極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第14話<勝者の黄金龍>

あとがき、というか検討会
清水「ウス。ホロー分隊戦記もついに2クール目に突入しました、ってことで新メカ登場! というお話でした」
リュート「では、さっそく規則や世界設定上の問題点などを検討していきましょう」

清水「えー、まず最後の方に人型ロボットが出てきていた点について。じつはパラフリ世界では、人型兵器って禁忌とされているようです。銀河帝国が、人型? バーサーカーに滅亡させられたことが、未だに人々の記憶に残っているということだそうで。三国戦争の末期にはなにかパワードスーツのような兵器が登場するらしいけどね」
リュート「SF的には、バーサーカーは必ずしも人型でなくてもよいのです。でも、人型兵器が禁止されていることからすると、銀河帝国を滅ぼしたバーサーカーはきっと人型だったのでしょう」
清水「自律兵器が禁止されているのか、人型兵器が禁止されているのか、じつは曖昧なところがあります。私見としては、<自律型の人型兵器>がもっとも嫌がられると解釈してます。あのロボットが有人式だったのかどうかはわからなかったけど……アレを作った連中は、どっちにしろ、いまの3国からは大きく倫理基準がずれていると解釈する他ないわけですな。リンダたちは、あのロボットをみて、ごく自然にそのように感じただろうと思います」
リュート「パラフリは人型ロボットが存在しない世界ですから、そのように説明をつけておかないとね。今回のは、あくまで特殊な例ということですね。海外SFにも通じるパラフリの世界観を維持するために、GMさんはアニメちっくな人型ロボットを出さないように注意しましょう」
清水「じゃあお前も出すな! って言われそうだけど(笑)。ぶっちゃけた話、怪獣型のメカが人間型のメカを粉砕するっての、やりたかったんだよ。個人的にはガンダムよりゾイド、ウルトラマンより怪獣のほうが可愛いのに、そういうのってあまりみかけないからさ(笑)」

清水英雄型メカを登場させることについての問題点
リュート「多くのロボット系RPGで問題となっていることです。つまり、強力なロボットに乗り込むPCばかり目立ってしまい、他のPCがつまらない思いをするという遊戯均衡上の問題点が指摘されています。いいんですか、サイバードラゴンなんて出しちゃって?」
清水「まあ、目新しいメカ出して物語全体にメリハリをつけようかと(笑)。パラフリでは、1人か2人のりの戦闘機、攻撃機がよく出てくるから、別にサイドラに限った問題ではないです。そこで、そういう強力な輸送機器に乗れなかったPCをどう楽しませるか、ですな」
リュート「今回は、艦内にも人間の敵を出してましたね。ああして、個別に敵NPCを用意するのが王道でしょう。場面転換がGMにとってはわずらわしいでしょうが(笑)」
清水「あとは、メカに乗れなかったPCに対機甲兵器、たとえば対戦車ミサイルをもたせて、対等に戦えるようにしてやるとか。しかし、輸送機器の兵器はダメージが巨大なんで、生身で対抗するのはやはり危険だね。他には、輸送機器に対して電子戦やクラッキングを挑ませても面白いだろうね。これは、後に八重樫さんが多用する戦術です。サイバーパンク登場以降のいわゆるニュー・スペースオペラにおいては、非常にオイシイ役どころであるといえるね」
リュート「……ということですので。戦闘機やサイドラなど、個人用のメカを出すときには、GMさんは以上のようなことに注意しましょうね」

清水「じゃ、つぎ。なんかリンダの正体があかされてるような気がするけどさあ……
リュート「そうそう。連さんに呼びかけられてましたね。あれで、分隊全員に正体が知れたことになっちゃうんですか?」
清水「いやー、それは重要なことだし、ああいう場面でさらりと流すのはどうかな、と。ゴタゴタしていて、周りのみんなは聞いていなかった、としておきます。これはGMの公式見解です。だから今でも、他のPCは、ホローの正体がリンダであるとは、夢にも思っていません。としておきますので、そのつもりで。演出的に、もっと良い場面でそういうことは明らかにしたいからね」
リュート「ちょっと無理があるような気がしますが……」
清水「気のせいだよ(笑)」

清水サイバードラグーンについて
リュート「清水さんの創作設定上、一番めだってるし、今さら説明でもないのでは」
清水「まあそういうなって。サイバードラグーンとは、ベスティンスタイン公国で数年に一度開催される、巨大な機械の竜による格闘および競走大会です。星系まるごとを舞台にして展開される壮大な催しです。現代のF1みたいなもので、愛好家が銀河中にたくさんいます。それぐらいか」
リュート「用語についてちょっと。参加機体である機械竜をサイバードラゴン、操縦士をドラグーンと呼びます。この点、混同しないように注意してください。金華帝国では、サイバードラゴンが電装巨竜、ドラグーンは竜騎兵と呼ばれます」

清水「あとはまあ、裏話的なのを少し。君、なにかあるかね?」
リュート「そうですねー。そうそう、今回めずらしく宇宙服を着て戦闘していましたね。スペースオペラでは宇宙が舞台になるのに、どうして宇宙服を着る場面が少ないんでしょう?」
清水「それは当該スペオペの世界観によるね。星界の紋章とかパラフリみたいな世界だと、かなり惑星改造が行われているわけよ。いわゆるテラフォーミングってやつ。大気組成や生態系なんかが地球そっくりに改造された星が多いから、あんまり宇宙服を着る場面が出てこないんだ。なぜ今回そういう場面を珍しく出したかというと、かつての銀河帝国時代に惑星改造がされなかった、ド田舎の星域であるという雰囲気を出したかったからさ」
リュート「宇宙服を着なければならないような灼熱の星で強制労働、というほうが致死的ですものね(笑)。開幕同時にPCに特異な惑星環境を印象づけたかったということでしょうか」
清水「まあね。ツカミは重要でしょ、やっぱ。俺、ほんとは第9話みたいなホット・スタートが一番好きなんだけど、毎回やってると強制されてるように感じる人もいるだろうし、自制してるの(笑)」
リュート「TRPGにおいては演出とPCの自由度との均衡をとるのが重要となりますね」
清水「あまりにも自由度が高すぎると、展開が平板になるでしょ。今度は物語としてつまらないっていう人が出てくると思うよ。俺は半々くらいにやってるつもりだ」

清水「スター・ウォーズ エピソード1にさ、ドロイドカとかデストロイヤー・ドロイドって呼ばれる戦闘メカがでてくるじゃん。あれ、去年みたとき衝撃を受けたなあ(笑)」
リュート「転がって移動する、というところが今回リンダさんを痛めつけた<自走地雷>にそっくりでしたからね」
清水「ま、SF特撮愛好家の考えることはプロでもアマチュアでも重なるってことでしょう。最近だと、ゾイドのモルガに近い印象をもたれるかもね」
リュート「去年だした<清水パラフリ公式参考図画集>に設定画がでてますけどね」
清水「スター・ウォーズがらみだと、今回の連の息子は、アナキン演じてた子にやってもらいたいな(笑)」
リュート「きゃっ、ぷにぷにのほっぺがたまりません♪」
清水「…………。そういえば、公国人と帝国人が結婚すると、子供はどうなるんだろう。あるいは、異種間毛翁人交配、たとえばクマハーフとネコハーフが結婚すると?」
リュート「遺伝学的に面白い話ですね。子供の性別によってどちらかの形質に決定されるというのも、いいかもしれません」
清水「一方の形質しか発現しないってか? ルールブックのキャラシートみてると、公国と帝国のハーフって、クォーターっぽいんだけど」
リュート「ノーマル人種との交配では、遺伝形質が均等に発現するのでは? で、異種間毛翁人どうしだと、必ずどちらかの形質だけが発現すると。優性の形質の方がね」
清水「クマ・ネコハーフなんて、もしいたら、絵としても訳がわからないからな(笑)。そういう解釈がいいだろうな。ずいぶん前にパラフリ掲示板で議論してたな、この話」

リュート「今回の中盤、警察に捕まっちゃうリンダさんのあたりって、脚本に予定されてたんですか?」
清水「いや全部即興だった(笑)。成り行き上ああなってしまったと。誰か助けにいくかな、と思ってしばらく話をその方向で進めたんだけど、結局だれも助けなかったね。オイオイ、って思ったよ、あのときは(笑)。上から手を回したのは、たぶん連か、ギルド上層部だろうなあ」
リュート「けっきょく今回はギルドやギラ軍曹の掌で踊ってたっていうお話ですもんね(笑)。でも、あのとき志尾原さんたちが助けにいかなかったのは仕方なかったのでは? だって、リンダさんの正体がホロー・チャージだって知らないんですから、病院で正体がバレるとまずい、なんて思いませんよ」
清水「まあ、それもそうか。日常をともにしているから、なんかリンダが過去にやってたっぽいな、とは感づいているかもしれない……その程度だね、知ってるとしても」
リュート「ふつうの傭兵部隊なら、すねに傷があるのが普通ですからね。過去の経歴はお互い一切不問だし、本名なんて誰も使いません」
清水「ただ、<民事傭兵>という特殊な設定があるからな、清水パラフリでは。犯罪歴がありそうな奴なんて、ギルドで傭兵の免許がもらえないはずなんだよ(笑)」
リュート「傭兵じゃないですよ、もはやそんな規律正しいの(笑)」
清水「うーん。まあ、基本的には品行方正なヒトじゃないと民事傭兵になれないけど、昔ながらの傭兵の体質がまだ残っていて、資格をとりさえすれば、後は犯罪歴がありそうな奴がいても尋ねたりしないという暗黙の了解があると。いうことにしておこうか」
リュート「民事傭兵ギルドに加入しているとお仕事を斡旋してもらえたりして便利ですけど、そういうところはちょっと窮屈に思う人もいるでしょうね」
清水「だから宇宙海賊やったり、昔ながらの物騒な傭兵稼業やってる奴も幾らでもいると思うよ」

リュート「では、今回はこんなところで」
清水「そーね、いま夜中の3:29分だから俺眠いや(笑)」
リュート「それではみなさん、ご機嫌よう。いつもご愛読、ありがとうございます」

<あとがきのようなもの、終わり>


リュート「……ところで、いいかげんこのヤングアダルト文庫みたいな後書き対談、やめません?」
清水「いやー俺もそう思ってたんだけど、この形になじんじゃったし。それにな、作者は出てこないにしろ、登場人物の対談という形式はガリレオの<天文対話>の時代から行われている由緒正しいものなんだぞ(笑)」
リュート「そうだったんですか(^_^;)」

 
リュート「終幕とNPC情報はこちらから。画像つきです、みてくださいね」


清水「パラフリの総合目次へ戻るならここからネ」

リュート「ホロー分隊戦記14話から26話までのパラフリ議事録の一覧に戻るなら、こちらです。なんかややこしい……(^_^;)」

清水「目次多いよな。ホロー分隊戦記13話までのパラフリ議事録一覧は、こちら」

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2000.7.8.作成 清水三毛.