極楽艦隊RPG遊戯議事録
第13話<モスコ=ミュール、戦いの果てに>









第7章 対決













 まばゆい光条が司令室をかけぬけ、壁が外側から砕け散った。あわやというところで、リンダたちはかわす。なにものかが瓦礫をふみしめ、リンダたちの前に立ちはだかる。

「また、おまえかっ」

 灰をかぶったリンダがうめく。たちこめる黒煙のなかにうかびあがったのは、見覚えのある顔だった。

「おひさしぶりですな」

 レンファン(連煌)道士。長身の、美麗な羽毛でかざりたてた孔雀人の仙人だ。





 え?

GM リンダたちと以前たたかったことがある、悪の仙人なんだよ。

リンダ ちくしょう!

 悪い人ですね、つまり。すなわち、悪っ!(笑)

GM (きゃー♪)

リンダ 対人ミサイルを撃つ!

GM こんなところでか!(爆風と発射炎で不可能だ)
「やれやれ、海賊といい、そこの娘といい、ずいぶんと役立たずのようだな。
 <アグニの牙>、それなりの規模とはいえ、しょせん海賊は海賊」

リンダ 「海賊じゃなかったのかよ、てめえ」

GM 「ホロー、か……」

リンダ うわムカつくー!
 よかったじゃん、名前おぼえられてるよ。

GM 「ちょっと、お願いがあるんだがなあ。たいしたことじゃないんですがね」

リンダ なんだよオイ。

GM 「……あの世にいっていただこうと思って」

リンダ ムッカーてめえっ!

スィル 艦を墜としただけであきたらず、それですか!

GM 部屋の大きさは5メートル四方くらいかな(これはちょっと変。20メートル四方くらいありそう)。

志尾原 「こちらも、あの世にいっていただきたいなあ」

リンダ 志尾原。[全射]、やるかあ?

 ブラスター!

志尾原 撃ちかたがわかりません。

GM そいつの前に、すたっすたっ、と2つの黒い影がおりたつ。
 さっきの黒い特殊部隊のような連中だ。その服をぬぐとね、やけに細長い身体で、陰険な顔をした恐竜ハーフなんだよね。
 そして、その脚の先には、三日月のような、30センチもある大鎌がつきでている。

アンディ 30センチかよ。

GM うわさには聞いたことがあるだろう。

 ヴェロキラプトル・ハーフ!

GM 超一流の、闇の暗殺者たち。

スィル ひー!

 わかりやすいねー。

GM 「さあ、ゆけ!」

リンダ ぐおおっ、きさまらァ!






 戦闘開始。敵は、暗殺者が2人、<邪仙>が1人。邪仙には、志尾原がレーザー1発に全てをかけて挑むことになった。
志尾原「これが当たらなければ、勝ち目はないです」)






リンダ とにかく<アグニの牙>、ぜったいつぶす! モスコ=ミュールぅうう!

GM モッケンディーは、コンソールの陰にかくれる。

 賢明な選択だよ。





 イニシアティブ。場にでた札は、9、11、12、1など。
 だが、敵は[戦術](かDEX)の[切り札]をだした! 先制攻撃は暗殺者たちだ!





GM ヴェロキラプトル2体が、波状攻撃をしかける。

 きなさい!

GM 目標は、アンドリューくんかあ。

アンディ さいあくー! さいあくー!

志尾原 ダメージ同じようなものなら、バズーカのほうがいいかな。

 巻きこみを考えていっているのかね(笑)。

志尾原 やはりレーザーだな(笑)。

スィル この部屋の重要人物、全員死亡するという話が。

 歴史に名が残るよ。

志尾原 あ、いいなあそれも。

 オイ!

リンダ 至近距離だから、対戦車ピストルなら、巻きこみ2だけど、なんとかなるよね。

 自爆だけどね。

GM これで攻撃だ。蹴りあげるように、11のワンカード。もう1体のほうは、スィルくんに。12。

 [切り札]じゃないだろうね!

GM まさか。……お、ペアでかわしたか。

リンダ 仙人じゃないだろうな。仙人はクローバーも[切り札]に使えるはずだからな。

志尾原 そうかあ! まずいなあ!

GM そっちは反撃していいよ。

 とりあえず、ラプトルAくんのほうに。

GM お、[切り札]!

 たまにはね。

GM 回避する。([切り札]7)

リンダ 鬼だ!

志尾原 なにー! 7がでるのおー!?

 はにゃーん!

GM (ぐはぁッ!?(吐血))

志尾原 みなさん! わたしが攻撃するまでに、少しでも削って減らしてください!

アンディ そうだね。

 Bのほういこうか。([切り札]10)

GM すごいね。でも、かわすんだ。

一同 うわーっ!

GM 速いなんてもんじゃない、ほとんどかすんで見えるよ。

 両方もってるなんて思わなかった。ま、がんばれ。

アンディ とりあえず、当てにいかないといけないからー。片方集中攻撃のほうがいいよね。さて、どうしようかな。

リンダ なかなかカッコいい姿だ。いきなり近接戦でビーム剣だして。

アンディ 3つ続けては、こないだろう。([切り札])

GM きたか! うーむ(少しは手加減せんとな)。

リンダ なにを考えているっ!

GM うーむ、だめだ。ダメージは、9か。真っ二つになったな。

リンダ おおっ、よっしゃあ!

 大根ぎりのアンドリュー(笑)。




 スィルは、Aで電磁ブレード攻撃。かわされる。





リンダ あとねーからよ、やるしかない、やるしか。対戦車ピストル、ぶっぱなす!([切り札]らしい)

GM 2発しか入らないから、最後の1発か。うーむ。かわす([切り札]11)。

リンダ マジかよオイっ!

 11まいっ!?

スィル みんな色を失ってきてますよ。

 いや、これが同レベル同士の戦いというものだよ(笑)。

GM さて、じゃあ。志尾原くん、きみの脳裏でね、「緊急プログラム作動、YESorNO?」という文字がうかびあがるんだけれども。

志尾原 …………YES!

GM きみはちょっと空中にとびあがってくれたまえ。そして閃光につつまれ、装甲解除っ!(一同笑)





 装甲ゼロ、体力は1になる。ただしDEXプラス5! しかし、手札が1枚になるので、実はきびしい。





 はーい、カード一時あずかりまーす。
GM じゃあ、場所をかえて。
リンダ さあ、CMの次だ!





 ここで区民館は時間ぎれになったので、成蹊大学の某部室でつづきをやることになった。もう夜9時をすぎている。





GM 降りるまでの間に攻撃するんなら、まだ手札すてなくていい。でもジャンプ中だから、技能マイナス1かなあ。

志尾原 でもDEXプラス5だから、もうかわんないんですよね(笑)。

スィル 最高13でとまっちゃいますもんね。

志尾原 ブラスターはこれ、レーザーなんですか?

リンダ 撃ちかたわかんねーんじゃないのかよ。

GM そうね、さっき撃ちかたぐらい教わっただろう。

志尾原 「きっと、こうだあ!」

GM 仙人か。

志尾原 当然、仙人を沈めるしか。しかも一撃にすべてをこめて。[全射]です。

GM 空中から撃つのか。1枚なんか絵札すてて、着陸してから撃ってもらおうかな。

志尾原 1枚すてて……13枚です。



GM 最大最強の! それはただのレーザーじゃないね、ものすごい太い、光の柱が出るんだよね。ズバっと。



志尾原 なるほど。

リンダ しかし、そうすると、部屋の中……!



GM 部屋の中に、ドカン! という衝撃波が満ちる。



スィル ひーっ!

スィル われわれは勝てるんだろうか。

リンダ なんとかなるさ。それより撃った本人が……。

GM だめか、これしかだせん。当たってるんだよなあ。

志尾原 2枚うわまわる。

GM 生物だから、ダメージ42か。死ぬとはいかないな、かなりのダメージを与えたが。腕の1本が消しとんだというかんじか。

リンダ うおおっ!

志尾原 うそお、これでえ!?

GM ちょっとまて、輻射熱がものすごいからね。衝撃波となって、熱波がきみたちを襲うんだよ。

リンダ 近くにあの女の子いたよな? あの女の子、かばうわ、オレ。

GM 大統領とかは逃げてるから。絵札1枚すてて。

志尾原 着地したから、全部すてなきゃ。残り1枚。

GM みんな、難易度4で回避(DEX)ね。

志尾原 わたしもやるんですか! 当たったら死ぬんだよなあ!

リンダ 全てをかけて撃って、邪仙の手をふっとばした!

スィル これしかだせない。





 全員ぼろぼろだったが、志尾原もふくめて、スィル以外はなんとか回避した。スィルは、皮膚が少し焦げたが、KO判定には成功した。





GM 志尾原は着地したと。ガチャッ!

志尾原 妙に細い(笑)。

GM 金属の骨組みだけになってる。バッテリーとかついててね。

リンダ ヤツもう、すでに人間じゃなかったんだなあ、と思いながら(笑)。

GM 首から下は全部メカね。エンドスケルトン(笑)。で、その片腕ふっとばされて焦げてるレンファンなんだけど、かなりあせっているね。
「まさか奴らにアレがあるとは……くそっ、ひくぞっ!」

リンダ おっけー(しみじみ)。

GM 身をひるがえして、空に飛び去っていく。ヴェロキラプトルも、まだ攻撃したそうな様子ではあったが、ジャンプして出ていく。

志尾原 狙うー! 撃つ! せめてラプトルを!

リンダ オレも対戦車ピストルで奴を撃つさ。

スィル 殺っちゃってください!

志尾原 セミオート・バズーカいきまーす。

リンダ オレはやっぱり仙人撃つかな。もってるカード全部だそう。……7のペア。

志尾原 うわ、よっわー!(笑)

GM あたってる。表面で爆発はおこったが、まったくダメージは与えていないようだな。加速して、光の渦を残して逃げていく。

リンダ ちくしょう覚えてろ、ばかやろー!

志尾原 ラプトルを消しとばす。セミオートバズ、13カード!

GM ミンチ肉になったな。黒焦げだ。部屋の外で大爆発がおこる(みんな爆風は大丈夫だったのか。まあいいや)。












第8章 船出
















GM 終わったね、すべては。

スィル みんな、ボロボロ……。

リンダ ふーう。

志尾原 さて! 装甲はめよう。カシャ。よいしょ。

 あ、志尾原くん、肩がまだはずれてるよ(笑)。

志尾原 あ、ホントだ(一同笑)。

リンダ ちくしょう、レンファン! やつ、覚えてろ!


GM モニターをみてみると、巨大ペンギンは戦車隊の一斉砲火で、大地にくずおれて朽ち果てたようだ。ぶすぶすと煙をはいている。


スィル ここまで起こったのって、初めて見た。

リンダ モスコ=ミュール……。

志尾原 あー。ガキ。イジェクトしたアーマーを拾うところがカッコ悪い(笑)。

 あとで調整してあげよう、[修理]技能で(笑)。

GM で、モッケンディーがでてくるね。
「ふう。まったくやるなあ、きみたち。少し見直した」

リンダ 「はじめはなんだと思ってたんだ、てめえ!」

GM 「ただのクズかと思ってた」

リンダ 「ああそうかい。てめえこそ、戦闘のときは何の役にもたたねえな、コラァ!?」

志尾原 どうだ、モッケンキン・タンタンメン!(笑)

GM 「<しきがみおえど>のほうも、そうした兵器を開発しているとなると……」

リンダ 兵器じゃない、人間だー!

GM 「……そうとう、やはり動向をつかんでいるんだなあ」
と、にやりとしている。

志尾原 人としてカウントされていない(笑)。

 いちおう人間なんだろうけど、きっと(笑)。

GM 「さてと。おまえら、山華竜泉(サンカリュウセン)をめざしているんだろう」

リンダ 「そりゃそうさ。ギラ師匠の友人の、メルカヴァルさんに会うのさ」

GM 「知ってるさ。牙竜からきいたんだからな」

リンダ 牙竜の知り合いなのあんたっ!?

GM 「山華竜泉か……。知ってるか? 1週間前、帝国の辺境警備艦隊が、あそこで消息を絶ったという」

リンダ まただよ……。

GM 「そこにいくってんなら、連れてってやらんこともないがな」

リンダ マジ!? いやあ、うれしいー! もしかしてなんか、見返りがほしいとか、そういうことはないよね。

GM 「ふん。戦力として役にたつのならな」

 つまり護衛として来い、と。

GM 「ものわかりがいいな、きみは」

 護衛としてっていうことは、もちろん契約だよね?

志尾原 しっかりしてる!(笑)

GM 2日いたから、日当は一人200万でるのかな。

リンダ 彼にちょっとききてえんだけど。
「孔雀ハーフのあいつ、レンファンくんと知り合い?」

GM 「ぼくと面識があるわけじゃないんだけども」

志尾原 そういえば、モスコ=ミュール基金が600ありますよね。あれを1人100づつ、わけますか。

リンダ モスコ=ミュール、なくなったから!(泣)

志尾原 もう、あってもなんにもなりませんもん(笑)。

 次にまた、艦に手を入れるときに……。

リンダ つったって、1艦いくらだっけ。

GM 1億ガメル。

リンダ だそうだ。

スィル オレのかくしてある船があるかも(笑)。海賊のレベルアップ特典。
(後々のこと考えると、船より技能をとっておいたほうがいいぞ)

GM 「とりあえず、ぼくの船にきたまえ」

志尾原 ひとり300万ですか。

GM さっきの女の子がね、「わたし、しばらくこの星で勉強してみようと思います」といっている。

リンダ 「ああ、そのほうがいいよ」

 「地道が一番だよ」

GM 「でもそのうち、宇宙に連れていってくださいね」といって、リンダさんを見上げている。
「つれていってくれますか?」

リンダ ああ、そうかい。ううん。

スィル ボスに鍛えられたら、どうなるだろう!(笑)

GM 「つれていってくれますか?」ときいてるけど。

リンダ 「そりゃあ……それなりに強くなってたら、連れてってやるよ、ああ」

 すいません、その目になんか、熱っぽいものがこもっていたりしませんか(笑)。

GM まあ、かなりね。

スィル 傭兵マニアですからね、もともと。



 いや、いろんな意味で(笑)。


GM ああ、まあ、うーん(そうくるか!)。

 めでたいね、ホローくん(笑)。

リンダ なんの話だおまえら!?

スィル そういやこの人、女難の相あったような気が。

 そういうこと(笑)。

リンダ へ? ……まさか!

 まさか、ね? っていう(笑)。

GM 「きっと、いつか必ず!」と、手をふってるな。

リンダ ちゃんと修行してたらね。

GM 大統領もお礼をいうだろう。さっきの軍人さんは、まだ立ち直ってないと(笑)。

リンダ 笑ってんだろ。「は、はは、は……」なんてね。

GM ぼろぼろになった宇宙港から飛びたってください、彼の船に乗ってね。

「さあてまず、船のなかの掃除からやってもらおうかな」

 掃除? いいですよ。

スィル しょうがねーなー。趣味だし。

GM 「さあ、ジャンプするぞ!」ということで、次回につづくゥ!








 現在、小北中央市の一角には、小さな記念碑がたてられている。それは、破壊された航宙駆逐艦の着陸脚を永久保存加工しただけのもので、ねじれ、たわみ、溶融した金属柱の複合体にしかすぎない。建てられてからずいぶんとたつ。街をいくペンギン人のなかにも、かえりみる者はない。

「おかあさん、これがそうなんだね」

 今日は例外だった。幼い少年ペンギンの一人が、赤ん坊をかかえた母親に訊いている。母親はかがみこみ、子供にいいふくめるように教えてやっている。

「ずっとむかしのことね。わたしが小さかった頃しりあった、だいじな友だちの一人なの」

 宇宙傭兵は自らの愛する船を友とよぶ。その習わしを知るものはそう多くない。

「ふうん。おかあさんがあの人と友だちだったなんて、なんだか信じられないけどな」

 碑の金属の冷たさを確かめながら、少年がつぶやく。

「あの頃からあの人たちは活躍してたけれど、いまほどじゃなかったわね。あれから幾らもしないうちにあんなことになるなんて、この銀河の誰も思わなかったんだもの」

「最初は、ただの傭兵だったんだね」

 幼いなりに納得したようすだった。母親の目をみる。

「ねえ。ぼく、宇宙傭兵になれるかな」

 母親はうすく微笑み、少年の冠羽をなでてやった。

 少年は、熱っぽく鋼鉄の記念碑をみつめる。

 そこには下手な銀河標準語で、こう刻まれている。

『戦いぬいたわが友との思いでに。ホロー・チャージ』







                [状況終了:つづく]






 追記:経験点は1人150点。牛以外、全員がレベルアップ。手続きは、全員、次回以降におこなうとのこと。









表紙へパラパラふりふりッ、とネ♪




ミリィ「さあ、次は設定資料とあとがきだよ」


震星「議事録一覧は、こっちなのじゃ☆☆」