「我が手で蘇えりし神よ! あと少し、牙洞院までもってくれ!」 ――機刃守(若い機刃手) 上の写真は、古代に存在した完全な蘇龍機の一種<蛟>。今日では<龍王機>とされる。 蘇龍機は、機械で出来たアラガミともいうべき、ガルナス帝国の主力決戦兵器である。 有人操縦式で、アラガミに似た竜型の機体を有し、強力な熱線、強固な防御力場、高い騎動力をもち、陸・海・空、そして宇宙をも制する機械の竜王である。 しかし、それはかつての話。<赤の嵐>以後も、一定の科学技術の保持に努めたガルナス帝国ではあったが、共栄圏全体の技術水準の低下による影響は免れなかった。結果として、現存する蘇龍機のほとんどは、不完全な能力しかもたないことになった。 蘇龍機の中核をなす<龍魂晶>や、超小型の大出力反応路<神火炉>は、現在では、まったく複製することができない。その作動原理すら、解析されていない。 したがって、多くの場合、蘇龍機の建造は、注文を受けてから、龍魂晶や神火炉が使用可能な状態で残されている残骸や化石を確保することからはじまる。駆動機構や装甲についても、高度な人工筋肉や装甲を作成する技術は失われているため、それらを発掘するか、現在の技術で置き換えるしかない。 蘇竜機は、完全な形で発掘されることがほとんどない。そのため、大まかに似通った特性をもつ機体ごとに分類され、命名されている。 また、機能面からの分類も行われる。それについては、おおむね以下の種がある。 1、龍王機 航宙能力をふくめ、すべての能力を保持した完全な機体。装甲も、対火弾のみならず、対電磁属性をあわせもつ。ほとんど現存しない。伝統ある古式機刃衆が何代も運用している蘇龍機は、これに匹敵する戦力をもつことがある。すべてのメイの信仰対象であり、目標でもある。 2、ヒナシ 火器・竜紋の出力が低い、あるいは装備していない機体。下図のダージャオ科が代表的。 3、ハネツキ 飛行能力を有する機体。機体は陸上型より脆弱。下図のソウデン科が代表的。 ●1、蘇龍機の特色 現用の蘇龍機は完全ではないとはいえ、高い火力、防御力を有している。白兵戦が可能な点も大きな特色である。また、装脚式の機種は、シンテツなど車両型のトモガミに比べ、不整地での走破性に優れる。具体的には、地形修正により受ける「動判定」の難易度は恐竜と同程度ですむ。 ただし、機体が大型であるため隠密行動が苦手で、敵に発見されやすい、また維持費が高額であるという欠点がある。(したがって、ガルナス・メイは生活費が高くつく) ●2、龍魂晶 蘇龍機に騎乗する<機刃守>(キバモリ)は、自らの蘇龍機を完全な機体にすることを人生の目標として、戦場を転々とする。そうした機刃守は、撃破したマガツや敵・蘇龍機の身体から、<龍魂晶>(龍魂制御を行う集積回路)を積極的に収集し、自分の機体を強化していく。 ただし、回収された龍魂晶などの部品は、ちょくせつ機刃守が使用するのではなく、いったん、機刃衆(後述)の管理下に置かれる。功績のある機刃守には、折に触れてそれらの部品が供与され、自分の機体を改良していくことが許される。 ●2−2、ガルナス・メイの特徴 蘇龍機を操るのは、ガルナスのうち、メイとよばれる種属である。同じガルナス帝国臣民ではあるが、ダガンとは別種の爬虫人類であり、互いに繁殖することは出来ない。 メイは、三種の性別をもっている。これは、蘇龍機が稼動時に発生させる有害な放射線に耐えるため<伝道者>によって付加された特徴ともいわれるが、原因は定かではない。性別名は、リガ、ネラ、タギの三種である。 リガは、もっとも攻撃的だが、ときに突出した蘇龍機関連の才能をみせることがある。また、もっとも論理的思考を好む。地球系生物に例えると、オスに近い。羽毛の色がもっとも派手で、ネラやギムに対してこれで求愛を行う。頭部に二本の角をもつ。感情が高まると、ジュピッチャア! という鳴き声を発する。(他にも色々な鳴き声がある) ネラは、おおむね温和な性質をもつ。身体がリガより10パーセント程度大型で、羽毛は地味な色合いのものが多い。リガと性交後、<幻卵>を生む。幻卵は、発生初期段階の胚で、発生が中断したものである。 タギは、メイのなかで最も小柄な体格をしている。羽毛は生じない。幼形成熟の特徴をもち、性質も子供っぽく、気まぐれなものが多い。タギは、<幻卵>を孕んだネラに対して求愛し、性交を行う。 性交により、腹部の育児嚢に発生初期段階の幻卵がとりこまれることで、胚の発生が再び始まる。同時に卵殻が形成される。 タギの妊娠期間は1ヶ月で、一度に3〜6個の卵を産む。その後、2週間ほどの抱卵期を経て、ヒナが誕生する。抱卵と、その後の育児を行うのは、おもにタギであるが、多くの場合、ネラと婚姻し、二親で養育していく。 リガは、幼体の育児に携わることは少ない。蘇龍機を駆り、危険な最前線に出ることを好む。 もっとも、現代のガルナス帝国親族法は、二親だけでなく三つ親の婚姻も認めており、三つ親の名を受け継ぐメイも増えてきている。 ガルナス・メイの身長は90センチから120センチ程度。爬虫類に似た体構造をもつが、体表はキチン質の外骨格で覆われている。 また、前脚や尾の先端には、色鮮やかな羽毛がある。これは、メイ内部での生まれや階級を決定づけるもので、階級や役職が変わると、羽毛の彩色も変更される。リガは色調が豊かな羽毛をもち、ネラに対して求愛するときには、この羽毛を複雑な振り付けで振り回し、舞をまう。 羽毛はあくまで装飾のためのもので、飛行することは出来ない。 卵生で、おおむね一ネラ一タギ制である。近年は一ネラ一タギ一リガ制の婚姻も行われる場合が多い。平均すると、ひとりのタギは年に3〜6個の卵を生む。生まれた子供は家族ばかりでなく一族で大事に育てられる。 総じて、ガルナス・メイは、家族や集団を大事にする集団主義的傾向があり、なにかと集団で行動したがる。他者と異なる行動をすることは苦手な者が多い。 また、メイは、蘇龍機や兵器を整備することを何より好み、機械いじりが得意である。共通語を喋る際には、科学者じみた口調であったり、やや幼い印象を与える口調の個体が多い。 ガルナス・メイは、星覇と同盟関係にある。蘇龍機は、巨体のため死角が多く、歩兵の攻撃に対して脆弱である。この欠点を補うため、戦時、星覇に随伴してもらい、敵歩兵を掃討してもらうためである。 もっとも、単純に、メイが星覇に対して魅力を感じているためという噂もある。 また、メイは拝金主義のため、運輸・商業を行うカワアガニとも縁が深い。信者・顧客を確保するため、カワアガニの流通路を最大活用しているのである。また、諸国を知るカワアガニから、周辺各国の情報を集めたりもする。 カワアガニと星覇は仲が悪いが、メイは、いずれに対してもうまく立ち回っており、過去の阿星紛争において仲介役を買って出た経緯もある。 ●2−3、ガーグ正教 ガルナス・メイは、ほとんどが熱心な宗教者であり、<ガーグ正教院>に属する信者や神官である。かれらの行動原理の大部分は、この教団の<ガーグ正教>の教義にのっとったものである。 メイは、そもそもダガンたちとは別個の爬虫人類であり、<ガーグ宗王国>とよばれる宗宗王権国家の国民であった。200年前、メイは、ダガンとの領土紛争で敗北し、不平等条約により、ダガンの<ガルナス帝国>に併合されてしまったのである。 そのため、メイ自身は、今日でも、ガーグ宗王国の国民であると主張し、しばしば歴史認識をめぐり、「一つのガルナス」指針を堅持するダガンと政治対立を引き起こす。 なお、共榮圏で国家として公式に承認されているのは、ガーグ宗王国ではなく、ガルナス帝国である。 ガーグ正教は、龍王ラナンガを主神として崇拝する。この点で、三龍帝国にみられる素朴な龍神信仰と重なるものがあるが、ガーグ教では、三龍帝国の精霊信仰よりもはるかに体系化され、組織化された教会組織をもち、布教活動を熱心に行っているのが特色である。 教会には多くの蘇龍機が所属しており、ガーグ教会は、宗教組織であると同時に、強大な軍事組織としての側面ももっている。 ガーグ正教の基本的な教義としては、 1、<赤の嵐>や<天魔>の再来への備え 2、生態系や自然の尊重 3、「龍道を歩め」……すなわち、「龍王に近づくべく努力する」という教え 以上3つが主なものとして挙げられる。 1および2は、共榮圏の精霊信仰全体に共通している概念だが、3はメイ独自の教義であり、重要である。 すなわち、ガルナス・メイは、自らの蘇龍機を、多くの戦いを通じて完全なものに仕上げていき、自らも戦闘経験をつむことで、完全な龍神へと近づこうとするのである。ウツロヒに出る目的も、若いガルナス・メイに多くの戦いの経験をさせることにある。 このため、彼らは、蘇龍機を神に通じる存在として神聖視しており、整備作業は宗教的な礼拝の儀式ともなっている。もちろん、蘇龍機を粗末に扱うことは許されない。 蘇龍機に乗るメイは、その日その日、「蘇龍機の御体にお上がりさせていただく」のであり、搭乗前の機体点検では、操縦士も祈りを欠かさない。 ただ、メイの信仰の熱心さは、ときとして熾烈な紛争を招くことがある。メイ内部でも幾つかの宗派に分かれており、中には他の宗派や他の種属の存在を認めない過激な原理主義者も存在する。 このため、ガーグ宗王国では、内部での紛争が絶えない。外部種属については、特に、宗教を理解しないシンテツ兵とは馬が合わないことが多い。 ガーグ正教の信徒は、布教活動にも熱心である。また、蘇龍機の維持には莫大な資金が必要なため、ことあるごとに信者や周囲の者に金銭を要求する。このため、ガーグ神殿には、カネと権力が集中する。メイの中にも、カネの亡者となっている者は多い。 それぞれの宗派では、神殿が支配する領土をめぐっての紛争も頻発し、ガーグ宗王国の領内は、内乱状態が続いている。また、宗王国東部の<大嵐>(たいらん)群島は、とくにメイの独立運動の盛んな地域で、帝国軍との戦闘が絶えない、極めて危険な海域である。また、海賊も多い。 もっとも、そうした場所に赴けば、それだけ戦いの機会が増えるので、メイ本人たちは、そのような場所での任務をあまり苦にしていない。 教会内部の階級は、王国の統治者でもある<牙牙牙王>、地方宗区を治める<牙々王>、小宗区を治める<牙王>に分かれる。PCとなるのは、階位をもたない<牙信徒>(がしんと)である。 それぞれに宗区には、ガーグ正教の神殿である<牙洞院>(がどういん)が存在する。 これは信者を集める神殿であるとともに、蘇龍機を格納する格納庫、そして整備工場でもある。おもに、山地や沿岸の天然洞窟など自然の障害を利用して建造されるため、この名がある。 牙洞院の指導者は、それぞれの宗区の統治者と同じ、牙王などである。つまり、牙洞院は宗区の行政機関としての機能も有しているのである。 各宗区の牙洞院の下には、<機刃衆>(きばしゅう)という団体が5〜20程度、配されている。他国の空軍に例えると、小隊規模の整備集団である。 これは、組合組織に似た形態をもつ宗教法人で、蘇龍機を維持するための伝統技術の研究・涵養および訓練、およびそれに関する宗教行為を行うものである。同時に、各宗区の平民と直に接触する末端組織でもある。 機刃衆には、およそ30人ていどの<機刃守>(きばもり)が所属する。PCは、この機刃守の一人である。 ガルナス・メイ ●3、機刃衆 竜撃士(ダガン)とは異なり、機刃守は、集団でトモガミを運用する。蘇龍機は共榮圏でも屈指の大型戦闘機械であり、多人数でないと整備・運用が困難であるからである。そのための30人ほどのメイで構成された団体を、機刃衆という。 蘇龍機は、旧星界時代(かつての失われた汎銀河文明)の技術を流用している。運用には専門知識が必要とされたことから、ガーグ正教初期のころから、機刃衆は帝国各地で結成されていた。むしろ、それら機刃衆を束ねる上位組織として、牙洞院や正教組織が確立されていったのである。 それぞれの牙洞院は、寺院としての役割だけでなく、蘇龍機の維持のために必要な資金を集める営利法人としての側面も有している。 その事業目的はさまざまであるが、多くは、蘇龍機の建造・運用に必要な技術を守っていくことを最低限の目的とした上で、帝国への軍事力提供、盗賊やキョウコツなどの掃討作戦を請け負うなどして、収益をあげている。 とくに地方では、マガツの急な復活事件などのさい、ガルナス帝国軍の派遣が間に合わないことが多いため、実質的に牙洞院やその配下の機刃衆が、地方の防衛軍として機能しているケースが多くみられる。 戦績や営業成績(布教成績)の悪い機刃衆は、牙洞院によって、解散・清算を命じられることがある。また、有力な機刃衆が、資金とコネにものをいわせ、他の機刃衆を買収、合併することはよく見られる。 一機の蘇龍機について、おおむね10人程度の機刃守が整備のために必要であり、その技術は、それぞれの機刃衆によって代々継承されている。そうした整備技術は、当然ながら、ほかの機刃衆や外部に対しては厳重に秘匿される。伝統のある機刃衆ともなると、数十もの蘇龍機を運用しており、財力や政治的発言力も大きい。 そうした有力な機刃衆を有する牙洞院のもつ軍事力、経済力は、ともにかなりのもので、相互に勢力争いが生じることも多い。有力な機刃衆同士の抗争ともなると、地域紛争レベルの軍事衝突に発展することもある。 ●3−2、牙洞院の決まり 牙洞院の指導者は、前述した牙々王や牙王であり、その下に、数人からなる執行役員がおり、教団の運営をつかさどっている。各機刃衆に対しては、執行役員名義で作戦指示が届くことが多い。 蘇龍機は、最初に登録された搭乗員の遺伝子により起動される。したがって、それぞれの機刃衆は、同じ血縁のメイたちの集団でもあり、大きな家族のようなものである。 しかし、ときに、外部から新たな機刃守が招かれることがある。新たな蘇龍機が発掘・建造されると、それを運営するための新たな機刃衆が必要となるため、新規に募集されるのである。機刃長が入隊を許可する者で、契約に定める出資額を提供できるものである必要がある。出資は金員でなく労務によっても構わない。 蘇龍機は、搭乗員の所有物ではなく、機刃衆の共有に属し、各自が、蘇龍機を勝手に処分したり、抵当権を設定したりすることはできない。(機刃衆の債務については、機刃守個人もそれを弁済する責任を負う) 機刃守は、勝手に機刃衆を脱退することはできず、やむを得ない場合や、契約に定める目的を達成できないなどの理由で機刃守隊が解散される場合でなければ、脱退はできない。ただし、機刃衆にふさわしくない行為をしたり、任務で著しい失敗を犯した場合などは、他の機刃衆全員の一致があれば、除名されることがある。 ●3−3、機刃衆の役職 教団員の役職には、「機刃長」「機刃匠(きばじょう)」「機刃手(きばて)」がある。各機刃衆の指揮官は「機刃長」であり、その下に、ある程度、整備に熟練した機刃匠と、その部下である「機刃習い」がいる。機刃匠のなかでも蘇龍機との共感能力に優れたものは、搭乗員である「機刃手」として、最前線で活躍する。 雑用係として、機刃守隊に住み込む丁稚が数人いることもある。丁稚は、龍魂能力が低いため、就職にあぶれた落ちこぼれアラガミ師など、内訳は多彩であるが、いずれにしろ機刃守となれないのでNPC専用の役職である。 PCとなるのは、機刃衆を継ぐ予定の若い機刃手であることが多い。彼らは、いずれ機刃衆を率いていくため、新たに発掘された蘇龍機を駆って、実戦訓練の旅(ウツロヒ)を行うのである。 ガルナス帝国の重要な戦力である機刃守は、そうした修行の段階から、アラガミ師やシンテツとともに旅をし、共同作戦の経験を積んでいく。そのため、ウツロヒ中は、三龍帝国軍の教導部隊に所属し、新米アラガミ師とともに実戦訓練を受ける者が多い。 蘇龍機は、長く機刃衆で使われていくうちに、部品が追加されたり、改造によって強化されていく。このため、古くからある機刃衆は、きわめて強力な蘇龍機を有していることがある。もっとも、能力値の最大値はこえられないため、強化には限度がある。 PCが預かるのは、そうした強力な古い竜ではなく、発掘され、稼動したばかりの新しい蘇龍機である。 ●4、運用 整備作業は、自分の機刃衆が属している牙洞院にて行う。機刃衆によっては、牙洞院内部ではなく、外部に独自の支部を構えていることもある。 蘇龍機は、半生体機器を使用しており、また装備類も環境によって換装せねばならないため、「環境」によってキズナ判定に修正をうける。 ●4−2、暴牙 蘇龍機の「武魂」が3点たまった場合、<暴牙>とよばれる形態になり、一時的に性能が強化される。 ただし、その発動には、所属する牙洞院による許可が必要である。許可を受けると、蘇龍機にもともと内蔵されている「万素袋」(ばんそぶくろ、ナノマシンの塊)が活性化し、暴牙形態への形態変化が始まる。 戦局に応じ、暴牙は以下の一覧表から自由に選択できる。許可申請時に指定すること。 具体的には、武魂が3点たまった後、暴牙状態を望むときに、無線で牙洞院に許可を求め、許可信号を受領することで発動する。これを「神言転送」という。未熟な機刃守による暴走を防ぐため、通常時は封じられている機体能力を解放するパスワードといえる。 ルール的には判定は不要だが、気分を出すため、演技をすることがのぞましい。 例: PC/機刃手:「暴牙が近い! 神言転送、**神の発動許可願います!」 GM/牙洞院神官:「牙洞院より○○機刃手へ、牙王様により、申請は許可されました。神言転送、ジュピッチャアア!(鳴き声)」 武魂3点を消費して申請後、牙洞院からの「神言」が送信されてはじめて、万素袋が形状変化をはじめ、蘇龍機の性能が強化される。効果は、許可を求めたときから1ターン後にあらわれ、6ターン持続する。効果は以下の通り。神言転送を求める際に、どの神言発動許可を送信してもらうのか、宣言すること。 暴牙形態 一覧表 【砲雷神】 ホウライジン。砲術判定値+2、加えて蘇龍機の主砲火力が2倍になる。誘導弾を撃ちつくしていた場合でも自動的に全弾補給される。 【裂刀神】 レットウジン。牙や爪を強化する。白兵戦判定値+2、蘇龍機の白兵戦ダメージが2倍になる。 【疾風神】 シップウジン。機動性向上装備。「動」能力値+3。1ターンに2回までの行動を制限なく行える。 【大海神】 ダイカイジン。能力値に、水中戦闘による不利な修正を受けなくなる。ただし白兵戦ダメージのみ、従来規則どおり、半減する。音波探信、水中聴音が可能になる(技能レベル1、「知」系技能として扱う)。最大潜行深度は100メートルまで。深度11メートル以深で活動する場合、浮上には1ターンかかる。装備解除時に浮上していないと、解除時に水圧によるダメージを受ける。 【金剛神】 コンゴウシン。防御火力、防御装甲を向上させる。対火弾装甲防御力・竜紋防御力+4。加えて、飛来する火弾・電磁系の射撃攻撃全てに対し、1ターンに1回のみ、<防御射撃判定>を行える。目標値は、敵が射撃判定時に出した達成値である。「知」+2を防御射撃の判定値とする。 この判定に成功すると、敵の射弾を全て撃墜したことになり、味方はダメージを受けない。味方に防御射撃を行ったターンでも、自機も通常どおり行動できる。 ●4−3、ゲキの判定 暴牙状態では、高加速による高Gや、高出力センサー群の電磁波などにより、ゲキ(機刃守)の肉体的、精神的負担はかなりのものになる。暴牙状態中は、毎ターン、キズナ難易度を目標値として「根性」判定を行うこと。 失敗すると、失敗レベルに応じて機刃守の「和魂」−1される。通常失敗では−1、以後失敗レベルの増加により、失う和魂も1点づつ大きくなっていく。 ●5、蘇龍機のキズナ判定 蘇龍機キズナ技能により、キズナ判定をおこなう。蘇龍機キズナは「知性」系技能である。蘇龍機の騎体は非常に繊細であり、生物トモガミと同様の丁寧な整備が必要である。キズナ判定が必要な場面は、恐竜種と同じ。 ●6、飛行能力 一部の蘇龍機は、飛行能力をもつ。離着陸の判定は、「動」で行う。失敗すると、トモガミ生命に1Dのダメージを受ける。飛行最高速度は動×200km/時、巡航速度はその二分の一である。戦闘行動半径は、各機の標準的な武装をほどこした状態で、体×200km。上昇限度は高度10km。1時間の飛行でトモガミ生命4点を消費する。ルール上、飛行時間がどんなに短くとも、最低1時間飛行したものと扱う。通常、離陸には最低200mの滑走が可能な平地が必要。舗装されている必要はなく、砂浜などでも離着陸可能。垂直離着陸を行う場合、滑走はまったく不要となるが、消費生命は2倍となる。飛行中の動は、とくに記されていない限り、陸上と値は同じ。 ●7、装火点など 蘇龍機の装火点は、合計3箇所である。ただし、そのうち、主砲は建造時に口の内部に固定されているため、実質的には2箇所。ヒナシであれば、使用可能な装火点は3箇所になる。ヒナシは、口の内部には火器を搭載できないので、それ以外の場所に3つの装火点を有する。搭載する火器・装甲は、「トモガミ装備」から選択して搭載すること。 ●7−2、重量制限 武装、装甲、神器の搭載重量制限は、「体」の2倍までである。それを超えて武装などを搭載することはできない。 ●8、竜紋 蘇龍機は、竜紋を展開できる。しかし、それは<擬似竜紋>であり、アラガミの真性竜紋には及ばない。すなわち、火弾兵器は防御できず、属性は「対電磁」のみである。持続時間は1ターン、効果範囲は自機のみ。使用すると、1回ごとに、蘇龍機の生命を2点、消費する。竜紋防御力は、主砲の破壊力に等しい。昇圧竜紋は展開できない。 ●8−2、蘇龍機の主砲 蘇龍機は、一部を除き、初期状態で、口内に電磁属性の主砲を搭載している。砲術技能により射撃を行う。運用難易度は、その蘇龍機のキズナ難易度に等しい。主砲射撃は、1射につき通常1点のトモガミの生命を消費する。ただし、特殊な主砲系「神器」を搭載している場合、消費生命は神器データに記載されている値を適用すること。 ●9、水中行動 蘇龍機は、陸上の恐竜や戦車と同程度の渡河能力を有する。本格的な水中戦闘は行えない。 ●10、維持費 蘇龍機は、他のトモガミにくらべて維持費が高額である。これはメイの生活費に反映されている。 ●11、修理と強化 蘇龍機は、現代の技術では完全な管理は出来ないため、修理の際は、牙洞院に打診が必要である。PCは、牙洞院と交渉判定を行うこと。 難易度は「普通」であるが、特に業績の悪いPCの場合、難易度が上昇する。1回、牙洞院との修理交渉判定に成功すると、「生命」が1D回復する。この修理には1D日を要するため、通常は、セッション終了時に行われる。すなわち、蘇龍機は、任務中は生命回復できない。 もちろん、蘇龍機の「生命」は、時間経過によって自動回復しない。 キズナが一定レベルに達すると、機刃衆や牙洞院により、自分の蘇龍機を強化することが許される。 蘇龍機強化用の部品は、<神器>と呼ばれ、珍重される。蘇龍機の部品はほとんど複製が不可能であり、遺跡から発掘される貴重品が多いため、未熟な機刃手には与えられないのである。 以下の「神器一覧」より、目標キズナレベル到達時に、1個だけ、任意に選択してよい。 神器の効果は累積しない。同じ系統の上位部品を装備する場合は、換装することになる。 現在のキズナレベル「未満」の神器については、牙洞院において、いつでも外したり換装することができる。換装には1D時間を要する。換装費用は、神器一個につき10万リンである。 神器にも「重さ」があるので、搭載重量制限に注意すること。重量制限を越える場合、その神器は搭載できない。制限値と同じ値が限界である。 「主砲」は、もともと装備しているものと換装して使用する。この場合、特に記されていない限り、射程や属性は元々の主砲と同じ。 ●12、神器一覧 縦は当該神器取得に必要な蘇龍機キズナ値、横は当該神器が関連する項目を示す。
蘇龍機 ダージャオ科 ガルナス帝国でもっとも人気がある蘇龍機類。白兵戦能力に秀でている。ヒナシであるため、射撃攻撃力と、対電磁兵器防御力に不安がある。竜紋は展開できない。安定装置が旧式で、機動性はいまひとつ。多くはずんぐりした騎体形状で、頭部には一対の角をもつ威圧的な外観。 主砲:なし 全長:18メートル 体重:35トン 環境:森林、ジュラ紀前期および後期 知3、体6、動2 キズナ難易度:12 生命:20 白兵ダメージ/爪:6 オウリョウ科 汎用性の高い蘇龍機。鷹龍。発掘・復元される機数も多く、ガルナス帝国でもっともよく見かけられる。主砲は対装甲メーサー砲。均衡のとれた姿態で内外に人気があり、信者も多い。人間工学に配慮された機体構造であり、扱いやすい。 主砲:電磁5、射程2,000、1射あたり消費生命1 全長:22メートル 体重:30トン 環境:草原、白亜紀後期 知4、体4、動4 キズナ難易度:11 生命:18 白兵ダメージ/牙:4 重装甲オウリョウ科シンガク オウリョウ科の火力支援型と推定される蘇竜機。神鰐。重砲を運用するため機体構造と主機出力が増強されている。発掘数がそれなりに多く、過去のダガンとの紛争でも多数が投入され、高い火力で戦略拠点襲撃などに活躍した。そのときに苦戦した記憶からか、ダガンにも本機の愛好家が多い。機体の冗長性が高い点も特色。主砲は対装甲強化メーサー砲。 主砲:電磁5、射程5,000、1射あたり消費生命1 全長:25メートル 体重:32トン 環境:草原、白亜紀後期 知5、体5、動1 キズナ難易度:12 生命:18 白兵ダメージ/牙:2 ソウデン科 航空蘇龍機。蒼電。飛行能力をもち、航空機として運用することも可能。発掘される数は少ないが、戦力的にはきわめて重要である。蛇に似た流麗な姿態をもつ。操縦は困難で、玄人向きとされる。復元当初は、高速の迎撃機として運用されたが、後に多機能型航空龍として改良され、派生型が多い。主砲は航空型メーサー砲。 主砲:電磁4、射程4,000、1射あたり消費生命1 全長:20メートル 体重:22トン 環境:草原、白亜紀前期 知4、体3、動6 キズナ難易度:13 生命:12 白兵ダメージ/牙:4 備考:飛行可能 ソウデン科テンラン ソウデンの対地・対艦攻撃型と推定される種。天嵐。飛行能力をもち、航空機として運用することも可能。より多くの火器・装甲を搭載するため、運動性は犠牲になっている。本機による急降下爆撃は、ダガンや連合軍将兵に広く恐れられた。主砲は航空型多銃身メーサー機関砲。 主砲:電磁2、射程4,000、1射あたり消費生命1(1射は2回攻撃となる) 全長:20メートル 体重:26トン 環境:草原、ジュラ紀前期 知4、体5、動3 キズナ難易度:13 生命:12 白兵ダメージ/牙:2 備考:飛行可能 リンドブルム科 ファーグニル企業との技術提携で復元された蘇龍機。小型獣脚類に似た形状で、高い騎動力をもつ。正面攻撃には向かないが、迅速な展開が可能なため、治安維持などに多用される。優れた光学・電子装置を搭載しており、射撃精度が高い。蘇龍機にしては小型で、隠密行動もとりやすい。主砲は対装甲ヤシャダマ榴弾砲。 主砲:電磁4+爆風、射程1,500、1射あたり消費生命1 全長:8メートル 体重:15トン 環境:草原、白亜紀前期および後期 知6、体2、動5 キズナ難易度:12 生命:10 白兵ダメージ/蹴り:2 備考:隠密+1 |
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