極楽艦隊RPG遊戯議事録
第13話<モスコ=ミュール、戦いの果てに>









第3章 遭遇(前編)
















 国境をはさんでにらみ合う潜水艦隊。リンダたちは作戦会議でもめている。
 難しい状況だが、あまりじらしても退屈だろうとGMは考えた!





GM もっかい判定、難易度8ぃ!

アンディ やばいよー!

GM 温存したければ、カード捨てるだけってのもあるよ。

アンディ 3枚だけー。([応援]を加え)8、9、10!

GM ちちいっ。2のペア。成功だ。

一同 おおーっ!

スィル [応援]してみるもんだな。

GM 「距離10000に感あり! もう1勢力!」

志尾原 ええッ! まずいな!

 新手のガーフィッシュです!

リンダ たしかむこうの潜水艦は10体っていってたよな。



GM さて、もう判定はいらないかな。ソナー手って、ヘッドセットをつけてるんで、小さな音でもよくきこえるわけだ。
 で、そこで鼓膜が破れんばかりの大音響がひびくんだよ。

 爆沈音だ。




リンダ 爆沈っ!? うちら何にもしてないのにっ!?

GM 距離5000、沈降中だったAだ。

志尾原 なにーっ!?

アンディ おうっ。

 「おうっ」じゃない、測的長! 君が解析するんだ、君が!(笑)

アンディ だって耳痛いもん。

一同 (何やら混乱してしゃべくってる)

GM (無視)船体がバキバキと水圧でひしゃげる音がひびくぜ。「水中雑音、発生」

スィル ひー!

アンディ 痛くてダメなんだけど、これ(笑)。

GM しばらく探知できないよ。

 やられた。魚雷発射音も聞こえないとは。





 アンディはもう1度、ソナーによる解析を試みる。難易度は高めで、4。判定成功。





GM 「魚雷発射管、外壁開孔音!」BとC。がしゃん、がしゃん、と音が。

リンダ うちらに向かって撃ってくるわけじゃないだろ!?

GM 扉を開けたってことは、撃ってくるってことだ。

 潜水艦だと、発射準備の音がきこえてしまうんだ。

リンダ しかし、一撃のもとに潜水艦が粉砕されたってのが問題だ……。

 艦長のわたしの判断としては(一同笑)、深度1200に沈降しつつ前進! Aは沈降しはじめていたはずだから。

リンダ とりあえず沈降してみよう。

志尾原 まってください、そこに何かいるんじゃないですか!

リンダ いると思うんだけどね!

GM では艦長、ダウントリムをとってください。

 うん。「ダウントリム、30度。急速接近」

GM 「バラストタンク注水」……原始的だあ!(笑) ちょっと違う気がする(笑)。

リンダ いま国境はぎりぎり、越えてないよな。

GM ちょっと会議が長すぎたナ。「魚雷発射音、確認!」きみたちのほうに向かってくるようだ。

リンダ うちらのほうにかいっ!?

 「急速潜行!」

GM 「雷数4、20秒後に弾着」

リンダ らいすうよんっ!? 最初のは避けられるか!

GM ……ところで、さっきからのコレって、全部アンドリューくんの台詞なんだよね。

アンディ そんな風にいってないと思う。「なんか、ぱかっていった」(笑)。

リンダ そっちのほうがこわい!(笑)

アンディ 「4つ、なんか出た音がしたー。」と(笑)。

 はーい、しつもん。測的長、その音って1ヵ所から?

GM いや、BとCがぶっぱなしたとわかる。

アンディ 「ちょっと音が違うから、たぶん2ヵ所」そういうのが普通だろう(笑)。






 INTは低いが名手級の[戦術]をもつ牛は、潜行して深度をとりつつ魚雷をかわす戦術をとる。深度をとれば魚雷が圧壊することもあるし、自分から探信音をだす能動誘導式魚雷ならば、海底地形によっては誘導が不正確になる場合もある。それをみこした上での戦術らしい!






 <沈黙の艦隊>と,<不思議の海のナディア>で鍛えたこの戦術! 海江田とよんでくれ(一同笑)。

スィル そんなこといってると国連いったとたんに射殺されますよ(笑)。

リンダ わきにマンガがおいてある(笑)。

GM 君らの艦、国境こえちゃうな。その軌道だと。

 最初に撃ってきたのはむこうだから。

GM 回避してもらおうか。まずはJ。

リンダ いきなりJかい。はいっ!

GM む、そうか。ケツのほうを通りすぎていったようだ。「シュルルル……」

アンディ 「1本、通過でーす」

スィル 我々はベルトでもして(笑)。

GM A!

リンダ Aでくるか! それならば!

GM 回避した。艦橋ぎりぎりをかすめていったな。

スィル けっこうこわいんですけど!

アンディ 「もう1本、通過でーす」

GM やけにのんきなんだけど(笑)。

リンダ こっちは冷汗だらだら! こわすぎるーっ!





 残る2本の魚雷も、リンダの操艦でなんとか回避。





アンディ おめでとー。

リンダ うおお、ありがとう!





 しかし、すでに距離ランクは2! 敵艦に接近!





リンダ グラップラーアームほしい!

GM ♪ちゃんちゃんちゃんちゃらん……。(<アウトロースター>な音楽)

 もちろん、いざとなれば、こちらも攻撃をかける必要はあるね。

リンダ 地形を調べる必要があると思うんだオレ。

志尾原 いや。撃ちましょう。

アンディ やられたらやりかえすのが男(笑)。


GM おっと、通信が入るね。超空間通信だ。SOSだね。さっき撃沈された艦の救命ポッドだ。救難信号だ。


リンダ そりゃ助けるしかねーだろう。

GM 戦場を放棄して助けるか。

 しかし、他の艦がどういう動きに出るか……。ポッドはほっといても大丈夫なんじゃ。

GM わからんよ、上じゃブリザードが吹き荒れてるかも。そうでなきゃ潜水艦の乗組員がSOSなんて出すか? ま、それは君たちが思ったことだけど。

 BかCが助けにいくのがスジだよ。あっちにしてみたら、こっちが助けるのは人質をとってるようにしかみえない。

GM (そうくるかこいつは)

志尾原 Bに助けてもらって、我々はCをつぶしましょう。

リンダ 全面戦争じゃねえか!

GM 浮上するのは、敵対行動とはとられないと思うなあ。浮上したら潜水艦は逃げられないからね。しかし、戦うつもりなら、浮上したら自殺行為だ。

 撃たれたら逃げられないからね。いちばん安全で、敵対行為ととられない方法としては、そのまま、まっすぐ戦闘海域を離脱して帰る。人道的行為ではないけど。

リンダ いきなり爆散させられたんだからよ、なんかヤバイ奴がいるんじゃねえかな。SOSだしてんだからよ。見たかもしんないしよ。

志尾原 その情報がほしいですよね。

スィル まず助けて、捕虜にするかはその後きめれば?

GM 傭兵は、捕虜をとらない、捕虜にならない。まあ、君たちは<民事傭兵>だけどね(笑)。

リンダ うちら、調査たのまれただけだし。

 でも、いまやってることは軍事行動だからなあ。ボクは偵察だと思ってる。

リンダ もういいよ、とにかく助けようぜえ。

 個人的には、深度をこのままに保って、反転離脱。



GM われるようなら、SOCで判定を。[交渉]でかったほうの意見に従うんだ。



リンダ オレSOC1なんだけど。

 にやりっ。[交渉]とってるから2なんだ!(笑)

リンダ なぁにいっ!

スィル はあい。わたしは助けるほうにまわります。

 実は3択でね。ぜんぶ撃沈って手もある。

GM アンドリューくん。「勢力B、爆沈!」

志尾原 はっ!
スィル へっ。

リンダ 爆沈したか! やっぱ、いるよ! なんか!

 ピンガーうって、なにか見えたら逃げよう(笑)。

リンダ オレの予想だと、十中八九、なにかいる……。






 探信音をうち、周囲を調べる一同。一行の艦の直下には沈船の残骸が折り重なっており、雷撃戦にもちこんだら不利になりそうだ、ということがわかった。GMが図示する。





GM さらに、ギョヨーっての? 海山ね。それに海溝なんかもあって、複雑な地形だ。大陸棚より深い場所だから。

 で、まわりに航行する物体は。

GM C以外にはなにもみえないようだ。さっき、距離10000でちらっと見えたやつは、もうみえない。上では、さかんに救難信号をだしている。……全員、知性判定、難易度2。

 [戦術]つかっていいの。

GM うん。……牛さん成功。どうも敵は、こっちが沈めたのではないかと誤解しているらしい。

 どういう測的長つんでるんだ、どういう! こっちが1本も撃ってないの、わかるだろ!

リンダ 鳥だからね、ホント。

GM 新兵器だと思ったのかも。<しきがみ>と接触したのがバレてる……かもよ。と、牛さんは推測すると。

リンダ とにかく、早く助けようぜ。

志尾原 その「なにか」が何なのか、わかんないと。



 選択肢は、
 1、Cを爆沈。
 2、Cほっといて帰る。
 3、まず人命優先、救助にむかう。
 あとは、Cが何ものかに撃沈されるのをまつ(笑)。



リンダ オレはそれ狙ってたんだけどな。

スィル さすが海賊(笑)。

GM (リンダって傭兵じゃなかったっけ)

志尾原 まずは、Aを助けにいきましょう。
リンダ そうしましょう。

 ぼくは逃げたいんだけどね!

アンディ 「なにか」が強すぎる気がして、こわいよね。
 それはあるかな。

リンダ 谷からウツボみたいに出てきそうだよな。

スィル 問題は、「なにか」がどう動くか……。





 議論は延々つづく。牛以外の全員が救助を主張する。





 ちっ。

GM 判定すんの?

志尾原 どうします。拳による多数決か、それともSOCやりますか(笑)。

 なぁらば拳でっ!(笑)

リンダ ちがうっちゅーの!

GM じゃ、こっちはSOC1番高い人がだして。

 とりにいっていい?

アンディ とりにいっていい?

 おお、こいっ!(笑)

スィル 2人ともやる気だっ!
リンダ オレは[応援]するぞ。





 決定。アンディが判定にかった。牛は多数決に従うことになる。
 艦は海上へむかう。





 ただ、このことは記録にとどめといてくれ(笑)。


GM 海の上は大波が荒れに荒れていてね。ざぶんざぶんとポッドが波にもまれてるよ。君たちも甲板に出てるからわかるけど、空は晴れてるものの、海は荒れてるわけだ。
 で、沈んだ潜水艦からもれた揮発性の燃料気体がボコボコと海面に浮かびあがってて、それが炎をあげて燃えている。早く救助しないと、命が危ないかもしれない。


リンダ さっさと助けるさ。

GM 寄せて、引きあげればいいでしょう。寄せる判定、難易度4。難しいぞ。

志尾原 そこ右! あと3センチ!([応援])





 判定成功。ポッドにはコウテイペンギン・ハーフが5人ほど乗っていた。彼らは救助されるやいなや、リンダたちに食ってかかる。




GM 「よくもいきなり撃ちやがったな!」
リンダ 「撃ってませんよホントに」
 「あとで調べてもらえばわかります」




 無論、そういっても彼らは信じなかった。続けて一行は、もう一隻のポッドの回収にも成功する。リンダたちは、とりあえず浮上したまま、港へと戻ることにした。




GM さて、港に接舷しようとするとね。分子指向フィールドにバリバリ干渉するものがあるんだよ。接舷がうまくいかない。

アンディ おやあ?

GM みてればわかるかな。ヒラメのような、半透明の白い大きな魚の死骸が、たくさん流れついている。体長は2メートルはあるぞ。

スィル そんなもん絶対みないぞ。
リンダ 深海魚か?
アンディ 深海でドンパチやれば、影響はでるだろうけど……。
リンダ そりゃ、おかしいよね。港の近くなんだろ。

GM 接舷しにくくなってるから、難易度4ね。

リンダ おいおいおい……。




 自分の船ではないが、ぶつけると日当から修理費が引かれるかもしれないというわけで、リンダは仲間の応援とともに、慎重に接舷を行う。





リンダ 9です。

GM むっ!? 「ガガガガガガ!」

一同 うわあっ!

GM 「ズッガアアン!」魚の死体がはさまれて、ぐちゃぐちゃ。装甲マイナス5点といったところか。
 とにかく接舷したよ。で、君らは港に降り立つか。さっきちょっと雨が降ったのか、岸壁はぬれている。ひどい生臭いにおいが漂っていて、海をうめつくすかのように、沖から次々にその見たこともない魚の死体がただよってくる。


リンダ うおお、なんだこりゃあ。まあとにかく、港の関係者とかいるだろう。いるよね?


GM そしたら、港湾作業員が「うわあ!」「キャア!」とかいいながら、向こうのほうから逃げてくる。

リンダ どうしたの、どうしたの?

GM 岸壁に、50センチくらいもある、大きな赤いハサミがうちこまれる。下からあがってくるのは、3メートルほどもある……小さなトラックほどもある、大きな蟹なんですなあ。

スィル ヌルヌルしてなきゃ怖くねえ!


志尾原 さて!
リンダ さて!(笑)
スィル 対戦車ライフル用意!


GM 20メートルほど離れている。イニシアティブをとってもらおうか。しかし、対戦車ライフルを潜水艦に積みこんでるかね? 非常に入れにくいはずだが。(乗るとき、次から宣言してね)

 考えてみれば、あの規模の艦に2メートルの長物もってくのが間違ってるよな。

GM ふつうはサブマシンガン(SMG)とか、マイクロ・アサルトライフル(MAR)とかだよね。

リンダ じゃ、志尾原は別だろうけど、うちらは拳銃とかで。(射程)ぎりぎりだなあ。

GM 20メートルじゃ、修正つくかどうかだな。

リンダ 逃げてきた人を誘導してよう。「こっちに逃げてください」

GM SOC低いけど頑張ってね(笑)。

リンダ 「こっち来んだよオラ! なにモタモタしてんだ!」

GM 次は志尾原くんだ。

志尾原 本日の見せ場だ!(自分でいうかね君は)





 いきなり12枚での対戦車ライフル射撃。ダメージ15。重機関砲なみの徹甲弾が、一撃でカニの頭部を打ち砕いた。頭部をなくした巨大ガニは、泡をふいてひっくりかえる。





GM 「少しはやるようだなあ」と、さっきのキザったらしい男が。

リンダ あんだよ、てめえかよ!
 キザったらしい……名前はなんだっけ(笑)。
スィル アロハ・モッキンポット!

GM 「モッケンディーだ! 覚えろいいかげん!」といっている(笑)。

志尾原 「なにしにきたんだマッケンロー・タンタンメン!」

GM 「僕はいちおう学者なんでねえ」

リンダ 「見てるだけじゃなくて助けるとかしろよ!」
スィル アロハとかはやめなさい(笑)。
GM 「肉体的作業はどうも性にあわない」

 「いや、それはいいから。この蟹はどこから現れたんだい」

GM 「うむ。ひょっとしたら原生種かもしれないけど……しかし、そうじゃないかもしれないなあ」

リンダ 「わかんねーんじゃねえか! やっぱりてめえは湯たんぽ野郎だよ!」

アンディ 口、悪い悪い(笑)。

GM 「まあ、すこし調べさせてもらおう。なにしろ僕の専門は銀河生物学なものでねえ」

リンダ 「それよりもさ、海にぷかぷか浮かんでる魚はなんだか、わかるだろ?」

GM 「ううむ。見たこともない魚だ……」

リンダ 「ばかやろう!(笑) お前はやっぱエセ生物学者だ!」

スィル ただの昼あんどんだな(笑)。

GM 「ふ。エセ傭兵に言われたくはないな」

リンダ 「なんだとてめえ!」

志尾原 「心外な! わたしは傭兵ではないっ」

アンディ 「まあ、まあ。喧嘩はしないで」

スィル あーあ。だれかこいつ殺してくれないかな。

GM サングラスをすちゃっと外してだね。「ま。しばらく待っていたまえ」といっている。

リンダ いちいちキザくせえなてめえは!
 まあ、気長にまってるよ(笑)。






 一行は宮廷にもどる前に、捕虜から情報をききだそうとする。
 一撃で、ソナーに反応もなく、「何か」が反応炉に直撃したらしい。いったい何がおこったのか、結局わからぬままだった。
 リンダたちの顔をみていることすら腹がたつ、といった表情で、捕虜のペンギンたちは背をむけてぞろぞろと病院へ連行されていく。





リンダ 「ああん!?」といって凶悪な目付きでもしておこう。
スィル うちの艦長、やたらこういうの似合ってるな。


GM 小銃をせおった兵士が、「ホローさんたち、早く宮廷のほうへ! 緊急事態です!」










<予告>
 危機また危機!
 いよいよ軍事的緊張が高まる!
 戦争勃発か!? 
 はたしてホロー分隊は、無事にこの星をでられるのだろうか!?
 緊迫の次章へ急げ!







表紙へパラパラふりふりッ、とネ♪




ミリィ「こっからがまた、硬派な雰囲気ですごいんだ!
続きをよまないでどうするってんだい!」


清水「議事録一覧はこっち。……また来てくれぃ」