極楽艦隊RPG遊戯議事録

 第8話<鉄血少女の憂鬱>

第1章 悪魔はふたたび(後半)

GM「君たちも当然、かけつけるよね。そうすると、汚くてせまい通路の暗がりで、ゴソゴソと60センチほどの甲殻類が蠢いているのがみえる。
『しっ、しまった! 掃除をおこたってたから、ムシがわいたわっ!!(一同笑)』」

リンダ「マジかいっ!?」

アンディ「ムシときたよ(笑)」

鳴沢「虫、三つ書くほうのムシでしょ(笑)」

GM「銀色に光ってて、こう、わしゃわしゃと脚がいっぱい動いてる……」

「ダンゴムシ!」

志尾原「宇宙ゾウリムシ!(ワラジムシといいたいらしい)」

スィル「宇宙フナムシ!」

GM「……宇宙フナムシという名称にひかれるものがあるな(笑)。船の中にいて、血をすうのはフナムシでしょう、やっぱり。放射能で巨大化するのさ♪」

志尾原「なにーっ、まさかーっ!」

「いやあああっ!」


 このネタを知りたい人は、『ゴジラ(1984年版)』を観てみよう!


GM「さて、そのショッキラスならぬメタル・ビートルなんだけど。あ、でも、ツノがあるなこいつ。そいつらは、がさごそと君らの方へと向かってくる……」

リンダ「師匠っ、なんとかしてくださいっ!」

GM「ここは一つ、あなたたちの腕をみせてもらうわ」

 NPCを活躍させても仕方ないもんな(笑)。

田宮「ライフルを撃ちます」

GM「ライフルはいいけど、このせまい通路じゃ対戦車ライフルは撃てないよ(創作ルール)。じゃ、イニシアチブをとろうか……なにでとるんだったっけ(笑)」

鳴沢「DEXでしょ、たしか」

GM「[戦術]技能があれば使えるよ」


 牛さんがだしたのは2! 本気らしい。ここでは名刺シューターしか撃てないが、志尾原くんも2。マスターを基準座標に、右回りで処理することにした。怪物も2である。


GM「A、B、Cと3匹いるんだけど」

「とりあえずA!」

スィル「フナムシってゴキブリ同然ですよね。手で潰すんスか、それ!」

「関係ない。敵だもん!」

GM「けだし名言……」

スィル「あとで手あらってくださいよ!」

GM「距離が3メートルぐらい離れてるから、ほんとは走り寄ってから殴る、という<複数行動>になるんだけど、まあ面倒だからいいか」



 まず、[運動(STR)]で走るメートル分の数字のカードを出す。この場合は「殴る」ので、[戦闘(STR)]の残りの出せる枚数ぶんだけ、牛さんは攻撃に割りふれる。

<走りよって殴る>は、<複数行動>と違い、絵札を1枚すてる必要はない。7話ではGMは間違った解説をつけており、ここでも勘違いしていたようだ。

なお、<複数行動>規則は、エアカーを片手で運転しながら敵を射撃する、何人かの敵を1ターンで射撃する、などの場合につかわれる規則である。最初に<複数行動>宣言し、まず絵札を1枚すててから判定をおこなう。

それにしても、カードをそれぞれの行動にそれぞれの技能値以内の枚数で割りふるという面倒なルールである。今回は、牛さんにとっては至近距離であろうから、省略したまで(笑)。



「2だ」

GM「こっちはクイーン(しかない)……当たってるな。ダメージは5? 一撃で、ぐしゃッ! と。緑色の血がべたー、脚がぴくぴくと動いている」

志尾原「けっきょく名刺シューターしか撃てないんですよね」


 <切り札>ではなく通常射撃だった。ダメージは3、甲殻に弾かれ、軽微な負傷におわった。


GM「じゃ、フナムシの攻撃(サイコロをふって目標をきめる)……スィルさん。異常な敏捷性で、きしぇっ! といって飛びかかってくる。回避して。STRかDEXでね」

スィル「うわあっ、とぶなあっ!」


 不幸にして、スィルくんは回避しきれなかった。


GM「巨大フナムシが、どさーっと」

スィル「うわーっ! うわーっ! うわーっ!」

GM「あ、こいつツノがあるから、ぐさーッ! だ」

スィル「ぐわーっ!」

GM「ダメージは6(携帯レーザー砲なみ。冷酷)」

「ぶーッ! いきなりかい!」


 軍用ジャケットで1点とめて、ダメージは5点。でかい。


GM「けっこう首もとにどッすり刺さってるなー、ってカンジ?」

スィル「まだいるんですよね、そーいや」

GM「フナムシCか、……牛さんにとびかかったな」

「しゅんッ! 神速の回避!」


 スィルは首もとにかじりついている巨大フナムシを超電磁ブレードで攻撃するが、近すぎて? 当たらない。


田宮「じゃ、かじりついてるやつを、食らえーってかんじで、ライフルで」

スィル「やめてくれーっ! 誤射で当たりそうだ!」

GM「判定値マイナス2で撃ってくれるかな(近くにあるものに当てないようにするため、制限をつけたのだ)」


 そして。


リンダ「どうなった!」

田宮「外しました(あっさり)」

GM「(<運だめし>の)絵札はだせない? じゃ、さっきマイナス2してたけど……当たった方が面白いから、流れ弾でダメージ4ね(鬼)」

スィル「うわーっ!」

リンダ「もう血みどろだ」

GM「けっこう今、ビジュアルイメージが浮かんだ(笑)」

スィル「たのむっ、近接兵器で攻撃してくれっ!」

「近接兵器。外れたらどうなるんだろう?(にやり)」

スィル「それ(牛に殴られるのは)はいやっ!」

GM「志尾原くんのライフルで撃つってのはどうかな?」

スィル「いやーっ! いやーっ!」

「喉を貫通して敵が吹き飛ぶんじゃん(笑)」

「きゃーっ」

志尾原「喉貫通どころか、アタマなくなりますよ(笑)」

アンディ「でもねえ。やっぱ当てた方がいいけど(鬼)」

スィル「あの、まだ無傷なヤツがいるんスから、そっち片付けて下さいよ! それこそコレは、俺が責任もって何とかしますから」

「じゃ、みんな何もしないでおこう(笑)」

アンディ「わかった! そういうことにしよう(笑)」

GM「新人ルーキーさんはいじめられるのねえ……(しみじみ)」

スィル「超電磁ブレードが当たればなんとかなります!」

「キミもう、4枚までしか出せないんだよ。切り札だせないし、しかも次、フナムシの行動のほうが早いよ!」

GM「大量の出血で、そろそろ意識が遠くなってきたかな」

リンダ「川のむこうに、死んだおじいちゃんが(笑)」

鳴沢「あ、もしもし? OX葬儀店ですか? 葬儀のお願いが……(笑)」

スィル「嗚呼、むかし流させた子供が、泣かせた女がみえる」

アンディ「ヤだ!」

鳴沢「……はい、はい……じゃ、3時間後にうかがいますんで、よろしくお願いしまーす(さわやか)」

田宮「ここで、死にかかってる彼にむかって、どの葬儀がいいですか、と商談を始める(笑)」

GM「宇宙傭兵はやっぱ宇宙葬だよ。『やっぱり軌道上に射出でしょう』とギラ軍曹も言っている」

リンダ「相変わらず他人ごとですね……」

スィル「言ってるヒマあったら、俺に当てないで助けてくれえ……」

GM「自爆装置もついてた方がいいわね(<星界の紋章>ネタ)」

「それは美しい。流したあとで、みんなで涙して、パァア……奇麗だ、絵的に(笑)」

GM「(けっこう非道な奴ら……)」

アンディ「ねえ、斬りにいっていい? 余ってるほう」


 アンディの光学剣の一撃で、フナムシは真っ二つに。


GM「おお、グライディング・ラムだ(ポーズをとる)」

「その突きはやめろ(笑)」

「首に刺さってるのは、抜いたら血がでちゃうか」

志尾原「対戦車ライフルなら」

スィル「お願い、やめて!」

「引っこ抜きます! ………やめた方がいいかな……」

GM「せっかく血を吸ってるのに、とフナムシも抵抗するから、STRで対抗判定ね」
「せーの……」



 成功した。


GM「じゃあ、『ずぼっ、ぶしゅーっ!』天井まで血が」

スィル「ぎゃあああああ」

GM「『あんたたち、ムチャクチャするわねえ……』ギラ軍曹もあきれてるぞ」

「だから、次のターンに治療してやるから、一応」

GM「じゃ、次はリンダさんね」

リンダ「え、でもなんか彼が頑張るっていってるし」

GM「(おい、ここでそのハンマーを使ってもらわにゃ困るんだよ)え、でもフナムシは床に落ちたんだよ。で、ガサガサ動いてる。さあ、今こそ、その、フィリアニック・ハンマーの威力をっっ!」

鳴沢「ふぃりあにっく・はんまあ?(笑) ころしてやるころしてやるころしてやる……(笑)」

リンダ「ころしてやるーっ! 13のペア」

GM「こっちは2だから、当たってるなあ……と言いたいところなんだが」

リンダ「なにっ!」

GM「ビームの刃がヴンってちょっと出たかと思うと、ふっ、と消えちゃって、おまけに柄のところからボロリともげちゃうんだな。
『あっ!? これは欠陥品ッ!?(一同笑)』」

リンダ「うおおおっ、師匠! どういうことっスかああ!」

GM「こんなところに<隠れたる瑕疵>がッ!」

リンダ「師匠おおお!」

GM「『でもこれ、中古だしぃ! やっぱ<特定物>で引き渡し終わってるし! 売り主には責任ないわね! これがいわゆる<危険負担における債権者主義>ってヤツね!』といって、ドカンドカン! と船の扉をぶち破って逃げていく(笑)
『お金はもらったからねー!』」

リンダ「『待ってくださいーっ!』ギラ軍曹追います!」

GM「追う? なんか衝撃波でてるんだけど(笑)。いや、走行速度は(キャラシートをみて)時速630キロか。ガラスくらい割れるな。ケムール人も真っ青だ(笑)」

「たしかに、スピードだけみれば……スケールスピードが、スケールがぜんぜん違うのに……(呆)」

リンダ「師匠ぉおお……」

田宮「ところでフナムシは」

GM「ああ、床にいるんだよね。いまリンダさんがポコンって叩いたから、リンダさんを攻撃しようとしてる」

リンダ「ころしてやるぅー!」

鳴沢「せっかくだから電磁ライフルで倒してみるか。これも壊れたりしてね(笑)」

「それが一番こわい(笑)」


 が、射撃は外れた。船の床に大穴があき、火花がバチバチ!

フナムシはリンダに飛びかかるが、彼女は『カウンター攻撃』で3レベル<大成功>をだした!(リンダ「ころしてやるー!」)
むろん、フナムシは粉砕された。ホントはビーム部のない、柄だけのハンマーで殴るってのも変だが、言ってしまったので。そして最後に趙さんがスィルを治療して……。


GM「さて。戦いは終わった」

リンダ「いや、まだ終わってないぞおおお! Gはどこいったんだああ!(泣)」

GM「宇宙港の管制室から放送が。『現在、所属不明の飛行物体が急速に星系を離脱中!』」

リンダ「なにいっ!? うおおおお!」

スィル「彼女か(笑)」

GM「『奇妙だ、金属反応がないぞ!(一同爆笑)』」

「生身で逃げたのか、あいつは!」

スィル「戦艦なみだ」

「……ということは、倉庫に残ってる武器はぜんぶ置き去り、と……」

GM「オイ、オイ。それは犯罪だぞ」

スィル「牛さん、あとが怖いです。やめましょう(笑)」





<予告>
いよいよ登場! 万年躁状態の軍事オタク娘、レクシーが!!
そして始まる大冒険!!

 つづきへいそげ!



清水「つづき、第2章 はここから。意外とこのファイル長くて、分割面倒だったなー。ったくよォ」


清水「パラフリ議事録の一覧へはここから」


清水「表紙へ? ふううん……」