極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第9話<ママは宇宙傭兵>

第5章 今日もふる降る血の雨が








GM「『いくぞっ!』レセプション船のエアロックに消火器の泡がまき散らされる。すると、『なんだっ!?』といって、安っぽい抗弾服を着た、いかにもそれらしい海賊が1人、通路の奥から出てくる(図を指しながら)。手にはSMGをもってるぞ」

リンダ「さっさと殺してくれ」

GM「君らは陰に隠れてるのか。じゃ、牙竜がやるか……[奇襲]して……あれ、失敗した(笑)。ガキューン!
『誰だ、そこにいるのは!』とSMGを向ける」




[ギラ軍曹の傭兵講座]
 SMGっていうのは、サブマシンガン、つまり短機関銃のことよ。拳銃の弾丸を連射する小型のフルオート火器ね。アサルト・ライフルは、小銃弾(ライフル弾)を連射する火器で、自動小銃、突撃銃ともいうの。雰囲気によってこのGM、単語を選ぶけど、意味は同じだから気にしないでいいって。




 まずはイニシアティブ判定。海賊はザコっぽいのだが、いきなりKの2カードをだす。しかも3点射、2のペアで撃ってくる。
 銃口からまばゆい発射炎が吐き出され、3連射された銃弾がリンダを襲う!

 1射目を食らい、リンダは装甲で減じたものの、ダメージ1。2射目は志尾原の[応援]もあり、なんとかリンダはかわした。




「次はオレか。(歌)ちゃららん♪ 相手までの距離は6メートル? とりあえず、走って体当たり(笑)」

GM「『あっ、バカ! 突っこむ奴があるか! 姿勢を低くしろっ! 床に張りつけっ!』と牙竜が叫ぶぞ」

「アメフト・スタイルの低い姿勢で、すばやく体当たり(笑)。ここで全力を出し切るのも難だし、攻撃にはKのペアを割りふろう([移動して攻撃]の規則を適用)」

GM「こっちもKのペアだ」

「何てこった、これをかわされるとは!」

GM「次にフルオートで斉射が来るぞ」

志尾原「ま、別に、殺してしまえば、来るものもこなくなりますのでー。[切り札]10です♪」

GM「カード捨てよう。それで……11ダメージか。即死だね。頭に名刺が刺さって、仰向けに倒れた」

リンダ「じゃ、ダッシュで奴の武器を奪うぞ」

GM「(そればっかだな)予備マガジン(弾倉)も1個あるぞ」

リンダ「よし。じゃ、通路のほうを撃とう。ダダダダ!」

「バカモノー! VIPがいたらどうする!(笑)」

GM「(さっきからリンダが牛より短絡的になってるなァ)ま、どっちにしろ、さっきの銃声は聞こえただろう。海賊がうようよ集まってくるだろうな。
 で、正面を見ると、扉があって電子ロックがかかってるぞ。解除してね。牙竜は海賊船のほうに突入して、銃声がしてる。パパパン!」

リンダ「ま、あいつは2、3発くっても平気だろう」



 しかし、通路の奥は見取図によれば曲がり角らしい。確実に、待ち伏せされているだろう。一行はしばし相談する(現場でやることかよ)。と、リンダが、壁をぶちぬいて奇襲しては? と、とんでもない案をだす。



GM「確かに、敵の意表をつくのは定石だけど(笑)。単分子剣なら壁を破れるよ。じゃ、[戦闘(STR)]難易度2くらいで、失敗したら音がしちゃう、と」



 いまおもうと、難易度2は簡単すぎる気がするが。



「しゃっ! ちゃちゃん♪ 薄皮1枚残して(笑)」

GM「うまくいった。中は普通の給仕室で、人はいない」



 給仕室の向こうと周囲はまた通路だ。この壁のどこを破れば、通路にいるであろう敵の意表をつけるか。一行は、給仕室の中で(また)相談する。と、牛がとんでもないことを思いつく。[名手級]の[戦術]技能で、見取り図と気配と戦術理論から、通路のどこに敵が潜んでいるかを予測する!



「[戦術]だけは(INT系だが)名手級(笑)」

GM「(壁越しの敵の位置を予測か。かなり困難な筈だよな)難易度5にしておこう」

「クイーン」

GM「……なにっ!? 成功しているッ!(一同驚愕!!)」

「にやりっ。星は何でも知っている(笑)」

GM「じゃあ、この辺の壁の向こう側に敵が1人、いるような気がするねえ」

「予想通り(笑)」

GM「ここの扉から、給仕室に入る気らしいのが分かる」

リンダ「壁ごしに、ザスっと」

「それは無謀な気がする(マイナス4くらい修正つくけど、あンたなら出来るよ)」

リンダ「じゃ、入ってきた瞬間にオレが剣で殺るよ」

「給仕室に侵入したことはバレてほしくないからね、銃は使いたくない」

GM「君ら、不意打ちできるかな。DEXか[隠密]技能。こっちの[INT]を上回ればいいんだ」



[GMによる規則解説]
 GMはリンダのみに判定させているが、奇襲判定は、本当は奇襲される集団中、最も高い[警戒(INT)]をもつものと、奇襲する集団中最も低い[隠密(DEX)]をもつものとで交渉判定を行うものである(伏せて札を出し、同時に表にする。GMが何枚出したかは見て、判断材料にしてもよい)。
 密林など、身を隠せる場所なら、攻撃側に1〜3点のプラス修正がつく。
 この判定に成功すると、1回自由に攻撃を行え、奇襲側がイニシアティブをとって戦闘を開始できる。




志尾原「右だっ!(と、[応援])」

「『右だっ!』 って、何だそれ(笑)」

リンダ「(揃った札を見て)あたった! 3枚!」

志尾原「本当に右だったらしい(笑)」

GM「ば、ばかな! こいつの2のツーカードを上回るとは……じゃあ、扉がプシュッと開いて、SMGを構えた悪党が入ってくる。君らには気付いていないようだ」

リンダ「[戦闘]の[切り札]、7!」

GM「こっちは10のツーカードしか出せない。剣の基本ダメージ3プラス[大成功]の追加が4で、7ダメージか……。
 あ、死んだ。ドサッ。倒れた。銃がガチャンと転がる」

志尾原「SMGですね。せっかくだから、もらっておきましょう。これで名刺シューターより強い武器を手に入れた」

GM「既に2人、潰されたか……」

リンダ「マジ、すげえパーティだよ(笑)」



 などと言っている1行に、GMはまたも[奇襲判定]を行わせる。[警戒]技能は、こうした場面で役に立つのだが、一行の中では誰ももっていないらしい。うーむ。傭兵ならもってろよ警戒技能ぐらい。
 しかし。結果的に、リンダらは判定に成功した。



GM「(ちっ)気付かれたか。ここの扉の裏から、メーザー砲が『バスッ!』と撃ちこまれる。青白い光線が一直線に駆け抜けるぞ!」

リンダ「あぶねー!」

「ぅわったあ!」

GM「で、『ジジジジー!』といって、扉が4角く焼き切られて、向こうから、直径70センチくらいの、円盤型をした金属で出来たカメのような物体が現れる。レンズ眼が旋回して、君らに狙いをつける。『ピピッ!』」

リンダ「やべっ、鉄鬼だ! 潰さないと!」

GM「イニシアティブ、8のツーカード」

「出せるカードないなあ。ここは温存させてもらおう」

志尾原「とるしかないでしょう! Aの2カード!」

GM「じゃ、そっちから。SMGだよな。そのSMGは、フルオート・モードがセレクターで選択できる。で、鉄鬼が今いるのが幅1メートルの壁だから、跳弾効果が望めるね(あ、オレ作戦失敗したかも)。
 次で弾倉交換が必要だがね」

リンダ「撃っちゃえー!」

「ぶっぱなせー!」

志尾原「じゃ、ぶっぱなさせて頂きまーす♪」

リンダ「いってらっしゃーい(笑)」

志尾原「さぁーて、何枚でしょう? 11枚!(笑)」

GM「えっと、この鉄鬼の機動力が3だけど、閉鎖空間でフルオートだとマイナス2されるから……1枚しか出せないんだよお!(一同笑) で、基本の3に追加ダメージを加えて直撃だけで13ダメージ。で、跳弾効果でプラス3……初撃だけで穴だらけだ!
 『ダダダダダ……ぼむっ!』爆発するぞ(笑)。
金色の空薬莢がチリチリン、と床に舞い散る」

一同「やったあ!」

「鉄鬼がやられたのがここか。この壁をこえる人と、反対側から回る人とに分かれて……」

リンダ「オレと牛さんが行ったほうがいいか?」

志尾原「時間あるから、マガジン換えておこう」

GM「そいつがラスト・マガジンだぞ」

リンダ「オレも片手にSMG抱えて(清水の設定だと片手撃ちは負荷修正かかるんだぞ、本当は)」


GM「リンダのSMGはバースト・ファイア(3点射)できるのか。じゃ、それなら2ターン、バースト・ファイアできるな」

「皆殺しじゃないからね。VIPのいるとこでフルオートぶっぱなしてもしょうがないから(笑)」

リンダ「じゃ、入るタイミングは左右同時ということで」

GM「そうか、左右に分かれるのか。まあ、不意はうてないよなあ。あれだけ銃声してるし」

「爆音もしてるし(笑)」

志尾原「じゃ、いきますか!」



 作戦会議は、今度は即決。リンダと牛が突入し、志尾原は少し離れた壁の陰から狙撃することになった。

 いよいよ敵の主力部隊と激突だ!!





「くそっ、<テラピン>までやられちまったのか」
 くぐもった爆発音が響く。海賊は帝国宇宙軍でも採用している最新型の自動小銃を腰だめに構え、給仕室の方へむけた。迷彩戦闘服を着こんだ、中年のたくましい公国人男性だ。

 2人の見張りが殺られ、屋内戦では軽鉄鬼ちゅう最強とされる<MOM−テラピン>まで破壊されるとは……。ここの<しきがみ>警察の腕じゃ、とうてい無理な芸当だ。

 彼の金毛の無精髭に、じっとりと汗が滲んだ。蒼天44式アサルト・ライフルの引き金にかける指に、力がこもる。

 だが、こっちの実行部隊はまだ5人もいるぜ。加えて道士さまもいらっしゃる。中年海賊グラッドは、部下と人質が散在するパーティ会場を見渡し、自分に言い聞かせた。

「グラッド大将、ケーリーとワトキンスは……」

 まだ若い部下が、散弾銃を構えたまま、震えた声で訊く。やっと見習いから実行部隊に入れてもらった長髪の若造だ。故郷の妹たちのために早く幹部になって金を送ってやるんだといい、この作戦に張りきって3加したと聞いている。

「デイヴ、びびるんじゃねえ。この船に隠密航法で接舷してきたってことは小型艇、敵さんは大した人数じゃねえよ。オレらの装備の前には、太刀打ちできねえハズだ」

「でも、グラッドさん……」

「いいか。ここで任務を成功させれば、レンファン道士様の覚えも高くなるってもんよ。ぬかるな!」

 銃で脅され、あちこちにまとめられた正装の高級官僚や財界人たちが、壁の向こうからの銃声にざわめいている。死にたくなきゃ黙ってろ! そう、彼が口にしようとした時。



GM「イニシアティブを」

リンダ「INTだよね(違う、DEXか[戦術]だ)」

「2のペア!」

GM「こっちはQのツーカード。じゃ、牛が一番手か。
 扉を開けると、5人の海賊が目に入る。3人は突撃銃、奥の奴はグレネードランチャー付きの最新型突撃銃だ。もう1人はショットガン(散弾銃)。で、パーティ用の机が幾つも並んでて、VIPがぱらぱらと20人くらいいる。
 でも、悪党たちはそんなことにお構いなく撃つ構えだ、腰だめでね」

リンダ「この5人は全員敵なの?」

GM「ああ、サングラスに薄汚れた抗弾服、下半身は迷彩戦闘服、手には自動小銃や散弾銃をもってる」

リンダ「じゃ、まず手前の奴を……」

GM「君ら、VIPのこと忘れてない? <大失敗>したら、VIPに当たったことにしよう」

志尾原「なんだ、その程度でいいのか(笑)」

「とりあえず……走る! 走って殴る!」

GM「そうね、手前の奴なら距離は10メートルくらいか」

リンダ「うわ、[切り札]!(笑)」

GM「ダメージは……合計13点か(苦笑)」



 扉が、内側から爆発したように見えた。それほど、そいつの攻撃は急だった。

 猛烈な勢いで突進してくる圧倒的な質量−−実は牛ハーフの自称格闘家なのだが−−を見て、1ばん給仕室の近くにいた青年海賊が、あわてて自動小銃の銃身を振り、撃とうとした。

 そこまではグラッドの視界に彼の姿は捉えられていた。だが、次の瞬間。風が吠え、グラッドのすぐ横の隔壁に、青年海賊の身体が叩きつけられていた。

 ただの一撃で、青年海賊は部屋の端まで空中を弾き飛ばされ、首を折られて即死していた。歪んだ口から桃色の舌がのぞく。空を舞った自動小銃が、豪華な絨毯の上に落ちる。

「なっ……!?」

 銃を使わない予想外の、しかし異常に敏捷な攻撃に、一瞬グラッドたちは息をのんだ。ホロー・チャージ傭兵分隊という名の死神は、その機会を逃さない。

 牛ハーフが突進してきたほうとは反対側の隔壁扉が、勢いよく開け放たれた。

 なんだ、こんな所に企業のビジネスマンが……? 場違いなスーツ姿に、一瞬デイヴたち青年海賊の思考は停止した。

 その隙を、冷徹な<戦術演算回路>は見逃さない。グラッドが発砲を命ずるより早く、MOM−MP9短機関銃の猛烈な咆哮と、連続した銃炎とがパーティ会場を満たした。



志尾原「じゃ、4番と5番の海賊を。両方攻撃しまーす♪」

リンダ「でたぁ! [複数攻撃]だあ!!」

GM「なんなんだ、コイツら……(茫然)」

志尾原「12カード、1枚マイナスで([絵札]を捨てる)、4番に6枚、5番に5枚を割りふります」

GM「単発かネ」

志尾原「いや、もうマガジン消す覚悟で連射しますよ」

GM「フルオートだと巻き込みダメージが生じるんだがネ。ま、宣言した以上は仕方がないな」

志尾原「あ、VIPに当たっちゃうんだ。まあ、1人や2人は♪(爽やかに)」

GM「ばかやろお!(笑) ……じゃ、『バラタタタタ!』か……あ、2人とも最初の直撃で倒れたね。巻き込みの方は、難易度4で[射撃]判定を4回(!)して、[大失敗]しなかったら、VIPに当たらなかったことにしよう」

「このゲーム……バーチャコップじゃ、ない(笑)」



 青年海賊の1人は、自分の気管支を貫通した銃弾の痛みに顔を歪める。

AMP9ミリ弾が彼の白い首すじにドス黒い弾痕を開けていた。そのまま弾痕は連なって顔まで駆け上がり、最後に彼の眉間を粉砕し、床に赤黒い脳漿をまき散らす。

 くそッ!

 部下が瞬時に肉塊に変わったのを知り、怒りに燃えたグラッドは、アサルト・ライフルの狙いをスーツ姿に変更しようとした。

 MP9短機関銃の発射速度は1分間に1200発。スーツ姿の青年は眉ひとつ動かさず、激しい反動を肘で押さえこみつつ、銃身をふる。まばゆい発射炎が扇状の残像をのこす。

 自分に向かって閃いた銃炎の中に、グラッドはなぜか一瞬、遠い昔にすてた妻と娘の姿をみた。グラッドの深層意識が、人生の最期を認識してその幻影をみせたのだった。が、それを彼自身が知ることは永遠にない。

 最初の海賊をしとめた次の1秒で、20発もの鉄量がグラッドの頭部に正確に叩きこまれた。ホロー・ポイント弾頭をもつ9ミリ拳銃弾の群れが頭蓋骨をつき破り、内部でマッシュルーム化して大脳を喰い散らかす。連続した弾着の衝撃で、中年海賊は踊るように振動しながら倒れた。鮮血にまみれた白い眼球がひとつ、ころころと床に転がる。

 MP9が唐突に咆哮を止める。最後の空薬莢の一団が、音もなく絨毯の上に散らばった。海賊を倒してなお放たれた余分な銃弾は、隔壁上に無害な弾痕を残していた。

 呆気にとられていた人質の政府要人たちは、今頃になってようやく、悲鳴を上げたり、伏せたりし始めた。

「よし。2人殺した、っと」

 あたかも清涼飲料水でも飲んだかのような爽やかな口調でいうサイバー・ビジネスマンに、デイヴは戦慄を覚えた。



GM「コクピットの壁にやけにたくさん穴が開いたけど、余裕で成功だね。ま、次からもうちょっと考えてくれよ」

リンダ「生き残りは、2番と3番の2人か」

GM「ああっ! あと2人か!」

志尾原「1人ぐらい、頑張って殺してくださいよ」



 グラッドの言葉が、青年海賊の脳裏をよぎった。
 いいか、銃撃戦で何より重要なのは、遮蔽物の利用だ。相手にさらす身体の面積は最小にしろ……反射的に、デイヴは手近なテーブルに身を隠す。が、非情にも、牛ハーフに続けて突入してきた黒髪の薄汚い女傭兵が短機関銃の狙いをつけ、3点射で発砲した。



GM「海賊は机に身を隠す。判定値マイナス1」

リンダ「ええっ、6の[切り札]使えないの!? まいいや、しゃーない。3点バーストで、6のスリーカード」



 肩口に9ミリの連弾が打ちこまれ、衝撃でデイヴは仰向けに倒れた。筋肉が剥ぎとられ、骨が砕かれた激痛に、意識が遠くなっていく。自分の身体がぴくぴくと痙攣していたが、もはや彼はそれを自分のことと認識していなかった。失神する直前、彼は無意識に妹の名を呼んだ。



志尾原「さあて、残り1匹だ」

GM「1匹とか言ってるよ(笑)。と、こっちのターンか。目標はリンダ。Kのペア、アサルト・ライフルの連射」

リンダ「だめだ! 当たってるよ!(ここでリンダ、[ボディ]マイナス1)」

GM「直撃がまずダメージ4。次、巻き込みが難易度2」

リンダ「それは回避した」

GM「じゃあ2射目。11のスリーカード」

リンダ「12しかない、だめだ!」

GM「しかもこっち、[大成功]してるじゃん! 直撃ダメージがプラス2で、6だ!」

リンダ「ぐはっ、やられた! 持ち札が5枚になった!」

GM「はい、2射目の巻き込みダメージ回避ね。難易度2」

リンダ「つらーい!(志尾原が[応援]するが……)」

GM「2」

リンダ「当たってる! でも装甲のおかげで大丈夫だ」

GM「次のターン、牛さんか」
リンダ「殺せ」



 瞬時に仲間4人が倒された。最後に残った彼1人だけが反撃することを許された。夢中でアサルト・ライフルの引き金を絞る。かつてない恐怖が、良い方に作用したのだろう、最後の青年海賊が放った自動小銃の掃射は、女傭兵を散々にいたぶり、重傷を負わせた。しかし、彼女は優秀な抗弾服を装備しているらしく、致命傷には至っていない。

 かちり。アサルト・ライフルのボルトが、最後の1弾を送り出して停止したことを示す冷たい振動が伝わる。

 見れば、牛ハーフが狂った戦車のごとく突進してくる。

 彼はもはや、打つ手がないことを悟った。



GM「撃ちつくしたから、海賊は逃げ腰になってるよ」

「[峰打ち]のルールは?」

GM「素手じゃダメ(たぶん)。剣や鈍器なら、判定値マイナス2で、KOダメージのみを与えられる」



 ただの素手で<峰うち>が可能だとしてしまうと、<強打>技能の意味がなくなってしまうだろう。鈍器などが峰うちには必要だと思われる。



「じゃ、走りながら、[複数行動]でそのへんのテーブルの食器をもって、殴っていいわけだな? 敵が隠れてるから更に判定値マイナス1? いや、別に2枚しか出してないし。あと6枚ぐらい出していいんだけど(笑)」

GM「うわあ、当たってらあ。昏倒したよ」

「おとなしくしろっ! 『ガアン!』」

リンダ「じゃ、VIPの方々を……」

GM「あ、あなた方はいったい」

志尾原「皆さん大丈夫ですか、助けに来ました!」

「とりあえず、あんたの行為だけは違う(笑)」






<予告>
 宇宙海賊どもを一掃し、人質たちは無事保護された。
 だが、まだこれで終わりではない。

 海賊たちの真の目的とは?
 そして、彼らの<頭>である双子、そして道士との対決が待っているのだ!

 緊迫の次章<終焉、そして旅立ち>、をみよ!

 すべての謎が、いま明らかにされる!!



震星震星なのじゃ!「つづきはこっちじゃ。さすがリンダ、我が伴侶だけのことはあるのじゃ♪」


表紙へパラパラふりふりッ、とネ♪


ギラ「リンダちゃんも苦労するわねえ(汗)。パラフリ議事録一覧は こっちですよ」