわした。
リンダ
「やった! さっさと殴る! ブチのめすぞ! マジ殴る!」
志尾原
「いや。その前に撃ちたいんですけど」
リンダ
「殺すなよ! 口割らせるからな!」
黒い戦闘服をきた汚い女傭兵は自動小銃を乱射し、スーツを着た<しきがみおえど>社員らしい青年は対戦車ライフルを適確に撃ちシャトルをふっ飛ばしている。さらにもう1人は、拳をふるって群集をなぎ倒している。
一同
「(笑)」
田宮
「どっかでみたような(笑)」
志尾原
「射撃角度が甘い!」
GM
「『うわあああ! ホロー傭兵分隊がついに本性をあらわしたぞー!』といって、群集が逃げていく(笑)」
リンダ
「ほんとはそんなことやんない! ウチらね、正義の味方だしね!」
牛
「つぎの偽名かんがえないとね(笑)」
GM
「イニシアティブをとってもらおうか。DEX、戦術技能つかってもいい。伏せて同時に出す!」
結果、いちばんいい札は田宮だった。彼女から右回りに戦闘開始!
志尾原
「スーツ野郎は残しといてくださいね。下半身ふっとばしますんで♪」
GM
「たしかに志尾原そっくりだね(笑)。さあ、行動開始!」
田宮
「アサルトライフル、ぶっぱなしたいんですけど」
GM
「セミとフル、どっち? フルというのは連射だ」
田宮
「連射で」
GM
「予備弾倉は2個もらってるから」
田宮
「少ないなー(一同笑)」
GM
「30発はいってるんだけどねぇ、1弾倉に(笑)。1発づつ撃てば弾数制限はない」
リンダ
「アサルトライフルの1発撃ちってチャチいよね」
GM
「いや、プロはそうするんだ」
フルオート射撃は命中精度が悪いため、熟練した傭兵などはセミオート射撃しかおこなわないのである。もっともパラフリの規則上は命中精度は再現されていないので関係ない。
田宮
「フルオートで」
リンダ
「うおっ、フルオート! さよなら、さよなら偽者!(笑)」
田宮の連射は、ホローモドキを捉えた。1射め、衝撃でよろめいたものの、傷害をおわせたようすはない。
GM
「2射めの判定を。宙港は広いから閉鎖空間のルールは適用ないね」
2射め、ニセリンダは連射の直撃ダメージを回避した。巻き込みダメージは受けたものの、無傷である。「どうした、その程度なのかッ!?」
GM
「抗弾ジャケットをきている。黒いカスタム品のようだ」
志尾原
「防御力3くらいですかね」
リンダは、もちろんニセリンダを攻撃する。ブロードソードをぬいて、近接攻撃をするという。この場合、<走りよって攻撃>の規則を適用する。STRを走行距離と攻撃札に割りふるのである。ただし、それぞれの技能値以上の割りふりは出来ない。今回、リンダは札が悪いようだ。
リンダ
「もってる武器じゃ、かすりもしないじゃん。俺の手札、スカだよ」
志尾原
「(相手の札を)上回ればいいんですよ。遥かに。たった3の武器でも、10枚うわまわれば13になるんですよ♪」
GM
「だからさ〜、君はね…‥(苦笑)」
牛
「全くその通りだと思うよ(笑)」
志尾原
「ですよね! ほら!(何がだよ)」
八重樫たちは2ターン後に到着することにした。
志尾原
「2ターンもちませんよ」
八重樫
「相手が?」
志尾原
「うん」
リンダの攻撃は回避されてしまった。次は志尾原の攻撃だ。
志尾原
「さて! エセ志尾原くん! わたしを名乗ったことを後悔してくださァい♪」
GM
「おまえは死んで、本物は俺になるのさ!」
リンダ
「さよなら、エセシオ。さよなら(笑)」
志尾原
「その言葉の辛さを、味わって下さい。
11枚!
」
リンダ
「ああっ、エセシオ駄目だー!(笑)」
エセ志尾原は8の3カードをだした。しかし志尾原の札は8枚も上回っており、対戦車ライフルは基本ダメージ5なので、5+8=13ダメージとなる。
志尾原
「さようならエセしお。もちろん生きてる死んでる気にしないで、ド真ん中当ててますんで」
GM
「一撃で胸のまんなかに大穴があいてブッ倒れたね。ペンキをぶちまけたように中身が飛び散る」
リンダ
「殺すなよー!」
志尾原
「いや1人生きていればいくらでも聞きだせますよ。わたしを名乗ったことを後悔してください。あの世で」
八重樫
「にせ〜もの〜が負けた〜♪」
志尾原
「このように説得していくんですよ」
リンダ
「最後の彼の捨てぜりふがイイなー。いかにもニセモノちっくで(笑)」
リンダたちは気づいた。かたわらに小型犬ほどの大きさの金属製の芋虫が2匹いる。なにかの機械のようだ。
GM
「で、その機械の芋虫がくるくるッと丸まってね。(サイコロをふって)6か。志尾原にむかって、その丸まった金属ボールが突進してくるんだが」
風間(見学者)
「アルマジロみたいなやつだな」
リンダ
「エセしおさ、撃ち抜いたあと血が出てるから、やっぱ偽者だよな(一同笑))」
志尾原
「いや、対戦車ライフル食らって死ぬ段階でニセモノなんですよ(笑)」
志尾原は、金属球の体当たりを回避した。しかし直後、金属球が大爆発をおこした!
GM
「回避したから直撃ダメージの判定はいいや。巻き込みダメージ、難易度6ね」
志尾原
「8カード」
リンダ
「残像が見える(笑)」
GM
「こっちは2の2カードか。残念。自爆したな。あとには6メートルくらいのクレーターが残って、煙が」
八重樫
「デカすぎる……」
リンダ
「マジで殺す気だ……」
GM
「もう1個の団子は誰に向かうかな。くるくるっと丸まって、キュイーン! とね……あ、リンダか」
リンダは回避できなかった。直撃ダメージ7と、バズーカ砲なみである。
八重樫
「(歌)空を飛ぶ、そらをとぶ、リンダが空を飛ぶ〜〜♪」
リンダ
「よかった、(装甲のおかげで)重傷いってない!」
GM
「じゃあ、巻き込み回避してもらいましょう♪ 難易度6、DEXネ♪」
牛・八重樫
「(歌)燃えるもえる、リンダがもえる〜♪」
リンダ
「マジ札悪すぎるよー!」
リンダがだしたのは2。GM側はクイーンの2カード。
リンダ
「あああー!!」
GM
「当たった♪ ズガガガガァアン!!」
牛
「連続コンボ入ったね〜」
志尾原
「死んだかなー?」
GM
「次は爆風のKOダメージを回避してください。STR難易度5、生存技能ネ」
志尾原
「3連コンボいくかッ!?」
リンダは生存技能をもっていない。
リンダ
「うわーん助けて〜、Aしかないよーーー!!」
GM
「Jの2カード。はぁい当たってます、ズガアン! リンダは気絶してぶっ倒れたね! クレーターの真ん中に倒れる」
八重樫
「……ひどすぎる……」
牛
「なんだ、偽者か(笑)」
志尾原
「なぁんだ、こっちがニセモノかぁー♪(笑)」
GM
「仲間がやられたんだぞ、今! ちなみにいま何点体力のこってる?」
リンダ
「3点しか残ってない……」
GM
「死ぬ? あっ、もうすぐ死ぬじゃん(笑)」
志尾原
「なんてマスター、嬉しそうなんだ(笑)」
牛
「ついに来週から、『美青年戦士 牛 孟闘』が(笑)」
つぎに、6輪式の装甲車輌が前にでてきた。さっきから機関砲を撃ちまくっていたのはこいつだ。ガトリング式機関砲を搭載した無人自走砲である。戦闘機の迎撃用に使われるもので、こんなモノを食らったら、普通の歩兵ならバラバラになってしまう。
GM
「デッカイ多重式砲塔を、君らのほうに向けて撃つ、と! ちなみにこれ、戦闘機も墜とせるから真面目に回避してね。フルオート射撃のみだから、追加判定が2回。計3回、回避判定しないといけないんだ。巻きこみダメージもあるから、1回の攻撃で、合計で6回、回避判定しないとイケナイ」
リンダ
「ッカ〜〜!」
志尾原に機関砲の連続射撃が! 激しい閃光と砲声がおしよせる!
1射め、直撃/巻き込みダメージともに回避に成功。
リンダ
「現在重傷で、川の向こうでご先祖様と会話してるかもしれない(泣)」
GM
「瀕死の重傷だから、血まみれで倒れてるってことで、ヨロシク」
八重樫
「この川を渡っちゃ駄目だよ〜」
風間(見学者)
「しかも今日は趙さんがいない!」
志尾原は2射めも回避した。3回めの直撃ダメージ判定のGM側の攻撃札は……10の3カード!
志尾原
「そりゃまずいッスよー!」
八重樫
「マスター……殺しにきましたね?」
GM
「ガハハハハ(笑)。洒落だって、シャレ♪」
志尾原
「とりあえず、食らうだけ食らっておきましょう」
リンダ
「マジだいじょうぶかよ志尾原ァアー!」(←気絶している人はなるべく喋らないように)
GM
「ダメージ
8
ね♪」
牛
「8……! 平然といったよね」
志尾原
「おー、ダメージがきた。1ポイント」
リンダ
「お前どういう装備してるんだよオイ!」
志尾原
「いやー、装甲プラス鉄扇で7いくんで(笑)」
GM
「絵札、ちゃんと捨てたか?」
盾をつかうには絵札を捨てなければならない。
GM
「なんだよー、バルカン砲が当たったのにー。周りとか、何十センチもある穴が連続して空いて、煙ふきあがってるんだよ。ボボボボボッって」
リンダ
「コイツ硬いんだよ!」
風間(見学者)
「そのなかを志尾原がヒラリヒラリと(笑)」
GM
「すごい、機関砲の斉射を……! ちなみに、後ろでシャトルが穴だらけになって、爆発したから(笑)」
リンダ
「ドラゴンボールみたいだ(笑)」
志尾原
「でも俺でよかった(笑)。俺でなかったら誰かが死んでる」
リンダ
「やべー。俺、ヤムチャ状態だ!(一同笑)」
つぎはニセリンダの射撃。目標は田宮りさである。自動小銃のフルオート射撃だったが、田宮には通じない。自動小銃とはいっても、通常の札だけだと大したダメージではないのだ。
GM
「ガッチリした牛ハーフが、田宮へ向かって土煙をまきあげて突進してくる。距離は7メートル。走りよって、殴ると」
GMの攻撃札はたった1枚だった。田宮は回避した。先刻の自動機関砲で札を使い果たしたらしい。
志尾原
「そうか。やっぱり牛もニセモノなんですよ。これでスペード10とかくると、『ナニ!? 本物か!?』と」
牛
「スペード10はホンモノでもなかなか(笑)」
GM
「次、田宮さんからそっちのターン。牛モドキが近接してるから、ライフル射撃、判定値マイナス1……あ、マグチェンジ(弾倉交換)してないか。じゃ、腰のポーチに手をのばして交換して、1回手番おわり」
リンダはKO状態から回復したかどうか判定するが、まだ回復しない。つぎは志尾原の番だ。
志尾原
「問題はガトリング野郎ですね。対戦車ライフルもってきて良かったー。はーい、撃っちまーす。
9枚!
」
GM
「9枚!? 9枚っていった今!?」
志尾原
「はい。言いました」
5+8ダメージで13。あっさり撃破されてちょっと悔しかったので……。
GM
「自走砲は爆発した! で、搭載してあった弾薬が誘爆して、四方八方にピュンピュン飛び散るから回避してね。巻きこみで回避難易度4くらいにしておこう」
リンダ
「アホー!(泣)」
八重樫
「おばあちゃん。川は渡りたくなかったけど、強制的に渡らされることになりそうだよ……」
ここで無防備に流れ弾を食らったら、リンダは即死しかねない。決死的にもう1回、リンダは気絶からの回復判定をした。リンダは奇跡的に目をさました。
志尾原
「目がさめたら、弾の嵐が(笑)」
GM
「NPCの回避判定もあるのか、面倒くさいなー」
志尾原
「それでもリンダに当てたかったらしい(笑)」
リンダ
「なんでこんなに手札悪いんだろう……」
GM側は2の札1枚。巻き込みダメージ3、としておいた。
リンダ
「助かった……! ギリギリで止まった……! 起きたらいきなりドカン! 辛すぎます!」
GM
「いまの爆発でニセ牛が、ちょっと血を流しているな」
牛
「牛さんはね、かわせなかったらすぐ血でるよ。装甲1点だし、回避4だし」
にせリンダの攻撃。しかし今回は弾倉交換で終わり。ニセ牛は田宮に殴りかかり、当てる。牛モドキのダメージは3。本物より2点ほど低い。
GM
「リンダさんには奇麗にコンボ入ったんだがなー。マジ7メートルくらい飛んだよね、くるくるくるってね(笑)。ちなみにリンダさんは最後の瞬間知ったんだけど、あれは<自走地雷>という鉄鬼(てっき)の1種だよ」
田宮
「ダメージ3? 通りませんね」
志尾原
「3? なんだ、しょせん偽者か」
GM
「硬いなあ、なに装備してるんだ?」
田宮
「制服と<無敵くん>。無敵くんが防御+2」
ここでようやく、牛と八重樫がリンダたちに合流した。
牛
「やぁみんな、元気にしてるかい?(笑)」
田宮は自動小銃を半自動式(セミオート)で撃った。札がよく、通常札だったが3レベル大成功。
GM
「おっ、かなりのダメージをニセ牛に与えた! 血しぶきが田宮にばしゃりとかかる!」
八重樫
「嫌な表現」
GM
「近接してるからね」
リンダはニセリンダを生きたまま捕獲したいという。
志尾原
「基本コンセプトとして、ニセ牛は過去形にして(笑)、ニセリンダは捕獲と」
牛
「イヤな話だな」
GM
「君らいつもそうだよね」
リンダ
「志尾原。頼むからニセリンダ生かしておいて……!」
志尾原
「足、1本ふっ飛ばしておきますよ」
リンダ
「手をライフルごとふっ飛ばしたらどうだ」
志尾原
「いや。腕ふっとばすと走って逃げられるんで、足のほうが安全でしょう」
リンダ
「あ、なるほど」
田宮
「片方づつとか」
GM
「非常にイヤだなー(笑)」
倒れた状態のまま、震える手で拳銃をかまえ、リンダは必死に撃った。リンダは6の<切り札>で、ニセ牛は2枚しか出せない。ニセ牛は銃弾をうけ、ついに倒れ伏した。
GM
「君ら、銃撃戦開始時に何も宣言してないから、仁王立ちのまま撃ちあうという恐ろしいことをやってるわけだね(笑)。初めに『隠れる』って宣言しなきゃ」
リンダ
「隠れてればあんな目にあわずにすんだのかなあ」
本物の牛の<峰うち攻撃(判定値−2)>により、あっさりとニセリンダは昏倒させられてしまった。志尾原が先刻いった「基本コンセプト」は、ごく簡単に実現されたわけである。
<次章予告>
ついに、捕虜に対する苛酷な尋問がはじまる……! 傭兵には国際法規が適用されず、傭兵が捕虜となった場合に適正手続きは保障されない。よって傭兵が捕虜をとらえたときにも好き勝手しほうだいなのが普通なのである。
はたしてニセリンダの運命は!? 彼女らを送り込んだ黒幕の正体とは!?
緊迫の次章につづく!!
ギラ
「つづきはこっちィ!」
清水
「14話以降のパラフリ議事録一覧に戻るならここへ」
清水
「パラフリの総合目次へ戻るならここッス」
ギラ
「13話までのホロー版パラフリ議事録一覧はここから跳躍!」
表紙へパラパラ♪
2000.5.27掲載 第二版6.2掲載