サイバードラゴン各機体諸元

  [サイバードラグーン第49回/各参加竜の諸元に関する報告]

 銀河暦7644年に開催された第49回大会の出場機体の情報を掲載する。最初のうちは、これらの機体で遊戯するとよいだろう(現在では量産型が実戦配備されている)。
 注1:略号について
   <機体の性質−参加者名略称−同系列機体上での開発順序>を意味する。
<主な分類名>
レ/訓練竜主戦/汎用戦闘竜
軽戦/軽戦闘竜重戦/重戦闘竜
闘戦/近接戦闘竜戦攻/戦闘攻撃竜
テ/偵察竜ト/特殊竜
参加者名略称例:AL/アルバート重工、MI/ミルオーガン・メカニクス社、GF/公国陸軍、SF/公国宇宙軍、P/個人参加

 注2:レーザー機銃について
 攻撃機などの対空レーザー機銃と同じ性質の機関砲が、全機に固定兵装として標準装備されている。しかし、火力はに統一されているので、各機体の諸元には表記しない。




 零号機:類別/レ−FN−1:<トレイナー>
 体高:21m 全長:40m 機体重量:46トン
陸/空/水中機動力2/2/1
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力3/13+KO/8
耐久値
装甲値15
竜紋値/類別20/電磁
兵装火力主砲10
短射程ミサイル10*2基
兵装類別主砲/MI社M−71レーザー発振機
備考フレア*4
(本機の性能は、通常規則より低めに設定されている)
ドラグーン
  開発経緯等:現用の<第5世代型サイバードラゴン>の原型となった試作機をもとにした機体である。打撃力、耐久値や装甲値は、最新のサイバードラゴンに比べると見劣りするが、これも試作機ゆえのことである。7620年に第5世代型サイバードラゴン試作初号機XD−1が完成、本機はその最終型を基礎として開発された。主反応炉から脚部など外部駆動系への動力伝達の均衡、陸戦時での兵装照準能力の安定性、陸戦から空戦への機構転換、そして何より、操縦士にとっての操縦の容易さという人間−工学系における開発目標がXD−9において達成されたことにより試作段階は終了し、電装巨竜(サイバードラゴン)は実用段階に入った。本機はそのXD−9を初心操縦士の訓練用に、操縦系統を簡略化して操作性をさらに向上させたものである。訓練用であるため、もちろん実戦使用はひかえた方が賢明。開発はファーグニル重工が行った。5億ガメル程度で一般向けにも市販されてはいるが、知性核が一般の輸送機器類のそれと互換性がなく、また一般の攻撃機などと比べて維持費が膨大な割に戦闘能力が低いため、一部の好事家を除いては売れていない。
  操縦士への助言:本機はあくまでも訓練用ではあるものの、全ての電装巨竜に通じる操縦系統をもつので、真摯な態度で訓練をつめば上達は早いであろう。


鷹龍
 1号機:類別/主戦−AL−12:<鷹龍>(おうりょう)
 体高:28m 全長:60m 機体重量:120トン
陸/空/水中機動力4/4/2
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力20/30+KO/25
耐久値12
装甲値60
竜紋値/類別40/電磁
火力主砲10
短射程ミサイル10*4基
兵装類別主砲/電磁波誘導式プラズマ砲。<企業>製の実験兵器で、八型特殊砲と分類される。高電圧荷電粒子弾を発射。<特殊:ハート1>透過プラズマ砲
備考フレア*4
ドラグーンレステ=ガリ
  開発経緯等:本大会の老舗であるアルバート重工が出資、製作を行った主戦闘電装巨竜の第12型。第1回試験運用は約2年前に、惑星ロア・ギブリにて行われた。従来からの方針である汎用性を更に追求し、いかなる戦況にも対応できる機体性能となっている。特筆すべきは、主砲の第二射撃法である<交差発生式透過プラズマ砲>で、プラズマ弾を高精度で誘導、目標を破壊することが可能となっている。但しこの射撃法だと、発射準備に目下のところ約10秒を要するのが難点。がしかし、電離弾は中規模の建築物程度なら透過させられるという点は、本機の強みのひとつとなっている。その際の照準方式は主に熱源感知によるようだが、詳細は不明。操縦士であるガリ氏は、金華帝国内で有名な恐竜ハーフの傭兵であり、寡黙で勤勉な人柄でよく知られている。
  操縦士への助言:機体性能が汎用性に富むということは、あらゆる種類の敵竜に対応が可能であるという反面、際立った特長がないという欠点でもある。例えば、近接格闘系の機体に対しては砲撃戦で、砲戦系の機体に対しては近接戦を挑むというように、相手の戦術を見極めた上で、しっかりと対策を講じないと優位には立てないだろう。相手の戦術が不明な場合は、どんな戦術にも対応できるよう、目視範囲内での、いわゆる中距離戦闘が最良であるものと思われる。


 2号機:類別/軽戦−MI−3:<ブルーサンダー>
 体高:11m 全長:55m 機体重量:40トン
陸/空/水中機動力8/6/3
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力60/20+KO/15
耐久値
装甲値20
竜紋値/類別20/電磁
火力主砲20
短射程ミサイル10*6基
兵装類別主砲/<企業>製27式対艦メーザー発振機
<特殊:ハート2>両前脚打撃兵器/高周波振動式流体金属刃
備考チャフ*4
ドラグーンモク=ロビン
  開発経緯等:今回、初参加のミルオーガン・メカニクス社の意欲作といえる新鋭機体。開発は4年ほど前から行われていたようである。機動性に主眼をおき、防御力や装甲は切り捨てるという大胆な開発方針に基づいて製作された本機は、陸戦においては全電装巨竜中、最高の機動性能を示している。
 さらにその戦術も特徴的であり、白兵戦を旨としている。具体的には高機動性を生かして敵竜に接近し、両前脚に装備された長大な刃状の爪により、敵に斬撃を加えるのである。その破壊力はほとんどの電装巨竜を一刀両断できるとのことで、間違いなく全機種中、最高の近接戦破壊力を示しているといえよう。一説によれば、古代遺跡から発掘された<高周波振動刃>の機構を応用しているとのことだが、事実とすれば明らかに大会規約に抵触する違反行為である。
 なお、操縦士のモク氏は、金華帝国の鳥類ハーフの血を引く現職の公国軍兵士である。一撃で完全破壊されかねない本機の操縦士にすすんで志願したというあたり、なかなかの気骨を有していそうだ。
  操縦士への助言:竜紋の出力が低く、装甲にいたっては攻撃機なみである本機で、巡洋艦級の光学弾が飛びかう戦場にのぞむわけだから、当然、慎重さと大胆さとが要求される。敵の攻撃は一発も被弾しない覚悟で、一気に近接距離まで飛び込み、一撃必殺の斬撃を見舞うべきである。この際、敵竜に<防御>を許してしまうような中途半端な攻撃は禁物。
また、相手が目視距離内での交戦において転倒した場合、<ホバーアタック>を行うのも良いだろう。が、あくまでも基本は、『初撃に全てを賭け、敵を斬る!』ことである。


 3号機:類別/重戦−P−3:<サイカニア>
 体高:15m 全長:50m 機体重量:175トン
陸/空/水中機動力2/2/1
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力30/40+KO/35
耐久値16
装甲値80
竜紋値/類別40/電磁
火力主砲20
短射程ミサイル10*2基
兵装類別主砲/対艦高速中性子砲。製作は不明。<特殊:クローバーA>地裂昇竜弾
備考チャフ*4
ドラグーンシル=ユグソート
  開発経緯など:重装甲、高打撃力を目ざして開発されたらしい電装巨竜。機動力は非常に低くなっているが、防御力は高い。また、近接戦・砲撃戦ともに打撃力はかなり高い水準に達している。開発経緯については、個人参加(!)であり、シル氏についても経歴が不明であることから詳細は不明。今回で6回目の参加であり、かなり人気のある操縦士なのだが、情報量はなぜか少ない。傭兵ギルドと関連性があるとのうわさもある。
 兵装については、主砲の機構変換で使用される<地裂昇竜弾>が興味ぶかい。標的直下の地中にプラズマを交差発生させて炸裂させるというもので、土砂による運動エネルギーダメージを与えるため、サイバードラゴンの疑似竜紋は無効化されてしまう。委員会により、発射準備に約10秒を要するという負荷を課せられたことからも、その破壊力は伺われよう。また、近接戦では、強化インファリウム核をもつという尾端有刺破壊球が存分にその威力を発揮する。
  操縦士への助言:近接・砲撃戦のどちらでも対応可能な、ある意味で均衡のとれた性能をもつ。主戦系の敵竜には思い切って近接戦を挑むのもよいし、近接格闘系の敵竜に対しては、竜紋と砲撃を駆使した戦術をとればよいだろう。機動力が低いので、近接戦を挑む場合は、相手が転倒した隙を有効活用するとよい。
 また、本機の<ゼタ・オーバードライヴ>は、今大会の全参加機体中、最大の破壊力を誇る。近接戦においては機動力の低さが欠点となる本機は、状況によってはこの攻撃を仕掛けざるを得ない状況も生ずる可能性があろう。


 4号機:類別/戦攻−AE−7:<ジャカレイ>
 体高:22m 全長:68m 機体重量:150トン
陸/空/水中機動力3/3/1
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力2/12+KO/7+KO
耐久値14
装甲値65(ランチャー増設により装甲−5。処理済み)
竜紋値/類別なし
火力主砲8
短射程ミサイル10*7基
長射程ミサイル20*3基
対艦ミサイル30*1基
兵装類別主砲/AG社製艦載メーザー砲(ハンタードッグ駆逐艦級)
<特殊:スペードA>ランチャー増設、多弾頭ミサイル、電磁ミサイル、帯電牙(噛みつきダメージ+KO)
備考チャフ*4
ドラグーンラヴィ=エリック
  開発経緯など:出資、開発を行ったのは航空宇宙機関連で有名なアエロガゾート社。本大会で7回目の出場となる。同社は毎回、砲撃戦に主眼をおいた機体を発表しており、今回はミサイルを主兵装とした電装巨竜となっている。頸部にはフェイズドアレイ・レーダーを装備し、ミサイルの命中精度を高くしている。電子機器も高性能で、電子戦において高い防御力を示すものと考えられている。また、各ミサイルは複数の子弾に分離させることが可能となっており、まさに動くミサイル砲台であるといえる。
 装甲も厚く、その意味では重戦系ともいえるのだが、竜紋発生機がミサイル発射機やレーダーによる重量超過のため削除されたという点で、本機の評価は低いようである。こうした欠点を補うためか、本機のミサイルは多弾頭型・プラズマ弾頭型を選択可能となっており、敵竜の操縦士にとっては大きな脅威となっている。  さらに、近接戦では、帯電ミサイル用の予備電流を顎部に通電することにより、帯電牙打撃を加えることが可能である。
 なお、操縦士のエリック氏は、航空・宇宙戦を得意としていた元宇宙傭兵であり、現在はアエロガゾート社の試験機操縦員であるとのこと。
  操縦士への助言:ミサイル関連の設備に重量をとられすぎ、四肢駆動系の出力は非常に低くなってしまった。ために、本機の近接戦破壊力は参加機体ちゅう最低の部類に属しており、近接戦は可能な限り避けるべきである。また、ミサイルを撃ちつくしてしまうと、格段に戦闘能力が下がるのも難点。主砲を活用し、ミサイルは使いどころを選んで発射すべきである。基本的に、相手を帯電弾で失神させ、相手が復旧作業を行っている間に照準を綿密に行い、ミサイルの命中精度を少しでも上げて一撃必殺を狙うという戦術が主となろう。なお、ミサイルは近接戦では使用不能なため、相手が格闘系の機体である場合、とくに使いどころが肝心となる。総じて本機は玄人向けの機体といえる。


 5号機:類別/ト−P−1:<ヴェータラ>
 体高:18m 全長:39m 機体重量:87トン
陸/空/水中機動力6/2/1
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力10/20+KO/15
耐久値
装甲値40
竜紋値/類別25/電磁
火力主砲5
短射程ミサイル10*2基
兵装類別主砲/メーザー
<特殊:クローバー2>濃縮酸榴弾砲(主砲特殊射法)
備考フレア*4。再生能力を有す。機動判定値1点または竜紋値を10点消費するごとに装甲値10点回復(特殊:クローバー2)
ドラグーンナットヘッド
  開発経緯等:今回初参加のクラッキング専門傭兵、ナットヘッド氏製作による機体。おそらく、何らかの人脈を利用して非公式に製作したものと思われ、開発経緯はほとんど不明となっている。噂によれば、公国軍で開発中だった実験機を盗み、その骨格、装備一式に手を加えたものであるともいう。
 独特の衣装感覚をもつナットヘッド氏にふさわしく、機体も群を抜いて異彩を放っており、性能も独特。すぐれた陸上機動力に比して、空中機動力が不自然に低いというのもその一つだが、何より再生能力をもつというのがすさまじい。あらかじめ各部品に小型知性核を装備しておき、指令を送るのだろうが、一度飛散した部品類がひとりでに動き、再び機体の一部となるその様は、この世のものとも思われないという。もっとも、さすがに再生後は、機動力などが低下するらしい。また、陸上移動手段は多数の動力駆動管によっており、滑るような動きを見せる。近接戦においては、これで敵を締めあげるなど独特な戦術をとる。
 最後に、主砲について。これは今大会の参加機体中、唯一の榴弾、それも濃縮酸榴弾を使用している(通常射撃時は標準的なメーザー砲)。これを被弾すると、大気による酸の変性がおこるまでの約100秒もの間、装甲が腐食し続けてしまうという個性的な兵器である。
  操縦士への助言:他の機体には真似のできない特殊能力の数々で敵を幻惑すれば、それだけで『勝った』といえるだろう(?)。機動力の高さから考えて、陸上での近接戦を挑むのも悪くはない。ただし、欺瞞弾を装備していないので、ミサイルには注意が必要である。装甲はそう厚くはないので、敵竜の攻撃は積極的に回避すること。


 6号機:類別/主戦−GF−2:<リンドブルム改>
 体高:30m 全長:41m 機体重量:95トン
陸/空/水中機動力5/5/3
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力5/15+KO/10
耐久値10
装甲値50
竜紋値/類別20/電磁
火力主砲15
<特殊:ダイヤ2>超音波レザー砲(2回攻撃)、光学砲全門斉射35
短射程ミサイル10*2基
長射程ミサイル20*1基
対艦ミサイル30*1基
兵装類別主砲/MI社製36式対艦レーザー発振機
両前脚/<企業>製超音波切削砲
備考フレア*4
ドラグーングルカ・ホワイトムーン
 開発経緯等:公国陸軍の野戦砲特科部隊装備開発班が主導し、公国軍が製作した光学兵器主体の機体。この系列の機体としては、2機目であるが、軍内部でXD系列として分類されているものも入れると、さらに系列機体数は増えるそうである。防御竜紋の出力を押さえた分、各兵装には強力なものが揃っている。まず、両腕に装備された超音波レザー砲であるが、これはふつうの竜紋では防御できないという優れた特性をもつ。2門あり、同時に2回の砲撃が可能となっている。照準に10秒を要するのが難点だが、敵竜が転倒したさいなどに照準をしておけば、うまく戦いに組みこめるだろう。
 さらに、公国軍の<ヘリオン級戦艦>主砲なみの火力をもつという<全門斉射>について。これは文字通り、全光学兵器を一斉発射するというもので、発射後30秒は過熱のために全火器が使用できなくなるという欠点をもつが、まさしくこの機体の必殺兵器といえる強力な攻撃である。また、どういうわけか対艦ミサイルを装備しているのも面白い。強力で、反面バクチ的な兵器を装備するというこの機体の傾向は、開発者の趣味によるのだろうか。
 機体そのものの特性としては、腰部に電磁浮揚式関節を採用しているため、上半身を下半身と完全に別方向に指向させることが可能となっており、近接戦においては、戦術の幅が広がるものと思われる。
 操縦士のグルカ氏については詳細は不明。軍の特殊部隊所属との噂もある。出身は金華帝国らしい。
  操縦士への助言:近接戦の破壊力は、ジャカレイに次いで低いものとなっている。やむを得ない状況でない限り、砲撃戦で勝負すべき。その際は、超音波切削砲が主武器となるであろう。近接戦を故意に挑むなら、使用できなくなるミサイルは事前に発射しておくのが得策。特に第2の必殺技といえる対艦ミサイルは使いどころが肝心である。


 7号機:類別/主戦(ト:ECM強化)−SF−1:<M−295>
 体高:22m 全長:45m 機体重量:130トン
陸/空/水中機動力2/4/2
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力5/15+KO/10
耐久値12
装甲値60
竜紋値/類別30/電磁
火力主砲10
<特殊:スペード2>D−クラッシャー:5+KO(近接戦では−1の負荷で使用可)
短射程ミサイル10*6基
兵装類別主砲/AG社四五式対艦メーザー発振機
射出式有線通電爪(1対)
備考フレア*4
ドラグーンDr.モノレイ
  開発経緯等:公国宇宙軍兵器開発局の工学博士、モノレイ大尉の設計による竜である。名義としては、公国宇宙軍による参加となっている。参加竜中、ただ1機、電子戦装備をもち、非常に高いECM能力を誇る。反面、機動力は低い。ミサイルを多数もつ点からも、遠距離〜中距離戦向けの機体であるものと考えられる。特殊兵装である<D−クラッシャー>は、高圧電流を通電する有線ロケットアンカーと思っていただければ間違いない。高圧電流により敵操縦士を失神させ、そのうえ敵竜の電子機器を損壊させるという兵器である。射程は300メートルほどで、中距離用兵器といえる。近接戦においては、射出せずに前脚に装備したまま使用することも可能。ただこの場合、やや命中精度が落ちるようである。
 余談であるが、ナットヘッド氏はモノレイ氏の実子であるとの噂があるらしい。ヴェータラの主骨格というのは、本機の前身である<M−294>のものだったとか。なお、<M……>という略号は、博士が、自分で開発した兵器類に便宜上つけているもので、電装巨竜の類別とは関係がない。
  操縦士への助言:積極的に電子戦を仕掛け、敵竜がレーダーを使用できなくなったら、ミサイルなどで砲撃戦を挑めばよい。近接戦は、なるべく避けること。また、空中機動力の方が高めなので、電子戦を仕掛けるのに成功したら、まず空戦態勢へと移行するとよい。


 8号機:類別/戦攻−ST−22:<双龍皇>(そうりゅうおう)
 体高:50m 全長:90m 機体重量:128トン
陸/空/水中機動力6/1/0
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力20/30+KO/25(2回)
耐久値
装甲値40
竜紋値/類別20/電磁
火力主砲30(2回攻撃:特殊ハート3)
長射程ミサイル20*2基
全兵装一斉発射50(特殊:ハート3)

兵装類別 主砲/蒼天工厰製29式対艦荷電重粒子砲
全兵装一斉発射時の副兵装/
1.電磁投射式榴散弾砲
2.速射電磁投射砲
備考フレア*4
ドラグーン流 麗風(ル レイフウ)
  開発経緯等:帝国軍の兵器類を製造している蒼天工厰からの出場機体。同厰は最古参であり、すでに参加回数は18回を数えるが、相変わらず、独創的な外観と火力重視という金華帝国らしい設計思想が伺われる。そして何より恐ろしいのは、竜の火器としては最大破壊力を誇る<全兵装一斉発射>であろう。2門の粒子砲の他、電磁投射砲やロケット弾などを一斉に発射するというものであり、破壊力だけみれば、帝国の<長江級戦艦>の主砲すら上回っている。当然、直撃すれば、ほとんどの機体が戦闘不能となる。もちろん、課せられた負荷も大きく、射撃後30秒のあいだ、一切の火器が使用不能となる。機動力も低下する(3ターンの間、機動・近接回避判定値に−3)。
 とはいえ、通常の主砲砲撃だけでも軽量級機体には十分な脅威となりうる。全門斉射の様子が、<超新星的爆発!>と帝国の同人誌などで形容されているのも、あながち間違いとはいえまい。
 反面、装甲が比較的うすく、竜紋出力が低いのが欠点。また、空中機動性能の悪さは致命的な弱点といえる。なお、前回より操縦士となった流氏は、初参加時に圧倒的な人気を得ており、個性的な機体ともども絶大な支持率を誇っているとか。若くして帝国宇宙軍の中隊長であり、同時に上級貴族の娘であるというところが人気の秘密であるらしい。
  操縦士への助言:陸戦、遠距離戦向け。火力と機動力を生かして戦おう。ただし、2回同時噛みつき攻撃が可能で、近接戦打撃力もかなりのものなので、近接戦を挑んでも悪くはない。空戦では本機は圧倒的に不利である。敵竜が飛んだら、火力を集中して直ちに撃墜せよ。

da-jao

 9号機:類別/闘戦−VG−1:<大角>(ダージャオ)
 体高:29m 全長:42m 機体重量:147トン
陸/空/水中機動力5/5/3
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力20/30+KO/25
耐久値10
装甲値50
竜紋値/類別なし
火力主砲10
長射程ミサイル20*2基
短射程ミサイル10*4基
<特殊:クローバー3>メガナパーム30*3発、メガハープーン50*3発
兵装類別主砲/AL社製25式対艦レーザー発振機
メガナパーム/X線レーザー発振機(熱核発振式)
メガハープーン/射出式対竜高熱銛(近接戦専用、熱核式)
備考フレア*4
ドラグーン咆 堂山(ホウ ドウザン)
  開発経緯等:今回初参加、それもV&G水産社製という珍しい出所の機体。竜紋発生機を装備していないという大胆な機体でもある。特筆すべきは右前脚に備えられた<メガハープーン>であろう。これはその名の通り、元来は対宇宙巨鯨用の銛の発射機だったものを近接戦用に改造したもので、腕だけで数十トンもの重量となっている。ために、腕の駆動系は熱核ジェットによるという大胆さ。その余熱を利用して、3000度近くにまで加熱した複合スタージルコニウム製の銛を、敵竜に打ちこむ! のである。
 前脚後部に長く伸びているのは放熱用機器らしく、攻撃後に赤熱し、後方に突きだすのが試験運用中に確認されている。攻撃後の冷却に威力を発揮するようだ。腕の冷却に10秒を要するため、連続では使用できない。銛は3本、互いに交差するように装備されている。
 また、左前脚の<メガナパーム>というのは高出力X線レーザー砲であり、内部で小型の戦術核爆弾を炸裂させて発振するため、すさまじい破壊力をもっている。爆弾はもちろん使い捨て式で、内部機構を丸ごと換装し、次弾を装填するために10秒を要する。このあたり、かつて公国軍の極秘計画で開発中だった兵器類に通じるものがあり、さまざまな噂が飛びかっているとか。操縦士の咆 堂山氏は、かつては改造駆逐艦を駆って宇宙捕鯨に血道をあげていたという、バリバリの海の男である。現在はV&G水産の社長であり、ほとんど彼の私財によって本機は製作されたものと考えられている。
  操縦士への助言:社長の道楽? で開発されたにしては、凶悪な破壊力をもっている。比較的高めの機動力を生かして一気に近接戦にもちこみ、一撃で勝負をきめるしかないものとおもわれる。竜紋を展開できないのは不安だが、砲戦でも、工夫すればかなり戦える機体である。

ぬばたま

 10号機:類別/ト偵−SO−1:<ぬばたま>
 体高:26m 全長:70m 機体重量:55トン
陸/空/水中機動力3/7/4
攻撃力
防御力
四肢/尾/顎部打撃力10/20+KO/15
耐久値
装甲値30
竜紋値/類別45/電磁
火力主砲15
短射程ミサイル10*4基
<特殊:ダイヤ3>烏閃斬40*空中白兵戦用光学爪、ステルス性能
兵装類別 主砲/MI社製36式対艦レーザー発振機
烏閃斬/プラズマ弾性体爪(<企業>の試作兵器?)
備考フレア*4
ドラグーン烏羽舞 閃(うばまい せん)
  開発経緯等:<しきがみおえど>の重装保安部装備開発課による製作。同社の参加回数はすでに8回をこえるが、これまでは特定の装備や技術を試験するためだけという色合いの機体が多く、実戦に耐えうるだけの性能を有した機体を発表するのは今回が初めて。
 本機も、多分に独創的な機能を有した機体であると評価されている。表面装甲は電磁波吸収塗膜に覆われ、また機体形状も三次元曲線を駆使することによりレーダー波の反射率を低くおさえ、結果として高度な隠密性を有している。(「隠密」判定値に+2)
 兵装中、個性的といえるのは両前脚に装備された<烏閃斬>であろう。高圧プラズマ弾性体の長大な刃を発生させ、敵竜に斬りつけるというもので、物理的に敵竜に接触することがないため、今大会の参加機体中、ゆいいつ空戦での近接攻撃が可能となっている。空中での機動力も参加機体ちゅう最高位であるが、反面、装甲が貧弱である点には注意が必要。
 操縦士の烏羽舞氏に関しては、いちおう同社の専属操縦士とされているが、出身など不明な点が多い。某国諜報機関の特殊工作員であるとの情報も一部にある。
  操縦士への助言:開発主旨通り、空戦での近接戦を挑めば問題はない。敵竜の方はこちらに近接攻撃を仕掛けることができないので、圧倒的に優位に立てるはずである。また、<隠密行動>に成功すれば、砲撃戦においても非常に有利な戦況にもちこめよう。

追加の機体

T「スカイマスター? いいドラゴンよね。訓練生時代にのったT1なんか、比べものにならないわ。性能は高いのに、反応が素直で、くせがないの。ほんと、信頼できる相棒ってかんじよ」

P「でも、局地戦むきの竜に比べると、決定打に欠ける気がしませんか、おねえさま?」

T「そこを補うのが、ドラグーンの腕なの!」

P「にゃう! そうでした。おねえさまといっしょのスカイマスターでなら、戦艦とだって戦えるにゃー!」

−−ある宇宙傭兵の言葉(<月刊宇宙傭兵>7648.11月号より)



類別/CD-F-646:<F-646 スカイマスター>


体高:29m 全長:85m 機体重量:107t
機動力:陸上5 空中5 水中2
攻撃力:4
防御力:4

打撃力:四肢20、顎25、尾30+KO
耐久値:12
装甲値:60
竜紋値/類別:40/電磁

火力:
主砲10、短射程ミサイル10*4


兵装類別:主砲/8型特殊砲(電磁波誘導式プラズマ砲、鷹龍のものと同型)
<特殊射法>透過プラズマ砲(鷹龍と同様)

備考:フレア*4
ドラグーン: - (乗員1/2名)

開発経緯等

   <鷹龍>の量産型サイバードラゴン。前大会の局地戦種目において最多優勝数をほこる汎用竜を改良した機体だけあって、きわめて均衡のとれた戦闘能力をもつ。

 武装や竜紋出力は<鷹龍>と同様であるが、陸・空中機動力が向上している。大会規約にとらわれない量産機であるため、はばひろい選択兵装をあつかえるよう、前脚マニピュレータの性能も向上しており、ほぼ人間なみの可動性を有する。
 量産初号機は、7645年の暮れに、惑星ロア・ギブリのアルバート重工開発局にてロールアウトした。

 本機は、<鷹龍>建造とほぼ併行してすすめられていた、アルバート重工およびファーグニル重工・航空部門の<USTF計画>(多目的特殊戦術戦闘機共同開発計画)の産物である。同計画は、あらゆる場所が戦場となる対ガルダ戦において絶対的な優位をたもつことができる汎用型サイバードラゴンの共同開発を目的としており、主力戦闘機の開発と同様といわれる巨額の開発費が投入された。

 結果、本機はその高い信頼性を有望視され、48年の時点で、公国軍ナーガローカ陸・空軍から50機ほどが、インドラ中隊においても二個小隊において制式採用された。星系内各地方自治体および<宇宙傭兵協会>ナーガローカ支部からも、総計160機もの発注がみこまれている。

 主反応炉は、アルバート重工製AL−24核融合炉であり、<鷹龍>塔載のAL−23に比較し、推力が15パーセント向上している。
 外部装甲には、従来の複合装甲を廃し、新素材を多用した<組織型高分子装甲>を採用した。これにより、<鷹龍>と同ていどの防御性能を維持しつつ、機体重量の軽減に成功し、エンジン推力の向上とあいまって、推力重量比は1.4にも達した。

 ファーグニル重工航空部門が参画したためか、USTF計画においては、大気圏内戦闘における格闘性能が重視されている。本機が高い空中機動性能をもつのは、同重工航空部門の大気圏内航空機のノウハウが惜しみなく投入されたためという。
 具体的には、これまでサイバードラゴンにおいて軽視されてきたCCV(運動性向上)概念の大幅導入がおこなわれた。
 複数塔載された専用の姿勢制御コンピュータにより、飛行中、機体各部のCCVベーン(小翼)が、常に最適の空力性能をひきだすよう、全自動で制御されるのである。

 また、<鷹龍>で採用されていたCVIVG翼(小翼集合型イオン推進可変翼)は、はばひろい速度域に対応できるものの、構造が複雑化し、生産および運用コストが高く、さらに重量が増大する欠点があったため、単純な3次元可変翼に変更された。

戦術
 基本的には、<鷹龍>と同様。高い汎用性をもつということは、逆にいえば、決め手にかけるということを意味する。
 敵の得意とする土俵に上がっては勝てない。敵機の弱点をつく戦術をとらねばならない。信頼性は高いものの、ドラグーンには、冷静な判断力がもとめられる機体であるといえる。
 敵機の戦術が不明な場合、まずは中距離戦闘を維持し、敵の戦術をみきわめるのがよいだろう。汎用型とはいえ、本機の竜紋防御力は戦艦クラスの主砲をも遮断するので、あるていど積極的に攻撃するのもひとつの方法である。


 三毛パラフリ初号版の第19話にて、スィルが、ファンと称する謎の人物からもらいうけた最新鋭の汎用型サイバードラゴン。23話現在、スィルとブレンのふたりが乗りこんで、けっこう活躍している。

 NPCヴェイラ・トランおよびピンキーテイルの愛機でもある。トランの機体<ピンキードラコ>は、主砲火力が通常型の倍に増強されている。
 扱いやすい機体らしいのだが、最新型で高価なので、現時点では、民間市場にはさほど出回っていない。

 絵的には、USTF計画初期、ライバル企業が盗みだした企画書というイメージで、設定画を加工してみた。
 公国企業なので、英語である。5600年後の未来なので、本当は英語そのものではないはずだが、印象は一番近いはずなので。





類別/47式高射防空電装巨竜:<神鰐>(しんがく)

体高:26m 全長:65m 機体重量:145トン
機動力:陸上4 空中2 水中1
攻撃力:6
防御力:4

打撃力:四肢4、顎7+KO、尾12+KO
耐久値:14
装甲値:65
竜紋値/類別:5/電磁

火力:
主砲8
 短射程ミサイル10*8
 長射程ミサイル20*4
 対艦ミサイル30*1


兵装類別:主砲/AG社製艦載メーザー砲

<特殊:スペードA>
ランチャー増設
 短射程または長射程ミサイルを合計4発追加。装甲−5。

多弾頭ミサイル
 数発の弾頭に分離し、散弾状に着弾。宣言するだけで可能。判定方法は通常と同じ。ミサイルのダメージは半分になるが、敵は回避判定値-2。

電磁ミサイル
 1ターンの準備が必要で、その間は回避も防御もできない。1回の準備で2発までのミサイル弾頭をプラズマ粒子弾に変換。敵機ドラグーンに追加KOダメージを与える。近接信管によりプラズマ化するので、竜紋も貫通する。

帯電牙
 近接戦モードにおいて常に牙を帯電させ、噛みつき攻撃にKOダメージ追加。
   
<量産型選択兵装:完全爆装>
 短射程ミサイル8基、長射程ミサイル4基、対艦ミサイル3基を追加装備できる。ただし、機動力全てに−2。「完全爆装」した状態で耐久値が1以上さがるダメージを受けた場合、「誘爆」が発生する。ダメージは、ランダムに引いたカード1枚x5点。1回の被弾では、誘爆は1回しか発生しない。

備考:チャフ*4
ドラグーン: - (乗員1/2名)

開発経緯等

 ミサイル母機サイバードラゴンとして開発された<ジャカレイ>の量産型である。前大会で総合優勝はできなかったものの、長距離射撃部門で優秀な成績をおさめたため、公国軍ナーガローカ防衛軍から若干数の発注を受け、開発された。量産型初号機のロールアウトは46年。

 また、惑星アナンタで公国軍と武力衝突をつづけている<帝龍解放戦線>も、7647年に、少数ながら本機を購入したとされている。ここに記した類別と<神鰐>という名称は解放戦線および帝国軍側における名称であり、公国陸軍では端的に<ジャカレイ2>と命名された。

 値は張るものの、本機の高い火力は、自治体や大規模傭兵部隊にも魅力的だったらしい。公表はされていないが、幾らか市販されたという。現地の宙港でも、まれに見かけられる。

 基礎となったジャカレイは、多数のミサイルを装備できたものの、腰部や指などにランチャーを内蔵していたため、衝撃に弱く、また、機関部にわりあてられる容量が減少するという欠点があった。

 事実、前大会終了後の45年4月、アエロガゾート社が量産型試作初号機<戦攻−AE−7+:JX8>を試験運用したさい、機体構造に起因する事故が発生している。模擬戦闘中、敵機のレーザーを前脚でうけた結果、前脚の指先端ランチャーに内蔵されていたミサイルが誘爆したのである。結果、テストパイロット2名が死亡する大惨事となった。
 通常、模擬戦闘では、実害のない低出力レーザーを使用する。このときは同社の過失により安全装置がかかっておらず、実戦なみの出力で射撃がおこなわれた点も、事故原因のひとつだった。
 しかし、事故調査委員会の出した結論は、ドラゴン本体に大量のミサイルを内蔵するという本機の構造そのものに欠陥がある、というものであった。
 事態を重くみた同社首脳陣により、設計の抜本的見直しが命じられ、大幅に設計思想を異にするJX9が誕生することとなった。これが本機の原型となっている。

 本機では、ランチャーを肩甲骨部分および背面に集中させた結果、腰部アクチュエータおよび主反応炉を大型化することに成功し、陸上での機動性能が向上した。
 ランチャー取りつけ位置の変更にともない、「眼」にあたる頭部光学センサー群は、抗弾・抗電磁シャッターで防御されている。対艦ミサイルの強力な発射炎からセンサー群を保護するためである。

 ランチャーユニットの角度は変更でき、白兵戦のさいには上方に向けることで、顎による噛みつき攻撃が容易となっている。
 ジャカレイでは首に集中していたフェイズド・アレイレーダーも各所に分散され、被弾したさいも戦闘性能が低下しにくくなっている。

 電子装備の面では、射程10キロ程度の短射程ミサイルから、1000キロにも及ぶ空域を防御できる大型の対艦ミサイルまでを運用するために、多様なレーダー・火器管制システムを塔載している点が特色である。
 同社広報によれば、同時に130の目標を補足し、脅威度順に攻撃目標を最大で20機まで設定し、同時攻撃することが可能だという。優秀なドラグーンが操縦する本機なら、1機だけで一個艦隊の防空すら受けもつことが出来ることになる。
 反面、背部に8セルものVLS(垂直発射型ランチャー)を装備したために、ジャカレイで装備されていた主翼は省略せざるをえなくなり、空中戦闘には不向きな機体となった。

 本機のミサイル・ランチャーは、墜落時などに衝撃を吸収して自壊し、本体に及ぶ被害を軽減する構造となっているため、脆弱である。このため、通常は、誘爆の危険をさけるため、完全爆装はおこなわない。
 とくに打撃力を要求される任務では、完全な爆装を行えるが、そのさいは機動力が低下し、被弾時の誘爆危険性も飛躍的に高まる。

 なお、本機では、前述の設計改良により、低出力ながら、竜紋の展開が可能となっている。

 総じて、拠点防空型サイバードラゴンとして運用することに主眼がおかれており、白兵戦むきではないといえよう。
 敵機に接近される前に、各種のミサイルを戦況に応じて、有効に活用すべきである。市街戦など、奇襲による白兵戦が予想される任務をうけもつ場合には、白兵戦を得意とする機体を部隊に組みこむ必要があろう。




類別/99式54型急降下爆撃竜:<天嵐>(てんらん)

体高:29m(アンテナ含む) 全長:50m 機体重量:118トン
機動力:陸上 空中 水中
攻撃力:
防御力:

打撃力:四肢、顎+KO、尾+KO
耐久値:
装甲値:
竜紋値/類別:5/電磁

火力:
主砲
 短射程ミサイル10*
 長射程ミサイル20*
 対艦ミサイル*


兵装類別:主砲/

<特殊:>
備考:チャフ*
ドラグーン: - (乗員1/2名)

開発経緯等

 急降下爆撃用に開発された電装巨竜。格闘戦は不得手だが、加速・火力・対電磁パルス抗甚性に秀でている。装甲は薄い。
 数次にわたる大戦で多くの戦艦を沈め、また対ガルダ戦では、成体を含む多数のガルダを撃墜している。

 本機種の原点となった99式11型は、7599年にロールアウトしているが、その優れた基本性能により、多数の改良を加えられ、50年近くが経った今日でも未だに現用機として量産がつづけられている。
 銀河暦7584年に勃発した<第二次暴牙紛争>は、帝国、公国両軍の機甲戦力の充実により、最初の暴牙紛争とは異なり、サイバードラゴンをまじえた航空・宇宙戦が激しく展開されたという特色をもっていた。第一次紛争ではサイバードラゴンの機体数がごく少なく、それらが決定的打撃力たりえたが、第二次紛争以降ではサイバードラゴンといえども量産兵器としての運用を余儀なくされたのである。

 戦力の中核を占めたのは、主力艦および艦載サイバードラゴンから編成される、いわゆる<竜撃>機動艦隊であった。
 サイバードラゴンは単一の兵器プラットフォームとしての形態を維持したまま、航空戦から陸戦へと移行できる特長をもつため、<竜撃艦隊>は、専用の対地兵器や強襲揚陸艇を必要とせず、航宙艦隊から惑星上の戦略拠点、前線基地にいたるまで、きわめて幅広い目標を破壊することができた。当時、対空兵器の主力だったレーザー砲は、サイバードラゴンの竜紋により無力化された。
 しかし、7586年末、<フォボスクス>をはじめとする多連装ミサイル発射システムを塔載したサイバードラゴンが実戦配備され、竜撃艦隊のサイバードラゴンに多数の損害が出るようになった。それらの対空砲火をしのぎつつ、一撃で目標を破壊するため、装甲・速力・打撃力を重視した<天嵐>系列が開発されたのである。

 <天嵐>は、軽量小型の「サカエ97式」大出力反応炉と、合計20トンもの追加兵装を塔載できる一対の増設腕を特長とする。この増設腕はハードポイントであると同時に、対空砲火に対する装甲、さらには大気圏内戦闘におけるダイヴ・ブレーキとしての機能もあわせもち、まさしく天嵐の生命線ともいえる装備である。
 また、任務に応じて増設腕に様々な装備を塔載できるため、柔軟な運用ができるという利点もある。(7648年末の「ナーガローカ沖青龍邀撃戦」では、傭兵ギルドの<天嵐>中隊が核爆弾を搭載して出撃したという未確認情報がある)

 対空砲火や邀撃機を回避するために加速力を重視しているのも本機の特長で、後脚には3基づつの噴射孔が密集して装備されている。また、膝関節から下の降着装置は、離陸後、完全に太ももの内部に収納され、優れた空力特性をみせる。公国軍の邀撃サイバードラゴンをふりきった本機の偵察型<雲龍>が発した「ワレニ追イツク敵機竜ナシ」の打電はあまりにも有名だ。

 このように、圧倒的な加速と打撃力を誇った本機であるが、急降下爆撃を任務とする特性上、装甲鈑が機体前面にしか装備されておらず、また旋回性能にも劣るため、巴戦(ドッグファイト)では大気圏内戦闘機や格闘型サイバードラゴンにかなわなかった。

 また、本機は、電子装備が貧弱であるという欠点をもかかえる。
 光学・目視による爆撃を重視し、必要最低限の電子機器しか塔載していないため、電子戦艦やガルダの電磁パルス兵器に対して高い生存性をもつが、逆に、航空優勢が確保されていない戦域では損耗率が非常に高くなってしまうのである。

 総じて、本系列機は初心者には扱いづらく、熟練したドラグーン向けの機体であった。多少、電子装備や装甲が改善された本機(54型)でも、基本的には同じことがいえる。
 もっとも、ひとたび本機を扱いなれてしまえば、主力戦闘竜にはない加速力、火力がこの上ない魅力であり、いくばくかのエース・ドラグーンが本系列機を愛用していたのも歴史的事実である。優れたドラグーンは、自らの技量によってドッグファイトをもこなし、十二分に活躍したという。現在のドラグーンでいえばエンジュがその一人である。

 本系列機は、その優れた速力と火力を買われ、惑星上の防衛力としても活躍した。7588年のアナンタ防空戦において活躍した局地戦闘竜<閃電>は、邀撃戦闘型に改良された本系列機の派生型である。同機は、高々度邀撃機として、一撃離脱に徹して運用され、格闘型機種にはない優れた戦果をあげた。

 今日では、主力機ほどの需要はないものの、対成体ガルダ用、また対艦戦闘用として、ナーガローカの戦略拠点に重点的に配備されている。民間では、巡航艦などの「大物狩り」を得意とする一部のクリーパーが好んで調達しているようである。


類別/DP-M640:ダイノパンツァード<M640 アイアンダック>

体高:5.2m 全長:12.7m 機体重量:48.4トン
機動力:5(陸上のみ)
攻撃力:3
防御力:0(防御機銃は装薬式7.62ミリで、[火力値]1)

顎部打撃力:10
耐久値:5
装甲値:40
竜紋値/類別:7/電磁

火力:
主砲5(2回攻撃可能)


兵装類別:主砲/FN連装37ミリ3砲身高射機関砲
<特殊射法>集中射撃。
主砲ダメージを一時的に12にするかわり、次のターンでは射撃不能。

備考:フレア*2+チャフ*2、または煙幕弾*12
ホバーロケット*4(使うと1ターンだけ機動判定値+2)

ドラグーン: - (乗員1〜2名)

開発経緯等

   ダイノスピーダーとサイバードラゴンの間を補完する軍用ダイノモービル「ダイノパンツァード」。パンツァードと略す。主力戦車ていどの大きさであり、サイバードラゴンより小さい。元来、対サイバードラゴン用に<暴牙紛争>中に開発された兵器であるため、武装は機関砲・ミサイルなど装薬火器でかためられている。

 本機種M640は、銀河暦7640年に公国陸軍ナーガローカ駐屯第1師団に制式採用されたもので、山岳地帯や森林での戦闘において、通常の戦闘車輌のかわりに投入されることが多い。巨大な脚部にジェット/ロケット式の高揚力装置が塔載されており、平坦な土地では、機体を数十センチていど浮上させ、高速移動できる。

 各種の兵装を装備できるが、基本は、図にある対空連装機関砲である。師団防空戦車に塔載されている機関砲を流用したもので、きわめて高い発射速度をもつ。対空用とはいえ、対地用としても十分な破壊力をもち、複数の機体による十字砲火は、対サイバードラゴン用として効果的である。

 紛争時代は空戦・宇宙戦型などの派生機体なども試作されたようだが、現在では、パンツァードといえば、陸上用の機種をさす。飛行しないため、基本設計思想は戦車のものに似通っており、機体の大きさの割には、装甲が厚い。
 また、サイバードラゴンに比べて小型であるため、対サイドラ戦闘では、遮蔽物を利用して戦局を優位に導くことが多いという。
 暴牙紛争や、その後の紛争では、サイバードラゴン1機につき1個小隊、通常4機以上のパンツァードで攻撃するという<群狼戦術>が多用され、多くのサイバードラゴンが撃破された。パンツァード乗りは、好んで「サイバードラゴンを狩る」という表現を用いる。

 公国軍が宗教的要素を無視して純粋に軍用として開発したため、外見は竜としての形状を模倣していない。そのため、<マニ宝珠>の機能率が最低レベルにとどまっており、かろうじて基本的な疑似竜紋のみ展開できるものの、<昇圧竜紋>その他の<マニ攻撃>は行えない。

 操縦が簡単なので、星系外のドラグーンには人気があり、また費用対効果も優れているが、ナーガローカ原住の恐竜ハーフには、いまでも本機種を嫌うものが多い。土着宗教の信者が多い地域での運用には、注意が必要である。


 清水パラフリ初号版第22話でスィルらが登場した最新型の機体は、<M648 アイアンダック2>。諸元は、顎の打撃力は6に低下しているかわりに、防御力は2、竜紋値は10に向上している。

 入手難易度は、ナーガローカ星系では、浮遊戦車なみ。価格は3400万ガメルだが、地域や入手経路によって大きく変動する(パンツァードが強すぎると思うGMさんは、高価に設定すればよい)。

 サイバードラゴンとは異なり、基本操縦難易度は4。

 戦闘時、遮蔽物の利用については、<機体が小柄なサイバードラゴン>と同様に扱い、2階建て家屋なども、遮蔽物として活用できる。
 ホバー装置について。戦闘時以外では、いつでも10分間まで連続使用でき、そのさいは、穏やかな水面をも走破できるものとする。戦闘中はエンジンへの負担が大きいため、上記ルールのように制限がつく。

 熱心な竜王信者に、パンツァードを使用していることが知られた場合、以後、全てのSOC判定に−2の修正。あらかじめ設定してある場合以外では、ナーガローカの標準的な都市で、NPCと遭遇したときにイベントチェックをして絵札(A、2、ジョーカー含む)が出た場合、そのNPCは熱心な竜王信者であるとして扱う。農村部などでは、熱心な信者がいる確率がより高いものとしてもよい。

 もっとも、パンツァードと同行していなければ、黙ってさえいれば、パンツァード乗りであるとばれることは少ない。

 煙幕弾の効果は、<サイバードラグーン>本文ディスクに収録されている<ダイノスピーダー>が使用するものと同じ。

 乗員が1名でも作戦行動は可能だが、その場合、防御射撃は不可能になる。




つぎへ:サイバードラゴン運用規則など

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2000.12.作成