著者:ウォルター・ジョン・ウィリアムズ 出版:早川書房 感想: サイボーグ戦士たちの活躍を描いた作品。サイバーパンクではあるが、難解ではなく、すんなり楽しめる。また、未来の戦車や戦闘機の、兵器としての描写が素晴らしい。 <軌道コンツェルン>が隕石爆弾を投下した戦争後の荒廃したアメリカが舞台。サイボーグである運び屋たちが、神経を直接(!)、装甲エアカー<パンツァー>や戦闘機<デルタ>に接続し、政府軍や軌道コンツェルンに戦いを挑む! いわゆるサイバーパンクという分野の作品で、主人公たちは電脳世界をも自在にかけめぐる。コンピュータ・ネットの世界に、情報としてのみ生きる人間すら登場する。 主人公はかつて名うての戦闘機乗りだった男<カウボーイ>。戦闘機に寄せる彼の愛情が胸をうつ。女主人公の方は、格闘技にたけたサイボーグで、H&Kの機関拳銃をふりまわして大活躍する。すこし清水パラフリのリンダっぽい(笑)。 サイバーパンクというと難解な印象があるが、本作は安心してよめる。よく出来たハリウッド映画に似た爽快感がある作品。 パンツァーの30ミリ機関砲だの、発進場面の濃厚な描写など、兵器愛好家も大満足の逸品である(^^)。 |
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