極楽艦隊RPG遊戯議事録
第12話<スィルとこわーい女傭兵>
パラダイスフリートRPG初号版遊戯議事録第5集
<スィルとこわーい女傭兵>(第12話)
[目次]
1、目次
2、第12話<スィルとこわーい女傭兵>
第一章:さくらに降り立つ傭兵たち
第2章:さくらで潜入する傭兵たち
第3章:さくら突入作戦
第4章:さくら脱出作戦
3、パラフリ大辞典追加項目
4、ギラちゃんパック
5、1クール達成目前記念・今後の展開大予想
6、GM&R・後書き対談
パラダイスフリートRPG初号版第12話
<スィルとこわ−い女傭兵>
(脚本・GM:清水三毛)
1998年8月9日、いつものコミュニティセンター(ただし今回は地下会議室)。久しぶりに新人宇宙海賊スィル君が参加。
前回、<電脳結界>を装備し忘れていたので装備。
いまここに再び、7つの銀河をまたにかける宇宙の男たちの物語が始まる!
……って、リーダー格は女性キャラだって(笑)。
<状況開始>
第1章:さくらに降り立つ傭兵たち
航宙駆逐艦モスコ=ミュール。公国星域ではごく一般的な、ハンタードッグ級の小型艦である。全長はせいぜい50メートル、外観も平凡な航宙艦の域をでない。この船で平凡でない点といえば、その著しい使い込まれようであろう。その外観は、超音速砂嵐に1週間もまれ続けた石油缶を思わせる。
「ふうう。ホローさんもひどいッスよね、新人の部下をこんなとこに閉じ込めっぱなしで」
外観のみならず、厨房や食料庫もひどく生活感のにじみでたものだった。荒くれトラッカーどもが駆る長距離貨物艇でも、これほどではあるまい。
「むなしいなぁ」
聞く者のない嘆きが、鈍く光る調理器具の間を漂う。
厨房の雑多な食料品のなかで、黒髪の青年傭兵が、しゃりしゃりとひたすら芋の皮をむき続けている。全身に残るオレの勲章−−この傷あとが泣いてるぜ。
脇につまれた芋の山をながめ、スィル・クルスティアは涙した。
GM
こないだの最後は、例の結婚騒動のやつか。じゃ、あれから10光年移動したことにしよう。
牛
目的地まで、あと100光年。
リンダ
オリンピック・カウントダウンじゃないんだから(笑)。YAWARA! のエンディングみたいにさ。横でギラ軍曹がラーメン食ってたりして。
スィル
どんぶりがそのへんに5、6個つんであったりして(笑)。
GM
ギラ軍曹はそんなに食べないっ!
リンダ
うそ〜ん。じゃ、ミリィでいいや。
GM
出てきちゃマズイ。まだ。ゲームバランス狂う。
牛
そんなに狂うか? ギラ軍曹が3人いると思えば変わらないじゃないか(笑)。
リンダ
でも、狂暴で傍若無人で……。
スィル
……爆発マニアって点が、差か。意図的に騒動おこすか、無意識におこすか(笑)。
牛
どっちも悪い(笑)。
GM
じゃ、ジャンプ・アウトの判定を。
モスコ=ミュールは無事、グラーケ星系の隣の星系、<しきがみおえど>領<さくら51星系>に実体化した。<さくら>は本来、<しきがみおえど>の首星系に与えられる名なので、郵便業務上、51という番号がふられているらしい。 ちなみに<さくら15>といえば、某有名な狼人と少年ワニ傭兵コンビの居住する星系である。
(牙狼々と力大轟のこと。牙狼々は清水の弟20歳、力大轟は弟10歳が演じる)
リンダ
高尾が東京都に入ってるようなもんか。
志尾原
……それでその。現在、その<木之本星系>のどこにいるでしょうか……。
GM
キノモト星系じゃない(笑)。ルールブックに書いてあるんだ、さくらが首星系なんだよ。でも……いい響きだ(うっとり)。
リンダ
やめろ。
1週間ほど前に滞在した<さつき星系>(第9話参照)は、辺境宇宙への中継基地となっていたことをリンダ達は思いだす。そこから踏み出したいま、<コアワールド>とは異なる世界にいるのだ。
そう、<アウターワールド>である。
リンダ
遂にアウターワールドへ1歩踏み出したわけね。
GM
宇宙傭兵ならやはり、アウターワールドで暴れまくりたいよな。というのも、傭兵の一般的な認識だ。
スィル
単にもう、暴れる場所がなくなってきたんじゃないですか(笑)。
リンダ
まだ立ち寄れる場所だってあるさ!
牛
♪流れ流れてやってきた、ここはアウター、辺境の星……(笑)。
志尾原
私は困るな、商売ができない。アウターワールドじゃあまり買ってもらえないからなあ。
スィル
こういうときこそ市場開拓を。
GM
ま、海賊や傭兵だのが跳梁してて活気のある田舎の星域だよ。
リンダ
わたしはもうちょっと潤いがほしい!
スィル
「何いってんですか艦長、今さら」艦内でモップ担ぎながら、ふうう。って感じで(笑)。
リンダ
ちょっとこっち来おい!
惑星<そめいよしの>。辺境らしく、宇宙港は地上港しかない。皆の[応援]のおかげもあり、無事着陸。離着床がひび割れていたりして、寂れた星だった。ただやはり<しきがみおえど>らしく、地上港のむこうには高層建築が林立しているのがみえている。
仕事依頼の指定場所は、港ちかくの安宿だった。依頼客は、星間運送業のものらしい安っぽい作業着をきた青年である。公国人の、さえない青年だった。名をリックという。
リンダ
どーも、ホロー傭兵分隊です。
GM
いや実はですねえ。わたし、あるモノをこの星まで運送してきたんですがね。それが、ここの宇宙港で逃げ出してしまいまして。
リンダ
何が入ってたんですか!
GM
オリオンアシダカトカゲという生物なんですがね。
牛
例によって生体兵器じゃないだろうな(笑)。
GM
何をいうんです、輸入禁止にはなっているものの、非常におとなしい、犬ぐらいの大きさの生き物ですから。
リンダ
巨大化すんじゃねーだろうな。
志尾原
じゃ、本日は、それの始末が我々の任務……。
GM
いや違うんですよ! 皮革製品として加工したいので、なるべく生かしたまま捕まえてほしいと。
志尾原
……それは我々の専門外なので……(一同笑)。
スィル
ミンチにするのは得意なんだけど。
リンダ
いや、でも、たまには! ホロー傭兵分隊も、殺シ以外のことが出来ることを証明したほうがいいんじゃん?
牛
そりゃもっともだな。出来るかどうかは別として(笑)。
GM
(……なんて奴らだ……)
リンダ
ところで。やっぱ禁制品を捕まえるとなると、それなりに値が張るんじゃないかと、思うンですがねえ。
GM
また始まったよ守銭奴が。
志尾原
とりあえずですね。我々としても、捕獲はそこまで高いお値段ではやってないんですが、禁制品という条件がついてしまうとですね、プラスアルファということでですねえ……。
GM
あの、生かしての捕獲なら一匹100万、もし死体なら50万ガメルということで。
リンダ
ちょっとまて、何匹なんだ!
GM
4匹なんです。1週間ほどまえ逃げ出して、宙港付近のスクラップ航宙船置き場に潜伏しているようで。
スィル
わーっ! いかにもな展開だ(笑)。
志尾原
我々としても請負いたいのは山々なんですが、我々も色々と危険な仕事をこなしておりまして。その手の話題には、すごく危険なものを感じるんですね。すごく。
GM
いや、だからこそ傭兵さんに頼んだんですよ!
志尾原
でですね、まあ我々としてもできるだけお安くあげたいのですが、そこをちょっと曲げて、110万ぐらいということで(笑)。
GM
「困りますよ、うちは零細企業なんですよ!」といっているな。
SOCで交渉判定だな。
志尾原
6のペアです。
GM
しょうがないですねえ、上司に交渉してみますよ。
志尾原
お願いしますね♪
GM
「あ、ところでもし何なら、我が社特製の電撃弾はどうですか? 弾着により高圧電流を通電するもので。非常に高価だし、管理が難しいので流通していないんです。各種取り揃えておりますが、問題はここであなた方が武器を調達できるか、なんで……」
つまりね。君らの船は私有船だから、中においてある武器までは検査されない。だけど、宙港を使ってるから、税関や検疫を通らないといけないわけで。つまり、「武器を持って船から出ることができない」わけだ。リアルだろ?
牛
ああ、なるほど。
GM
SOC判定で[調達]がんばってくれよ。
牛
己の肉体を鍛えれば関係なし(笑)。
[ギラちゃんにおまかせ]
こにゃにゃちわー(棒よみ)。ところでなんなの、この題目? ……まあいいわ。今回の解説は、傭兵の皆さんのための武器の調達法についてよ。
傭兵は普通、民間人を装って目的地に潜入するものなの。だから、武器を自分の部隊と一緒に運べばそれだけ当局に発見される危険性が増すわけで、傭兵の火器は現地調達が基本とされてるのよ。星によっては、荷物に迷彩服を入れてただけで政治犯として逮捕されちゃうこともあるぐらいで、一流の傭兵は、市販の物品を装備することも多いわね。
[ここでギラちゃんチェーック!]
でもね、今の話って、主に軍事傭兵の話なのよね。つまり、あの人たちは政府や軍に雇われるから、そこで武器を貸してもらえるってこと。でも、依頼客が軍と関係ないからって、現地の闇市場なんかで入手すると、商人が警察にタレこんだりすることがあるから、お勧めできないし。
まあ、民事傭兵の人たちは、ギルド発行の許可証をみせて、宙港の職員と交渉したらいいと思うわ。何も、身分を隠す必要なんてない筈だし、正々堂々としてるべきよね。まっとうな民事傭兵なら、の話だけど……。
あとは、<しきがみおえど>の人たちは、領内なら火器所持免許をみせればいいでしょう。指紋と署名はとられるだろうけどね。拳銃くらいなら、星によっては普通に銃砲店で買えるから、闇取引にはくれぐれも手をださないこと。いいわね。
ということで、一行はいま丸腰。志尾原などは、リミッターをつけられるか、署名をとられているのだろう。名刺シューターと、牛のコブシくらいしか使えない。非常に厳しい。
(今にして思えば、リンダは傭兵協会の免許をみせればよかったのだ(笑))
牛
防具は大丈夫として……、電極グローブでも作るか。
拳でプラズマを発生させられりゃな。
GM
使うより、むしろ使われるほうが多いだろ。(ボソ)プラズマに男性キャラは似合わないからな。
リンダ
<さらもか>じゃないと使えないらしい(笑)。
GM
まるぷに……。
リンダ
(笑)じゃ、エイシャなら使えるんかいっ!
GM
かなり、可能性的には高い……。
牛
素晴らしく偏見が入ってるね(笑)。
スィル
いやあ、こういうモンでしょう(笑)。
牛
そのトカゲがおとなしいのはいいとして、敏捷性はどのくらい?
GM
いやあ、そこまではちょっと……。
牛
運んできたんだろーがっ!
GM
いやあ。あんまり気にしてなかったせいか、コンテナを開けてみたら、もぬけのカラという体たらくで。まあ、脱走する程度ですからねえ。生物系データベースで検索していただいたほうが……。それより弾のほうは。
リンダ
じゃ、拳銃の弾サイズの電撃弾を下さい。
GM
「では、AMP9ミリ対応型をどうぞ」AMPってのは、オートマティック・ミルオーガン・ピストルの略だ。
リンダ
ミルオーガンって、こないだ御曹子がレクシーと踊ってた……あー、畜生! またレクシー思いだしちまったよ!(嫌ぎみ)。
GM
ライフル弾仕様とかは、いらないの?
志尾原
じゃあ。対戦車ミサイルを。
リンダ
違うっちゅーの!(笑)
スィル
船ごと吹っ飛ばす気ですか(笑)。
牛
それからみんな、忘れてないと思うけど、武器は税関を通れないってことは、この星に残していくことになるんだからね(笑)。安いものをね。
スィル
一般的なピストルと安いポン刀があれば……。
リンダ
日本刀じゃ切っちゃうじゃねーかよ。木刀でもいいじゃねえか。
スィル
木刀ッスか? 暴走族じゃないんだから(笑)。
リンダ
何いってんだ、あの人も使ってるじゃねえか。ねえ?
GM
うむ。クイック猪鹿蝶!(笑)
結局、一行は拳銃用の電撃弾を5発もらった。SMGにも使用できる。一行は他にも、武器だの投網だのをくれとかゴネるが、結局、何もリックからは貰えなかった。楽しようとしちゃイカンよ。自分で調達しなきゃ。
スィル
でも、峰打ちとかでも骨くらい折れますから、下手すると、皮に傷つきますよ。
GM
ふむ。なら、峰うちや木刀も使用不可ってことで。
牛
じゃあ、ボクがどっかその辺で大きめのズダ袋を2、3調達してくるよ。判定はいらないよな?
リンダ
スィル君はロープもってきて。
スィル
じゃ、30メートルほど。
GM
では、いざというときはここに連絡を。
リンダ
リック君の個人アドレスですかッ!?(期待)
GM
いや、事務所らしいよ。
リンダ
ぶーぶー。
スィル
何を期待してたんですか?
リンダ
潤いが欲しいんだよ……。
スィル
今さら?(嘲笑)
リンダ
ちょっとこっち来おい!
牛
ま、現実を見据えたほうがいいとは思うけどね。
志尾原
いやあ。夢は見れる時にみておいたほうが。
リンダ
お前ら! もうちょっと歯にコロモ着せろっ!!
スィル
あれはキヌって読むんですよ、艦長(笑)。
リンダ
……や、やっぱ、お前とは一度話しあったほうがいいなあ!?
ちょっとこっち来いよ!
GM
で、場所はね。ここから徒歩で10分ほどの、<はるなみ宇宙港>の隅っこのほうらしいよ。宙港の敷地内だから、[隠密(DEX)]が必要かもね。確か、マイナス2される人がいたような(笑)。
リンダ
しゃーねえ。中に忍び込みましょう。
スィル
あらかじめ宣言しときますが、わたしそのへんの缶をけっとばしたり、フェンスから落ちたりすると思いますんで(笑)。
<予告>
ついに受けてしまった。こんな平和的な依頼を、リンダたちは無事にこなせるのか!?
そしてリンダとスィル、なんか仲が悪いけど大丈夫なんだろうか!?
次章へいそげ!!
表紙へパラパラふりふりッ、とネ♪
リュート
「さあ、次の章へまいりましょう!」
リュート
「パラフリ議事録一覧にお戻りになるならこちら。またきてくださいね」