GM しばらくすると、ドラゴン・スケルトンが話しかけてくるよ。 「ふう、ようやく目が覚めたわい」とか、ぶつぶつ言っている。 ミーナ まじっ!? 「あのー、できれば、もうちょっと眠っていてもらったほうが、よろしかったのじゃないかと(笑)」 化石の龍/GM 「いやー、わしもそうしたいと思っていたところじゃ」 ミーナ 「わたしたちも、そうしてもらえればよかったんですが……こいつがっ! こいつがっ!」 (ベルニサールを指さしているようです) マルファス みはってます。もう、逃げるという選択肢はえらばせませんからね! マギー では、さきほどの魔法の古道具屋さんに行きました。どんどんどん! 扉をたたきます。 「昼間の新米魔女です。あけてくださーい!」 レレン/GM 「はあい。どちらさまですか〜」と、眠そうな声がして、寝まき姿のレレンさんが出てくる。 マギー 「大変なことになっちゃったんです、かくかくしかじか」 レレン/GM 「むう、なるほど! それは大変!」 ミーナ はやいっ。 マギー 「どうしたらいいのでしょう?」 レレン/GM 「ああ、<復活の種>ね。あの人が創ったものね」といっている。どうも有名なものらしい。欠けたり、壊れたり、なくしたりしたものを元にもどす魔法の薬らしいんだけど、化石に使うと、あのような効果がでるということを、あの孫娘が独自に発見したらしい。 タイム ネクロマンシーな知識(笑)。 レレン/GM 「1個か2個のこっていたら、それでビルを直したらいいでしょう。今なら、誰もきづいていないでしょうし」 ハトリ あ、そうか! 持ってたよね? ミーナ あのでかいドラゴンさんに、元の場所に帰ってくれるよう、切に懇願したいんですけど(笑)。 クレイム 「お願いします、お願いします」 ハトリ じゃあ、ホウキで飛んで、「みんな、おうちに帰ろうね」といって、そこらへんの化石さんたちを、先導していってあげよう。 ミーナ 「こっちですよー」 マルファス 本人たちは寝たがっているわけだし。 化石/GM じゃあ、みんな意識をとりもどしたようで。まあ、スケルトンの意識というのも、変な話だけど。 「ああ、どうもいかんいかん」「酔っぱらってたかなあ」 ハトリ 「そうそう。今日のことは悪い夢。また、眠りにつきましょうね」 化石/GM 「やっぱなあ、石灰岩のなかが、一番ええわい!」などといって、博物館に戻っていきますねえ。 一同 (笑) ミーナ ところでさ、そのでかいドラゴンさん、なんていうの? 化石の龍/GM 「よくぞ聞いてくれた。わしは、白亜紀後期にさかえたプラズマダイオウリュウという龍じゃ。ファイアドラゴンの中でも、最強の一族じゃよ!」 タイム プラズマなんだ。強そう。 ミーナ あくしゅ、あくしゅ(笑)。 化石の龍/GM じゃ、1メートルくらいある巨大な爪の先で握手してくれた。そして、かれはですね、元の展示ブースのなかへと戻りました、と。 ビルのほうは、さっきタイム君がうばった魔法の薬で、元にもどすんだよね? 砕けちった瓦礫やら鉄筋やらが飛びあがって、一瞬で元の形にもどるさまは、まさしく魔法! なにごともなかったように、夜の高層ビル街は、静かになりました。 ベルニサール/GM ベルニサールが、ぼろぼろ涙をながして泣いている。 彼女がいうには、おじいさんが病気なんだそうです。それで、おじいさんの病気を治す方法を、独自に魔法書を読んで研究したところ、グリプトドンという絶滅した古代アルマジロをよみがえらせて、その尻尾を煎じて薬にすればよい、という占いの結果がでたらしいのですナ。 で、グリプトドンの化石がどれだかわからなかったので、片っ端から、でたらめに復活させていったらしい。 ハトリ 調べなさい、それぐらい! ミーナ 館長さんに「グリプトドンの化石はどれですか?」って訊いて、翌日その化石がなくなってたら、犯人だってばれちゃうじゃん。 ベルニサール/GM 「すみませんでしたああ」と、ぼろぼろ泣いている。 ハトリ でも、おじいさんが病気というのは、どうしたらいいんだろう? ベルニサール/GM 「あのう、もしよかったら、なんとかしていただけないでしょうか」と、泣いている。 ミーナ 「わたし、ケガや病気をなおす技能、もってるわよ」 ベルニサール/GM 「お願いしますううう!」 マギー また空を飛んでいかないといけないんですね。 今回は、全員がホウキで飛ぶことに成功しました。ベルニサールのおじいさんがいるのは、ヤマネコ山の奥にある、ヤーニャという小さな村だそうです。ちび魔女たちは、その村へむかいます。 GM 川ぞいに、ずっと上流にむかって飛んでいきます。森を越えて、山を越えていくと、村がみえてきます。ベルニサールの故郷、ヤーニャです。朝日がそろそろさしてくるかな。空の上からみていると、山が、しだいに朝の太陽にそまっていく。 タイム まぶしいにゃー。 ミーナ 徹夜だよう。 GM ヤーニャにつきます。中世風の、城塞に囲まれたちいさな山村です。 「こちらなんですけど」と、ベルニサールに案内されて、魔法使いが住んでいたらしい家につきます。粗末なベッドに、おじいさんが寝ていて……たしかに、病気らしいです。 「やっぱり、わたしの魔法書の見立てが、まちがっていたのねえ」と、ベルニサールが、首をふっているんだけど。 ミーナ 「グリプトドンって出てる時点で、間違いって気がしないでもないんだけど……」 GM 気づかなかったらしい。 ミーナ じゃあ、やりますか。ケガや病気を診るのは、スキルだよね。 マルファス 遠まきにしてみています。 クレイムも助力してくれたおかげで、ミーナは、病気の原因となっている精霊をみつけることができました。 精霊/GM 下半身がウナギになっている、ちょっと変わった人魚さんのような女の子が、おじいさんのうえに浮かびあがってきます。あなたにだけ見えています。 「なにか、ご用ですか?」 ミーナ 「あのう、病気を治したいんですけども」 精霊/GM 「それはいけません。このひとが湖を汚したから、ちょっとこらしめているんです」 ミーナ 「ということは、あなたは、湖の精霊なんですか?」 精霊/GM 「見ればわかるでしょう」といっている。 ミーナ 「すみません、わたし、海はわかるけど、湖はちょっと……新米ですから。もしかしてこの人、不法投棄とかしちゃったんですか?」 湖の精霊/GM 「なんだかしりませんが、鉛の塊をいっぱい湖にほうりこんだので、わたしは怒りました」 ミーナ そりゃあ、グリプトドンの尻尾を煎じてもダメだよなあ(笑)。 「じゃ、その鉛を除去すれば、このひとの呪いを解いていただけますか?」 湖の精霊/GM 「そうですね。それから、二度とこのようなことをしないよう、よく言ってきかせておいてください」 ミーナ 「はい、いってきかせます。じゃ、わたしたちでなんとかしますので、よろしくお願いします」 湖の精霊/GM 「では、急いで湖のほうに来てくださいね」といって、姿が消えていく。 ミーナ みなさんに、かくかくしかじか、と話す。 クレイム 猫には、わたしが話す。 ハトリ ベルちゃんに、「おじいちゃんが湖に鉛を投げこんだっていってるけど、おじいちゃんって、なにをしている人なの?」 ベルニサール/GM 「まあ。きっと、おじいちゃんたら、趣味のクレー射撃を、湖で練習したんだわ」 ハトリ ああ! なるほどね。そういうことかー。 ミーナ 「あんたのせいだー!」がくがくっ。(胸ぐらをつかんでゆさぶっています) ハトリ 「やめなさいっ!」 おじいさん/GM 「なんのことかいのう? はっ。急に、気分が良くなったようじゃ」 ハトリ あ、湖の精霊が、わたしたちが来るものと思って、もう先に行ったんですね。 おじいさん/GM 「ふう。これで、半年前に買ったこの新品のショットガンを、またブッぱなせるわい!」 ハトリ おじいさんに、わけを話します。「自重しようね」と。 GM 「なんと……よくわかった」といっています。ベルニサールが、おじいさんを叩いています(笑)。「おじいちゃん、だめじゃない!」 マルファス とはいっても、おまえも悪いだろう! ヘリング/GM 「おまえ、ご主人さまがああいってるんだから、だまってろよ!」 ミーナ なんか、猫は盲目だなあ(笑)。 ベルニサールたちは、近くにある湖に行きました。ヤニャカ湖というなまえだそうです。 GM 半ウナギの人魚さんが、湖のほとりで、みなさんを待っています。この湖に、散弾がいっぱいちらばっているとのことなので、どうにかして、拾い集めてください。 ハトリ 大きなふくろをとりだして、<鉛さん、このふくろのなかに入っちゃえ!>という魔法を。 ミーナ じゃ、水辺で魔法をつかいます。今回は、ひとりでやってみます。 GM そのままだと難易度が高そうなので、工夫が必要だ。湖に協力してもらうという形にするのか、弾そのものに魔法をかけるのか、で、違ってくるんだけど。 ミーナ じゃあ、湖に協力してもらって。鉛さん、集まってください、というかんじでやりますけど。 GM なるほどね。魔法を信じる力が11、難易度5にしておきますか。 ミーナ 2を足して、17か。……18でした。しっぱーい! ハトリ 「しかたないなあ」といって、わたしが同じ魔法を。 「湖さん、湖さん。鉛を、このふくろのなかにはきだしてしまいましょう!」と。でも、今日の魔力は1(笑)。 GM 魔法成功率、7ですよ……。 ハトリ 猫、ねこ。協力してちょ。 マルファス そりゃもちろん。 GM 名前よんであげようよ(笑)。 ハトリ 一種の愛情表現です、きっと。 マルファス 「湖さん、湖さん。うちの頼りない主人に、協力してやってくださいにゃ」 湖の精霊/GM 「あなたしだいですねえ」と人魚がいっているよ。 マルファスの協力で、魔法成功率は16にあがりました。おかげで、ハトリの魔法は、ぶじにかかったようです。 GM 4? すごいっ。ざらざらざら。ふくろのなかに、鉛の弾が集まります。大した量じゃないですね。 マルファス 猫バンク、40点に到達! 湖の精霊/GM じゃあ、人魚さんがですね、 「ああ、おかげで、いい気分になれました。今度、夏になったら、あなたたち、遊びにいらっしゃい。歓迎してあげる」 ハトリ 「水着もってきまーす♪」 マルファス ぶるるる。絶対いやです! クレイム サカナだけくれればいいです。 湖の精霊/GM 「お待ちしてますわー」と、手をふっているよ。 ハトリ じゃあ……、帰りましょうか。 GM ベルニサールとおじいさんが、頭をさげて。「ほんとうに、なんとお礼をいったらいいやら」 ミーナ 「今度からは、困ったことがあったら、わたしたちに相談してね」 ハトリ 「わたし占い師だから、いつでも相談にのるわよ」 ベルニサール/GM 「これからもお願いしますー。……はあ。今日は、アルバイト休ませてもらわなきゃ」と、ふらふらしているようだ。 じゃ、きみたちは、ホウキで飛んで、リーニュに帰りますね。 ミーナ オート三輪で、ぼへぼへと。 GM 空とんで帰ろうよー! ミーナ だって、これ、借り物なんだよ。 マギー (ころころ)あ、飛べなかった。オート三輪の助手席にすわって帰ります。(笑)。 GM じゃあ、魔女たちは朝の光をあびながら、オート三輪といっしょに飛んで帰ったと。 あとで大魔女さまが、「まあまあ、合格じゃな。これからもその調子で、人助けをしてがんばるのじゃぞ」と、いってくれました。 ハトリ イエッサー! ぶじ、展示は、間にあいました。3日後、なにごともなかったかのようにダイオウリュウの骨格が公開されているのを、ちび魔女たちは、テレビで眺めることができたのです。ハトリが占いで見たのは、この光景だったようです。 ただひとつ、あとでミーナたちがあわてたのは、テレビで、ある男の人がわめいているのを見たときでした。その人は、こういっていました。 「おれ、あの日、夜勤だったんだけどさ。夜中、オート三輪と、でっかい龍のガイコツが、空を飛んでるのをみたんだよ。ホントだってば! しんじてくれよー!」 <リーニュのちび魔女 その2>へつづく
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