極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第8話<鉄血少女の憂鬱>
第3章(最終編)


「せ、説得すべき相手はギラ軍曹ひとりなんだ、他はどうにでもなる!」

リンダ「師匠、ちょっとまってくださいー!」

「とりあえずここはね、あのー……『ギラさま!(笑) こ、こ、こ、この星の宝は、ここにいるお嬢さんのお父上のもので、ぜんぶ相続先が決まってるんですけど……』」

GM「じゃあ、ギラ軍曹、『あら、そうだったの』といっている」

スィル「おお」

リンダ「おお!」

志尾原「おおっ!!」

「納得してくれたー!!」

GM「久しぶりにトレジャー・ハンティングできるかと思ったのに」

スィル「話、通じたんだ!」

「なんだ、初めっからこうしてれば良かったんじゃん!」

GM「『お前ら、なんなんだ……?』と、黒岩さんは茫然としている」

「いや、だからね。電脳結界のいいのがあったらね、すぐあの蒼い髪の女の子のこと調べてごらん。ひょっとしたら歴史の本とか(笑)」

スィル「もしかしたら知らないほうが幸せなんじゃ」

「知らないで死ぬのは幸せなんだけど、知っといたほうが死なないですむ(笑)」

GM「黒岩さん、アクセスして。顔色が、サーっと(笑)。『ああ、なんの因果でこんな目に……』(一同笑)」



 とりあえず、全員で入ってモノを見てみよう、ということに話はまとまった。
黒岩さんだけがまだ渋っているので、最後の見せ場の交渉判定を行った。重要な場面なので、4段階処理を導入、総計をプラス4までもっていったら成功、ということにした。まずは志尾原くんが交渉に入るが。



志尾原「ありゃ、負けた!」

GM「上司の命令だから、ということだな。とりあえずいまは、マイナス1」

田宮「じゃあ! わたしも交渉を。<うるうるくん>をつかって(笑)」

リンダ「そーいやこいつ、OLだったよ」

鳴沢「SOC1しかないくせに(笑)」

志尾原「オフィスラブ・モードに(笑)」

田宮「2」

GM「うまくいってる。『しかしわたしには妻も子も……』もう一押し!」

志尾原「ま、ケリつけときましょう。『これこれこういうわけで、まあ、そういうことにしましょう』」

GM「おお、うまくいってる。『そ、そうか……』納得したようだ。
ところで、レクシーさんがキミ(田宮)の肩をぽん、とたたいて『あなた、なかなかやるわね』と(一同笑)」



 問題は、その重そうなスペースチタニウム製の隔壁である。なにしろ、<しきがみおえど>の電子工学でも開けられなかったというのだ。その表面には6角形の穴が彫刻してある。一同がしばし知恵をしぼるなか、リンダがふと気づく。

「モーニングスターのてっぺんを押し当てればいいんじゃ」

 それが、鍵だった。古びた重い扉は、耳障りな軋みをあげながら、ゆっくりと開いていく。



GM「なかはだだっ広い要塞みたいな感じだ。そしてその真ん中に1個だけ、立派な宝箱がある。で、『それっ!』とばかりに黒岩さんが走り出している」

リンダ「軍曹も?」

GM「ギラ軍曹は後から『てくてく』ついていく。レクシーは、ドカッ! と黒岩さんを弾きとばして(笑)。みんなはどうするんだ?」

「みんなでゆっくり」

田宮「爆風とかに耐えるような姿勢で」

アンディ「耐ショック姿勢で(笑)」

GM「さて。『DNA確認』という声がして、箱が、ギギー……と開く。『これはっ!?』といって、中から引っぱりだしたのは……」

一同「うん、うん」

GM「色々と貴金属とかがついてて、刺繍のしてある高そうなドレスだね」

リンダ「はいー!? どれすぅ!?」

鳴沢「そんな感じじゃないかとは思ったけどね(笑)」

GM「『ああ、きっとこれはお父さまが成人祝いのために! はっ、そういえばわたしは明日で20歳!』と、1人で嬉しそうにくるくる回っている」

「なんてタイミングのいい(ホントはGMがレクシーは明日で20歳という伏線を張り忘れていたのだ)。はっはっは、よかったねー、娘さん」

鳴沢「おめでとー、おめでとー(アレの最終回風)」

スィル「あー、銃が撃ちたい」

リンダ「はあ、そんなコトだったんかい!」

GM「で、その特殊部隊の面々は、『はー……』と重いため息をついて、肩を落としている(笑)」

リンダ「黒岩さん、泣いてるんじゃ(笑)」

志尾原「でもまあ、一番いい結果だったかもしれない」

「さすがにギラ軍曹でも、これ奪ってもっていくわけにはいかないだろうし」

リンダ「ギラ師匠の趣味じゃないでしょうね」

スィル「だいたい、サイズ合わないでしょう。19歳と13歳じゃ」

 とっ、特に胸のサイズが……?(爆)
 いや、そこだけはサイズが合うんだよね、ギラ軍曹って(爆死)。

鳴沢「そこまで極道な人じゃないんじゃないの?」

志尾原「そこまで極道ではない気がする」

スィル「イメージが先行して、恐怖感が(笑)」

「いや、でも。迷彩ルックのドレスだったらもっていくかも」

スィル「どんなドレスやねん!」

GM「……よくわかってる(笑)」

田宮「そうなんですか!?」

鳴沢「そーゆー人なのか(笑)」

リンダ「じゃあ、結局。そういうことだったんかい」

GM「うん。その部分だけスポットライトに照らされて、レクシーは手をあわせて、『ああ、お父さま。いつかお父さまの死に場所を見つけてみせます』といっている。まあそんな感じだね」

田宮「聞きようによっては物騒な(笑)」

リンダ「じゃあ、師匠に、『メイスのかわりに何かいただけないんスか!?』」

GM「『しょうがないわねえ。そうねえ……』首をひねっている」

リンダ「お願いしますよお〜! 650ッスよお〜!」

GM「じゃ、わたしの知り合いの仙人に、そういうの扱うの得意な人がいるから、1ヵ月くらいしたら、直してもらえるかも」

リンダ「あ、ホント!」

鳴沢「『かも』?(笑)」

リンダ「修理費は!?」

GM「ま、今回はわたしがそいつに頼み込んであげよう。でも、船の修理代まではわたしは知らないわよ」

鳴沢「でも、それも形見で、レクシーさんのものなんじゃないの?」

GM「まだうっとりと陶酔してるよ」

鳴沢「でも銃器のほうが好きなのかな?」

GM「『……じゃ、オレたちは帰るぞ……』特殊部隊の人たちは、ぞろぞろと出ていく。黒岩さんの背には中間管理職の悲哀が濃厚ににじみ出ている(笑)」


 このままでは実入りがない、というので一行はコンテナの中身や、宝箱を調べたりしてみるが、出てきたのはシリウスジゴクガメの排泄物くらい。報酬は100万ガメルだけ、などとほざくレクシーに、志尾原は交渉を試みる。


GM「成功か、じゃ、『しょうがないですねえ』。ギラ軍曹が、『レクシーさん、あなたもそんなに人に迷惑かけたんならね、ちゃんと負担しなきゃね』といっている」

リンダ「ちょっ……!」

鳴沢「ほほぉ……」

スィル「ほーお!」

「発端は誰や!」

スィル「これほど説得力のないセリフも珍しい!」

GM「『そうですね、じゃあ、うーん』さんざん唸ってるみたいだけど。『じゃあ、わたしのへそくりから、各人に700万ガメルほど』」

一同「おおーっ!」

リンダ「すごい!」

スィル「あるんじゃねーか」

GM「ただし、船の修理費は、わたしはビタ一文だしませんからね!」

アンディ「けっきょく幾らになるの」

志尾原「あわせて700ですね」

GM「じゃ、みんな帰還して、それでおしまいだ。いちおう、『ありがとうございました』と頭を下げている。手元にメイスをもったまま(笑)。おわり!」

リンダ「メイスは、レクシーの手にあるわけね。600万ガメルはどこに行っちゃったんだろうね……師匠、なんか代わりのものくれよおー!」

GM「経験点は80点ね。簡単なシナリオにしては、けっこう多いぞ」





<予告>
 GMのアドリブで(笑)とびだした、ギラ軍曹の知り合いという仙人とは何者なのか!?

 どうせマトモな奴じゃない気もするが、はたしてリンダの650万ガメルはどうなる!?

そして、新人傭兵の人たちはこの波乱万丈なリンダ傭兵分隊のミッションについてこられるのか!?

このときリンダたちは知る由もなかった。まさかこの些細な事件が、その後の大冒険のきっかけになろうとは!


 ……ということで、次回につづく!



            [鉄血少女の憂鬱/おしまい]
ギラ「あ、そうそう。このあとのGMインタビューコーナーも忘れずに見てね!」


清水「続きはここからだ。しっかし、この話が、その後3年、7話ぶんもの方向を決めることになるとは、この時は思わなかったなあ」


表紙へパラパラ♪


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