熱砂の竜

極楽艦隊RPG遊戯議事録1

2  船。またの名を鉄の棺桶(後半)


 再び生存判定をして、なんとか一行はポッドにたどり着いた。ホロさん脱水症状……。傭兵のくせに! の声に、自分は宇宙戦専門なんだと言い訳している(アーヴの王女さまじゃあるまいし!)。一同は、じっと夜をまつ。


GM「砂漠では熱放散を遮るものがないから、夜は気温が下がる。マイナス5度だ。寒いぞー、凍えるようなレベルだ。で、緑色の月が3つ、夜空に光っている」

リンダ「ダメージは回復しないの?」


 基本的に、ボディゲージ上で丸で表されるダメージ(軽傷)は1時間で1点、回復する。数字にかかるダメージ(重傷)は、1日に1点しか回復しない。
 パラフリRPGでは、体力は○○○○6543……という風に表記され、重傷になると、持てる手札の数が減っていく。……出せる数が減るんだっけ?(^_^;) すまん、よく覚えてないや(爆)


夜までに3時間経ったことにしたので、各自3点回復することになった。


「やったあ、全回復♪」

GM「寒いぞ〜。吐く息が氷になって口にくっつくぞ」

「喜んでますね(笑)」

リンダ「全く、何が嬉しいのかしらこのペンギン(笑)」

GM「隊列を決めてくれ。先頭を行く人は、ちゃんと街の方角へ向かってるかどうか、判定してほしいんだ。もちろん、難易度は高いぞ」


 
とりあえず、趙さんが先頭をいく。1回目の判定に成功し、1時間ほど正しい方角へ歩いた頃だろうか。
GMは<奇襲判定>をPCに行わせる。
この判定は、奇襲側で最も低いDEX([隠密]使用可)の持ち主と、防御側で最も高いINT([警戒]使用可)の持ち主とが<判定>を行う。奇襲側が成功すれば、1回自由に攻撃を行え、さらに奇襲側の望むキャラクターから,右回りに戦闘ターン開始となる。

 結果、趙さんは不意打ちに気づかず、攻撃を受けた!

GM「悪い、いきなりダメージ6入るんですけど(携帯レーザー砲なみ!)。盾があるんなら、絵札を出せば使える。ある? ……じゃあ、6防御できたか。ダメージはないな。いきなり砂の中から突き出したヒレが、『ガキーン!』といって……」

「やーっ! なんかいる、なんかいる!」

GM「うむ。3、4メートルほどもある何かが、鋭いヒレを砂の上に突き出しながら、君たちの周りを高速で旋回している。ザザーッ、と」

「こわいぞ、それは」

リンダ「距離は? 5メートルくらい? じゃ、もうブロードソード出しておく」

志尾原「ゼロ距離対戦車ライフル(嬉)」

GM「対戦車ライフルは、2メートル以内に入られると使えないぞ。銃身が2メートルあるから(笑)」

志尾原「なにーっ!」

GM「とりあえず、イニシアティブをとってもらおうか」


 
DEXでカードを全員その場に出し、一番強い<役>を出した者から右回りに戦闘開始。[戦術]使用可。
但し、ここではNPCが奇襲に成功しているから、本当ならGM側から問答無用で戦闘が開始されるはずだが(またもミス)。


リンダ「11。俺からだな。速攻で斬りかかる!」

GM「(敵までの距離が)5メートルあるからな。それは、『走りよって斬る』という複数行動になるな」


 
絵札を1枚捨てれば、<複数行動>を行える。主となる技能で、それぞれの行為にカードを割りふるというもので、1ターンで複数の標的に(セミオートで)連続射撃! などというときにもこの判定を用いる。割りふるカードの最大値は、それぞれの技能の判定値を越えられないので注意。

 ただし、実は、走りよって殴る・斬る攻撃は、<複数行動>のルールではないらしい。GMの勘違いらしい(笑)。<走りよって殴る>という専用規則があったはず。絵札を1枚すてる必要はない。カードを割り振る点は、<複数行動>とにている。


リンダ「志尾原、次でとめてくれよ」

志尾原「大丈夫。絶対、沈めますから」

リンダ「3カード」

GM「こっちは2の単カード。……当たってる。大成功してるから、ダメージがプラス1」


 
本当は、<大成功>1レベルごとにダメージは2点、加算される。GMの記憶違いでした、すみません。


GM「その生き物は緑色の血を噴き出してよろめいている」

リンダ「今がチャンスだ、ペンペンGO!」

「武器、棍棒なんですけど(笑)」


 魚さんの攻撃が謎の生物に命中するが、ダメージは与えられず。次ターン、生物は魚さんに攻撃するが、近接戦なのでSTRを使って回避成功!
 うーむ、DEXなら謎の生物の攻撃が当たってたのに(彼のDEXは1しかないのである)。


リンダ「ペンペン、謎の素早さ(笑)」

志尾原「斬られた瞬間に、ころころころっと(笑)」

「とりあえず、マーマ(<母親>の意)の形見の短剣で斬りつける」

GM「大学で中国語とってんの?(GMはとっていた)」

「そういうわけじゃないんですけど(笑)。じゃ、斬りつけます……エース」

GM「あたってる。ダメージは2? ウロコに弾かれたな」

志尾原「近接戦なら、斬るか、名刺シューターしかないんですよね。じゃ、軽くシックスカードで(笑)。スペードの6です(切り札!)。キャンセル回り込み名刺シューター(笑)」

GM「ほとんどアファームド状態だな(笑)。
 じゃ、命中と同時にきしゅっ! と悲鳴があがって、次の瞬間、『ずどむっ!』と砂の下で爆発がおこるわけだ」

志尾原「あれでこの程度ですから(笑)」

リンダ「これで本気じゃないなんて、まったく」



 一行は更に夜の砂漠を進む。1時間経ち、GM、(密かに)再びイベントチェック。山をめくって、絵札がでたら、イベント発生という規則だ。
 結果、今回は怪物との遭遇はなし。さらにもう1時間、正しい方角へ向かって歩いたころ……。



GM「わりと側の砂丘の向こうから、『きゃーっ!』という若い女の子の悲鳴が」

「え、若い女の子!(笑)」

GM「う、うむ。若いというか……(あえて黙っておく♪)」

「可愛い女の子っていう感じがする?」

GM「うん。わりと艶のある声ですぜ、だんな(笑)」

「じゃあもう、ペンギンだったら完璧、行きますね。ダッシュで(笑)」

GM「砂丘の上に立ってみると、4、5歳の女の子らしいのがさっきのサメ(しまった、言っちゃった)に襲われているのがみえる」

「4、5歳ですか!? じゃもう、引き返しますよ(笑)」

志尾原「困ったときは我が社におまかせ! 援護射撃!」
GM「距離は約10メートルといったところで、さっきのより大分でかいぞ。6メートルくらいあって、それがしかも3匹いるんだ」

志尾原「3匹。ぴったり3発で仕留めましょう」


 と、ここで牛 孟闘の遊戯者、沢乃氏登場! 髭がすごいし、結婚式帰りのような服装である。さて、牛氏の登場をどうするか。


GM「じゃ、こうしよう。実は、君たちを心配してついてきてたんだ。脱出ポッドにへばりついてたんだね、大気圏突入をものともせず、平均気温40度の砂漠の中で無傷で(一同大爆笑)」

志尾原「無傷で見守ってたんですね、我々を。いい人だ」

(しばしGMが状況解説)

沢乃氏(=)「じゃ、砂丘の上で黙って見守ってる(笑)」

志尾原「まあ、本気ださない程度でいきましょう。セブンカードです(笑)。対戦車ライフルでガァン! 撃ってます」

GM「おまえなあ……(哀)」


 志尾原、リンダの対戦車ライフルによる十字砲火を浴び、わずか2ターンで生物は全滅。GM、悲しい(泣)。


GM「女の子は、がたがた震えて涙を浮かべている」

「やっぱり私が交渉役になるんだろうなあ……あっ、SOC1だ、私(笑)」

GM「狼ハーフということで、ちょっとおびえてるかな。で、その女の子は、トカゲハーフなんだな。モロックトカゲという茶色のトゲやウロコがびっしり生えてるやつ」

「じゃ、みんなに『こっちこっち』と呼びかけます」

GM「あの、牛さんは」

「また砂にもぐる!」

GM「何なんだ、いったい!(笑)」

リンダ「ピンチになると出てくるらしいぞ(笑)」

GM「あ、女の子の名前決めてなかったな。……うん、じゃあ、『モロック〜』と言いながら、親らしい人影が砂丘の向こうから駈けてくる」

「まんまやん(笑)」

GM「うるさい。で、見ればキャラバンのものらしいテントが向こうにいくつか」

「……あの〜、ホントにこの女の子が艶っぽい声だしたんですか」

GM「んー、それはまあ、そう聞こえた! と(笑)」

「煩悩のかたまりめ」

GM「で、キャラバンの側には、四脚歩行の小さな緑色のドラゴンが、何匹か紐につながれて休んでいる」

リンダ「どのくらいのやつが、何匹?」

GM「(考えてなかったが、平然と)5、6メートルのやつが10匹くらいかな」

リンダ「1匹もらいたい(そういうことか。やらんぞ)」

GM「テントが、5つか6つあって、中から明かりがもれてる。そのテントも、いま常識のプラスチック製とかじゃなくって、獣皮で出来たようなやつだ。モンゴルのパオとか、ああいう感じですか。
 で、中に入れてもらえる。親父さんらしいトカゲ男が『お礼にお食事でも』と」

「しょくじしょくじー 」

「美人のお姉さんいますか(笑)」

GM「お姉さんはいないようだ。ここには親父とお袋と、その娘、モロックが1人。料理はなんか、得体のしれない肉なんかを煮込んだやつとかを出してくれる」

「とりあえず食べて、これなんのお肉ー?」

GM「『これはね、さっきあなた方が倒したのと同じ、サバクトラザメの肉なんですよ』
ちょっとアンモニア臭いかな。部屋の中には、ヒレなんかが乾してある」

リンダ「そのころ牛くんはどこにいるんだ(笑)」

GM「テントの外で聞き耳立ててるんだろ」

「きっとテントの上で聞き耳立ててるんだろう(笑)」

志尾原「腕を組んでて、『……腹がへった』(一同爆笑)」


 街の住民とは全く関わらず、ただただ巡礼の旅を続けて生きているモロック達だが、それなりに問題はあるらしい。

 モロックの父親が言う。この星には我ら遊牧民の2つの聖地がある。そして最近、第1聖地エジェンガで、我らの宗教の御神体である<竜の吐息>が何者かによって盗まれて以来、<番人>が怒って、この星を徘徊しているのだ……。


リンダ「この星の宗教ってのは、どんなもんなんだ」

GM「(げ、考えてない。が平然と)わしらは竜神さまを信仰しておる。黄金の身体と3つの頭をもつ宇宙(うつ)の竜じゃ(一同爆笑)」

「どっかで聞いたようなー!(笑)」

GM「その昔、この星に舞い降りて、悩める我らの祖先を救いたもうた方じゃ」

「……それって、敵対種族を滅ぼしたってだけじゃないのか(笑)」

GM「うん。で、3つ首のね、竜の紋章がパオの中にかかってるわけよ」

志尾原「尾っぽは2つですね(笑)」

GM「無論だっ!(笑) ……で、『わしらは第2聖地ラジェランドラへ行くんじゃがのう』と。この人たちも明日の朝……夜かな、旅立つようで、今晩は寝かせてくれる。
 ……で、牛さんは? 外、マイナス5度なんだよ(笑)」

「大丈夫! 金華帝国の軍仕様宇宙服をもってるんだぞ」

GM「持ち歩いてるんか、おまえは!(笑)」

「戦術の基本だよ(笑)」


 と、部屋の獣脂のランプがいきなり消える。そう、モロック一家もエルレリアを飼っていたのだ。話によると、この星に棲息する古代生物だとか。GMは牛氏に説明をする。


「……それって、どう愛玩するんだかわからんが、愛玩動物なんだな(笑)」

GM「姿は常に見えないが、手触りを楽しめる(笑)」

「触覚で楽しむのか! すごい、かなり未来型の愛玩動物だな(笑)」

志尾原「私は肩が凝る(笑)」

GM「またサメに襲われたときのために、『エルレリア・ロッド』をさし上げましょう」

リンダ「なにそれ」

GM「さっきの、エルレリアがだな(笑)、杖の先に縛りつけられてるんだよ(笑)。
もし、またあのサメに襲われたときは、これを地面に突き立てて、上からエルレリアを『ぎゅっ!』と押せば(笑)」

「(一同爆笑)かわいそうー!」

「ひどい!(笑)」

GM「そうすると、なぜだかあのサメどもは混乱してしまって、攻撃できなくなるようでな。その間にわしらは狩るわけじゃ。どうじゃ?」

リンダ「ありがたく、1本頂戴しておく」

GM「1日に1回水をやってくだされ」

「……それ、どっちかというと観葉植物に近いんじゃねーか(笑)」

GM「じゃ、次の夜へ。3つの月が輝いている……」


 一行は前日と同じ隊列で。難易度はやや下がり、4で趙さんが方角(INT?)判定。成功はしたが、またも例のサメが出現する。
 いつ牛が登場するか、で一行はもめている。


「よし、イニシアティブとった。砂煙を巻き上げて(笑)、とりあえず攻撃! まだ皆に姿は見えないぞ(笑)」

リンダ「なんだ、あの砂煙は!(笑)」


 が、見事に彼は攻撃を外すのだった。


GM「こっちはツーペアだ」

「がーん! 何でもない、気のせい気のせい。砂の中に、ざーっと戻る(笑)」

リンダ「ああっ、誰もいない!(笑) 何だったんだ、いったい!」

GM「素直に出てくればいいのに(笑)」


 リンダのとどめで、サメ爆死(なぜ爆発?)。弱い。


GM「ねえ牛さん、いい加減、もう出てきたら(笑)?」

「仕方ないな、出てくることにしよう(笑)」

リンダ「いや、やっぱまだ出てくるべきでは!」
「そういう声がありますが、どうしますマスター?」

GM「じゃ、今度サメが出てきたらということで」


 と、サメがまた出てきた! 奇襲は失敗して……。


志尾原「(牛が出した札をみて)あっ! 牛がイニシアティブをとりにきてる!」

(しかし、GMの手札は……)

「11のペア? 速いねえ、気づいたんだけど『あっ!』とかいって目の前を、行ってしまったか(笑)」

「かっこわるい!」
「じゃ、登場だな。天が呼ぶ 地が呼ぶ 人が呼ぶ! 悪を倒せと俺をよぶ!(一同笑) 必殺、シャイニングフィンガァア!」

リンダ「こっ、この声は!」
「なに、あの変な人?」
「うるさいのう(笑)」


 意外なことに、趙さんがSTRの<切り札>で、サメを仕留めた!


「よくやった!」

「お姉ちゃん、この威張ってるヘンなひとだれ?」

リンダ「とりあえず、戦闘のときはとっても頼りになるお兄さんだよ」

「それじゃ私はただの武器のような(笑)。人を置き去りにしておいてそのセリフは何だ、いったい!(笑)」

リンダ「勝手に婚約者とハネムーン行ってたくせに!」

「そんな馬鹿な、修行の旅に決まってるだろうが」

リンダ「うそだ、データバンクにはそう出てた!」

GM「(そんなことを言った覚えはないが……)」

「お兄ちゃん、こんにちわ。……おいしい?」

「ぎょッ!」

リンダ「あ、一応コレがギョギョギョです(笑)」



 一行は更に行く。と、地平の彼方にぴかっと街のものらしき光が見えてくる 。途中、迷ったりもしたが、明け方近くになって、ようやく一行は<ギブラー ズ・シティ>に辿りついた。



<次章予告>
 ついに到着した砂漠の街。
 はたして、そこで彼らを待ち受けるものはなにか。
 リンダが死ぬほど恐れる<G>の正体とは?
 そして、巨大な砂竜との関係は?




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ギラ「第3章へ突撃よ♪」

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