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●日常フェイズ
日常フェイズでは、飛竜を降りたPCの休暇や日常の場面が表現される。発生する出来事は表によって決定されるが、細部はGMとPLで自由に決めてよい。基本的に、ほかの［戦友］と交流したり、恋人NPCなどとの関係を深めることができるフェイズである。 PCが判定に成功すると、［資源値］が回復する点もこのフェイズの特徴だ。ここでは、飛竜を降りている間のイベントについて判定を行うので、判定に使用できるのは「PCの能力値のみ」である。 GM：日常フェイズに移りましょう。 ラウパナカ：今回は、表の描写が変更されているのでしたっけ。 GM：ですね。日常フェイズでは、判定に成功すると［資源値］が回復します。日常フェイズの表は、「休暇表」、「大竜母表」の2種類があります。二種のうちどれかをPCが選んだら、あとはランダム決定されます。 ラウパナカ：「大竜母表」は大竜母のメンテナンスみたいな感じですよね。目標値が低めの代わりに、失敗するとデータ的なペナルティがあるようです。 GM：「休暇表」は、［社交］や［知性］で成功し易い内容で、「大竜母表」は、［体力］判定が求められる荒事が多い傾向ですね。そして今回、三上�靴竜賤Г瞭罎鯆匹�場合、大竜母表を選択するとイベントが進行します。判定の内容はルルブと同じだけど、今回はフレーバーが変わっています。 ワイバーンエレメントのセッションは、基本的に各種のイベント表にもとづいて進行する。本作に慣れてきたら、GMは、表の説明文を独自に設定したものに変えていくと、オリジナルのストーリーを展開しやすくなるだろう。その場合、事前にPLの同意を得る必要はある。 三上�掘�俺は大竜母表で行こうかな。 ラウパナカ：エンリルで荒事は難しいなあ。おとなしく休暇をとります。休暇表でお願いします。 GM：了解。 三上�掘�個人的には休暇して結婚したかった。（注：休暇表の選択肢に配偶者を得るという内容のものがある） クラシーグ：僕も休暇かな。 GM：（ダイスを振って決めた表の結果を見ながら）では、ラウパナカさんは、戦友とともに昇進試験にそなえて、隊舎で座学に励んでいる。まじめな休日ですね（笑）。 知力15で判定です。 ラウパナカ：はーい。 GM：他のPCが支援してもいいですし。クリティカルすれば、［資源値］がさらにふえます。 ラウパナカ：「また『あんなこと』が起こらないように、ちゃんと勉強しておかないとね」カリカリ。 GM：おっ、なるほど［トラウマ］RPですね。+1Dです。 ラウパナカ：知力が3だから……うーむ、難しいな。 クラシーグ：おっと、じゃあ［支援RP］を入れておこうかな。「ラウパナカ隊長、試験勉強ですか？ お疲れ様です」といって飛竜リンゴを。 三上�掘�「ラウパナカ。知ってるとは思うが剛尾類はこんな特徴があるぞ」と［支援RP］をしよう。 GM：やさしみ。 ラウパナカ：「えっ。これ……あの、ありがとうございます」少し戸惑いつつも、にこり。 三上�掘�ほっこり。 GM：では、おふたりの支援があったので、さらに1D+1です。 ラウパナカ：これで4D+4、きっといける。……28。 クラシーグ：おー。 三上�掘�やった！ GM：おおお。どうやら勉強はだいぶはかどったようです！ ラウパナカ：食べられるわけじゃないけど、＜エルイダム＞にも布に乗せて一切れ、飛竜リンゴをお供えしておきます。 GM：謎のライバル美女エンリルが、学習室で隣に座っていた。「ふん、だいぶ捗っているようね」 ラウパナカ：「？ ええ、まあ」 三上�掘�ライバルキャラか。 GM：その眼鏡のエンリル美女は、「あなたの飛行隊にいる羽根ナシ（三上�掘法帖鎮浪質反イ鳩劼�ってるって、他の部隊で噂になってるわよ？」と、眼鏡をくいっとさせていう。 三上�掘�おおう！？ GM：「模擬試験の成績順位で、いつも私の上にいるからって、調子にのらないでよね！」といって、眼鏡エンリルは去って行くのだった。一方的にラウパナカを意識していたっぽいです。 クラシーグ：まさかの爆弾を（笑）。 ラウパナカ：「羽根もないのにあれだけ飛竜のことを考えられる人が、大竜母に悪さをしようなんて考えるわけないのに……フフ」 GM：おお、絶大な信頼をよせている。いい隊長ですね。 三上�掘�隊長……。 GM：では、クラシーグさんも、休暇表のほうでしたよね。じゃあふりますー。……恋人または他のPCと、最上階にある展望ドームでデート。 三上�掘�きたーーーー！！ ラウパナカ：おおっとお！？ クラシーグ：出てしまったようだね（笑）。 GM：大竜母最上層部にある展望ドーム。そこに再現された異惑星の環境が、幻想的です。氷の星を再現したのか、透明で冷たそうな氷柱と、結晶状の鳥のような宇宙生物がそこかしこに飛行している。さて、誰とデートするのでしょうか！ NPCを作って出してもいいですがPCを指定してもいいです。同性でもいいです。 ラウパナカ：誰とだろうね！（すっとぼけ） GM：まず誘って承諾を得られるのかというところからロールを（鼻息）。 クラシーグ：ふむう（笑）。 GM：ダイスではなくてPLご自身で決断ねがいます。苦しいでしょうが、ここはご決断を。 クラシーグ：うん、じゃあラウさんを誘おう（笑）。 ラウパナカ：はい（笑）。 GM：がんばって！！ 三上�掘�じゃあ、クラシーグに声をかけよう。「クラシーグ。これがラウパナカ隊長の食事の好みと思われる一覧だ……とっておけ」 いつの間にか隊長の好みまで把握している男、それが三上�掘� GM：軽蔑しているとみせかけて、三上�掘△いた佑任垢諭�では支援RPで+1D。 クラシーグ：「三上奏竜士？ また変わった物を……いや、有難うございます」とりあえずもらっておこう。 三上�掘�「ふん、せいぜい失敗すればいい（捨て台詞）」 クラシーグ：素直じゃないなぁ（笑）。 GM：じゃ、いいかんじの異惑星料理レストランが見つかりました。氷の惑星にある結晶料理が名物だとか。 クラシーグ：とりあえず、休暇の折にちょっと誘ってみよう。 GM：ラウさんはお誘いにオッケーしたのでしょうか。 ラウパナカ：じゃあ、いつも通り、格納庫で＜エルイダム＞にもたれてます。 GM：ギリュウ類だから、そうですね、現代的な格納庫で。夜、照明が落とされていて、まわりは静かだ。 クラシーグ：では話に行こうか。「ああ、ここでしたか、隊長」 GM：コロガリの整備兵たちは作業が終わったのか、格納庫にはもう見当たらない。 ラウパナカ：「エルの騎体、ひんやりしてて最高……んっ？ あぁ、クラシーグさんですか」すっと立ち上がって服から埃を落とします。「どうかしましたか？」にこ。 クラシーグ：「いつもお疲れ様です。僕はこれから休暇なんですが、もし宜しければ上層の甲板街でも歩きませんか？」 ラウパナカ：「それは……」言いよどんで＜エルイダム＞のコンソールをチラっとみると、もう『Good Luck』って表示されてました。 GM：良い。 三上�掘�＜エルイダム＞、グッジョブ。 ラウパナカ：なのでちょっとだけめんどくさがりつつも、「はい、わかりました。ご一緒します」と応じます。 クラシーグ：「たまには格納庫や軍施設以外もいいかなと。ここのところ、襲撃続きでしたし」 ラウパナカ：「そうですね……」 GM：格納庫の隅に積まれたミサイル類の影から、イダム百騎長はそっと二人を見守り、うんうんとうなずいているのだった。 三上�掘�イダム百騎長（笑）。 ラウパナカ：あ、＜エルイダム＞の「Good Luck」を［支援RP］扱いできませんか。 GM：いいですよ、あと竜キズナも+1していいです。 クラシーグは、三上�靴肇薀Ε僖淵�からの支援に加え、自身の［竜キズナ］も投入。［社交］難易度10の判定を余裕で成功させる。 GM：クリティカルには足りなかったけど、とても楽しいデートだったようですね！ ラウパナカ：ですね！ 三上�掘�成功して良かったな。 クラシーグ：では展望ドームを案内しつつ、三上�靴離螢好箸睫鯲�てて、楽しく食事をしておこう（笑）。 GM：二人は、夜の展望ドームで、星空と大雲海に光る発光生物の群れを見下ろしながら、日ごろの苦労など語り合ったのでしょう。 クラシーグ：「……異惑星の環境をここは再現しているそうですが、僕の＜シーラク＞も、変異を重ねたら、他の星へも飛べるくらいになるでしょうか」と少年らしく話しておこう。 ラウパナカ：「飛竜はどこまでも成長します。きっといつかは行けますよ」と、にこり。 GM：ああ、エンリルらしい冒険心ですね。良いなあ。そんなこんなで、大竜母の休暇の夜は過ぎていく……。 クラシーグ：「僕の翼は片方ですけど、アイツと一緒なら高みも飛べそうです。頑張りますよ」その背中の右の翼は欠けている。 GM：一方そのころ、三上�靴蓮帖帖５找防修搬舂喫貮宗△匹舛蕕砲靴泙垢�。別に、工作員の捜査は奏竜士の仕事じゃないので、好みで選んでいいですよ。 三上�掘�羽根ナシとしての矜持もあるので、捜査に加わるぜ。 GM：おっと、判定成功で、［資源値］は+2Dされたんだった。ダイス合計……13、すばらしい。 三上�掘�大収穫。 ラウパナカ：よし。 GM：［資源値］が満タンに戻りましたね！ GMが、三上�靴糧縦蠧睛討鯊舂喫貮修瞭睛討�ら決める。ただし今回、描写部分はGMが考えた独自の内容となっている。 GM：判定内容は、体力で10、失敗するとPCの生命-1D。 ラウパナカ：ラウパナカからの支援はできないけど、羽根ナシだし、大丈夫そうだなー。 三上�掘�［生命］8だけど、がんばるぜ（虚弱）。 ラウパナカ：そうでした。油断は禁物ですね。 GM：三上�靴蓮�旧友と呑みに行く約束をしていたが、中層甲板街の約束の場所に行ってみると、旧友、ラムダはこそこそと人混みに紛れて、君を誘うかのように去って行こうとする。 三上�靴竜賤П�根ナシ、ラムダは、20代の白人男性。無精ヒゲの目立つ中肉中背で、最近稼げないのか、やせ気味だ。三上�靴竜賤Г如△箸發頬缶燭靴討�たのだが、能力不足で、イナンナ空軍には入隊できなかった。 三上�掘�だいたい察して着いて行く。事前にイダム百騎長に連絡して、軍の捜査に協力してるってことにしてもいいか？ GM：じゃあ、百騎長の警務隊も同行しています。武装した凛々しい女性エンリル兵たちがついてくる。 三上�掘�いや、一人でラムダを追うので、警務隊は隠れておいてほしい。いざとなったら無線で呼び出すから、頼む。 GM：わかりました。 大竜母の腹側にある巨大な安定翼内部には、下層民とよばれる人々の垂直集落がある。長さ10kmにも及ぶ腹側安定翼の内部は垂直な巨大トンネルとなっていて、各階層に、下層民の貧民街が築かれているのだ。 安定翼自体、直径数�劼呂△襪燭瓠⇒磴瞭睚匹砲癲�貼りつくようにして市街が築かれている。入り組んだ垂直市街のそこここを、空中船舶や飛行種属たちが行きかう。 薄暗く蒸し暑い貧民街の中央トンネルを、蜘蛛のような生体昇降機に乗って、ラムダが降下していく……。 三上�掘�「おい！ ラムダ！ 待てって！ どこに行こうというんだ」小走りに追いつつ。 GM：安定翼の最下層は、暗くよどんだ死滅組織の中にある。さながら巨大な甲殻類の死骸の内側にいるかのようだ。その一角に、場違いに明るい、近代的な実験室のような施設があった。ラムダはそこに入っていく。 見ると、巨大な銀色のタンクから、何かを大竜母外壁に放出しているようだ。 三上�掘�この場所を警務隊に連絡しておく。そのタンクの中身は見てわかるか？ GM：暴龍などの竜型生物を誘引する化学物質っぽいマーキングが、タンクに書かれている。 「よう、久しぶりだな。飛行隊じゃあ、ずいぶんとご活躍だそうじゃないか。いい飛行隊長についたな」と、ラムダが三上�靴墨辰靴�ける。 三上�掘�「久しぶりだな、ラムダ。俺がというより、エンリルの隊長のお陰だがな。そういうお前はどうなんだ？ 今日は飲みにいくんじゃなかったのか」 GM／ラムダ：「そう言ってくれるのは、もうお前だけだな」と、だいぶ苦労してきたっぽい口調で。 「情報は知ってるんだろ、わかるぜ……エンリルどもは、オレを受け入れちゃくれなかった。だがな、ファーグニル企業情報部は親切だったよ。オレに、大竜母の情報と引き替えに、重役のポストを約束してくれたのさ。こいつは、大竜母の天敵ともいわれる冥竜母＜エレシュキガル＞を深層域から呼び寄せる化学物質だ。情報部の立てた作戦だぜ。 どうだ、三上�掘�昔みたいに、オレに協力しないか？ エンリルどもを倒して、ここも地球人の支配下に置こうぜ！」 NPCから言うことはこれだけなので、あとは判定で解決します。成功したらラムダの逮捕に成功します。失敗したら逃亡されます。 三上�掘�「ラムダ……俺たちがここに逃げてきた理由を忘れたのか？ 企業軍は絶対に裏切り者を許したりはしない。止めるんだ、ラムダ。もう一度やり直そう。俺も協力する」 GM：いいですね、それはエンリルを助けたいという［願望］RPにも出来そうですね。 ラウパナカ：おお……。 クラシーグ：おおう。 GM：武装したファーグニル兵が、一個小隊ほど出てきて、一斉にアサルトライフルの銃口を三上�靴妨�けます。 三上�掘�予想通り、仲間がいたか。 GM：［願望］RPということで、判定+1Dしていいです。エンリル警務隊に突入を命じますか？ 「お前なら、オレを手伝ってくれると思ったんだがな。こんな大竜母、エレシュキガルに食われちまえ！」と、兵士に号令をかける。 三上�掘�警務隊に突入を命じる。同時にラムダをかばって戦闘に巻き込まれないようにする。「もう二度と、俺の友を失ったりするもんか！」 GM：おっ、今のは［トラウマ］RPですね！ じゃあ合計+2Dしてよいです。ほかのPCは［支援RP］しますか？ ラウパナカ：すでに支援をしてしまった……！ クラシーグ：うむ、すまんね。僕も支援を使用済みだ。 GM：あくまで逮捕する方針ということで。体力、難易度10で判定です。日常フェイズなので飛竜の能力値は足さないで、奏竜士の能力値だけでの判定です。 三上�掘�じゃあ、竜キズナを1つ使って、+3Dで振る……37だ！ GM：おおっクリティカル！ ラウパナカ：絶対に判定を成功させるという強い意志を感じます。 クラシーグ：おお、執念。 GM：素晴らしい。じゃあ、三上�靴蓮△�つての旧友を傷つけることなく、無事、逮捕することができた。激しい銃撃戦のなか、君も負傷はしなかった。優れた指揮だったようだ。判定に成功したので、［資源値］が増えます。合計2Dになります。もう満タンだけど、10点、［資源値］がさらに増えました。 ラウパナカ：日常フェイズの判定でクリティカルすると、［資源値］2Dが手に入るんでしたね。 三上�掘�「ラムダ……俺はお前の友達だ。どんなときもな」警務隊指揮官のエンリル女性にも感謝しよう。 GM：熱い……。羽根ナシならではの同族意識というのがあるんでしょうね。こうして、背後にファーグニル企業軍の陰謀があり、今回の最終目標がこの大竜母に誘引されていることが明らかとなった。 三上�掘�「ありがとうよ。お陰で無事に友の暴走を止めることができた」 GM／警務隊指揮官：「……羽根ナシだからといって、みくびっていたようね。あなたのところの飛行隊長にも、よろしく言っておいて」と、眼鏡のエンリル女性が敬礼を返す。 三上�掘�ラウさんのライバルが、こんなところに（笑）。 GM：では日常フェイズを終えましょう。 クラシーグ：なるほど（笑）。 GM：アドリブですが、先のライバルキャラは「三上�靴寮蟻里鯔修い討笋襦廚蛤鄒錣忙臆辰靴董△爐靴躙�直した展開にしました（笑）。さて、では少し休憩して、いよいよ実戦フェイズに移りましょう。まずは［武装セッティング］からです。
●実戦フェイズ／武装セッティング
飛竜部隊に、出撃命令が下る。 弾薬庫から、養竜士たちが、作戦内容に応じた武装を次々と空中作業艇で搬出する。 低温弾薬庫から取り出された昆虫型の生体ミサイルや爆弾類が目覚め、活性状態にされていく。 大型の生体ミサイルともなれば、全長数メートル、重量数百キログラム、爆弾類では数トンになるものも珍しくない。飛竜への武装搭載は、多数の養竜士が作業艇を駆って担当する。外装式強化スーツを着込んだ鯨鬼が搭載作業を行うこともある。 飛竜の内蔵兵器庫に、半埋め込み式ハードポイントに、翼下パイロンに、兵装架に……それぞれに適した形式で、ミサイルやレールガンなどが搭載されていく。 GM：実戦フェイズは、［武装セッティング］、出撃後の目標までの道中を表現する［進攻判定］、最後にボスキャラとの戦闘を行う［エンゲージ］で構成されます。 ラウパナカ：［戦友］の追加は武装セッティング前でしたね。 GM：はい。［エンゲージ］に入ると、［支援RP］はできませんが、かわりに［高度］を使って、攻撃や回避にボーナスを得ることができます。攻撃判定のときに戦友PCを支援する場合、1行動を消費する必要があります。攻撃か支援か、選ぶ感じです。また、攻撃や支援をせずに、［上昇］すると、飛竜の［上昇力］と同じ数値の［高度］が回復します。このとき、攻撃や味方支援はできません。 今回、最終目標は艦艇属性ですが、航空機属性のターゲットも出現するので、武装はバランスよくとったほうがいいでしょう。 ラウパナカ：敵艦艇は、防空システムを装備していますか？ GM：ええ、防空システム付きです。 まず、どういう武装を飛竜に搭載するのか、武装セッティングをしましょう。飛竜の［武装値］1点あたり、1武装を搭載できます。ルールブックP52の武装一覧から選んでください。 なお、武装セッティングは、セッションではPLどうしが打ち合わせて決めるため、かなり時間がかかる。 GMは、たとえば相談は30分まで、というように時間制限をもうけた方がよいだろう。ルールブックに指定されている基本的な武装セットから選ぶのも手だ。 三上�掘�俺は対艦攻撃は苦手だから、対空攻撃のみに特化するかな。プロセス1と5は武装を持ってるから、問題はプロセス3か。 ラウパナカ：じゃあ私はもともと支援向けだし、回避に特化しましょう。 クラシーグ：どうしようかな。僕も対艦攻撃向きではないんだ。 ラウパナカ：あれ、そういえば対艦攻撃力が足りませんね……。 GM：一機で色んな武装を積むという考え方もあるけど、各機で特化して、お互いに撃てないプロセスでは支援を集中する、という考え方もありますねー。 三上�掘�ラウパナカさんが対艦攻撃の判定値は高いのかな。 ラウパナカ：そうなんですよねえ。敵防空システムを無視するって手もありますけど……。 防空システムとは、飛行艦艇が装備するレーダーや対空ミサイルなどで構成された防空兵器を指す。 破壊しないと、毎プロセス、艦艇の主兵装とは別に対空攻撃が行われ、回避を強いられるのでPCとしてはしんどい。なお防空システムは専用の対レーダーミサイルでしか破壊できない。 ラウパナカ：よし、タイヨウホウセンカ、デンパコガネにウガチフジツボ×2で行きましょう。 三上�掘�隊長が空中要塞化している。 GM：レールガン2連装……！ ラウパナカ：しかし紙装甲。 GM：装甲を考えると、たしかにタイヨウホウセンカは欲しいでしょうね（汗）。 三上�掘�チャフとかフレアってやつだな。ズ式航空軌竜砲、かっこいいな。 GM：そのむかし、銀河列強のズメイ属が使役していた軌竜のビーム砲を航空兵器に転用したという。 三上�掘�それか！ GM：だいたい武装セッティングはよさそうでしょうか。各人の搭載武装を申告おねがいします。［固定武装］は申告不要です。 今回、各騎の［搭載武装］は、以下の通りとなった。 ラウパナカ騎は生体レールガン二門に対レーダーミサイル、そして回避性能を高める欺瞞弾を装備。 三上�卦海和刃∩�式の小型プラズマ誘導弾を、クラシーグは、大重量だが高威力の高出力粒子ビーム砲を装備した。 このほか、飛竜はそれぞれ固有の固定兵装をもともと装備しているが、ここでは記述しない。 ラウパナカ騎： ウガチフジツボ×2、デンパコガネ、タイヨウホウセンカ 三上�卦魁� ホタルムカデ クラシーグ騎： ズ式航空軌竜砲 GM：アルシャルナは白兵戦が強いので、三上�靴呂修譴任眤進�大丈夫……だといいな！ クラシーグ：やはりロケット騎は大型武装を積まないとね。 GM：軌竜砲か……普通の対艦ミサイルが見当たらない（笑）。 三上�掘�普通とは（哲学）。 GM：さて、では今までに交流のあったPCを、新たに［戦友］PCとして1人、追加してよいですよ。あとこれ以後、既存の［感情］内容をセッションの流れを反映して変更してもよいです。 クラシーグ：えーっと、三上�靴鯆媛辰靴茲Α� ラウパナカ：クラシーグさんを追加しなきゃ。 三上�掘�ではラウパナカ隊長を［戦友］に追加する。 GM：［戦友］というのは要するに、強い絆があり、強力な支援を飛ばせる相手、という意味です。 ダイスを振った結果、クラシーグから三上�靴悗隆蕎霪睛討蓮嵌身�」、ラウパナカからクラシーグへの感情は「嫉妬」、三上�靴�らラウパナカへの感情は「尊敬」となった。感情は任意に選んでもよい。 ラウパナカ：飛竜の心は誰より理解できるつもりでいますが、身体までは一心同体ではないので、クラシーグが羨ましいんでしょう。 三上�掘�隊をまとめ、飛竜とも心を通わせているラウパナカを三上は尊敬している。 クラシーグ：まあ、まだちょっと三上�靴紡个靴董�内心思うところはある感じかな（笑）。 GM：なるほど、それで反発……（笑）。 ラウパナカ：友人が逮捕されましたしねえ。 三上�掘�だな、クラシーグはファーグニルぶっ倒すって最初から言ってるからなぁ。 クラシーグ：それもあるし、年長な三上�靴法�経験の差も自然と感じて「反発」しているのかも。 GM：いいとおもいます。ではいよいよ出撃ですね。 クラシーグ：いよいよだ。
●実戦フェイズ／進攻判定
GM／百騎長：「哨戒機が、わが大竜母に接近する巨大な敵影を感知したとの報告があった。全長は我が大竜母に匹敵する、超大型の目標だ。最終攻撃目標＜エレシュキガル＞と推測される。ラウパナカ飛行隊はただちに出撃、＜エレシュキガル＞中枢神経球を撃破せよ。武運を祈る！」 透明な栄養液タンクの中、逆釣りにされていた飛竜から、メンテナンス用の血管や神経チューブが次々に外されていき、養竜士の鯨鬼や水中型コロガリたちが一斉に離れていく。奏竜士が騎竜ポッドに乗りこむと、ポッドが飛竜に収納され、ポッド内部に光が灯る。出撃だ。 三上�掘�「皆、あのデカ物を倒して、生きて帰ろうぜ」 GM：ギリュウ類は機械なので、もうちょっとメカっぽい感じに、格納庫から発進していく。 ラウパナカ：「飛竜も含めて、ですよ？」 クラシーグ：「同感です。飛竜共々、無事に帰りましょう」 GM／百騎長：「皆、生きて還れよ……」司令室の窓から見下ろしながら呟く。大竜母の腹側ハッチが次々に開いて、飛竜が雲海に向けて落とされるように発進していく。揚力を得て、そのまま高度をとる。 というところで［進攻判定］です。突如、レーダーに反応が現れる。付近に、迎撃機が待ち伏せしていたようだ！ ということで、白兵戦15です。 今回の［進攻判定］は、白兵戦→ステルス→運動→ステルスの合計4つである。航空戦では、一部をのぞいて、出撃してすぐにターゲットに接触するわけではない。最終目標との交戦空域に到達するまでに、作戦内容に応じて様々な判定を成功させる必要があるのだ。 逆にいえば、GMは、［進攻判定］の組み合わせにより、作戦内容を表現できるのである。 GM：出撃時に、航続力+3してください。皆さんは空中給油を受けることができました。滑腔カタパルトは誰も使いませんね。 ラウパナカ：はーい。 GM：次々に、空飛ぶ軟体動物のような迎撃機が、至近距離から君たちの飛竜に襲いかかってくる。［進攻判定］は、全員行い、誰か1人が成功すれば次の［進攻判定］に進めます。判定1回ごとに、燃料-1してください。 ラウパナカ：［支援RP］は［エンゲージ］中はできないから、［進攻判定］中に使い切ったほうがいいですね。 三上�掘�白兵戦の騎竜判定値は俺が高い。支援を集めてくれ！ ラウパナカ：「レーダーに反応！ 待ち伏せ多数です！」と、三上�靴気鵑法了抉�RP］をします。 GM：いいですね、+1Dです。 クラシーグ：僕は、後の運動判定まで［支援RP］は取っておこう。 三上�掘�GM。いま俺が［トラウマ］や［願望］RPして、自分で判定値を上げることはできるかね？ GM：出来ますが、1フェイズ1回なので、［エンゲージ］の最終戦闘用にとっておいたほうがいいかも。 三上�掘�ラウパナカの支援をもらって3Dで判定するぜ。……達成値30！ クラシーグ：よしよし。 三上�掘�「若いあいつの手前、かっこ悪いところなんて見せられないしな！」 GM：素晴らしい。三上�靴離▲襯轡礇襯覆離屮譟璽匹�、光を帯びて、襲い来る軟体型迎撃機の群れを、次々に両断していった。連続爆発が、軌跡を追いかける。 GM：はい、これで1コ、［進攻判定］をクリアです。判定はあと2コ。全員、燃料-1してください。 ラウパナカ：ブロロロロ。 GM：ターボプロップエンジンが味わい深し。 次の［進攻判定］は、ステルス判定である。 GM：演出はなんだろうな、目標からの強力なレーダー探査がとんできたので、範囲外に逃れる機動をとれたかどうか。とします。難易度15です。 ラウパナカ：ステルス判定値も三上�靴�一番高いのですよね。 三上�掘�おっと、そうか。コミュ力が無い代わりだな(笑)。 GM：どちらにしろ全員で判定するので、まあ支援を誰にするかぐらいかな。 三上�靴�竜キズナを1点投入し、余裕をもってステルス判定を成功させた。 GM：三上�靴旅�みな航路選択で、敵のレーダー探知を免れることができた！ ラウパナカ：三上さんの騎竜のあとをついていきます。私の飛竜は音速を超えられないの(笑)。 GM：次は運動判定です。難易度は同じく15。 大気が急激に不安定になってきている。島ほどもある巨大な物体が、急速に、雲海の下から浮上しようとしているのだ。きりぬけるためにマニューバできるか、という判定ですね。 ラウパナカ：「雲海の下から何かが……？」 GM：ごごごごご。 三上�掘�「この感じ！ あのときと同じだ……！」 クラシーグ：「回避運動を！」 GM：最終目標、＜冥竜母エレシュキガル＞です。 ラウパナカ：レーダーを注視しながら、＜エルイダム＞からの『注意されたし』の指示に従って急旋回します。 GM：いいですねえ。判定ごとに燃料-1なのでお忘れ無く。燃料は［エンゲージ］のときにちょうど0になっていても大丈夫です。帰還するのに最低限必要な燃料を前提にした計算ですので。 ラウパナカ：「大きい……本当に大竜母くらいある……」バンクして、エレシュキガルの近傍をすり抜けます。 クラシーグ：「三上奏竜士、回避運動を！」騎竜を加速させつつ伝えよう。［支援RP］だ。 三上�掘�「了解！」 三上�靴蓮▲�ラシーグの支援を受けて、運動判定を18で成功させた。支援がなければ判定に失敗していただろう。 三上�掘�結構ギリギリだったな。アドバイスが無かったらやばかったかもな。 クラシーグ：よかった……。 三上�掘�「突破した！ クラシーグ、お前のお陰だ。助かったよ」 GM：では最後のステルス判定です。敵・冥竜母のレーダー覆域をかいくぐり、内部に潜入する。ステルス判定値で15です。 クラシーグ：「……あれが最終目標……」 冥竜母。それは、禍々しい巨大な天空礁だった。奇妙に歪んだ黒々とした山脈状の安定翼と甲殻岩盤に覆われた、大いなる飛行生物だ。積乱雲より遙かに巨大な体躯のあちこちから、瘴気めいた呼吸ガスを噴出している。多くの共生生物が、雲霞のように付き従っており、遠目には霧をまとっているかのようだ。 GM：判定どぞー。 ラウパナカ：「あっちにも、飛竜に似た生物がいるんだ……」 全員、判定を成功させた。レーダー波をかいくぐりつつ、冥竜母に接近降下していく。 GM：敵の哨戒機やレーダー探査をかいくぐり、冥竜母の巨体に接近していく。巨大な黒い岩盤のような甲殻が、眼前に迫る。 では、いよいよ最終戦闘、［エンゲージ］に移ります！
●実戦フェイズ／エンゲージ
巨大な、黒々とした冥竜母の甲殻岩盤が、ラウパナカたちの視野いっぱいに迫ってきた。 目標の中枢神経球は、この巨大生物の体内奥深くにある。 三騎の飛竜は、冥竜母の岩盤にわずかに口を開けた亀裂に飛び込んだ。騎体をロールさせ、主翼と亀裂の接触を防ぐ。 暗い大洞窟を、赤熱したジェット排気の尾をひいて、三騎の飛竜は突き進む。 飛竜の飛行速度は音速に近い。 周囲を囲む岩盤が、高速で後に流れていく。 わずかでも飛竜の操縦を間違えれば、岩盤に激突して、奏竜士は騎体とともに一瞬でバラバラになってしまうだろう。 GM：ここからは空戦管理シートを使い、戦闘プロセス処理に入ります。（どどんとふにシートを表示する） ラウパナカ：はーい。 GM：今回は、特殊条件があります。空戦管理シートを2枚使い、1枚めをクリアしないと2枚目には到達できません。 【空戦管理シート1の特殊条件】 高度5に達したPCとその飛竜は直ちに撃墜される 「マニューバーキル」が可能。運動判定で敵機の攻撃を回避した際、クリティカルが生じると、敵機は機動を誤って外壁に激突し、ダメージ2Dを受ける プロセス5で自動的にこの戦域でのプロセス処理は終了する 三上�掘�「マニューバーキル」……そういうのもあるのか。 GM：ものすごく狭い洞窟状の亀裂の中を、高速移動しているとおもっていただければ。なので、追跡してくる敵機の操縦ミスを誘発すれば、外壁に激突させてダメージを与えられるのです。スター・ウォーズなどでたまに見かける戦法ですよ(笑)。 三上�掘�なんとぉ！ クラシーグ：なるなる。トンネルくぐりか。 GM：今回は特別に、いきなり至近距離から戦闘が始まります。高度があまり活かせないかわりに、マニューバーキルで頑張って下さい。プロセス3からスタートなので……運動判定値が一番高いPC、イニシアティブ判定をお願いします。 ［エンゲージ］では戦闘が［プロセス］で区切られる。通常はプロセス1から順に5までを処理する。 プロセス1は最も長射程の対空武装を使用できる距離・タイミングであり、以下順次、敵味方の距離が近づいていき、最後のプロセス5は、至近距離での白兵戦となる。プロセス1から5までを、1ターンと呼ぶ。 これは、長射程ミサイルの撃ち合いから始まり、仕留めそこなったら双方が接近し、最後は至近距離での機関砲の撃ち合いとなる……という近代空戦の流れを表現したルールだ。 それぞれのプロセス内では、イニシアティブをとった側から、先に攻撃できる。ワイバーンエレメントの戦闘では、武装の射程が長い方が先に攻撃でき、有利なのだ。 ラウパナカ：運動判定値だと一番高いのは三上�靴任垢諭� 三上�掘�俺ばかり判定して悪いな。 ラウパナカ：この瞬間、4式早期警戒機の［竜特技：大型レーダードーム］を使用！ イニシアティブ判定に+2の修正を与える！ クラシーグ：おお。 三上�掘�俺の騎体がやるイニシアティブ判定に修正をもらえるのか？ ラウパナカ：味方がイニシアティブ判定するときに常時+2修正なのですよー。 GM：戦術データリンク・システムにより、飛竜はお互いが得た情報を共有できるので、4式が得たレーダー情報などは、すべて味方のディスプレイにも全球表示されるのです。 通信が確保されている状況なら、大竜母のレーダー基地や他の部隊が得た情報も共有していると考えてかまいません。 クラシーグ：便利だねえ、現代戦は。 データリンクという設定には、「各PC飛竜が得た情報を、いちいち口頭で仲間に説明する演出は要らない」というゲーム上の意味がある。 GM：味方はレーダーをオフにして、ステルス進攻しつつ、4式の得たレーダー情報を送ってもらい、状況を把握したりもできる。 ラウパナカ：「全部、エルにはお見通しだもんねー」 GM：早期警戒機のでかいレドームは伊達ではないです。 三上�掘�「ラウパナカ隊長、流石だな！」 ラウパナカ：「警戒と管制は私に任せて。敵騎の排除はお願いしますね！」 GM：敵機は18機編隊……小型の飛竜のような、真っ黒の無人機のような、生体兵器です。 三上�掘�んん？ 18機も？ クラシーグ：「了解！ 回廊の壁と天井に気を付けるぞ、＜シーラク＞」 三上�掘�イニシアティブ判定するぞ。 味方の支援を受け、三上�靴�運動判定値によるイニシアティブ判定を成功させる。優れた機動で、味方編隊を敵編隊より有利な空域に誘導したのだ。 GM：イニシアティブはラウパナカ隊がとりましたね！ 早期警戒機のデータを活かし、戦闘飛竜が機動で優位に立つ、データリンク・システムの好例ですな。ではPC部隊からの行動です。プロセス3から開始、部隊内の行動順は自由にきめて構いません。 ラウパナカ：では早速、［高度］を消費して［攻撃支援機動］を行います。対象は三上�掘�［高度］2、［竜キズナ］1を消費して支援します。1点を三上�靴気鵑旅況眸縦蠱諭�2点はダメージに回します。 完璧な行動宣言である。 三上�掘�いまプロセス3だよな？ 敵は同一高度にいるから範囲攻撃が使えるな。ホタルムカデを使う。アルシャナの［竜特技：超音速巡航］を使ってダメージ+2Dするぜ。 クラシーグ：僕も、三上�靴法旅況盪抉腟‘亜呂垢襪茵�［高度］を2下げて、攻撃判定に1、ダメージに1、支援を入れる。 GM：了解です。 クラシーグ：現在、［高度］2になった。急降下して高速で先行し、敵の注意をひきつける。 GM：いいですね、敵迎撃機は、クラシーグの機動に幻惑されたようだ！ ラウパナカ：ラウパナカが低速で進入したあとクラシーグが追い抜く、二重の囮ですね。 GM：君たちの眼下を、高速で岩盤が通り過ぎていく。 三上�掘�合計すると……対空射撃の判定に2D+2D、当たれば、ダメージ3D+3D。大技だな。 GM：了解です。敵機も三上�靴鯑馘┐箸澆燭里�、急激な機動をして、編隊をブレイクさせようとしている。 三上�掘�じゃ、確実に当てるために、さらに攻撃判定に［竜キズナ］+1するぜ。 GM：くっ……。 三上�掘�射撃判定、達成値合計35！ GM：すごいな。敵編隊は、急降下して回避しようとする。あと［脅威度］も使って……。だけど敵編隊の回避合計値は19、ううむ、当たっている。おみごと。クリティカルしてるね？ 攻撃判定値が目標の回避判定値の15以上であれば、クリティカルが発生し、装甲を無視するか、目標［高度］-1の効果を選択できる。また、この敵編隊のような［護衛属性］の敵集団に対しては、装甲無視のかわりに、2倍のダメージを与えられる。 GM：範囲攻撃なので、ダメージ2倍、クリティカルでさらに2倍ダメージください（汗）。こいつは属性が［護衛］なので。 三上�掘�148ダメージだな。 GM：圧倒的ですね。18機の敵無人騎編隊は、吹き荒れるプラズマ弾の集中砲火を受け、一瞬で全機が蒸発！ いま自分がかけているBGMが伊福部昭の「宇宙大戦争マーチ」なんですが、最高にマッチしてます（笑）。 ラウパナカ：弾幕ゲーなら反則。 三上�掘�正直、狙っていた部分はあったが、まさかこれほどとはな！ 皆の支援が効いたな！ GM：まさか1プロセスで……。みごとな連携です。空戦シート1はクリア、シート2に移行します！ ラウパナカ：プロセス4で高度回復したいのですが。 GM：いったんプロセス終了するので、飛竜各騎の最大高度にもどっていいですよ。 ラウパナカ：はーい。最大高度5に上昇しました。 クラシーグ：最大高度7に上昇したよ。 GM：亀裂をくぐり抜けると、突如、君たちの前に大空洞が広がった。 陽光が上空の採光ドームから差し込んでくる。 広大な空洞の中央に浮かぶ戦艦ほどもある黒い球体は、この冥竜母の中枢神経球だろう。だが、きみたちが接近するよりも早く、周囲の装甲内殻が開き、二機の迎撃戦闘機が上がってきた。有人のファーグニル戦闘機だ。この計画には、やはりファーグニル企業軍が関連していたのである。 図2：対＜エレシュキガル中枢神経球＞戦闘開始時の状況
三上�掘�敵戦闘機がルドラじゃなければ、なんとかなるだろ。 GM：ルドラよりは旧式のようだ。だが、二機の敵戦闘機は、それなりに手慣れた機動をとって、君たちをはさみうちにしようとする。 三上�掘�カーリーか？ GM：ふふふ。高度2にある艦艇アイコンが、中枢神経球です。これを撃破すれば作戦成功です。 ラウパナカ：ふむふむ。 GM：ラウパナカ隊のうち、もっともステルス判定値の高い人、イニシアティブ判定お願いします。17以上出れば、イニシアティブをとれますよ。 クラシーグは、［竜特技：絶対先制］を使った。必ずイニシアティブ判定に勝利できるという、1セッション1回のみの大技である。 GM：ラウパナカ隊がイニシアティブをとりましたね。天到戦鰭の爆発的な加速力に助けられ、君たちの部隊は、敵編隊よりも有利な空域に占位できた。まずはプロセス1、攻撃できる方どうぞ。 三上�掘�プロトンブレスを撃つ。トラウマ【補給が絶たれた状態で孤立し、生きるために、戦死した仲間を食った】と願望【罪滅ぼしにエンリルを助けたい】を受けて、「今度こそ、俺は仲間を……エンリルを守るんだ！」と叫ぶ。これで、ボーナスが入るか？ GM：いいですねえ。それは2つ適用なので、判定値+2Dになります。使ったら、もうこのフェイズでは使えませんが。 三上�掘�使い切る。あと［高度］を2消費して、射撃判定値+2Dするぜ。 なお、［竜キズナ］も［高度］も、自分に使う場合は攻撃判定値に修正が入るだけで、ダメージには加算できない。ダメージにも加算できるのは、支援機動により［戦友］PCを支援する場合だけだ。ワイバーンエレメント（飛竜二騎編隊）のタイトル通り、編隊空戦では支援が重要なのである。 ラウパナカ：［竜キズナ］が0になると飛竜が暴走するかもしれないので、気をつけてー。 三上�掘�合計、達成値39！ クラシーグ：全力だなあ。 GM：高度2まで敵一番機が急降下、さらに二番機の支援機動で、三上�靴両判爐魘犬錣擦襦� これで+3D……敵編隊の回避判定、達成値35！ ラウパナカ：すごい。 三上�掘�おおお！ GM：二番機はこれで支援の回数を使い切りました（汗）。 クラシーグ：手練れだ（笑）。 NPCも僚機に対して［支援機動］が可能だが、PCと違って、回数制限がある。 GM：でも当たってますよね。ダメージください。 三上�靴糧�竜が、その顎から、亜光速まで加速された粒子ビームを放つ！ 敵機に命中したプロトンブレスは15ダメージを叩き出したが、装甲に防がれ、与えたダメージは5点だった。 クラシーグ：うまく避けるなぁ。手ごわいね。 GM：敵の回避機動が上手くて、装甲の硬いところでダメージを軽減したかんじです。陽子ビームに翼を射貫かれたが、機動に問題はみられないようだ。 ラウパナカ：これはクラシーグさんの攻撃には支援を入れた方がいいかな。 三上�掘�「く……カーリーに乗っているだけあるな。流石、エースだ」 クラシーグ：これは1番機に追撃を掛けたほうがいいな。 GM：次の攻撃はどうしますか。 ラウパナカ：「エル、あの機は硬すぎるから誘導してクラシーグさんが狙撃しやすくするよ、できるよね？」 GM：敵の装甲は、支援なしだと固く感じるかもですね。 ラウパナカ：『言うに及ばず』というコンソールの表示を確認して降下を始めます。あっ、［竜キズナ］をくださいGM。 クラシーグ：では敵の1番機を狙って攻撃します。［高度］4を消費、さらに［トラウマ］RPするよ。［高度］が7から3になった。 GM／敵二番機：「クーガー1、狙われているぞ！」 GM／敵一番機：「クーガー2、援護頼む！ 運動エネルギーを使い切っている！」 クラシーグ：「相手はファーグニルか……行くぞ、＜シーラク＞」高高度から目標をにらみつつ「今はあの輸送部隊にいた時とは違う。誰よりも高く、早く飛べるお前がいる……！」 GM／敵二番機：「射撃位置に占位できん！ クーガー1、自力で回避せよ！」 GM：クラシーグの［トラウマ］RPかっこいいですね、加算オッケーです！ クラシーグ：かつて鈍足で逃げ切れなかった輸送部隊を思い返しつつ、目標を狙うよ。+5Dの判定値が攻撃判定に、そして+2Dをダメージに割り振る。ズ式航空軌竜砲、発射。 GM：うぐぐう。 三上�掘�クラシーグのRPカッコイイ。 甲冑魚型飛竜が腹の下に吊り下げた巨大な生体ビーム砲から、まばゆい白熱光条が放たれた。攻撃判定の達成値は42！ 敵機は［高度］1まで急降下して回避を試みたが、それでも達成値は23。クリティカルとなった。 GM：クリティカルの効果として、装甲貫通か、敵の［高度］を1下げるか、どちらかを選択できますよ？ クラシーグ：確実に落とそう。敵の高度を1、下げる。 GM：ぎゃああああ。いちおう、武器のダメージください。 ダメージは26点、そのままでは撃墜には至らない。だが、敵戦闘機の［高度］は0となった。 GM：高度下げで正解です。敵戦闘機は、冥竜母の底部岩盤に激突してしまった！ ズ式航空騎竜砲のビームを回避しようと、むりに低空で旋回した結果、操縦を誤ったのだ。はるか下方から、爆発の閃光が見えた。 ラウパナカ隊の1プロセスめの行動は終了し、敵部隊が行動する。 クラシーグ：「よし、撃墜確実だな。あと1機だ」 GM：敵戦闘機が、長射程ミサイルを2発、発射する。脅威度1、［高度］2を消費して、攻撃判定+3Dで、1発めを発射。達成値31で、三上�靴糧�竜を狙います。 三上�掘�おおう！ GM：2発めは修正が乗らない。達成値18で、三上�靴�2発めの長射程ミサイルが飛んでくる。順番に回避してくださいね。 ラウパナカ：「敵機がミサイルを発射！ 三上さん回避を！」 GM：レーダー上で、二個のブリップ（光点）が急速接近してくる。 三上�掘�ふふ、［竜キズナ］は1しか残ってないぜ……。 クラシーグ：厳しいな。 GM：避けきれなくても、クリティカルを回避する意味はあるので、できるだけ高い達成値で回避したほうがいいですね。 ラウパナカ：三上�靴蓮�確か、まだ燃料が1点残ってますよね？ GM：おっ！ ラウパナカ：バーストブレスという選択肢もあります。 GM：バーストブレスか！ 三上�掘�バーストブレスって？ ラウパナカ：説明しよう！ バーストブレスとは、いわゆるアフターバーナーである。［進攻判定］で余った燃料を1点、消費することにより、回避判定の達成値を1D、増やせるのだ！ GM：ラウパナカが、素でAWACSっぽくなってきましたね（笑）。 オペレーターっぽく支援してるんだろうなあ。使用時に、盛大にジェット噴射炎が輝くため、バーストブレスと呼ばれるようになった。表紙絵の飛竜もこれ使ってます。 三上�掘�「そうか！ バーストブレスか！！ ＜光芒＞、お前に全てを託す！ 頼むぞ！！」 三上�靴蓮▲弌璽好肇屮譽垢�+1D、トラウマRPに加え、さらに［高度］1も消費して、合計+3Dで回避を試みる。 クラシーグ：ギリギリだなあ。 GM：冥竜母の底部岩盤が、三上�靴量椶料阿貿�ってくる！ 高熱のジェット排気は、燃焼しきっていない多くの酸素を含んでいる。そのジェット排気に大量の燃料を噴射することで再燃焼を促し、ジェット噴流のパワーを増大させるのが「バーストブレス」である。 三上�卦海硫麋鮹�成値は、38。＜光芒＞はジェットノズルから長大なバーストブレスの炎を吐いて急降下、敵ミサイルを華麗に回避した。 三上�掘�避けた！！ クラシーグ：おお。 GM：いやーーー、おみごとな機動をみせてもらいました。 ラウパナカ：「まだです、二発めが来ます！」 GM：運動エネルギーを消費した三上�卦海法�二発目のミサイルが！！ 二発目は、修正なしで、ぎりぎりで回避する三上�卦海任△辰拭� 三上�掘�よけたーーーーーーー！！！！ GM：おおお！ クラシーグ：さすがの腕だ。 GM／敵機：「あの赤いアルシャルナ、この斉射を回避するだと！？ さぞかし名のあるエースに違いないな」 三上�掘�「はあ……はあ……＜光芒＞……ありがとう」 GM：プロセス1は終了、プロセス2に移行します。そちらから行動どうぞー。 三上�掘�プロセス1で既に精神摩耗しかかったぜ（喀血）。 ラウパナカ：うむうむ。 GM：がんばってますね！ ラウパナカ：しかしその状態だと［支援機動］は難しそうですね。上昇して、［高度］を回復するといいんじゃないでしょうか。 三上�掘�［支援機動］したいが、高度を取らないとやばそうだ。上昇する、すまん。 GM：上昇をえらぶと、攻撃はできないかわりに、自騎の［上昇力］にひとしい［高度］が回復する。このとき回復する［高度］の値は、上昇判定値ではないから、注意してください。 ラウパナカ：そういえば敵側に防空システムがあるらしいので、今のうちに破壊したほうがいいかも。 クラシーグ：ラウパナカ隊長に［支援機動］。［竜キズナ］4、［高度］1を、それぞれ攻撃判定に2、ダメージに3、割りふるよ。「ラウパナカ隊長、目標の注意を惹きつけます。敵防空網制圧を！」 ラウパナカ：「了解、防空システムを攻撃します！」 GM：防空システムにダメージが入ると、以後、防空システムの判定値そのものが減るので、とにかく一撃めを通すのが大事です。防空システムは一種の部位として扱われ、これを削るのは専用の対レーダーミサイルでしか出来ません。 ラウパナカ：［竜キズナ］を2、［高度］を2消費してデンパコガネを敵中枢防空システムへ発射！ GM：対レーダー生体ミサイルが、敵中枢にむけて発射された！ ラウパナカ騎による対艦射撃を敵神経中枢スフィアは回避しようとしたが、よけきれない。 ラウパナカ：しかしまだ防空システムによる迎撃があります……。 GM：敵が防空システムを覚醒させた。赤熱した無数のレーザー光が、針山のように上空に斉射される。防空値は……20。 神経中枢球の対空射撃は外れ、対レーダーミサイルが神経中枢球の防空システムを大破させた。レーダーが吹き飛び、対空レーザー砲が次々に爆発炎上する。 ラウパナカ：もはや防空能力はほとんどなくなりましたね。防空値7では何にもふせげないでしょう。 GM：ターゲットの対空レーザー砲の迎撃能力が、3分の1以下になった！！ みごとなSEAD（防空網制圧）攻撃でした。 三上�掘�すばらしい。 GM：これで、味方騎が安心して対艦攻撃できるわけです。 ラウパナカ：「敵防空システム、被害甚大。完全沈黙には至っていませんが、ほぼ制圧できました！」 GM：敵部隊の行動です。プロセス2の武装がないので、［高度］を回復します。 ラウパナカ：あとは残ってる戦闘機を落として、ほとんど反撃してこない中枢部にこれでもかとレールガンを撃ち込むだけよ。 クラシーグ：さすがだね。 ラウパナカ：まだ［竜キズナ］が5点残ってるので、支援がご入用でしたらいつでも。 三上�掘�さすがだ。 GM：プロセス3、ラウパナカ飛行隊の番からです。 クラシーグ：このプロセスで撃てる武装も、［高度］もないので上昇するよ。 三上�掘�プロセス3の攻撃手段はさっき使ったから、もうない。支援に回るか。誰が攻撃可能なんだ？ GM：武装に弾数制限は基本的に無いですよ。 三上�掘�おっとそうか。防空システムを攻撃しようかな。 ラウパナカ：いえ、防空システムは普通の対艦武装では効果がないです、対レーダーミサイルしか効きません。 三上�掘�なるほど！ GM：普通の対艦ミサイルだと、艦艇本体の［耐久］にダメージが入っちゃいますからね。 ラウパナカ：敵のレーダー波を逆探知して照準用レーダーに突っ込むミサイルを使うのです。 三上�掘�おいおい、もしかしてそれを見越してラウパナカは武装選択したのか？ すごいな。 ラウパナカ：はい、きっと何かしら防空システムがあるだろなーと。 GM：もし、ラウパナカが防空システムを破壊してなければ、通常の攻撃に加えて毎プロセス、攻撃判定20の対空レーザーが飛んできていた。 三上�掘�［高度］1を消費して、判定+1Dで、残る敵機に空対空攻撃をしよう。 三上�卦海�一斉発射したプラズマ誘導弾が、敵戦闘機の装甲を焦がした！ ラウパナカ：私は上昇して高度を取り戻します。［高度］2から4へ。 敵戦闘機の攻撃だ。三上�卦海法�二発の短射程空対空ミサイルが向かう。 GM：もう目視圏内だから、20km彼方で、ミサイル発射の閃光が見えた気がする。レーダー警報が、三上�靴竜確汽櫂奪匹北弔蟠舛�。 三上�靴蓮旅眦戞呂鮠暖颪靴董�敵ミサイルを二発とも回避した。 GM：格闘戦に入るとどんどん高度が下がるって本当ですね（笑）。 三上�掘�コワイ。 クラシーグ：怖いなぁ。 GM：エレシュキガル神経中枢の主砲、連装レーザーファランクスが射撃を開始する。20でラウパナカ騎を攻撃。［運動］か［速力］で回避判定してください。 ラウパナカ：［運動］で回避、バーストブレスを宣言。 GM：4式警戒機の機体側面から、補助ロケットが火を吐いた！ 機体が急加速する。 ラウパナカ：「深層域を目指そうっていうのに、こんなところで落とされていられないよ！」と願望RPします。 ラウパナカ騎は、敵の主砲と、対空レーザーによる防空攻撃を回避しきった。 GM：プロセス4です！ しかし今回、PCには艦艇属性キャラがいない（汗）。（注：NPCが対艦武装を持っていても、そもそも適合する攻撃目標が存在しないため、攻撃できないという意味） ラウパナカ：はっはー、レールガンのお時間ですね！ クラシーグ：［高度］2消費、命中判定とダメージに1ずつ、ラウパナカ隊長に支援を入れる。 GM：あー。レールガンということはミサイルじゃないから、防空システムで迎撃できないんですね。 ラウパナカ：なのです。 GM：強い。 三上�掘�そこまで考えてたのかよ（ガクガク）。 ラウパナカ：「こうやって集中したときに、前はエルの自我に触れたんだよね。あの時はパニックになったけど……いつかは理解してみせるから」 GM：発狂しかけた時のトラウマRPですね。良いと思います！ あと［竜キズナ］1点さしあげます。 クラシーグ：いいね。 ラウパナカ：では［竜キズナ］をさらに2点消費して判定ブーストしつつ。 GM：＜エルイダム＞のプロペラ回転数が上昇した……奏竜士の意志を肯定するかのように。 ラウパナカ：複数武装搭載の効果は「ダメージ増加」を選択。ウガチフジツボ2門で、敵中枢神経球を攻撃します。 GM：エレシュキガル神経中枢が、巨体を機動させて回避しようとするが……。 ラウパナカ騎が翼下に吊り下げた二門の生体レールガンが、極超音速の砲弾を連射する！ 射撃はクリティカルとなった。二門搭載しているため、ダメージが増加している。 GM：連射された極超音速の砲弾が、次々に、エレシュキガル神経中枢の巨体を貫き、爆発が走る。巨体の半分近くがぐしゃぐしゃに破壊された！ 次のNPCの行動は、攻撃、高度回復、ともにナシ。 プロセス5、白兵戦です！ 白兵戦は、対空、対艦攻撃の区別はありません。好きなように攻撃どうぞ。 三上�掘�［高度］5から2に降下して+3D、ラウパナカからの支援で+1D、ダメージ+2Dで、刃尾で敵戦闘機を攻撃する！ アルシャルナ種飛竜の尾には、鋭いブレードが隠されている。その尻尾を叩きつけるようにして、白兵戦を行うのだ。迫る白刃を見た敵機は回避を試みるが、三上�卦海旅況發魯�リティカルで命中した！ GM：敵戦闘機の主翼が、飛竜の尻尾ブレードに両断され、大破！ かろうじて飛んでいるが、パイロットがベイルアウト（脱出）した！ 敵戦闘機は、錐もみして冥竜母の岩盤に墜落、爆発四散！ クラシーグ：では神経中枢球を白兵攻撃しよう。「いくぞ、＜シーラク＞！」飛竜に声を掛け、高高度から振動翼で切りつけに行く。 GM：急降下からの白兵攻撃！ 天到戦鰭ならではですね。 クラシーグ騎のブレード状の鰭で、エレシュキガルの神経中枢球は切断され、大破した！ ほとんど機能を喪失している。 GM：プロセス5まで終了しました。2ターンめに移ります。イニシアティブ判定ですが、プロセス1、3、どちらでとりたいですか。2ターンめからは、イニシアティブを取った側が、遠距離か近距離、好きな距離を選んで先制できます。 ラウパナカ隊は、自分たちの得意な交戦距離を考えて、プロセス3からの近距離空域を指定してイニシアティブをとった。目視距離内での格闘戦だ。 クラシーグ：ここで、［竜特技：極超音速の防人］を使うよ。PC部隊がイニシチアブ判定に成功したターンで、最初の攻撃を自動的に命中させる。 GM：おお、たしかにこのタイミングですね。 三上�掘�高度を回復しとくか。 クラシーグ：高度回復、3から7へ上昇する。 ラウパナカ：こちらも高度回復、4から5へ。 敵の対空攻撃がラウパナカ騎を狙うが、ラウパナカ騎は豊富な残燃料を連続してバーストブレスとして消費し、急旋回して回避する。 GM：バーストブレス連発するとか……（笑）。 大技すぎる。 三上�掘�隊長、飛竜を乗りこなしてるなあ。 GM：大気を切り裂く灼熱のレーザーを、ラウパナカ騎は次々に回避した！ ではプロセス4です、PCから行動をどうぞ。 ラウパナカ騎、三上�卦海�急降下して、クラシーグ騎に［支援機動］を集中する。クラシーグの［竜特技］により射撃は自動命中するため、支援のすべてを、ダメージに割り振っての砲撃だ！ ラウパナカ：「エル、射撃諸元の修正データを＜シーラク＞にリンクして」 GM：みんなの力が、クラシーグに……！ ラウパナカ：多少の装甲があろうと！ 三上�掘�「クラシーグ、決めてみせろ！」 ラウパナカ：9D10の攻撃は耐えられないでしょう！ 僚騎からの照準データを受け、クラシーグの視野で、3つの照準コンテナがひとつに重なり、エレシュキガル神経中枢球をロックオンした。神経接続されたクラシーグの脳内に「軌竜砲、射撃可能」という飛竜からのシグナルが灯る。 クラシーグ：「了解、ラウパナカ隊長、三上�形嬶技痢�さあ行くぞ、＜シーラク＞。あのハグレ竜の元締めに引導を渡すぞ」 ズ式航空軌竜砲からまばゆい粒子ビームが放たれる。ダメージは51に達した。 GM：かつて星々の海を渡ったという宇宙遊牧民ズメイ属。彼らが使役したという軌道竜の粒子ビームが、エレシュキガル神経中枢球を貫く。大爆発がまきおこる。爆発四散！ 轟沈です。ミッションコンプリート！ 三上�掘�「やった……やったな！」 クラシーグ：「よし、当たった。ありがとう、＜シーラク＞」 ラウパナカ：「はい、やりました……ですがお二人とも」 GM：神経中枢を失った冥竜母エレシュキガルは、巨大な体躯を崩壊させつつ、深層域に落下していく。あちこちで爆発が起こる。煙の尾を引いて、破片がいくつも墜ちていく。 ラウパナカ：「早く脱出しないと巻き込まれますよーっ！」 クラシーグ：「了解。離脱します！」 三上�掘�「おぉ！ そうだ！ 急ぐぞ、クラシーグ！」 GM：君たちは危ないところで、崩壊する冥竜母エレシュキガルから脱出し、上空に離脱していった。その後ろで、巨大な赤黒い爆雲が幾重にも重なって立ち上っていく。
●デブリーフィング
戦いは終わった。大竜母の外殻側面に突き出た多数の眼球のような衝撃緩衝ゼリーに、次々とラウパナカや三上�靴燭舛糧�竜が飛び込む。飛竜はそのまま、竜母漿窟へと運ばれ、栄養液のなかで休息するのである。 帰還したラウパナカ隊を、百騎長以下、養竜兵などが総出で迎えた。 「大竜母の命運がかかった一大作戦を、よくぞやりとげた！ みごとだ！」 本作戦は、後々まで語られる航空作戦となったのだ。 GM：というわけで、お一人ずつ、エンディングでやりたい場面などあればどうぞ。特に希望がなければ、飛竜と語り合う場面で締めくくろうかと思います。三上�靴気鵝▲�ラシーグ、ラウパナカの順でいきましょう。 三上�掘�俺は自分の飛竜と交流した上で、ラムダとも話したい。 GM：では……君の飛竜は竜母漿窟で、栄養液に漬かっている。センサーヘッドを下にした垂直な状態で騎体を休めている。 三上�掘�飛竜の横に言って、語りかけるぜ。 GM：他のPCも登場していいですよ。 ラウパナカ：相棒と二人きりもいいじゃないですか。 GM：もちろん。 三上�掘�「＜光芒＞、お前と組んで、ずいぶん経つな。最初はお互いに全然合わなかったよな。それが今ではみんなを救うことが出来た。本当にありがとうな……こんな俺でも……エンリルに、アイツに恩返し出来たかな。あのときはお前の前の主人に……すまなかったな」と、感極まって静かに泣いている。 GM：おおーなるほど……。良いですね。前の戦いのことが想像できる。 その後、隊舎に戻った三上�靴料阿髻�警務隊に連行されていくラムダが通り過ぎた。 GM／ラムダ：君の横を通り過ぎながら、「オレもまっとうな道に、生きるべきだったのかもな」と、ぽつりと言う。 三上�掘�「ラムダ！ 待ってるぜ。俺たちは友達だからな」そう言って少し笑う。 GM／ラムダ：「ち、あんなことがあってもまだ……だからお前は、甘いっていうんだよ」と、そっぽをむきながらもまんざらでない様子で、ラムダは連行されていった。釈放されれば、また会うことがあるかもしれない。というところで、場面を終えましょう。お疲れ様でした！ 三上�掘�ありがとう。 GM：では、クラシーグさんは、シーンのご希望はありますでしょうか。 クラシーグ：んー、そうだな。では見晴らしがいい場所で＜シーラク＞と天を眺めたいな。 GM：じゃあ、大竜母最上甲板、草原の上で、クラシーグと＜シーラク＞は空を仰いでいる。草原を風が吹きすぎていく。星のきれいな夜だった。君は愛竜とともにくつろいでいる。 クラシーグ：「今回もお疲れさま、＜シーラク＞。また一つ強くなったな」 GM：全長20メートルのロケット飛竜が、夜空に咆吼した。今回の戦いに満足しているようだ。クラシーグに寄り添い、巨大な尾びれで触れる。 クラシーグ：「あんな巨大な冥竜母を相手にして帰ってこれたのはお前や、ラウパナカ隊長のおかげかな」 GM：煌びやかになった鰭をぱたぱたさせて、飛竜は喜んでいるようだ。 クラシーグ：「それと、三上さんも、かな。羽根ナシだけど、あんなに竜と仲良くやってる人もそうは居ないし」 GM：仲間PCを立てるRP、良いですね。 クラシーグ：「＜エルイダム＞や＜光芒＞も頼りになるよ。竜母の人たちもね」天を見上げながら呟く。 「お前ももっと変異したら、別の星に渡るのも夢ではないだろうね。その時まで、この星から企業軍を追い払ってやるさ。暴れるハグレ竜もね。これからも宜しく、＜シーラク＞。僕の、片方の翼」と言って、愛竜を撫でます。 GM：クラシーグと＜シーラク＞を祝福するように、無数の発光性飛行プランクトンが、青白い光の群れとなって君たちを包み、渦を巻き、風とともに吹きすぎていった……。 三上�掘�良いねえ。 ラウパナカ：いいですねえ……。 GM：ではさいごにラウパナカ隊長おねがいします〜。 ラウパナカ：じゃあクラシーグと、どこか、歩きつつお話したいです。 クラシーグ：おおう。 三上�掘�どきどき。 GM：おっ、じゃあ大竜母の上層甲板街にある植物園とかどうです。色んな惑星の植物が植えてある、綺麗な庭園です。 お昼をちょっとすぎた午後、植物園はにぎやかで、色々な種族のカップルや家族連れが見学しているのがみえる。銀河系のあちこちから集められた色とりどりの植物たちが咲き誇っている。そんな場所です。日ごろの戦いをいっとき、忘れられそうな。 クラシーグ：ふむ、では珍しそうに色々見ておこう。 GM：ラウパナカから誘ったのかな……。 ラウパナカ：「すみませんクラシーグさん、ほとんどこういうところに出たことないからと一緒に来てもらってしまって」 クラシーグ：「いえ、僕で良ければ全然構わないですよ。歩き回るのも好きですし」 GM：ういういしいエンリルの二人、いいですね。 クラシーグ：「天到戦鰭乗りになってからは、なかなか時間とれませんからね。輸送部隊の頃より忙しいですし」 ラウパナカ：「そうですね、朝から晩までずーっと、飛竜に乗って訓練ですから」 GM：異星植物の巨大樹の影から、イダム百騎長が密かに、こぶしをにぎりしめて二人をみつつ、応援しているのだった。 ラウパナカ：「あの、クラシーグさん。飛竜を……＜シーラク＞を『自分の翼』と言うときって、どういう気持ちなんでしょうか」 クラシーグ：「んー……」少し考え込んで、「そうですね、一緒に居ると安心するような。体の一部……は近いけど違うような」 ラウパナカ：「一緒にいると安心する……」 クラシーグ：「飛竜にも意思はあるし、付き合い方が大事って感じかな……僕らと同じように、ね」 GM：個人的には、ラウさんが、クラシーグと関係を深めるつもりあるのかどうかが知りたい（笑）。 ラウパナカ：「（……飛竜の自我を理解しようとするのは、間違ってるのかな？）」 クラシーグ：「ラウパナカ隊長も、飛竜ともっと仲良くなれると思いますよ？」と笑っておこう。 「仲の良い人は多い方がいいです。居なくなっても覚えていられるくらいね」とちょっと寂しそうに、昔の輸送隊のマークが入ったペンダントを触りつつ。 ラウパナカ：会話を進められない（悩）。 GM：まあ、戦術は凄いけど、飛竜との関係とか人間関係にはうといから、これからもよろしく、みたいな流れでまとめると良いのでは。 クラシーグ：「なんか、柄にもない話ばかりですね。すみません。これからも頼りにしていますね。ラウパナカ隊長」 ラウパナカ：「あ、いえ。こちらこそよろしくお願いします、クラシーグさん」 GM：そんなぎこちない二人の姿は、午後の植物園に消えていくのだった。まだまだ、語らいは続くようである。
●成長処理
GM：さてさて、成長処理ですね。変異2回のランダム獲得か、PCか飛竜の能力値を2点ぶん上げるかですね。 あと、［願望］を任意にとるか、オリジナルに作るかしてもよいです。今日のセッションをふまえて、自分の愛竜や他のPCを守りたい、なんていうオリジナル［願望］でもよい。RPしやすいでしょうから。セッションで［願望］が達成されたと思ったら、消して、新しい［願望］を取得してもよいです。 クラシーグ：［体力］あげたいなぁ。1は辛い（笑）。 GM：大竜母の［資源値］は満タンだから、次回も問題なしと。 三上�掘�俺は別の［願望］を取ろう。 ラウパナカ：次回ってあるんでしょうか（笑）。 GM：よければ、キャンペーンとして続けたいとおもってます。 ラウパナカ：おぉ。 三上�掘�ショートキャンペーンか、いいね。 GM：大竜母が本隊に帰還するまでを、3〜5話ぐらいでやれれば……なので、［願望］も、具体的なPC名などを対象にするとキャンペーン向けかもしれませんね。 ラウパナカ：［願望］を「クラシーグと仲良くなりたい」としておきましょう。仲良くってなに？ と言われると彼女は答えられませんが。 GM：ああーーー。良さ。 三上�掘�もしかしたら三上も、ラウパナカ隊長のライバルNPCとワンチャンあるかも……！ GM：では、あのライバル眼鏡エンリルは、名前をつけて再登場させよう（笑）。 三上�掘�やったぜ。 GM：［トラウマ］は不変ですが、［願望］は達成されたら消して、新たな願望にしてもよい、というのが大事です。［トラウマ］は、過去の心の傷として、残ってはいるけど、いちおうPCの心の中では整理されているかんじ。 三上�靴蓮隆衙勝鷲修�らサイコロで新たな［願望］を得る。「傭兵部隊の頂点をめざしたい」という羽根ナシらしい野心あふれる［願望］を得た。エンリルを助けたいという［願望］は、今回でひとまず達成とし、解消したものとした。 クラシーグは奏竜士の［体力］を2点成長させる。これにより関係する騎竜判定値も成長する。そして新たな［願望］として、「ほかの惑星へ行きたい」を取得した。 ラウパナカ：［体力］を2、［騎竜適性］を5へ！ GM：あと成長処理がおわったら、奏竜士レベルを+1してください。 三上�掘�俺も能力値を上げよう。［社交］+1と［騎竜適性］+1しとく。今回の一件で飛竜とのキズナが深まって三上が飛竜に慣れたと言う点と、ラムダの一件でもっとコミュニケーションを図らねばと思った点の反映だな。 GM：了解です。騎竜判定値も、上がった分を加算おねがいします。それではみなさんお疲れさまでした！ 大竜母の漂流は、なおも続く。 ラウパナカ飛行隊は、彼女らの駐屯する大竜母は、いつか本隊へと帰還できるのか。そして、ファーグニル企業軍が、執拗にこの大竜母を狙う原因とは何なのか。 謎をはらんだまま、今日も大竜母は、ナーガローカ3の大雲海を行く。 つづく
●付録：追加データ
本セッションで登場した、新規NPCや追加データを紹介します。 ＜冥竜母エレシュキガル＞ 大竜母なみに巨大な＜天空礁＞の一種。全長2D×10km。多数の護衛生体戦闘機群を従え、他の生物や大竜母を補食する。 体内の大空洞に「中枢神経球」が存在し、これを破壊されると機能停止する。 深層域に棲息するといわれるが、まれに、湧昇気流に乗って中層域まで浮上してきては、大竜母に被害を与える。 冥竜母の外縁部は、飛竜や航空機が侵入可能な巨大な亀裂が存在し、冥竜母の体内奥深くにある大空洞に通じている。 これを表現するため、本目標を攻撃する際は、空戦管理シートを2枚使用する。 1枚目の「戦域1」は、必ずプロセス3から開始され、プロセス5が終了したら自動的に2枚目の「戦域2」に移行する。 戦域1の特殊条件として、高度制限がある。高度5以上は、深層域と同じものとする。これは、狭い亀裂であることを表現している。 戦域2は、特に制限はない。 冥竜母は固有の［耐久］値をもたない。「中枢神経球」を破壊することで、撃墜または機能停止に追い込むことが可能だ。 描写： 冥竜母。それは、禍々しい巨大な天空礁だった。 奇妙に歪んだ黒々とした山脈状の安定翼と甲殻岩盤に覆われた、大いなる飛行生物だ。 積乱雲より遙かに巨大な体躯のあちこちから、瘴気めいた呼吸ガスを噴出している。 多くの共生生物が、雲霞のように付き従っており、遠目には霧をまとっているかのようだ。 ＜戦域1＞ 描写： 巨大な、黒々とした冥竜母の甲殻岩盤が、君たちの視野いっぱいに迫ってくる。 岩盤の亀裂に飛び込むと、周囲を囲む岩盤が高速で後に流れていく。 僅かでも飛竜の操縦を間違えると、君たちは岩盤に激突して、騎体とともに、バラバラになってしまうだろう。 戦域1での特殊条件： 高度5に達したPCとその飛竜は直ちに撃墜される 「マニューバーキル」が可能。運動判定で敵機の攻撃を回避した際、クリティカルが生じると、敵機は機動を誤って外壁に激突し、ダメージ2Dを受ける。 プロセス5で自動的にこの戦域でのプロセス処理は終了する 「戦域1」登場NPC ＜冥竜鬼ガルラ＞ エレシュキガルを護衛する共生飛行生物群。小型の野生飛竜類や宇宙生物のうち、エンリルや大竜母に対して敵対的な生物全般を表現している。18機編隊で空対空戦闘を行う。 脅威度／1 NPC属性／護衛 NPC類別／航空機 索敵値／15 射撃値／18 白兵攻撃値／なし 回避値／9 上昇値／1 ステルス値／14 最大高度／3 装甲／なし 耐久／18 武装／ プロセス3：短射程生体ミサイル（2基）、各ダメージ1D+2 プロセス5：アタックブレード、ダメージ1D＋1 ＜戦域2＞ 描写： 亀裂をくぐり抜けると、突如、君たちの前に大空洞が広がった。 陽光が上空の採光ドームから差し込んでくる。 広大な空洞の中央に浮かぶ戦艦ほどもある黒い球体は、この冥竜母の中枢神経球だろう。 だが、きみたちが接近するよりも早く、周囲の装甲内殻が開き、無数の迎撃戦闘機が上がってきた。 「戦域2」登場NPC ＜エレシュキガル中枢神経球＞ 冥竜母エレシュキガルの制御システム中枢。冥竜母の中央大空洞に浮遊している巨大な黒い球体。 これが破壊されると、冥竜母全体が崩壊する。直径300メートル。 脅威度／1 NPC属性／作戦目標 NPC類別／艦艇（防空システム装備） 索敵値／12 射撃値／16 白兵攻撃値／なし 回避値／12 上昇値／1 ステルス値／14 最大高度／2 装甲／3 耐久／35 防空値／20 対空火器／ プロセス3〜4：多連装レーザー・ファランクス、ダメージ1D 武装／ プロセス3：短射程対空レーザー、ダメージ1D+3 |