ギャラクシーファイト!
電脳遊戯<ギャラクシーファイト>(1995年、SNK・サンソフト)より、清水のお気に入り人物をふたり描いた。左がルーミ、右がギュンター。96年ごろつくったラミカをとりこみ、背景をつけてみた。
ギャラクシーファイトは、傑作スペースオペラ格闘遊戯である。現在はプレイステーションやセガサターンで遊べるとおもう。○○○○などが似たりよったりの人間キャラだけのゲームばかりだしているなかで、これほどスペースオペラらしい世界観をあじわえるゲームはほかにはない。このふたりのほかにも、ロボコップ2のような戦闘ロボ、若き銀河考古学者、宇宙忍び、魔法王国の王子、女宇宙盗賊などが登場する。また、緻密にかきこまれた背景や、速度感にあふれる激しい音楽が、SF感覚を強烈に増幅してくれる。
機構的には、無限ループの戦場と、ダッシュ攻撃重視というのが独創的。果てしない戦場を戦士たちが高速で走りぬけるさまは爽快である。対コンピュータ戦ではこれは味わえない、友人などとの対戦を強くお勧めする。ギャラクシーファイトの神髄は、高速での対人戦にあるのだ! ダッシュ攻撃は通常の1.5倍(!)の破壊力をもち、対人戦ではきわめて重要である。ガードしている相手からでも激しく体力を奪うことができる。強力な攻撃をあてると、相手が空中でスピンしながら、10メートル以上も激しく吹っ飛ぶ。こういう演出が派手で楽しい。相手をふっとばすと自分のキャラが自動でダッシュ追撃にうつるあたり、ダッシュ攻撃を使ってほしいという制作者の意図がかいまみえるようである。
ギュンターは重量級の戦士である。部族長の娘が妻で、子供もいる。修行にふけるあまり、結婚生活は破綻しているという。
動作は鈍いが、破壊力はすさまじい。突進時も地響きが聞こえるような激しい4足走行である。必殺技のひとつ、火焔放射「ブル・ブレス」が、とても怪獣らしくてカッコイイ。とくに削り能力が高く、ダッシュ攻撃から相手のおきあがりに重ねると効果絶大。挑発も、ヘビのような舌をみせたりして、生物感にあふれている。頭のかたちがギャオスそっくりなのも、よい。ただの爬虫人類ではなく、全身が甲殻におおわれているというのも独創的な意匠である。
ギュンターの戦場は、部族の聖地たる古代遺跡のそばに広がる湿地帯。水面に映りこむ異星の青空や、戦いで跳ねあがる水飛沫がとても美しい。
ルーミは、アイドルをめざして故郷の星をとびだした少女。格闘ゲームでは珍しい長髪の人物である。この長い髪が、ゆたかな胸とあいまって、戦いのなかで多彩な表情をみせてくれる。開発陣の熱意が、彼女の髪と胸からあふれだしているかのようだ。特筆すべきは、人間とは異なる関節構造をもった脚である。いわゆる獣脚を商業作品でみられるとは思わなかった。このSFらしさへのこだわりが嬉しいではないか!
ルーミの戦場は、密林の惑星である。背景にさまざまな動物がいておもしろい。動物の幼体が親の腹から顔を出すなど、細かい描写がされている。うしろで応援している妹のルートちゃんも必見である。
ギャラクシーファイトよ永遠なれ!!
2000.11.4.MS. 掲載