極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第8話<鉄血少女の憂鬱>



第3章 悪夢との決着(中編)


 正体不明の艦が発射した対艦ミサイルが、モスコ=ミュールへと迫る!
 モスコ=ミュールの対空レーザー銃座が旋回し、青白い光束を吐き出す。
「あたれぇーッ!」
 銃把をにぎりしめ、サイバーOLが叫ぶ!


 今一つルールブックだと、対空防衛射撃の手順がよく分からないのだが、ここではGM側の出したカードを上回る射撃判定値をだせればよい、とした。


GM「駆逐艦のすぐ側で、『ぐわっ!』という音……は、しないんだけど(笑)、『バッ!』と炎のかたまりがひろがるわけだ。かなり威力は高い。炸薬量は、キミたちのもっているブラックファングミサイルの2倍はあるだろう」

スィル「戦うべきなのか、逃げるべきなのか」

「にげるべきーっ!」

スィル「逃げるべきっぽいな」

GM「レクシーさんが、『あれは! 金華帝国の蛟竜七型!』とかいって分析している」

リンダ「なんでわかるんだよ!」

鳴沢「軍事マニアなんだね(笑)」

「なるほどね(笑)」

GM「さて」

鳴沢「撤退てったい」

GM「撤退? じゃあ、敵が追いかけてくる」

一同「なぁあんで追いかけてくんだよッ!?」

GM「いや、軍事機密があると知られた以上、生かしてはおけないっ!」

鳴沢「むっかあああ!」

「なにぃいいい!」

アンディ「そういわれても!」

志尾原「じゃあ、戦うしかないんですね。はい、ミサイル。13のスリーカード」

一同「うわあああ(呆)」

GM「おのれみてろよ……くっ(避けられない)。ダメージが……はぅう、倍になるんだあ(泣)……64かあ!」

リンダ「おっしゃあ!」

GM「じゃあ、モニター上で伸びていったミサイルの記号が命中して、赤い英文字が『HIT!! HIT!! HIT!!』と明滅する」

「違うものをみているような……」

志尾原「あ、ゲージが少し減ってる(笑)」

アンディ「なんか、なんかその。バーチャロンみたい(笑)」

GM「敵駆逐艦、中破。『敵の軌道が乱れています! 右翼から回りこんで集中砲火を!』」

鳴沢「すっげえなあ(笑)」

リンダ「すごい、すごいぞ!」

アンディ「とりあえず……『回りこみ』?」

鳴沢「じゃあそのへん、指揮官にしたがいましょうか(笑)」

GM「指揮官なのかーっ!?」

志尾原「どうやら艦長になっているらしい(笑)」

鳴沢「艦長、指示を!」

リンダ「艦長!」

GM「『砲撃戦用意っ! 接近して仕とめますっ!』ブリッジで、ばさあっ!とドレスをひるがえしてだな。『砲撃開始っ!』」

リンダ「主砲はわたし」

GM「『敵機関部に精密射撃を!』といっている」

志尾原「じゃあ、わたし乗り換えます。知性五ですから。エースのペアです」

GM「……さて、いらないカードをすてよう(笑)。じゃ、『メーザー発射!』とモニターに出て……<しきがみおえど>だと、メーサーと発音するんだよ」

アンディ「このへんは清水の独壇場だね(笑)」

GM「ダメージは大成功だから、倍の16か」




 防御側のカードを2枚以上、役で上回れば<大成功>となり、ダメージが増える。人間同士なら+2づつだが、メカ戦闘では倍々に増加していく。ところで、1回、敵の攻撃ターンをとばしているが、これはGMの誤りである(笑)。




GM「よし、じゃあ、『HIT!!』
『あ、敵艦が機動を停止しました!』モニター上の記号は動いていない。で、通信が入る。
『わかった、悪かった! 降伏する!(一同笑)』」

アンディ「びくとりぃー!(アメリア風で、良いネ♪)」

GM「ちゃーらっちゃらっちゃー、ちゃんちゃんっ!」(と、テムジンのパーフェクト勝ちデモのポーズをとるGM)

スィル「女子供は生かしといてやろう。男は全員しばりあげろっ!」

GM「わっ、わたしたちは、金華帝国所属の特殊部隊の者なんだが、警備をまかされていただけなんだ! たのむっ、殺さないでくれ!」

スィル「さぁーて、とどめいくか」

鳴沢「艦長、どうします(笑)」

GM「全兵装使用自由っ! 一斉射撃っ!(一同爆笑)」

スィル「マイク奪って、『有り金の4分の3で手をうとう』」

志尾原「いやこれは、艦長に従わないと!」

鳴沢「艦長、マスターが演ってるからね(笑)」

GM「なんで艦長になってんだよお!?」

鳴沢「彼女の呼び名は艦長に決まったから(笑)」

「しかし……金華の特殊部隊ともあろうものが、こんなボロ船一隻に負けるとは何事だあっ!」

リンダ「あーっ、ボロぶねはひとこと余計だあっ!」

GM「はっ!? この声はもしや、牛さまっ!?」

スィル「どうやら偉いらしい(笑)」

「何いってるんだ、我々はヤギ殺しの英雄だぞ!」

スィル「なんかオレ、すごいとこ入っちゃったなー」

GM「『ご無礼をお許しくださいーっ』と、通信機のむこうで平身低頭している気配が(笑)」

スィル「やぎスレイヤー(笑)」

GM「やぎスレイヤーズってタイトルにしない?(笑)」

鳴沢「次回作は『やぎスレイヤーズNEXT』(笑)」

「そして『TRY』! 『ぐれえと』もあるぞ(笑)。ゲームは『ろいやる』!」

アンディ「『ねくすとら』まであるヨ!」

「そして短編スペシャルっ!」

GM「……それはそれとして。『まあそうですね、ここでレーザーなんか撃ちこむのも大人げないですし。ま、わたしたちの護衛というか、下僕としてついてくるなら良いとしましょう』」

リンダ「この女……」

スィル「この船がナデシコになる日も近かったりして(笑)」

GM「どうもありがとうございます、とむこうで声が」

「ありがたいのか!? それはっ!?」

GM「さっきミサイルの一撃で装甲はんぶん方もってかれたからねえ、こりゃビックリするよ」

リンダ「ところで、牛さんがいるなら、軍事機密ってのをきけるんじゃないの?」

「いや、私は軍とはなんの関係も」

鳴沢「ただの伝説のやぎスレイヤーだから(笑)」

GM「レクシーさんがね、『わたしの父の最期の死に場所になにかご用なんですか』ときくと、
『や、実はここに、わが国特殊部隊の秘密顧問だったキリエル博士の遺品が眠っているという情報が』」

リンダ「キリエル!?」

GM「ふふっ、いい名前だよね♪ 『キリエル! それはわたしの父です!』」

「だからKなのね!」

田宮「K.S.Tなのね」

「つまりー、軍事関係の博士の娘だったから、そんなマッドなおねーちゃんになってるわけだね(笑)」

GM「『婦女子たるもの、護身術としてこれくらいは』ということで」

「そうよね、やっぱり♪」

GM「そうでしょう!? あなた話がわかるわね!」

リンダ「いやそれ、絶対ちがうと思う!」

「やっぱり剣よね♪」

GM「わたしはどちらかというと、炸裂弾のほうが♪」

「護身術とは、おのれの拳ッ!」

スィル「刀剣だよ刀剣っ!」

アンディ「いし投げたいよね。石。もってんだよね、石」

リンダ「ヘンなとこで盛り上がるな、お前らぁー!」

スィル「でも少しわかっちゃうんですよ、私も」

リンダ「なんかこーゆー風な奴らといると、胃がキリキリキリ〜、と痛くなってくる……」

GM「さて、その帝国軍の特殊部隊−−<電光七星>とかいうらしいんだけど。『そういうことでしたら、私たちの情報も提供いたしましょう。実はこの、惑星クライバーンを囲む小惑星の一つ、<ロードラ>にキリエル博士の遺産があるとの機密情報があるのです』」

スィル「なんだ、いざとなったらメーザーで小惑星帯ふっとばそうと思ってたのに、壊しちゃいけなかったんだな」

GM「『そこまではよいのですが−−』といって、君たちも窓の外をみる。直径2、3キロはある岩の塊が、ごろごろと何百、何千ところがっているのがみえる。『このなかのどれがロードラなのか、それがわからないのです』」

スィル「それって……1個1個やっていくしか(笑)」

リンダ「なんかその手のもの、もってないんですか、お姫様」

GM「レクシーさんは聞いてないね。『嗚呼、やはりお父さまはここで……』と、涙をながしている」

リンダ「陶酔せんでいいから」

田宮「で、その、衛星のどっかにあると」

GM「どうもそうらしいのです。私たちの方では、なにか戦略上の大革命となる秘密兵器の設計図ではないかというスジが有力で、警備をまかされておりました」

鳴沢「……え? 2000万ガメルっていってなかったっけ?」

GM「そういうの?」

「いわんほうがいい!」

「我々は2000万ガメルのつもり。彼らは軍事機密のつもり。しかしてその実態は(笑)」

リンダ「なんか生体兵器のような気が……」

スィル「結論。我々が使えない軍事機密よりも2000万ガメルのほうがいい!」

志尾原「いや、兵器でしょう。ということは……、メカギドラ!?」

田宮「で、その小惑星のどっかにある、と。で、向こうのほうには内緒で、例のマイクロチップにヒントが隠されていないか、という」

鳴沢「軍の調査はどれくらいまで進んでるの?」

GM「お恥ずかしいながら、わたしたちの捜査能力では、ここまでが限界でして。いま、一つ一つ無人探査プローブを送り込んでいるところなんですが(笑)」

田宮「じゃ、マイクロチップをちょっと。むこうには内緒で見てみる」

GM「じゃあ、キミがクリスタルを取り出すとね、レクシーさんがすがりつく。
『ああっ、おとうさま!』」

リンダ「はいはい、とにかくこいつをしらべましょうね。軽くあしらう(笑)」

GM「じゃあ、その拍子に青い結晶にレクシーさんの涙がかかる。そうすると『DNAパターン照合』と声がして……(サイコロをころがし、犠牲者をきめるGMであった!)」

リンダ「で?」

GM「その青い結晶からスィルさんにむかってレーザービームがほとばしる!(笑)」

スィル「はぁうう! 冗談の通じない結晶体なんてキライだあっ!」

志尾原「『あぶない、よけろ!』とつきとばす(応援)」

GM「あくまでも<応援>だから、つきとばすというより、とっさの一声という感じだね」


 志尾原の渡したカード(仲間の一声)で、スィルはどうにか至近距離からのレーザー光をかわした。


志尾原「役にたったらしい」

スィル「助かります」

GM「じゃ、キミがよけたすぐ後ろの隔壁にね、『ばしゅっ!』といってレーザーが焼きつく」

リンダ「あぶねーよ、ちくしょー!」

GM「そして、そこに細かい文字が」

一同「おおーっ!」

GM「『小惑星の1つ、ナンバー283へゆくのだ』と書いてある」

リンダ「どっから始まっての番号なんだ(笑)」

GM「それは惑星管理局にアクセスすればわかる」


 志尾原がアクセス!


GM「立体映像で星図が。わりと近くだ、30分も飛べばつくだろう。難易度は8だ。『全速前進、小惑星帯に突入!』」


 鳴沢の全力の操艦(切り札)により、モスコ=ミュールは無事、小惑星帯をきりぬけ、目的の小惑星へと到達した。


GM「前に大きな岩の塊が見えてくる。表面にはクレーターがいっぱいある。君たちの船が近づくと、その一部が、ガー……といって開いて、中から光がもれてくる。ドックになっているらしいね」

スィル「さて、ここからが(笑)」

鳴沢「(着陸)難易度3でしょ? 1人でやれるよ」

GM「(いままでそれで何回こすった?)」

アンディ「1人でできるもん(笑)」

田宮「後ろをみると、ついてきます? <電光七星>?」

GM「彼らは……うん、ついてきてる」

鳴沢「さっきも清水君がいってたけどさ、<応援>するとき、ちゃんとロールプレイしないと無差別にやられちゃうから、そのへん気をつけていこうね」



 これは良い心がけである。<応援>時は、必ずそれなりの演技をキチンとしてから札を渡すこと。無制限におこなわれては遊戯均衡が崩壊してしまう。



スィル「そーっと、そーっと!」

「がんばってぇ!」


 鳴沢は今回は独力で、無事、着陸を成功させた。


 逆噴射スラスターと反重力エンジンが完璧な均衡をなしたその一瞬、艦が接地する微かな衝撃が走る。舷窓からは、真空中に拡散していく逆噴射炎の残り火ごしに、かなり使いこまれ、古びた様子の航宙船ドックがみえている。着陸したモスコ=ミュールの後方で、重い金属音とともに巨大な隔壁が閉じ、ドック内に空気が注入されていく。



GM「船外へ出ても大丈夫、という表示がでる」

リンダ「親切設計だな」

「ようやくこの鉄の棺桶から解放されたぜ!」

スィル「牛さんがすごいリフレッシュしてる(笑)」

アンディ「……りふれーっしゅ」

GM「司法試験うかったら、そのへん見なきゃな(笑)。オレ、スーパーズとスターズしか知らないからなー」

リンダ「ま、いきますか」

GM「さて、そのドックなんだけど。かなり乱雑に器材がおいてあったりして、どうも宇宙海賊が使ってたんじゃないかなー、という感じだね。というのも、」

スィル「なに!? 宇宙海賊が!?」

アンディ「……魎呼?」

GM「ナニ? いま何といった?」

アンディ「なんでもない(笑)」

GM「ひかれるがっ、いまそういうものを出してはいけないっ……さて。それというのも、ぶっちがいの骨とドクロの海賊の旗がころがったりしてるんだ」


 奥へゆくと、通路が開いているのがみえる。リンダらが近づいていくと光電子照明がともり、古びた通路を明るく照らしあげた。


アンディ「いけってこと?」

「そりゃもう、いくしか!」

GM「隊列は?」

志尾原「先頭! まず撃たないと(笑)」

「先頭! まず走りこまないと(笑)」




<予告>
 はたして、事態の真相は!?
 海賊の基地の奥深くに眠るものとは、いったいなんなのか!?

 銀河から愛をこめて(謎)、次章へつづく!



ギラ「さ、次にいきましょ。やっぱり、あたしが出演しないとイマイチねえ」
リンダ「そんなことない……(T_T)」


表紙へパラパラ♪


震星「議事録一覧は、ここなのじゃ♪ 震星も議事録をよんで、リンダへの愛をさらに深めるのじゃ♪」

この空科小説はパラフリの参考になるぞ! 遊戯者さんもGMさんも必読だ!