極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第8話<鉄血少女の憂鬱>

おわりに:設定解説など


 恒例! 巻末GMインタビュー!

                 −後書きがわりに−



「あー、どーもこんちわ。まいどおなじみ某A傭兵事務所のM(ミリィ)っス。例によって特撮班撮影現場の製作裏話……じゃなくって、GMとの質疑応答形式による巻末おしゃべりをやるから、よろしく。質問者はあたしだからね。じゃ、始めるよん」



 ――まず、今回の脚本の製作意図なんかを訊いておこうかねえ。どういう傾向を試みたかったんだい?


GM:あー、一言でいうと、短時間でスパッと終われる、小さくまとまったハナシを欲しかったんだよな。これを前座にして、そのあとで沢乃氏のゲームに遊戯者として参加させてもらおうと思ってたから。


 ――例によって、パラフリRPG零号版で試験運用はやったのかい。狼々のやつ、近ごろじゃほとんど実験台だ、とかいって嘆いてたけどねえ。リプレイぐらい書いてやりなよ。


GM:いいじゃないか、そのかわりオイシイ場面も全部1人で堪能できるんだからよ。例によって千葉の祖母宅でね、オレの<択一試験とりあえず終わったよ記念>として作って、遊んだわけだけどね。
これまた例によって、遊ぶ寸前に即興で作ったハナシなんだけど、今回は特にいい加減だった。あの脚本、40分で作ったからね(笑)。夜10時ごろ製作開始して、遊戯開始が11時ちょっと前だったかな。遊戯者はいつものように、弟2人だけでね。まあ、こっちの意図した通り、2時間ほどで終わって、ああ、こういう短いシナリオもいいもんだな、と。
で、弟にはけっこう好評でね。リンダさんたちのほうの放映予定としては、もっと後に来るべきハナシだったんだけど、今回先に遊んじゃったわけ。ちょうど今回、短くてまとまりのいいハナシをやろうと思ってたもんで、これをもってきた、と。


 ――そうだねえ、リンダたちのほうじゃ、もう1本のコメディの『あの』短編もまだだし、それに『ヤツら』が絡む長編の『アレ』もまだだしねえ。いいかげんなモンだね。(99年現在、後者のペンギンの話は初号版、つまりリンダらも遊んだよね。でも前者はまだだ。どんな話かは、これからのお楽しみ)


GM:ほっとけ。しっかし、思い付きで作ったどーでもいいハナシなのに、弟には意外と好評だったのが何か情けなくてねえ。あくまでもオレの本領は、ハードで重厚なSF怪獣ものにあるわけで、こーゆー暴走NPC先行型シナリオがメインだと思われると、それはちょっと。


 ――暴走NPC……って、それがあンたの本分なんじゃ……けっこー演技のってたし。


GM:うるさしッ! 某宇宙傭兵に『スペオペ版スレXヤーズ』とか言われたときのショック、オレはまだ忘れんぞおおおっ! シオシオノパアァアアッ!


 ――あたしゃ知ってるよ、あンたの部屋にフィリXとアメリXの自作バッジが大量に飾ってあるのをね……(にやり)。あたしらの新作ラミカ作るって話はどーしたんだい?


GM:まあ構成的にはアレだな、NPCがどんどん憶測だけで話を進めていって、最終的には4者が対立状態になってPCがムチャクチャ困る、っていうのが核となったアイディアだったかな。なんか、こういう核となる『ハナシの色』みたいのがないと、面白くないやね。もとより話つくれんわ。
 話といえば、長いのより、短くて、なおかつしっかりした構成の話のほうが作りにくい気がするな。どーも意識しないと、オレは脚本が長くなる傾向があって、いかんなあ。


 ――話、すりかえたな。


GM:……………。やはりオレの場合、なにか、描きたい、というか演出したいシーンが脳裏に浮かんで、それでハナシにつないでいくっていうパターンが多くてな。で、スペオペだし、情報収集の他に、どうしてもアクションや戦闘が必要にはなるんだけど、今回は少し、ハズシてみたつもりだ。どうかな? いつも同じ傾向でも良くないし。


 ――というより、ギラのインパクトが……レクシーもか。もうちょっとあのヘン、おとなしくならないモンかねえ。


GM:無理だ。


 ――………リンダのヤツ、可哀相に……。


GM:富士見の「ゲームのタネ!」とゆー本に書いてあった気がするが、NPCで重要なのはさじ加減なんだと。つまり、遊戯者に忘れられてしまうようではいけない、かといってPCより目立ってしまうようでもいけない、と。
キャンペーンシナリオなんかでさ、以前だしたNPCなのに『誰だっけ?』と遊戯者に言われるようじゃダメだし、かといって主役になっても困るし。難しいよな。(キャンペーンシナリオとは、同じPCを使った2話以上の連作脚本のこと。だいたい壮大な物語になって、いろいろ伏線が張られたりして、楽しい。TRPGやるからには一度はやってみたい)


 ――……あンた、けっこーさじ加減が狂いッぱなしのよーな気がしてならないんだけど……。


GM:(咳払いして)それはきっと錯覚だろう。


 ――(ジト目)ふーん……。


GM:ところで。あくまでオレは重厚な特撮マニアだから、こーゆー話は軟派で好きではないが、でもいわせてもらっちゃう。リンダって、声、天野由梨ってカンジだよね。マトモな性格ゆえに、周りに振り回されて叫んじゃうあたり。


 ――それいったら、レクシー……。


GM:言うなッ! その先はッ! あんなイカレた女とオレのフィXXちゃんをっ! だいたい、<XXXアちゃんのしっぽさわろう会>会長としていわせてもらうとだなあ(質問者注:以下、インタビューの趣旨にそぐわないので削除)。しかし……プレイから1月もたって、ようやく気づいたぞ! 皆がレクシーを『艦長』と呼んだわけを。まったくアイツら、声優ネタはディープなんだから。


 ――「追跡者」でも結論でなかったよね。このテの話。


GM:うーにゅ。GM自作の人物なんだから、既成のそれとのイメージで声優を捜してもらっても、ねえ。ピッタリくるのがいないのは仕方ないだろ。弟とGMの論争としては、ギラ軍曹は小林優子か、潘恵子かっていうのがあってねえ。


 ――なんか、濃いね。


GM:やっぱ潘恵子だよな。あの劇場版、好きなんで。弟の言い分の原因は、二年くらい前にギラを初登場させた頃のオレの落書きに、プロト・ギラ軍曹みたいなのがあってさ、それがちょっとXXちゃんに似てたせいじゃないかと。


 ――あー、あのマッドサイエンティスト。リュートと対戦させたいよな。


GM:実名だすなよ……。それにその対戦、怖いって。
あと、プロト・ギラの耳の後ろから、前方にむかって交差発生プラズマ発生端子になる、ガメラの牙みたいな髪? が突き出ててさ、もみあげマニア(謎)の弟はどーもそのヘンにこだわってるんじゃないかと。あれは(「追跡者外伝パソコンゲーム版」の)リドイーマに似てたからボツにしたってのに、弟は未だにプロト・ギラのデザインに固執しててな。


 ――あンた、新しく考えるの面倒なもんだから、『追跡者』の人物とか美術、パラフリに流用してるだろ。だからそんなことになるんだよ。


GM:いいだろ別に。昔からこのテの物語じゃ、スピンオフってのは伝統なんだぞ。古くはアラシ隊員からフルハシ隊員、バラゴンからパゴス、ネロンガ、マグラ、ガボラってな。今ならプリティサミーとかな。
まー、ギラに関していえば、逆にパラフリから『追跡者』世界へと転用した初のケースだが。宇宙でただ一人お前を「ちゃん」づけで呼べる奴ってコンセプトで、けっこう楽しく暴れてくれそうなんで。


 ――ふう。なんか、やだねえ……。


GM:とにかく、ギラ軍曹の正式デザインは、前回の遊戯議事録の図画集に入ってた絵だからな(つまり現行のデザインだ)。
ま、女性ってのは、変わるときは変わるものさ。


 ――女性……その単語から想像される一般的イメージとのギャップはどうしてくれんだい。でも、なんで潘恵子?


GM:ふっ。オトナの女性やらせたらあの方しかおるまいて。


 ――そうかねえ? 第一、ああいうの大人っていうのかい。まあどうでもいいけど。
でもさ、そういう洋画吹き替え系なら、意表をついて深見梨加とかは?


GM:むむぅ。なんかもう、よくわからんぞ。まあ、実写ならCGIで髪の色を再現して、役者はハリウッド系の子役ってとこだな。白人の人がいいな。BDU(戦闘服)はナム戦っぽいタイガーストライプで、胸のとこだけ詰め物して……。


 ――そういやアイツ、胸、あたし並みにあったな(苦笑)。
で、あとはアップ用のフル可動ワイヤー上半身モデルで細かい表情を演出すれば完璧だね(笑)。


GM:平成ゴジラかッ!?


 ――さて。話もどすけどさ。なんか今回の話、出だしだけみてると、壮大なスペオペ版『宝島』が出来そうな雰囲気だったけど。狙ったのかい。


GM:ひょんなことで、財宝の在りかを知る……っていうアレか。実は、そのうち本格的な宝探しシナリオを作りたい、と前々から思っててね。いつもいつもハードSFや、軍事シミュレーション的怪獣ものシナリオじゃ、遊戯者の方々も息がつまっちゃうだろ? ま、だから、いずれ明るく楽しい本格的宝探しシナリオも作るさ。


 ――その前にハードSFや軍事シミュレーション怪獣モノを作ったらどうだい。ないだろ、そーゆーの。


GM:ぐはッ!? はっきり言うなぁアアアっ!!(99年現在、未だにない……)


 ――あと、冒頭でギラのやつのガレージセールに誘われるのが事件の発端になってるけど、あれ、意図したのと違う武器をPCが欲しがったらどうするつもりだったんだい。


GM:ふっ、それは計算済みよ。このシナリオは、もともと武器をほしがってるPCがいることが前提となってるからな。
ただ、工夫がいるのは、ストーリー上、欠陥品の武器を絶対つかまされてもらう必要があるから、絶対PCが欲しがるだろーなー、という武器を設定する必要がある点だな。だから、毎回その欠陥武器は変わるんだ。ちなみに狼々のときは、しぶいリボルバーだったぞ。ヤツは屋内戦用の小火器を欲しがってたからな。


 ――短編として作ったってさっき言ったよね。でもこの遊戯議事録みてると、けっこう長編を意図してた「熱砂の竜」と量的にあんまり変わらないような気がするんだけど。


GM:ううむ、それは予想外の事態でね。たぶん人数が多かったせいだろうな。
遊戯には結局、4時間くらいかかったのかな? でもまあ、内容的には、最後に戦闘になだれこまなかったのは良い選択だったよ。てっきり戦闘になるかと思ってたけど。
あと、カード自体足りなくなっちゃうから、基本的に遊戯者は6人かそれぐらいが限界らしいね。(やってみれば8人でも遊べるけど(^_^;)カードを二山にすると、バランスが崩れちゃうらしいし。


 ――けっこう宇宙空間戦の場面とかみてると、ルールの適用がいい加減な気がしてならないんだけどねえ。


GM:それはっ……まあ、ノリ優先ということで(笑)。実際、メカ戦闘は毎回、<操縦判定>をしなきゃいけないのに忘れてたし、<距離ランク>の明確な表示もしてないし。他の方々は、こういういい加減なマスタリングを真似しないでください(笑)。
あと、やっぱり屋内での対戦車ライフル使用は、ぜったい不可能ってことにするかどうかも迷いどころなんだけどねー。最初っから構えてれば使えそうな気もするが、しかしねえ。わざわざ全長2メートルってルールブックに書いてあるってことは、ねえ?


 ――パラフリのルールって大ざっぱだから、ホントはあんたみたいに軍事戦術にこだわるヤツには向かないのかもね。


GM:まあだから、せっかく簡単にできてるルールを、必要以上に複雑にしてしまわない範囲で、ルールを自分なりに適用してるつもりだけど。
いまのところ発展ルールを考えているのは、兵器カタログの増量と、<サイバードラグーン>の正式規約、<怪獣兵器>ルール、<仙人>関係、とそんなところかなあ。ま、実際につくるのはもう少し先になるだろうけど。
あと、パラフリの背景世界やメカニックにこだわる人には、ぜひ<スザク・ゲームズ>から出版されてるサプリメント<極楽艦隊 逆襲編>(2500円くらい)を読んでいただきたい。サイバーウェアに関する注意事項なんて、実はけっこう細かいからね。たまには定期整備しなきゃいけない、なんて知ってた?
(ていうか1999年現在、富士見のほうの基本ルールブックとシナリオ集は絶版らしい(^_^;) パラフリやるなら逆襲編しかないわけだ)


――そのへんは前回の遊戯議事録にも書いてあっただろ。あたしとギラが講義やったやつにさ。


GM:あったな、そんなのも。しっかし、(パラフリは)よく出来たゲームだと思うんだが、なぜ流行らん? オレなんか、こないだ<スター・ウォーズ特別篇>観て、やっぱスペース・オペラはええのぉ……と、このTRPGの魅力を再確認したところなのに。
スペオペがよくわからん! という方は、まずスターウォーズ3部作を観れば、だいたい掴めると思うんだが……。<特別篇>も、そのうちビデオになるだろうし……まあ、あれはやはり大スクリーンで観るべきだとは思うけど。
(99年現在、もうとっくにビデオソフト化されている。ファントム・メナス早くみたい!)
(いやぁ、よかったぜファントム・メナス。>過去の俺
 全てのパラフリ遊戯者に、必見の映画としてお勧めする! 見るしかないぞ!)

あと、オレがハナシ作るとどうしても巨大怪獣がよく出てくるんで、雰囲気を掴む意味で、平成ガメラシリーズは観といてほしいなあ。あれはええぞー、むちゃくちゃカッコいいんだから。
でもシリーズっつっても、<ガメラ 大怪獣空中決戦>と、<ガメラ2 レギオン襲来>の二つだけか、今のところは。ちなみに、オレはレギオンよりギャオスの方が好きだぞ。
(現在、<ガメラ3 邪神覚醒>も公開ずみ。1999年11月現在、レンタルソフトも出ている)


 −−はいはい、愚痴と洗脳はもういいよ。じゃ、いつも通り、今後の予定とか、希望とかを。ま、どーせあンたのことだ、予定どおりにいかないんだろうけど。


GM:やかましい。えーと、狼々氏がサイドラ(サイバードラグーン/詳細は「熱砂の竜」追伸を参照)について、参考になる案を提案したんで、いよいよサイドラを1クールめ終了あたりにやれると思う(ごめんやれなかった)。
サイバードラゴンに乗らない、もしくは乗れない、という人にも対応できる話にさえ出来れば完璧なんだが、なかなか巨大ロボットものは難しくてね。
 あと、PC、NPC問わず、<ウルトラマンティガ>風に、キャラクターをいろいろ掘り下げていってみたいね。日ごろからGMと話す機会の多い遊戯者のキャラクターは、やっぱり情報も多くて、そういう話を作りやすいぞ。リンダさんとかね。いま個人的には、牛さんの婚約者ってのが気になるけど(笑)。しかし……<ティガ>、やっぱいいよねー。


 −−おう、あたしもさっきガタノゾーアの復活を目撃したとこさ。やっぱりティガって、ウルトラシリーズ史上屈指の傑作だったと思うよ、あたしは。伝説になるね、ありゃ。
(ウルトラマンガイアもいいぞ。アグルがかっこいいのだ!)

GM:ああ、あれは素晴らしい……って、ひたってどうする!


 −−あ、えっと。つまり、自分のキャラでいいサイドストーリーとか追加設定を思いついたら、あんたに話せってことだね。で、それが脚本に生かされるかもしれない、と。


GM:それが最良かと。ま、これは趣味の問題だから、各人の自由にして頂いてけっこうだけど。魚さんの婚約者の設定は聞かせてもらったから、ぜひそのうち(笑)。あとは……なんだろうなあ、やっぱり読み切り形式のハナシだけじゃなくて、大河ドラマ的に続いてるのをそのうち……徐徐にゲーム中の設定の謎とかを消化していったりしながらな。対艦ミサイルなんかが効かない生物ってのも、(日本独特の<怪獣映画>で)慣れてるから何とも思わないかもしれんが、実はけっこうスゴイことなんで。そのへんとかもね。


 −−生物といえば、今回の宇宙フナムシ、やけにダメージでかかったんじゃ?


GM:うーん、難しいんだよな。NPC、とくにザコ怪物の設定はね。近ごろPCがみんな強いから、すぐやられるのは仕方ないとして、少しはダメージを与えてやろう! というのが最近の設定方針なんだけど、そうすると防御力や能力値は低いくせに、一撃がやけに重くなっちゃうんだよな。
前回のサバクトラザメもそうだったけど、今回のフナムシもダメージ6っていうのは、おっそろしく高い数値だよ。だからスィルさんの悲劇が生じたわけだね(笑)。



 −−なるほど。ところで……あとは、あれだね。機動母艦(!)モスコ=ミュールに、ぜひ小型戦闘メカの搭載を!



GM:おまえらしいな(笑)。(清水三毛作<追跡者S>に出てきた)コスモハルシオンはまあ無理としても、宇宙戦闘機の一機くらいは欲しいところだね。INTよりDEXが高い人もいるだろうし。何より、甲板をカタパルトにして発進する情景がカッコいい! ちなみに、戦闘機などの艦載機は、[操縦/DEX]技能で操るんだぞ。しかし、全長50メートルたらずで母艦もないもんだ(笑)。


 −−その母艦だけど、今回は散々だったね。不幸なヤツ……。(99年現在、この程度の不幸はまだ序の口だったと断言できてしまう:GM談)


GM:だって、リンダさん、[悲劇]で「不幸である。」なんて指定されてるんだもん。これを使わずしてどうする!(笑)。母艦についてはね、修理費ってのがねー。けっこう痛いよね。でも、あれがないと発進とか真面目にやらなくなっちゃうでしょ。サプリメントのリプレイ読んでて触発されたんだけど、けっこう気にいってるんだ。
 ただ、みんなはリンダさんの艦に乗せてもらってるんだから、修理費も公平に負担するとかすべきじゃないかな。報酬を全部、最初にリンダがもらって、支出額を源泉徴収したあと各人に配分するってのもいいと思うけど。
 あと、たしかシナリオ集に、『金銭以外の報酬としては、航宙チケット、宇宙港無料修理サービス券などもあります』なんて書いてあってさ、最初、そんなチケットが有難いモンかなー、と思ってたのが、今回のハナシをやって初めてその有り難みが分かったね、オレには。リンダさんもだいぶ、骨身にしみたでしょう(笑)。


 −−たしかに(笑)。いいねえ、なんか庶民的スペオペってカンジで(笑)。


GM:うむ、生活感があって好きだぞ。そーいや(<追跡者S>の)スターホエールなんかも、中古貨物船の改造だったりしたなー。
特別篇のプログラム読んで初めて知ったんだけど、ミレニアム・ファルコンの裏設定もそんな感じでね、何度改造されたか分からないんだって(笑)。いいよなあ、そういうの(うっとり)。


 −−ま、枝葉末節にこだわりすぎて自滅しないようにね。でも確かに、あたしらの船も市販そのままで使ってるのなんて、1機もないや(笑)。


GM:『ヤツ』(リュート)のせいだろ。ノーマルメカみると手を加えずにいられないんだろ。しかし……何か、『追跡者』よりパラフリの方が正面からスペオペしてて、近ごろちょっとオレは悲しいぞ。最初っからこういうのを書(描)けばよかったのかねえ。オレの作品で一番スペオペらしいのって、例のパソコンゲームの……『追跡者外伝/大怪獣火星決戦』(未完成)だと思うんだが、その次くらいに正統派スペオペしてるんじゃなかろうか。


 −−巨大怪獣とか、美少女型宇宙怪獣とかは出てくるけどね(笑)。


GM:あと、スペースオペラに限らず、ファンタジーとか異世界を舞台にした物語で大事なのが、『異世界ムード』だよな。これ、なんとか出せるような脚本をつくりたいねえ。


 −−もうちょっと気のきいた命名はないのかい。異国情緒ならぬ、異世界情緒って意味なんだろ。


GM:同じだろーが。とにかく、市販の小説なんかでも日本のやつは、この『ムード』を欠いてるのが多くてイカン! 要するに情景描写の不足なんだろうけど。とくに、ライト・ファンタジーはねえ……。
 雰囲気っていうことについては、ハヤカワの<新版 スペース・オペラの書き方>で野田先生も言及されててね。


 −−いつぞや(成蹊高校の)文芸部誌で『必読だ!』ってアンタがすすめてた本だね。
(小説を書く方だけでなく、GMや遊戯者、マンガ家志望者などにも役立つ本だぞ)


GM:うん。あれはいいぞ。で、な……。現実には有りえない情景や場所に漂う雰囲気、広い意味での空気感、というかな。そういうモノをPCに肌で感じてもらえるようなハナシをそのうち作りたいね。ハヤカワ文庫のSFやハイ・ファンタジーは、さすがに参考になるぞ。


 −−<地球の長い午後><星界の紋章><遥かなる地球の歌>そのあたりかねえ。タイトルはよく覚えてないけどさ。<神鯨>も、未来海洋SFっていう雰囲気がよかったね。海洋の描写が絶妙だったけど、あれって絶版だったかな?


GM:忘れちゃいけない<知性化戦争>。お前ら姉妹の耳がぴこぴこ動く描写は、実はあの小説をヒントに思いついたんだ。
あとは……、<ティガ>でも未来感を巧みに演出してたし。何気ないワンシーンや、小道具の一つで表現できてるのを見ると、うまいなあ! って唸らされるね。感心しちゃうんだよ。
そういう意味では<スター・ウォーズ>シリーズも、お手本のカタマリと言えるな。モス・アイズリー宇宙港とか、ジャバの宮殿とか。問題は、オレの脳裏に浮かんだそういう映像を、如何に文章やナレーションで表現するか、だ。


 −−でも、そんな方法論は遊戯者の方々にとってはどーでもいいことだよね。 遊戯者にとっては実際のGMの描写が結果であって、それが全てなんだからさ。
 ところで、内容の話になるけど。何でギラのやつ、急にあんな武器コレクションのガレージセールなんてやったんだろうねえ。なーんか、どっかで損害賠償させられて、カネが入り用になったとか聞いたんだけど。


GM:それはかなり真実に近い風説だな(笑)。
なんでも彼女、今回の事件から1月ほど前、公国のガゾート星系で宇宙海賊の一団をしばき倒したらしいんだな。まあ、軽く蹴散らしたまでは良かったんだが、海賊どもを全員しばりあげて、警察につきだした後で基地と艦隊をまとめて吹っ飛ばしたのが良くなかった。全長6キロもある、旧時代の大型移民船がヤツらの基地だったんだが、そいつを吹っ飛ばしたら残骸が近くの惑星に落下して被害が出たんだとか。まあ、軍曹が必死で防いだらしくて、人的被害は
なかったらしいけど。
 あと、古物商業界の噂によれば、軍曹が公式なオークションでアレを入手したってのは事実らしいぞ。リンダさんは運が悪かったね(笑)。それとも、業者がチクッたのかな?


 −−なーるほど、そういう事情があったわけか。それで散財しちまったから、少しでも埋合せしようって思ったわけだね。あいつらしいや。でも、とばっちり食う弟子のほうが可哀相な気がするよ、あたしは。


GM:一説によると、一流の宇宙傭兵には、マトモな人格の人間はいないらしいからな。マトモじゃ一流になれないってことかもしれんな。ギラ軍曹みてると、なんかそんな噂もにわかに信憑性を帯びてくるような(笑)。


 −−まさかそのマトモじゃない傭兵ってのにあたしは入ってないよね。まさか、ね。


GM:…………。でさ、今回の陰の仕掛け人といえるのが、レクシーさんの親父だよな。キリエルさんだっけ。実は本業は宇宙探検家だったんだけど。 レクシーさん、言うの忘れてるんだもんなー(お前だろ)。
各国軍の新兵器開発部門にかけ持ちで、たずさわってたのは、あくまで副業だったらしいぞ。で、もう1つ、レクシー本人は知ってたけど、言い渋ってた裏の稼業ってのがあってさあ……。


 −−また話をそらしやがって。で、その稼業ってのは。


GM:そのうちハナシに絡むかもしれんから、今はいえん。だいたい、設定画までおこしちゃうとなー。2度、3度と出演させたくなっちまうもんでね。(1999年11月現在、レクシーは今回のも含めて2回登場している(笑))
でも、ギラがセールやった本当の理由とか、ちょっと気をきかせて銀行の口座とか傭兵ギルドのファイルとかにアクセスすれば、ある程度まではPCにも分かったはずなんだが。
オレは比較的、勢いでハナシを進めることが多いけど、情報収集はやっぱり重要だよ、うん。軽い世界設定のTRPGでも、いくらでも凝ろうと思えば細部の設定を煮詰められるんだしな。


 −−あんたってそういうの好きそうだもんね。ま、プレイヤーがついてこれる範囲にしときなよ。


GM:まあね。でも今回思ったんだけど。遊戯者が慌てふためくの見るのって面白いよな。ふふ。いい意味で遊戯者の期待を裏切るハナシ作りを今後はめざすぞ。


 −−ふーん。まあ、身体壊さない程度にしときなよ。じゃ、そろそろ時間なんで、今日のインタビューはそんなところかな?


GM:うむ。これからもパラフリをよろしく。ついでにギラ軍曹とかもね(笑)。それでは、失礼いたします。


 −−うッ、その『ついで』はけっこーイヤかも……。



<月刊宇宙傭兵マニア>別冊[傭兵ゲーム特集号]より抜粋(文中敬称略)
(収録:銀河暦1997年8月某日、清水邸にて)



 ひきつづき、NPCデータ集と設定補足をご覧ください。





清水「もうちょっとだ。続き、よんでね!」


表紙へパラパラ♪


清水「議事録一覧へもどる!? いやぁん、続きもよんでえええ! ……一覧へ戻るならココからです、ハイ(T_T)」