極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第8話<鉄血少女の憂鬱>


第3章 悪夢との決着(後編)


 一行は、ついに海賊基地に潜入した!


GM「ポイントマンか(笑)」

志尾原「だれか消し飛ばしちゃったら悪いから(笑)」

スィル「天井までの高さは? 対戦車ライフルを」

GM「最初っからもってれば使えるだろうけど、あっちこっち振り回すたびにガツーン! ガツーン! だからなあ」



 注:対戦車ライフルは全長が2メートルもある。



GM「わたしは一番安全な真ん中ということで」

志尾原「じゃあ、わたしが先頭でレーザーを! (しゃがんで)4本撃てば、真ん中も抜けてこれませんよ(笑)」


 このネタを知りたい人は、通常立ちレーザーを撃っているライデンに真っ正面からアファームドで斬りこんでみよう。まあ、たいがいしゃがみレーザーを使うまでもなく吹っ飛ばされるけど(笑)、たまに真ん中をぬけてライデンをトンファーで斬れることがあるのだ。

……と書いてから早数年。オラトリオタングラムのライデンってば、しゃがみでも4本にはならないよね。上記のライデンは、1作目バーチャロンの話である。


スィル「じゃ、後ろからサブマシンガン構えてついていこう」

アンディ「どこでもいいよ。戦闘要員だけど」

鳴沢「さぼるなっ!」



 しばしモメたが。一番前が牛と志尾原、後ろがアンディと趙ということだけ、大ざっぱにきめておいた。それ以上は横に並べない程度の狭い通路なのである。GMはこのとき、幅は約4メートルといったが、脚本ではせいぜい1メートルくらいをイメージしていたようで。反省。
ま、自作脚本とはいえ、即興で脚本と違った展開になることはよくあるので、いちいち気にしなくともよかったかも。


なお、隊列についてだが。
基本的には、戦闘能力の高い人物が前と後ろを守ったほうがいい。
とくに戦略的には、一番後ろを守る人物というのは相当の実力が要求されるそうだ。



GM「ところで、昨日はじめて絵にしてみたんだけど」

鳴沢「(GMが描いたレクシーをみて)なるほど」


注:この絵は資料図画集には未収録。未収録の絵、まだまだあります(笑)


リンダ「また、これ系かいっ! 前回のピンクハウス女といい、女難の相がでとるぞ全くっ!」

GM「いやぁ、まともなキャラいじめるのって面白くて」


 注:ピンクハウス女というのはトランのこと。議事録第1巻/清水三毛編/「熱砂の竜」を参照してね。ちょっとしつこい?


GM「かなり複雑な、ほとんど迷宮に近い基地だね。似たような通路が何回も何回も分かれたり、ぐるぐる回ってたりして、……めんどくさいので、知性で判定しよう」



GMへ
迷宮(ダンジョン)は、非常に面倒なので、最初から迷宮もの脚本をやる時以外は、このように大雑把に、手早く処理したほうが遊戯者さんたちの不満が少ない気がする。
さんざん推理や戦闘があった後で迷宮がくる本作のような話では、いちいち地図をかかねばならぬ複雑な迷路を最後に解かせるのは、相当なストレスがたまることだろう。
迷宮は手軽だから多用しがちだが、注意したい。




「よおし! 先頭いくぜっ! 全力で知性、10!」

一同「やめてーっ!(笑)」

志尾原「全力で、ペア」

GM「じゃあ、牛さんは無論、失敗で(笑)」

「はぁっ!? ここは、どこ!?」

GM「牛さんが『あっちだ!』というと、『いえ、違いますよ、そこは』って感じね」

「ここは左だっ!」

志尾原「いえ、右です右(笑)」

「この階段は上がるべきだっ!」

志尾原「いえ、下がるんです(笑)」

GM「ま、1時間も歩いたかな。だいぶ奥まで来たようで、『おそらくもう1時間も正しい道をいけば着くでしょう』といっている」

スィル「ただの当て推量だったらヤダなー」

「戦士とは、そういうところで勘を磨くものよっ!」

GM「戦士じゃない!」

リンダ「もともとこの女、信用できねーからよー」

田宮「じゃ、サクっと進んで」



 今度は田宮さんが判定してみた。が、なんと、見事に迷ってしまった。


GM「『もう2時間も歩いてますよお〜』といっている」

志尾原「じゃ、私が。2のペアです、絶対、成功ですね」


 むろん、成功した。GMは簡単な地図をとりだす。


GM「じゃあ、今までよりちょっと広いところにでる。さっき言ったことと食い違うけど。幅2メートルぐらいで、奥行は60メートルぐらいで、コンテナがぽん、ぽん、ぽん、と置いてある。奥には頑丈そうな隔壁がある。
『ああ、きっとここです!』といっている。で、コンテナの陰から、のっそりと全長2メートルほどの狂暴そうなカメの怪獣が」

志尾原「シリウスジゴクガメだー!」

「ふっふっふっふっ……はっはっはっはっはっはぁ!」

リンダ「わかったわかった(笑)」

志尾原「対戦車ライフルが吠えるぜ」

GM「まずはイニシアチブね」

リンダ「先頭が頑張ってるから、静観しよう(笑)」

GM「初めての人のために解説しとくと、シリウスジゴクガメってのはね、元々は古代のバイオテクノロジーで生み出された<戦術生物>だったんだけど、培養が簡単なんで各国の特殊部隊などで警戒用につかわれてる生物なんだ」

スィル「狂暴な番犬みたいなもんですね」

志尾原「前に一度、沈めてます(にやり)」


 みんな、けっこうやる気。まずは牛くん。走りよって、殴りつける! と張りきっている。


GM「間合いは5メートルといったところか。じゃあ、<複数行動>ね、まずは絵札をだして」

「……おわったな(すっかり忘れてたらしい)」

鳴沢「せっかく(イニシアチブ)とったのに、なんだよそのカード! 本末転倒だよお!」

GM「STR、運動で出して、まずそれが走ったメートル数で、次に残りの枚数ぶんを戦闘(STR)に割りふって」

鳴沢「複数行動って、すっごい厳しいんだね」



ここの規則適用は、GMが誤っている。<走りよって攻撃する>では、<複数行動>と違って、最初に絵札を捨てる必要はない。



「(GMのカードをみて)ちっ、素直に当たっておけばよいものを。オレをかわしてしまったらヤツ(志尾原)の攻撃をかわせないじゃないかー!」

GM「巨体に似ぬ敏捷性で、横ッ飛びにかわしたな。じゃあ、カメがねー……(サイコロで、目標を)」

鳴沢「南里君だ」

リンダ「うおおっ、初回からカメの洗礼をっ!?」

GM「するどいクチバシが、ガッ! と開き、ノド元に赤い光が収束していくっ!!(嬉嬉)」

鳴沢「なんでそんなに嬉しそうなんだ、お前ー!?」

志尾原「息を吸いこんでるんですね!?(笑)」



 みんな! 「ガメラ2/レギオン襲来」を観ようね! 傑作SF怪獣映画だぜ!
 ところで、攻撃−−真っ赤な粒子ビーム−−は、かわされてしまった。GMは、そう簡単にシリウスジゴクガメが死ぬわけはないと思って手をぬいたのが悪かったようだ。



GM「かわしたキミの後ろで、ずがぁん! と壁が」

志尾原「さて!(喜) 撃ちますかあ!」

スィル「いけいけ無敵のスナイパー!」

GM「対戦車ライフル、9カードです(笑)」

一同「ぶーっ!」

アンディ「装甲が厚そうな気がするンだけど」

「一発では死んでくれなかったと思うぜ」

GM「おのれぇ……大成功ダメージが8……合計、13……(ば、ばかな)……………やべぇ、一撃だ……」

志尾原「うッしゃあ!(笑)」

GM「(このままではクヤチイぞ。よし)君の一撃はカメの甲羅に大穴をあけ、カメは、がくっ! とくずおれる。カメが目を閉じると、バチバチと火花が散って……」

「散って?」

GM「どぉおん! って爆発するから、回避してね。爆風で、誰かを狙ったわけじゃないから巻き込みダメージだけだ」




 手榴弾などの爆風や、大気圏内での重レーザー射撃にともなう熱風、フルオート射撃(自動掃射のこと)などを表現したのが、<巻き込みダメージ>である。[SMG:ダメージ3/1]というように表記され、前後の数字は[基本ダメージ値/巻き込みダメージ値]をそれぞれ意味する。
 爆心から1メートル離れるごとにダメージは減少する。回避は、人物が受けるダメージ分の難易度判定でおこなう。
回避に成功しても、半分のダメージは受けてしまう点に注意。なお、巻き込みダメージの範囲内のせまい空間で巻き込みダメージを伴う攻撃を受けると、ダメージが倍増するので、それにも注意が必要。
例えば、ダメージ3/1のSMG(短機関銃)は遠距離戦では大したことがないが、幅1メートル以内の通路でフルオート射撃すると、ダメージが6/2へと倍加するわけである。
しかも、弾丸(爆発物の場合は爆風)が複雑に跳ねかえり、回避が困難となるため、防御側は回避にマイナス2のペナルティを受けてしまう。これを<跳弾効果>とよぶことにする。恐ろしいぞ!




GM「牛さんは難易度6、離れてる他の人は1でいいや」


 さんは、カメの自爆に巻き込まれてしまった。


「防御点(1点)をひいて……マイナス5か、まだマルが残ってるね(笑)。『あー、いたたた』」

リンダ「なんなんだコイツはー!」



 本来は、爆発系のダメージには<KOダメージ>も加わる。STRで難易度5の判定に成功しないと気絶してしまうというもの。GMがうっかり忘れていたのだ。すみません。
やたらDEXが高いがSTRが低い志尾原のようなPCは、爆発にまきこんんでKO判定をやらせると、簡単に昏倒させることができる。
そのてのPCが強くて困っているGMの方は、敵NPCに手榴弾や自爆型の<鉄鬼>をもたせてみよう。
屋内戦では、<跳弾効果>があるので、PCを全滅させないよう注意が必要だ。



「牛さん、あとで治してあげるから」

「うむ。よろしく頼むぞ」

GM「黒煙もさめやらぬうちに、『さあ、まいりましょう!』」

リンダ「ところでレクシーは当たってねーんかい」

GM「うむ、回避した。体術でな。『手榴弾規模の爆発なら、3メートル以内でない限り、伏せれば平気です!』」

リンダ「なにもんだ、この女!」

田宮「他のコンテナはどうなってるんでしょうね」

GM「ああ、進もうとするとね、奥のほうでドカドカと人が何人か動くのが見えるね」

アンディ「なにそれ」

「海賊の根城になってるって言ってたから……」

リンダ「あー、そういうことかい!」

GM「でね、4体ぐらい、ターミネーターのエンドスケルトンのような、機械の人形みたいなのが、『がちゃ! ちゅいーん! ちゅいーん!』といって……」

リンダ「電磁ライフルだっ!」

GM「人間は一人だけだ。背広を着こんだ、<しきがみおえど>の特殊部隊らしい。ま、中年の男で、頭はカツラのようだ」

スィル「中年で、しかもヅラ? 極悪人だな(笑)」

田宮「対戦車ライフルを撃ちこむべし!」

志尾原「いや、電磁ライフルの一撃を!」

GM「おいおい、いきなりかい」

鳴沢「ちょっとまって! なんでさ、動くもの見ると撃ちたがるの!?(一同爆笑)」

「幼児か、きさまら!」

「だいたいさ、君らの上司だったらどうするの(笑)」

鳴沢「か、勘弁してくれよ!(笑)」

リンダ「ちょっとまて! ひとまず、なにものだ、と」

GM「『なっ!? きさまらなんだ!?』と」

志尾原「ひとまず、『調査第三課係長代理の志尾原と申します』」

GM「ふん、出向した者か」

リンダ「やぎスレイヤーのホローチャージ! っていうよ」

GM「わたしは<しきがみおえど>特別後方処理課、黒岩てつし! わが国の極秘新製品研究課長だったキリエル氏の極秘企画書は絶対わたさんっ!」

「あいつ……各国かけもってやがったな!」

スィル「ちょっとそれ、国際問題なんじゃ?」

リンダ「なんなんだー!」

GM「『貴様ら、ここを通ろうというのなら、ただでは通さんぞ!』と、さっと手を一振りすると、その戦闘ロボットが」

スィル「イニシアチブぅ!」

田宮「イニシアチブです!」

志尾原「はい、潰すしかないでしょう」

GM「ここで戦闘か!?」

鳴沢「ここでいきなりぃ!?(笑)」

リンダ「ちょっとまって! こっちには、あの、なんだ、正当な遺産相続人がいるんですから……」

「法律問題でけしかけてきたか(笑)」

GM「そんなモン法律問題でも何でもないっ!」

鳴沢「超法規的なわけね(笑)」

「ていうか、さっきのおねーちゃんは?」

アンディ「艦長は?(笑)」

スィル「艦長!」

鳴沢「艦長!!」

GM「『さぁみなさん、いきましょう!』といって、重手榴弾をとりだす」

「おいおいおい!(一同爆笑)」

リンダ「もーちょっと平和的にできないのかッ!?」

志尾原「ではひとまず、対戦車ライフルを」

リンダ「ちょっとまってえ!」

スィル「サブマシンガンを!」

GM「(ここで戦闘されてもなあ……)じゃあね、戦闘したくない人がいるんなら、交渉判定して。勝ったほうにいいなりになるんだよ」

志尾原「ひとまず構えて、『わたしとやる気ですか?』と」

GM「……はあ。(いってることがよくわからんぞ。勘違いしてるなこいつ)」

リンダ「それは脅しやっ!」

志尾原「戦わないですむなら、それにこしたことないですから」

リンダ「うそつき! うそつきだ!」

志尾原「いや、<切り札>があと1枚しかないんで(笑)」

「戦略的にみて、ここはまず、納得したほうがいいと思うよ」

鳴沢「で、けっきょく誰と誰なの?」

「だから、我々の中の、穏健派と好戦派でやるんだよ」

志尾原「あ、そういう意味ですか」

鳴沢「ホントにオレだけなの? あとみんな、戦(や)りたいの?」

リンダ「いや、オレは……」

アンディ「オレもやだ」

「いや!」

鳴沢「じゃ、もういいよ! 民主主義で、交渉でいこうよ! こんな圧倒的に、ヤだっていう人がいるんだもん!」

田宮「圧倒的、ではないですよ」

スィル「血がたぎってる人が数名、いるんですけど」

「五対三で、なぜか<しきがみおえど>が2人(笑)」

GM「きさまら、どういうつもりだっ!?」

「こちらにはねえ、正当な遺産相続人がいるんですよ、えーと……黒岩氏」

鳴沢「じゃいいや、仲間うちで交渉判定やろう!」

スィル「この場合、[犯罪]は使えませんよね」

GM「仲間を脅迫してどーすんだよ」

スィル「やらなきゃやられるんだゾ、ああ!? コラァ! といって(笑)」

GM「……なーんか殺伐としたチームだよ……」

「ここはね、この先、何が出てくるか分からないことを考えれば、一応、手を組んどいたほうが妥当だと思うよ」

リンダ「オレもそう思うよ」

GM「あ、いいの、そういうスジで?」

「ただね、奴らがどうしても欲しくて、でも必ずしも<しきがみおえど>の軍事機密ともいえないようなもので、かつお金になりそうなモノがあったら……その時はその時(笑)」

スィル「いや、そのときは彼らに借りられるだけ金かりといて、あとで潰すっていうのが」

リンダ「なーんか極悪人集団だなー」

志尾原「とにかく今は、戦うべきではないということで」

田宮「じゃ、そーゆーことで」

スィル「仕方がない、納得してやろう」

「(GMにむかって)とりあえず、こちらには正当な相続人がいてだね……」

一同「うん、うん」

アンディ「それはね、重要だと思うよ」

スィル「ただ、この相続人を消しちゃえばいいっていうハナシもあるよね、向こうとしては」

田宮「なんか、すごい物騒な会話してるんだけど(笑)」

GM「『きさまら何を話しあっているかしらんが、ここは我が研究課課長じきじきの伝言だったんだからな!』と」

スィル「(志尾原に)係長代理! お願いします!」

「係長代理じゃ、ぜんぜんダメじゃん(笑)」

GM「『とにかくここには、大ヒット商品となるであろう企画書が眠っているであろうという憶測が有力なのだっ!』といっているな(変な日本語)」

スィル「希望的観測で人に襲いかかるなよ!」

「それは我々(笑)」

アンディ「『である企画書があるであろう』、なんてもう、ダメだよ(笑)」

「いやとりあえずその企画書が見つかったらね、正当な相続人のほうから、それ相応の価格で引き渡すとして」

鳴沢「でも、社員待遇でその企画を作ってたとしたら、相続云々は関係なくて、そもそも会社のものなんじゃないの」

「あ、そうだね。成功報酬が出るなら……」


GM「さて、キミたちがそうやって話しているとね。ドカドカといって後ろから、『大丈夫ですか皆さん!』といってさっきの……」

一同「やべえーっ!」

「またややこしいことにー!」

スィル「オレ、しーらね!」

GM「……金華帝国の特殊部隊が。黒い装甲服を着た、マングースハーフの人たちだね。屈強な男たちばかり、4,5人。白兵戦のプロだよ」

「少々スタミナにはかけるけど、かなり屈強そうだな」

GM「そいつらが、こう、ライフルを携えてね、来る。『なにっ! あれは<しきがみ>のっ!』といって、全員いっせいにライフルのボルトをおこす」

全員「だーっ!!」

「ちょっとまてぇーっ!」

リンダ「牛さん、とめてくださいっ!」

「とりあえず、すとぉ〜ッぷ!」

GM「なぜですっ!?」

「ライフルは男の武器では……って、そういう問題じゃない(笑)」

田宮「あおってどうする(笑)」

志尾原「ざっ! と手でおさえて、相手の中心に対して、『ひとまず手をくみませんか』と」

リンダ「ちょっとまて、なにをする気だ!」

GM「手をくむとはどういうことだ」

志尾原「ひとまず、企業の企画として正しいものがあれば、それは遺産として相続すべきものじゃないですから……」

鳴沢「だから、<しきがみおえど>のものだったら<しきがみおえど>がとればいいし、金華のものだったら金華がとればいいし、個人的なものだったら、艦長がとればいい。見つけるまでは、共同作戦」

スィル「そして誰にも所属せず、めぼしいものだったら、我々がいただく!」

GM「いまの発言はちょっと……」

「とりあえず、裏拳イッパツで黙らすってカンジだね」

スィル「どげはぁッ!?」

GM「そんなことをいって、この隔壁を開けたとたん、きさまらが銃をつきつけんとも限らんだろう!」

志尾原「わたしはこれでも、<しきがみ>の社員ですから」

鳴沢「オレも」

GM「いろいろと悪評は聞いているぞ!」

一同「(爆笑)」

GM「器物損壊の常習犯だそうだなッ!?」

スィル「まあまあ、人を信用しなきゃ商売なんて成立しないでしょう」

志尾原「人を信用しすぎたら商売になりませんよ」

GM「『わたしだって故郷(くに)に帰れば、大学受験をひかえた2人の娘が待っているんだ! なんとしてでもこの企画書をもちかえって、ぜったい昇進しなければ、わたしの一家はっ……!』(一同笑)
かなり後がない感じだね」

鳴沢「だから、企画書じゃないかもしれないでしょ(笑)」

GM「上司の命令だっ!」

鳴沢「そんなモンくそくらえ、だ」

「でも、ここはどっちにしろ手を組んだほうが。だって、さっきの場所でシリウスジゴクガメが待ってるんだぜ!?」

スィル「……たしかに」

志尾原「でも、しょせんシリウスジゴクガメでしたね(笑)」

リンダ「ふつーは違うんだよ!」

スィル「あなたは別でしょ!」


GM「さて。そういってモメてるとだね。『ズズズズズ』と、床から微かな地響きが伝わってくるんだ」

志尾原「なにか来た!」

「嬉しそうだぞ(笑)」

GM「で、壁にね、『びしびしびしぃっ!』とヒビが入って」

リンダ「はいいい!?」

「てんてんてんてん……」

GM「で、通路の中程の天井が『どぉおおんっ!』と崩れて、『お宝はわたしがいただきよっ!』といっている」

一同「うわああああッ!?」

鳴沢「アイツかーっ!?」

リンダ「『アレ』が来たのかっ!? まさか! ちょっとぉ!」

GM「『さぁっ、散りなさいッ!』といっている」

「ちょっと待て、ホントに散っちゃうって!(笑)」

「やめてえー!」

GM「『なんだ、いったぃい!?』と、黒岩さんはパニックになっている。『いま、おまえ天井をブチ破って……!?』」

「これは止めるしか! ……どうやって(笑)」

リンダ「ちょっとまて、師匠だろ!?」

GM「うん、ギラ軍曹♪」

リンダ「師匠! どーしてわたしに、こんなモン売ったンですかぁーっ!?」

GM「いやぁ、わたしも知らなかったのよ全然」

スィル「ぜってーウソだ」

リンダ「どーやって手に入れたんですか! ウソでしょーっ!」

GM「『とある公式なオークションで手に入れたのよ』といっている」

「盗品オークションか!」

GM「『いや、ホント! これほんと! 一般オークションだったの。ほんとほんと。信じて♪』といっている(笑)」

リンダ「でもそうすると、艦長の言ってることがウソにならんか?」

「いやあ、盗品の足を洗おうとおもえばいくらでもルートがあるやろ。ヘタすりゃ、自分で公式なオークションに出して、自分で落札すればいいだけの話」

GM「いや、そこまでは」

「そこまではしないにしても。そんなこともできるよ、って話で」

リンダ「ところで師匠、いくらで落札したの?」

GM「(そこまでは設定してなかった)さっき幾らで売ったっけ? 650か。(脚本をめくりつつ、決めあぐねて)うーん。まあ、『それはひみつ♪』ってことで」

リンダ「うぉいちょっとまてー! まさかすごい破格で買ったンじゃないだろうな!?」

GM「『ええいっ、お前ら一体なんなんだ!』と黒岩さん。後ろでも特殊部隊の人たちが『やはりここは戦闘かっ!?』といってるし、で、レクシーさんが『もうわたしのために血を流すのはやめてくださいっ!』といいつつ、重手榴弾をかまえている」

「やめて〜!」

リンダ「この女ァ!」

田宮「とりあえず、壁を破壊しよう(混乱してる?)」

スィル「うしろの人たち、スタンバっといてください」

リンダ「でも師匠、どうやってこの小惑星に入ったの?」

GM「それはヒミツね(笑)」

「発信機?」

アンディ「身体しらべろ、まず(笑)」

リンダ「ちょっとまて、なんかついてそうなんだけど!」

GM「いやいや。そんなことしなくてもさ、帝国の駆逐艦の後ろにさ、ファルコンが乗っかってたことがあっただろ。アレと似たようなもんさ(笑)。レーダーにも映らないし」

リンダ「くっついてたんだー!」

スィル「コバンザメのように……」

GM「あるいは、エイリアン・クイーンのように、艦の着陸脚収納場所に入っていたとも考えられる(笑)」

志尾原「たぶん艦の上に座ってたんでしょうね(笑)」

「さすがに、いきなり発進に失敗したときは驚いただろうな(笑)」


 みんな! <スターウォーズ/帝国の逆襲>と、<エイリアン2>を観てみようね! でてくる未来兵器がカッコいいぞ!

(このころスター・ウォーズ三部作特別篇が上映されてたんだろうなあ)


GM「(地図をみせて状況を解説する)」

「ていうか、大問題はね、ギラ軍曹なんだよ(笑)。ヤツさえいなけりゃ、手を組んだりなんなり、何とでもなったのに……うッき〜!」

鳴沢「『わたしのモノよ!』ときたからね、開口一番(笑)」

リンダ「ギラぐんそおー!」

志尾原「最悪、『アレ』さえいなければ、潰しができますからね」

スィル「まず無理だよなあ」

「まず、じゃなくって絶対(笑)。あれより遥かにランクの下がる相手に、素手で<切り札>だして効かなかった苦い経験が……」

GM「ああ、あのカラス仙人ね」


 第4話「壺中天」。シナリオ集「ドクター・ファナティック」(富士見ドラゴンブック)に収録されている。朱鷺田氏作。


鳴沢「そのときオレ、いたっけ」

GM「いたよ。メイレイリイ公女がでてきたら、キミが『かかえて、さらうー!』とか言ってたじゃん(笑)」

鳴沢「言ったっけ(笑)」

GM「いったよ。公女が外見6才だって言ったとたんに」

スィル「さらって育てる気ですか(笑)」

鳴沢「いや、育っちゃ面白くないんだよー」

一同「………………」

リンダ「空気が凍ったぞ、いまー!」

「清水クンと上手い具合に住みわけしてくれよ(笑)」

GM「なに!?(怒)」

「いやいや(笑)」

リンダ「さて。もう、もう! どうしようもない(笑)」

「どうすりゃいいんだー!」

リンダ「もうどうしようもないわー! 半分泣いてるよ」

「みんな、とりあえず、落ち着く! 落ち着くんだ!(笑) 戦略的には……逃げる」

GM「逃げてどうする(笑)」

「あるいは、ギラ軍曹につくのが一番かしこい。少なくとも、それは、ぜったい死なない!」

GM「そういうキミの後ろに、冷たい銃口が押しあてられてるのに気づくね。
『わたしを見捨てて逃げる気ですか!?』」

「いや、別に見捨てはしないよ。あなたの生命を守るという条件なら、わたしは最大限……」

GM「『でもお父さまの遺品はッ!?』といっている」

「それはね、……………。(一同笑)」

鳴沢「この人、理屈つうじないからね(笑)」

リンダ「あなたがギラ軍曹を説得できれば」

スィル「いや、理屈いうより、あなたがギラ軍曹と戦ったほうが早いッス」

「ギラ軍曹に勝てる可能性はね……ジャンケンくらいかな(笑)」

スィル「これでつぶれてくれれば、それこそ、うるさいのがいなくなる」

志尾原「すとっぷ! ただ、ギラとそれが戦えばこの辺一帯火の海になるから、全員それは死ぬっ!」

スィル「いや、我々が撤退したあとで」

GM「『ええいっ、何をガチャガチャやってるの!』といって、(ギラ軍曹が)手になんか、ブーン! と光を集めている」

リンダ「ヤバイよちょっとォー!(絶叫)」





<予告>
 はたして一同の運命は!? 幸せにもギラ軍曹ちゃんに殺られちゃうのだろうかっ!? この複数当事者が入り乱れる、まるで司法試験の民法のごとき複雑な事例を、リンダたちはどう解決するのだろうか!?

 次章! すべてのこたえを、君は目撃する!!


リンダ「と、とりあえず。続き読んでください……(T_T)」


表紙へパラパラ♪


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