極楽艦隊RPG遊戯議事録
第14話<勝者の黄金龍>
第2章 航宙船即売会のほりだしもの
翌日は休日だった。わずかながらの給料をもらったリンダ一行は、衛星<炎子>の地底都市<伏龍一号>へとくりだした。
モグラハーフが多い街で、全体的にうす暗い。たえず薄暮をおもわせる照明量だった。
上下におしつぶされたような、平たい球形の地下構造物が、連絡通路でいくつもつながれている。これが街全体の構造だった。ちょうど巨大なアリの巣に似ている。
一行はまず、半地下宇宙港からいちばん近い<中央第一市>ドームにでた。中央ドームは数キロの大きさがあり、ここを中心に小さい居住区ドームなどが四方へと連結されているのだ。この構造体を何層もつみかさねたのが、この地底都市の全体構造である。
GM
「きみたちが大きな中央ドームにでるとね。傭兵ギルド主催の、航宙船即売会がおこなわれているようだ。宇宙船ガラクタ市ってことだね。傭兵ギルド主催だから、引退する傭兵なんかが、宇宙船を丸ごと売ってるんだ」
リンダ
「ギルド主催ってことは、端末かなんか使えるんだよな」
志尾原
「ちょっと、この星のデータを集めますか」
牛
「この星のデータを集めるっ!?(笑)」
もちろん牛に調査はむりなので(爆)、志尾原が[電子]技能でしらべた。難易度2。結果は以下のごとく。
惑星<火焔山>。直径3000キロ、重力は0.4G。金属生物が多数すむ。平均気温は摂氏570度、大気は希薄でほとんど存在しない。金属資源が豊富。宇宙港は1つ。ただ、資材射出用の電磁カタパルトなどは数多く地表に設置されている。典型的な辺境の鉱物資源採掘場だ。ここでは金属生物の存在が鉱物採取の過程に大きな役割を果たしている点が、特徴といえる。
リンダ
「まあとにかく、市みるよ。モスコ=ミュールの影を追って(泣)」
GM
「いろんな船があるね。駆逐艦サイズ、戦闘機とかが多い。どれもかなり使い込まれていて、そうとう改造もされているようだ」
志尾原
「駆逐艦をひとつ、さがしましょう。なんかいいの、ないかなー」
GM
「ハンタードッグ級もあるし、朱雀級もあるし、たかなみ級もある。どれも装甲鈑なんかボコボコになっている」
志尾原
「質のいい艦をさがしましょう」
牛
「質よりもまず安さだ」
リンダ
「飛びそうでいて、いちばん安いやつをさがすかな」
GM
「傭兵っぽい連中が、いっぱいうろうろしてるけど」
リンダ
「おおっ。話しかけるしかないでしょう! 『がっし!』とつかんで!」
GM
「な、なんで?」
リンダ
「同じ穴のムジナなんだからさあ」
志尾原
「わたしは傭兵じゃないですから」
牛
「オレも流れの格闘家だから(笑)」
リンダ
「ああっ、ちょっと! ひどい!」
GM
「リンダがそういうことやると、『なんだこのやろう、きたねえヤマ師が寄ってくるんじゃねえや!』。完全に鉱山労働者だとおもわれているようだ」
リンダ
「ギルドの身分証明書をみせるよ! 『ここの相場はどれぐらいなの?』」
GM
「新品だと頭金1000万ガメルで、ローンで1億ガメルなんだよな。だからまあ……頭金が300とか400万とか。バリバリの中古だよ」
リンダ
「どのへんがバリバリなんだよ」
GM
「そりゃまあ、中古だからね。買い主の責任にまかされてるわけよ。買ってみたら、ミサイルが暴発するかもしれないし、電子系がやられているかもしれないし、駆動系が腐ってるかもしれない」
牛
「要するに、かなり信用のおけない中古でしょ」
GM
「傭兵ギルド主催だからね。ぜんぶ自分で見なければいけないと。鑑定眼が問われるわけだ」
大広間に何隻もならべられた駆逐艦を検分しはじめる一同であった。
GM
「君らが話しているそばにも、元はハンタードッグ級だったとおぼしき船があるけど(笑)。鉄屑の塊といってもいい(笑) 頭金300万」
志尾原
「さて! 鑑定してみますか!」
持ち主である、よぼよぼの公国人のじじいに船内を案内してもらう。旧い世代の傭兵だったらしく、宇宙線焼けにやられた肌がひどく痛々しかった。
鑑定してみて一同はきづいた。
エンジンの6割が機能せず、格納庫のハッチは錆びていて開かず、さらに電子機器も半ば腐っている。話にならない!
志尾原
「使い道がひとつだけある。リンダをのせて打ち上げて楽しむ(笑)」
リンダ
「帰ってこれねーよ!」
GM
「ためしにリンダが操縦席に座ると、椅子から飛び出したスプリングがケツにささるンだよ(笑)。 神経系を接続してみると、なんかベトベトしてるし(笑)」
リンダ
「いらんっ! もうでるよコレ!」
次の船は、金持ちらしい公国の若者、コルト氏のものだった。金華系の装飾で悪趣味に飾りたてられている。内装も悪趣味だったが、エンジンなどに異常はみられない。
問題はなさそうだ。しかも頭金100万、総額は言い値でいいという。
すばらしい!
そう思って書類をみせてもらう一同であるが。
GM
「『はい、これが登記簿と検定証書だから』知性、[法律学]技能、難易度2」
リンダ
「志尾原、どうぞ! こういうとき商社マンがいると心強いね」
志尾原
「心強くない商社マンもいますけどね(笑)」
田宮
「(笑)」
志尾原
「なんでオレの部下はこんなのばっかり(笑)」
GM
「上司がそうだからだよキミ(笑)」
志尾原
「くはあッ(笑)」
リンダ
「頼むから『ちがいますよ』って言ってください!」
なんと、この船には抵当権が3番抵当まで設定されていた!
抵当権とは、目的物の交換価値を把握し、債権の担保とする権利である。これが設定されていると、債務不履行があった場合、差し押さえにより目的物を競売(けいばい)にかけられ、抵当権者はその代金から優先弁済をうけることができる。
むろんこれは目的不動産−−航宙船も不動産扱いされる−−の価値を大きく減少させるもので、こんな船を買うのは愚行である。
GM
「つまり、いずれ借金のカタにこの船はもっていかれちゃうのサ(笑)」
志尾原
「借金はいくらぐらいなんですか?」
GM
「それは後のお楽しみということで。ふふ♪」
リンダ
「うわああ!」
田宮
「われわれに払えるのか?」
志尾原
「ということは……偽造を♪ 登録ナンバー変更して、抵当権がなかったことにして……」
GM
「あのー。公文書偽造(場合により公正証書原本不実記載罪)なんスけど(笑)」
リンダ
「さすがダーク・サラリーマン!」
志尾原
「文書偽造ということは、[電子]技能ですか?(笑)」
加えて、航宙船は、買ったらすぐ飛ぶというものではない。燃料、部品代をはじめとする整備代、宙港使用税、航宙船税など諸経費を考えると、この船に抵当権が設定されていなかったとしても、いまのリンダたちには重荷だ。
GM
「大手メーカー主催ならともかく、ギルド主催だからねえ。怪しいよ。対消滅エンジンにヒビが入ってるとかね……」
志尾原
「それいちばんマズイですよ(笑)」
リンダ
「死ぬわうちら!」
GM
「他に何十隻もあるし。みてみたら?」
リンダ
「じゃ、この船、第1候補ってことで。ところで彼、何歳?」
GM
「コルト君は、23,4といったところ」
リンダ
「ダメだな。ひげのあるナイスミドルじゃないと。……なに首ふってんだよお前ら!?」
志尾原
「これだから、ホモはいやですねー(笑)」
リンダ
「オイッ!!」
GM
「やっぱり、恐竜人とかがイイよねー」
リンダ
「壊されそうだ」
一同
「…………………」
志尾原
「おほん!」
GM
「リプレイにかくか、いまの」
リンダ
「やめろーー!」
志尾原
「話、すすめましょう」
さて、どうしたものか? と迷っていると、リンダの電脳結界に通信が入ってきた。
(ここでちょうど、J.千太郎さんが入室した)
GM
「(判定に)成功してる。映像がひらいてね。迷彩服に蒼い髪の女の子が」
リンダ
「やった! 地獄に仏!」
GM
「ひどく通信が乱れていてね。『リンダちゃん、元気にしてる?』と」
リンダ
「助けてください! うちら、タントアポロのクソ野郎のためにおきざりにされちゃって……」
外見は14歳ほどの女の子だった。うしろでまとめられた、金属光沢をもつ蒼い髪が、乱れた画像のなかでもよく映えている。
いわずとしれたギラ軍曹だ。ふだん愛敬たっぷりのしゃべり方をする彼女には珍しいことだが、ひどく早口で要件だけをしゃべった。
リンダの話をきくようすはまるでない。
「お願い、リンダちゃん。大急ぎで<山華竜泉>まで行って! もう一刻の猶予もないのよ!」
ギラ軍曹の後ろには、混乱したようすの艦橋がうつっている。規模からすると、戦艦級だろうか。
「第2艦隊を右翼にまわして! ここでなんとしても食いとめなさい!」
話のとちゅうにもかかわらず、ギラ軍曹がうしろにむかって怒鳴る。
彼女のこんな声をきくのは、何年ぶりだろう?
リンダは思いだす。ギルド研修期間の、実弾演習以来だ。
演習以外で、ギラ軍曹のこんな声をきくのは、リンダは初めてだった。
「映像補正、ききません。発信源から補正しないと不可能です」
志尾原の電子管理能力をもってしても、この画像の乱れは修正できないようだ。ということは……。
「間違いないな。<マナ・フィールド>内からの超空間通信ですよ」
もう通信はきれていた。リンダは電子世界のなかで、意味もなく自分の疑問を音声情報に変換して表示していた。
「師匠、艦隊規模の戦闘中なのか。いったい、どこで、なにと?」
GM
「(千太郎氏に状況説明。事情をしらずに志尾原係長に合流したことにした。本当は別遊戯の登場人物を流用するのはのぞましくないのだが、状況が緊迫しているのでキャラ作製時間が惜しかったのである)」
リンダ
「じゃ、いそいで宇宙船をみるさ」
GM
「1隻だけ目をひく船がある。もとは帝国の朱雀級らしいが、全長は100メートル以上で、えらく改造してある。派手な飾りがあって、艦首に龍の彫刻が飾ってある。中華風、つまり帝国風の、それだけで美術品として通用する立派なものだ。改造の腕前は、中途半端な腕前で行われたものではないようだ」
リンダ
「すげえ……これだったら……! さっそく話しかけてみるよ」
GM
「ビシっとスーツをきたビジネスマン風の男だ。値段とかは値札にかかれていない。『ご主人さまとの交渉できめていただきます』」
リンダ
「まず艦をみてからにしようぜ」
牛
「外装のすばらしい美術品をみて終わり(笑)」
GM
「難易度3、知性で[調査]つかっていいよ」
リンダはかなり気合のいれた札をだしたので、細部までわかった。
機動力は低めに設定されているが、電子機器は精度の高いものに換装されている。ただし、主砲は元となった朱雀級のものより、大幅に出力が押さえられていた。
だが、なにより不可解なのはその操縦系統だ。通常の系統のほかに、全く構造のわからない電子回路群がもう一組くみこまれているのだ。射撃精度も一級のものだった。
志尾原
「わかった! 3機に分離するんだ!(笑)」
GM
「ウルトラホーク1号(笑)」
これは一体なんのために?
それに、装甲自体は朱雀級と変わりがないのに、この艦はなぜこんなに機動力が低いのだろう?
リンダ
「かなり良さげな船だな! これだったら<山華竜泉>に急いでいける! じゃ、ご主人さまをよんでください」
GM
「『こちらへどうぞ』といって、エアカーにのせられて、巨大なエレベータを降ろされていくんだけども」
リンダ
「すごそうだな。なんかイイ匂いがするぜ、マジで」
牛
「なにが悲しくてこんな市に売りにだしているんだろう」
田宮
「われわれに払えるのだろうか?」
GM
「ずいぶん君たちは下におろされていく。さっきのドームは地表に近かったけど、都市の中ほどまで来たかな。深度は、地上から200メートルといったところか……ま、相変わらず薄暗いんだけど。
そこにもモグラハーフの街があって、そのなかに『ご主人さま』のビルがある。表札というか、看板かな。
<V&G水産・火焔山支部>
とかいてある」
牛
「水産……?」
一同はなかに案内される。絨毯がしきつめられた立派な内装だ。じきに一同は、<社長室>と表示された部屋の扉をくぐった。
リンダ
「社長さんなんスか!? マジで!」
GM
「立派な部屋でね。でっかい金属の銛とかが壁にいくつも飾られてたり。みたこともない奇怪な生物の骨や剥製などが、いっぱい飾られている」
リンダ
「はああ(汗)、なかなかいい趣味で(笑)」
GM
「大きな黒檀の机に座った紳士が、椅子ごとクルリとふりかえるわけだ。クマハーフのおじさんですなあ。かなり恰幅がよく、顎にはヒゲが全部つながっているかんじ」
牛
「クマハーフか。どうも」
リンダ
「船をみせていただいた者です。ホローチャージっていいます」
GM
「『わたくしは、連 乾空(レン カンクウ)ともうします。よろしく』60代くらいかな。スポーツやってたのか、肉体労働に従事していたのか。ガッチリした身体つきをしている」
リンダ
「素敵なお船をみせていただいたんですが……、それで、お値段のほうは、いかほどなんでしょうか?」
GM
「ふむ。まあ、それは……」
リンダ
「それは?」
GM
「君たちの腕をみせてもらってから、ということかな」
志尾原
「なにかしろ、ということですかね」
GM
「さっしがいいな」
牛
(ふん! と力コブを作って、GMにみせている)
志尾原
「あ、こちらに腕を見せたい方がいるようですが(笑)」
リンダ
「なんかナイスコンビなんスけど(笑)」
「傭兵として仕事をしてもらいたい」
熊人の男は、そうきりだした。5ヶ月ぶりの依頼に、リンダは小躍りして喜ぶ。
「ひとことでいうと、警備活動をやってほしい」
リンダ
「警備ですか(笑) 捕獲とか、そういうの難しいんですけど(笑) 警備って、ふつう人殺さねえじゃん」
志尾原
「そんなこと言ってられませんよ! 相手がこっちを殺そうとするんだから、こっちが殺すのは当然ですよ!」
リンダ
「待て待て!(笑) 殺そうとしてるかどうか、わからないだろ!」
志尾原
「向こうの攻撃の範囲をこえなければ、殺しても正当防衛ですから! 過剰防衛にはなりませんから」
リンダ
「相手にデコピンさせといて、こっちは射殺するようなかんじじゃねえのか!」
GM
「志尾原くんさあ、<防衛の意思>ないよネ(笑)」
「3日後、<大星祭>(タイセイサイ)という祭りがこの星で始まるのを知っているだろう。そこでわたしが『あること』をしたいのだが、必ずある環境保護団体からの妨害が入るはずだ。そのときに護衛してもらいたい」
「まさか、<大地の子ら>?」
眉をひそめ、リンダは問う。
「いや、<緑の銀河を守ろう会>とかいったはずだ」
志尾原は自信に満ちた表情で、即座にうなづいた。
「いいでしょう。完璧にお守りしましょう!」
リンダ
「そういやさ、オレら5ヶ月間、人殺してないじゃん」
志尾原
「いやもう、たまってたまって!(笑)」
牛
「イヤな会話だな」
祭り自体はこの衛星<炎子>でおこなわれるのだが、この熊ハーフは<火焔山>に船をだして、なにかするつもりらしい。
GM
「そもそも、そのためにわたしはこの星にいるのだからな……」
リンダ
「へえ? それで、なにやるかうちらはきけないの?」
GM
「『この部屋をみて、わからんか?』といって、何メートルもある銛をしめしてみせる」
牛
「狩猟!」
GM
「うむ、漁だ。わたしはずっと、漁ひとすじに生きてきたんだ。
若いころ、あの<火焔山>で逃がした、『奴』と勝負をつけたくてね」
牛
「モビー・ディックか!」
GM
「しかし、あの<金剛竜>という種族は、特別保護対象に指定されてしまう。こんどが、最後のチャンス。この星の伝統ある銛打ち漁も、あさってで終わりだ」
牛
「なるほど。密猟にならない最後のチャンスなんだ」
リンダ
「だから、環境保護団体もつぶしにくるわけか」
志尾原
「ご安心ください。これでも<竜殺し>の名をもつ男ですから」
田宮
「漁をするのはいいんだが、われわれは……」
リンダ
「竜対連さんの勝負は邪魔しなくて、単に周りをちょろちょろしてる奴らを……『消そう』といいそうになってやめた(笑)」
志尾原
「戦場を確保するのが我々の仕事です」
GM
「街頭演説してるところに、いきなりライフルぶっぱなしたりしないように」
志尾原
「誰が撃ったのか分からない遠くから殺ればいいんですよ♪」
リンダ
「だから、それがまずいんだ!」
GM
「12.7ミリの大口径弾で、胸とかに大穴あいて2,3人倒れるんだよね(笑) ドン、ドン、ドン! って(笑)」
八重樫
「……恐ろしい(心底)」
リンダ
「相手の船をハッキングしてもいいかも」
GM
「ははは、なかなか傭兵らしくていいな、君たち。だが、いきなり撃ったりしないようにな」
八重樫
「(冷めた口調で)言い方をかえれば。犯罪者レベル高いね、君たち?」
GM
「ギルドに登録してる傭兵は、いちおう正義の味方を名乗れるんだけどね」
リンダ
「正義の味方だもんねー♪ ……お前ら、目線そらすなあッ!!」
GM
「まあ、環境保護団体だからなあ。諸君に頼むのも大げさかとは思うのだが」
リンダ
「いやいや! 一世一代の男の勝負は、邪魔するべきじゃありません!」
牛
「並みの相手なら、止めときますから。敵が歩いてきたらね(笑)」
「たのむぞ」
低くつぶやき、大柄な熊男はリンダたちに背をむけた。
後ろ手をくみ、いくつも並んだ壁の巨大な銛をみつめる。自分に言い聞かせるような呟きが背中からもれる。
「金剛竜の<双角>」
いくらかの重い静寂があった。リンダたちは連 乾空の壁のような背をみつめる。
「奴とは、決着をつけたい!」
リンダ
「金剛竜ってのは、どんな奴なんですか」
金剛竜は、平均で体長200メートル、体重4000トン。この星の金属生物の頂点にたつ、王たる王だ。そう、連はいう。
リンダ
「<双角>っていうのは? 300メートルぐらいありそう」
GM
「うむ。奴はおよそ全長600メートル」
リンダ
「だめだあああ!」
GM
「奴の輝く2本の角をみた者で、生き残った者は少ないという」
リンダ
「銛だけで、どうやって?」
GM
「この部屋にあるのは宇宙捕鯨用の小型のものだ。対金剛竜用のものは、もっと別にある。炸薬ペレットを使って射出するからな」
リンダ
「<双角>対連さんのときは、連さん1人で戦うということで、オッケーですか? 男の戦いだからねー」
GM
「うむ。女性だが、君はなかなか話が分かる人間のようだな」
志尾原
「(リンダが)女性とわかるなんて……! すごいかもしれない!(笑)」
GM
「ずしりと重い熊ハーフの両手をリンダさんの肩において、『たのむぞ!』」
社長は次の会議の時間だとかで、部屋をでていった。
すぐに調査を始めたほうがいいだろう……とはいえ、モスコ=ミュール爆散時に武器をなくしているし、残ったものも当局に没収されている。
連は一同に自動小銃<蒼天44式>を貸してやった。さらに一同は武器を当局から返してもらおうとするが、収容所本部は<火焔山>地表にあるというのであきらめた。
ここからのシャトル代だけで50万ガメルもかかってしまうのだ。
とりあえず一同は、連が手配してくれたホテルを拠点に、調査をはじめた。
(久久にベッドで寝れることを喜ぶ一同であった)
リンダ
「[電子]で調査する班と、直接<緑の銀河を守ろう会>支部をみにいく[調査]班にわけよう」
牛
「♪われらは科学、ちょうさ隊〜(替え歌)」
リンダが電脳結界で検索してしらべる。
<緑の銀河を守ろう会>は希少生物種保護などで活発に活動しており、あちこちの企業にうるさがられているようだ。テロまでは行わないようだった。基本的には穏便に活動しているようだが……。
リンダ
「さっそく裏にダイヴしてみるか。3日後の計画とか、違法アクセスしてしらべまーす」
GM
「いきなりか!」
調査をはじめるリンダたちだったが、電子情報では防御が硬く、埒があかない。いっぽう、田宮たちは<緑の銀河を守ろう会>の本部に出向き、直接面会してみることにした。
<次章予告>
思わぬ敵がリンダたちを襲う。未だかつてない修羅場をしのげるのか、ホロー分隊!?
ギラ
「つづきはここからよん」
清水
「14話以降のパラフリ議事録一覧に戻るならこっちだ」
清水
「パラフリ総合目次へ戻るならココからッッ」
ギラ
「13話までのホロー版パラフリ議事録の一覧に戻るなら、こっちよ」
表紙へパラパラ♪
2000.5.27掲載 第二版6.2掲載