銀河おさわがせ中隊
 
 著者:ロバート・アスプリン
 出版:早川書房
 感想:
 宇宙軍中尉のフール君は、戦闘停止命令をしらず、平和調印式会場に機銃掃射をブチこむという大ポカをやらかしてしまう。かれは更迭され、辺境惑星のオチコボレ集団「オメガ中隊」の指揮官に任ぜられてしまうのだった。
 しかし彼は熱い性格であり、なおかつ、銀河最大の兵器会社の御曹司なのだ。金に糸目をつけないフールとオメガ中隊の活躍が、いま始まる!

 コミカルで、気楽によめる宇宙もの。人によっては、痛快スペースオペラとかいうんだろう、きっと。

 本作には、壮大なSF設定とか奇抜な世界観とか、清水好みなそういう要素はない。わりとオーソドックスな宇宙を舞台にした、スペースオペラ(宇宙冒険もの)といえるとおもう。
 しかし、登場人物が皆ユニークなので、すいすい読ませる。暇なときに、電車の中などで読むのに最適な一冊だ。

 やはり、異星人は、スペースオペラの魅力のひとつだろう。本作では、パラフリRPGっぽい異星人の兵士がいて、ニヤリとさせられる。それだけで読んでも面白いと思う。とくに、清水パラフリにでてくる牛 孟闘にそっくりな軍人がいるんですよ!(笑)

 人気があるようで、<銀河おさわがせパラダイス>をはじめとして、幾つかの続編も出ている。

 なお、この作者がかいているユーモアファンタジー<お師匠さまは魔物!(マジカルランド・シリーズ)>も、気楽によめて楽しい。

 
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2002.8.