著者:吉岡平 出版:富士見ファンタジア文庫 感想: 気楽によめるC調スペースオペラ。重厚なSFに疲れたら、対比として、こうした作品を読むのも良いものである。 一見、うだつのあがらないサラリーマンのようにみえるジャスティ・ウエキ・タイラーは、お世辞がうまいお調子もの。しかし彼は、これでも惑星連合軍の軍人なのであった!! タイラーは奇抜な戦略と、強運とで、とんとん拍子に出世街道をかけぬけていく。だが、敵・ラアルゴン帝国にも強力な武将がいて……。 有名な「宇宙一の無責任男シリーズ」。たしか全9巻で、現在はタイラーの孫の代までお話が進んでいたと思う。 さほど文章がスカスカでない、この最初の全9巻が清水は好き。 とにかく、気楽によめて面白い。登場人物の個性の強さとか、物語り展開の巧みさは、さすが日本アニメに浸ってきたこの作者だけのことはある。 アニメ的な誇張はあるかもしれないが、本作のようなキャラ演出は、創作において、おおいに参考になる。 アニメ化もされたし、OVAも幾つもでた作品。タイラーのお気楽ぶりも際立っているが、ラアルゴン帝国のアザリン王女が、りりしくて可愛い。某同人誌での、ラフィール殿下とアザリンとの対決が記憶に新しいところである。 随所に、黄金期の東宝特撮などのパロディがみられる。また、光子魚雷などの設定が使われているので、前提として<スター・トレック>を知っていると、より笑えるかも(?)。 |
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