三龍戦騎


2−9、天魂

tenkon

 「聞こえるわ。星の囁きが」
 ――天魂

 天魂は、共栄圏に多くみられる植物系の知性体である。本体は直径3メートルほどの植物体<天魂球>であるが、常に<天精花>とよばれる共生体を伴っている点が特色である。
 天精花は身長50cmほどで、多くは美しい幼女や美少年の形態をとる。天魂が誕生すると同時に親株によって生み出される共生体で、人間型をしているが体組織は天魂同様、植物細胞で構成される。端末であるため、厳密には生物とは言いがたい面があり、どちらかといえば人形に近い存在である。
 天精花は、人類やその他の知性体と意思疎通するための端末人形ではあるが、そのあまりの美しさのため、多くの人々が天精花に迷い、ときにアマミツヨの歴史を左右する事件に発展したこともあった。そのため、ときに天魂は、<傾国花>とも呼ばれる。

 ●1、天魂の特色
 天魂は高度な知性を有するが、敵に対する直接的な攻撃能力には乏しい。このため、友軍の支援や、治療を得意とする。また、天精花の高い交渉能力や魅力を生かした対外交渉は、天魂の本領を発揮する場面である。
 なお、生命点や装甲は天魂本体のそれが装甲車両に匹敵するため、ルール上は、天魂本体の数値を、トモガミの能力値として表記する。逆に、ルール上は、天精花の数値をPC本人の数値として表記する。

 ●2、天魂の起源
 天魂の起源は、明確には伝わっていない。一説によると、天魂は、星覇同様、伝道者によって創造された種族であるといわれている。
 現在では詳しい記録は失われているが、その目的は、アマミツヨの軌道上に生息する宇宙植物<アマノワタリ>と意思疎通することにあったと推測されている。アマノワタリは、直径数百メートルから数キロメートルに及ぶ巨大な宇宙植物で、アマミツヨの衛星軌道と、星系外縁部との間を定期的に回遊している。本星系外縁部には、すでに失われているはずの超光速移動機関<跳天門>が存在しており、伝道者は、アマノワタリと意思疎通することで、その超光速移動技術を再び手中にしようと考えていたらしい。
 しかし、植物系知性体であるアマノワタリと伝道者とでは、直接の意思疎通は困難であった。そこで、伝道者たちは、両者の仲介役および通訳として、天魂を創造したのだといわれている。その創造にあたっては、地上に落下したアマノワタリの「種」を用いたのだとか、一から創造されたのだとか、諸説がある。
 別の説によると、天魂は、伝道者によって創造されたのではなく、アマノワタリ自身が生み出した、人類と意思疎通を行うための端末であるともいわれる。真偽のほどは、記録が失われた現在では確認されていない。
 ただ、いずれにしろ、星界に生きる知性体と地上の人類たちの媒介となることを期待されていたのだと、天魂たちは考えている。星界に達する手段を失ってしまったいま、すべての天魂は、自らに課せられている使命と、現実との相反に苦悩しているのである。

 ●3、天魂の文化
 高度な知性を有し、またかつて星界をめざした経緯から、天魂は高い自尊心をもっている。そのため、しばしば地上人の文化や考えを見下すことがある。また、直接的な戦いを好まず、策略や交渉を好む。
 天魂は栄養生殖、すなわち子株を生んで繁殖することが可能なため、有性生殖やそれに関する文化を軽んずることがあり、星覇とは恋愛感情をめぐって対立することがある。
 PCとなる天魂は、まだ若い天魂である。成層圏を周回している巨大な親株から、地上人類との意思疎通能力を磨くために共栄軍に派遣された個体なのである。彼(彼女)らの最終目標は、地上人類とともに、星界のアマノワタリたちと再び出会い、外宇宙をめざすことにあるが、現在のところ、天魂は大気圏を突破する能力をもっていない。このため、宇宙や、アマノワタリに強い関心や憧れを抱く個体が多い。

 ●4、志星連絡会
 天魂は地上では国家を形成せず、<志星連絡会>を組織している。これは、各国の政府要人や財界人に強いネットワークをもつ巨大な組織で、天魂は、これを通じて共栄圏の宇宙開発を推進し、再び星界に戻ることを画策している。これを妨害しようとする勢力に対しては、政治力を駆使しての妨害排除をも厭わない。
 地上に降りた天魂は、この連絡会によって支援を受け、自らが所属する部隊の任務達成を容易にしようとすることが多い。とくに情報収集においては、連絡会の力は絶大である。連絡会の事務所は、央天青の都市部など、人口の多い地域にはたいてい置かれている。たいてい、高級社交クラブのような佇まいでさりげない門構えであるが、内部では、栄養液につかってくつろぎながら、天魂たちが重要な政治・軍事情報をやりとりしているのである。

 ●4、天精花の運用
 ルール上は、天精花をPCが演じる。トモガミとして扱うのは天魂本体の方である。天精花は、天魂の意思そのままに動作する人形であり、人類など他種属と意思疎通し、ともに冒険することができる。感覚もすべて天魂本体に伝達され、それに対する反応が天精花にフィードバックされる。天精花と天魂は、10メートル以上はなれることはできない。

 ●5、天魂のウツロヒ目的
 天魂という種属全体の目標は、上述したように、地上の人類などと協力して星界をめざすことにある。個々の天魂は、そのために地上の種属の文化、行動原理、そして戦術などを学ぶため、地上に派遣される。三龍帝国をはじめとする共榮圏の諸国は、天魂とは協力体制を築いているため、そうした若い天魂は、アラガミ師とともに教育部隊に配属され、ともに訓練任務をこなしていくことになる。
 新米アラガミ師たちとともに冒険をこなし、同じ部隊のアラガミ師がウツロヒの旅を無事に終えたら、天魂としても一人前とみなされ、天空の親株への帰還が許される。もっとも、多くの天魂はその後も地上に残り、至星連絡会のために活動していくことを選ぶ。

 ●6、キズナ判定と武魂
 天魂のキズナ判定は、「天魂キズナ技能」で行う。このキズナ技能は、「知性」技能として扱う。天魂は派遣される地域の環境にあわせて体組織の調整を受けているため、恐竜と同様、環境・年代による修正を受ける。
 アラガミ師などとは異なり、天魂は、戦闘以外の場面で天華法を使った後にもキズナ判定を行うことができる。すなわち、戦闘やアクションの後だけではなく、天華法を発動させて交渉や魅了判定を行った後にも、キズナ判定に挑めるのである。
 ただし、キズナ判定である以上は、トモガミとゲキの繋がりが試される場面での天華法発動である必要がある。例えば、何らシナリオの流れと関係のない通行人にいきなり天華法をかけ、魅了しても、キズナ判定は行えない。

 ●6−2、樹神形態
 武魂を6点ためると、アラガミ師の<龍化>同様の原理で、<樹神>に変異することができる。天魂球と天精花は一体化し、巨大な植物型の龍――<樹神>となる。アラガミ同様、<荒魂判定>も必要である。
 樹神形態時、自身を中心としたキズナレベル値×半径20メートルの範囲内に天魂の組織が繁茂し、ちょっとした森のようになる。この範囲内で発動させる天華法は、その効果が通常の2倍になる。
 ここでいうキズナレベル値とは、「キズナ判定値」ではない。混同しないこと。
 :知性3、キズナレベル1(=キズナ判定値4)の天魂が樹神化する。1×半径20メートルの範囲に、彼女の植物組織が広がり、彼女自身は、緑の葉をしげらせた龍神へと変異していく。

 樹神本体の体長はおよそ10メートルほど。樹神の重量や質量は、元のトモガミ+ゲキの重量・質量合計と同じである。
 また、幹や枝などによる爪・牙様の白兵武器が形成され、白兵ダメージが備わる。白兵ダメージ値は、火弾属性・徹甲ダメージで、「体」に等しい。
 <樹神>の力
 1、全判定値にキズナレベル値を加算。
 2、装甲が2D+キズナレベル値に。属性は対火弾および対電磁。
 3、白兵ダメージが生じる。「体」に等しい火弾・徹甲ダメージ。
 4、樹神の勢力範囲内で発動させる天華法の効果が2倍に。
 5、水中行動による不利な修正を受けない。

 ●7、天華法
 天魂は、その能力を生かして、友軍に対する多彩な支援行為が可能である。支援行為を行うと、天魂はそれぞれの天華法に表記された「和魂」を消費する。それぞれの天華法に記された「消費」÷キズナレベル=最終的な和魂消費量、である。天魂のキズナレベルが上昇すればするほど、多くの天華法を発動させることができるようになる。
 直接、敵の肉体にダメージを与えるタイプの種子弾を除き、種子弾を撃ちこむ場合、目標の装甲は無視してよい。つまり、支援系などの種子弾が装甲に弾かれることはない。元々、天華法技能による種子弾の射撃は、目標の非装甲部分を狙い撃つことが前提となっている。

 天華法の実行にあたっては、系統別の<天華法技能>による判定を行う。技能が無くとも全系統の天華法の判定を行える。
 目標が抵抗する場合は対抗判定で、そうでない場合は難易度判定で処理する。通常の難易度は「普通」であるが、周囲が騒々しい、異常な高温、危険な状況におかれているなどの場合は、+1〜+4程度、またはそれ以上の難易度修正が加算される。

 ●7−2、天華法の対象
 天魂の産生する化合物は生物体にしか作用しないため、環境に作用する天華法をのぞき、機械類は天華法の対象とできない。また、天華法は、それを発動したキャラクター自身には効果を及ぼさない。

 ●7−3、天華法に対する抵抗
 基本的には、「根性」により抵抗判定を行う。射撃系天華法の場合、まず、通常の射撃戦闘ルールどおり処理する。

 それが命中した場合、被弾したキャラクターは、攻撃者の天華法技能による達成値を目標として「根性」により抵抗判定をおこなう。(修正ずみ)

 それが命中した場合や、射撃系でない天華法による攻撃を受けた場合には、キャラクターの「根性」により抵抗判定を行う。

 ただし、被害者の肉体に働きかける天華法の場合、「根性」のほか、キャラクターの「体力」「体」により抵抗を試みることもできる。プレイヤーが、いずれの方法で抵抗判定を行うのか決定すること。
 物理定数(環境)に直接に作用する天華法の場合、キャラクターは抵抗判定を行えない。

天精花
 天精花。衣服を着る場合もある。


 ●8、天精花
 天精花は、基本的には、三龍帝国人の容姿をもつ美しい幼女の形態をとるが、1レベル成長するごとに、種属、性別、髪の色などの外観を変更することができる。性格や行動もそれに応じて変化する。ただし、本質的には天精花は端末としての人形である。もちろん生殖能力はもたないし、排泄を行うこともない。水分や栄養分を摂取し、天魂本体に受け渡すことはできる。
 天精花は、きわめて魅力的な存在である。身長をのぞき、その声、容姿、ふるまい、そのすべてが、擬態している種属の理想的な形態をとるよう創造されているのである。もっとも性格については評価は分かれる。天魂が、天精花の魅力を交渉判定に用いる場合、擬態している種属に対しては性別を問わず+2、他種属については+1の修正点を得る。ただし、この修正点をつかって交渉を行う場合、そのカリスマ性、人間的魅力を表現するロールプレイが必要である。

天魂球


 雪華
 ゆきばな。共榮圏でもっとも普通にみられる天魂球。連絡会構成員の数も最も多い。天魂本体は直径2〜3メートルほどの球状の植物体で、硬い鱗状の葉に覆われる。長くのびた茎の先端には、3年に一度、桃色の花が咲く。
全長:2m
体重:1トン
環境:ジュラ紀全般/森林
知8、体1、動2
キズナ難易度:12
生命:13
白兵ダメージ:なし

 蓮縄
 れんじょう。太い縄のような根菜が絡まったような形態の天魂球。直径は50センチ、長さは3メートルほどになる。1年に一度、幹から直接、白い小さな花を無数に咲かせる。天魂にしては頑丈な体質で、大雑把な性質の者が多い。庶民ガルナスに人気がある。
全長:3m
体重:1トン
環境:白亜紀全般/草原
知5、体5、動2
キズナ難易度:13
生命:15
白兵ダメージ:なし

 曇葉
 どんよう。雪華同様、丸っこい天魂であるが、その表面はやわらかい肉質の葉に覆われ、愛嬌がある外観。他の天魂よりも湿度の高い環境を好み、時間さえあれば、球の下部を水に浸している。カワアガニとつながりのある者も多い。雨季に、青い花をたくさん咲かせる。
全長:2m
体重:1トン
環境:ジュラ紀全般/河川
知3、体3、動6
キズナ難易度:12
生命:13
白兵ダメージ:なし

天華法


<治癒系>
「天華法/治癒」技能(知系)で判定を行う。

【天魂桃】
 てんこんとう。天魂の治癒能力の代名詞といわれる果実。非常に栄養価が高く、生物の自然治癒能力や免疫を高める薬効成分を豊富に含んでいる。香り高く味もよい。ただし、人前でこれを産出することは恥ずかしいこととされ、あまり天魂にこれをせびると嫌がられる。天魂桃1個の算出に20分を要する。
 効果:果実1個につき1D、食べた生物の「生命」回復。
 消費:果実1個につき3。

【美麗草子】
 蔓の先端に墨汁などを含ませ、高速で、人の心を和ませる美麗な絵を描く。紙は別途必要。おおむねA4サイズ(この世界にそんな規格は存在しないが)の紙に、フルカラーの絵を1D分で完成させることが出来る。モノクロの場合はその半分の所要時間となる。
 効果:絵を描く。
 消費:1枚につき3。

【眠気覚まし】
 覚醒作用のある種子を目標にうちこむ。徹夜や疲労によるマイナス修正を一時的に阻止する。効果は6時間持続。
 効果:覚醒作用。射程50メートル。
 消費:3

【癒しの種】
 治療効果のある栄養液を含んだ種子弾を目標に打ち込み、目標の回復力を強める。3時間に1回しか使えない。
 効果:キズナレベル×1D、目標一体の生命点を回復する。射程100メートル。
 消費:6

【肉の種】
 急速な細胞分裂と機能分化を促す種子を目標に打ち込み、目標の欠損した器官を修復する。修復には、着弾後、ひとつの器官・臓器につき1日を要する。修復が完了するまでは破損器官・臓器は機能しないので、その間、治療は継続する必要がある。肉の種を打ちこんでも「生命」は回復しない。
 効果:破損した器官や臓器一個の修復。死体には無効。射程100メートル。
 消費:12

【神経浄化弾】
 天華法により幻覚・幻聴・幻覚味覚を体感している者の感覚を、種子弾を撃ちこんで正常な状態に戻す。毒物による幻覚などは、別の天華法により治療すること。目標はキャラクターひとり(または一騎)。自分よりキズナレベルの高い天魂による天華法の場合、キズナレベル差の値が、そのまま神経浄化判定の難易度に加算される。
 効果:天華法による幻覚などを治療する。射程40メートル。
 消費:6

【血清子/抗神経毒】
 爬虫類の神経毒に対する血清として作用する種子。神経毒は特に死亡率が高く、天魂の需要も高い。これを撃ち込まれたキャラクターの抗毒判定に、技能値を加算できる。
 効果:抗神経毒判定に上方修正。射程50メートル
 消費:12

【血清子/抗出血毒】
 爬虫類の出血毒に対する血清として作用する種子。これを撃ち込まれたキャラクターの抗毒判定に、技能値を加算できる。
 効果:抗出血毒判定に上方修正。射程50メートル
 消費:9


【忌避子/外部寄生虫】
 一定時間、吸血性の節足動物を忌避させる薬剤種子を発射する。種子が命中すると破裂し、対象者に忌避剤が散布される。効果は3時間有効。
 効果:吸血性の節足動物や甲殻類を寄せつけない。射程10メートル
 消費:3

【駆虫子/抗マダラネツ原虫】
 マダラ熱の原因となる原虫(単細胞の寄生生物)を駆除する。薬剤種子を対象キャラクターに服用させる。射出はできない。服用したキャラクターの体力判定に、技能値を加算できる。1回の服用につき1回この修正が適用される。
 効果:マダラネツ原虫の駆除
 消費:12

【駆虫子/抗ミシマ線虫】
 ミシマ線虫を駆除する。薬剤種子を対象キャラクターに服用させる。射出はできない。服用したキャラクターの体力判定に、技能値を加算できる。1回の服用につき1回この修正が適用される。
 効果:ミシマ線虫の駆除
 消費:6

【駆虫子/抗オウテン住血吸虫】
 オウテン住血吸虫を駆除する。薬剤種子を対象キャラクターに服用させる。射出はできない。服用したキャラクターの体力判定に、技能値を加算できる。1回の服用につき1回この修正が適用される。
 効果:オウテン住血吸虫の駆除
 消費:8

【駆虫子/抗ミツリュウ有鈎条虫】
 ミツリュウ有鉤条虫を駆除する。薬剤種子を対象キャラクターに服用させる。射出はできない。服用したキャラクターの体力判定に、技能値を加算できる。1回の服用につき1回この修正が適用される。
 効果:ミツリュウ有鉤条虫の駆除
 消費:10


<環境系>
 「天華法/環境」技能(知系)で判定を行う。

【戒めの蔓】
 細く長い蔓を急速に伸ばす。蔓を伸ばす作業は瞬時(戦闘中は1ターン)に完了する。目標を補足したあとに拘束する場合は、体判定で白兵攻撃として処理する。成功すればダメージはないが、目標を拘束できる。
 効果:蔓をのばす。射程40メートル。
 消費:4

【燐光灯】
 天精花の花弁に淡い光をともす。色は自由に設定できる。光の強さは、マッチ程度から10メートル先の地面を照らす程度にまで、自在に調整できる。効果は1回の判定につき3時間持続。
 効果:発光
 消費:3

【球体発声】
 天精花ではなく、天魂球の組織の一部を振動させ、天魂球に発声・発音させる技術。会話に限らず、簡単な音響を発することも出来る(爆発音や笛の音など)。聞き取りを行うこともできる。天魂球の一部を水に浸してこの天華法を発動させると、水中にいる目標とも音声による意思疎通が可能となる。範囲は陸上での会話と同じぐらい。
 効果:天魂球による発音・発声・会話
 消費:3

【臭気合成】
 半径20メートル四方に、特定の臭気を放つ。食べ物が焼ける匂い、腐敗臭、死臭、香水の香りなど、種類は様々。臭覚の鋭い動物をも欺瞞できる精度である。合成できるのは、キャラクターが嗅いだことのある臭気に限られる。1回の合成には10分を要し、1回の合成作業では1種の臭気のみ作成可能。効果は10分間持続。
 効果:臭気の合成。半径20メートル、10分間有効
 消費:3
 
【迷いの雲】
 白っぽい煙幕を周囲に展開し、味方を隠蔽する。この煙幕は、赤外線も遮断する。効果範囲は、半径20メートル四方。特に風の強い場所でなければ、5分間持続。
 効果:煙幕を展開。半径20メートル、5分有効、敵の射撃難易度+2
 消費:4

【電火惑い】
 帯磁した花粉を大量に放出し、味方を電探(レーダー)の探査から隠蔽する。可視光線や赤外線は遮断できない。効果範囲は20メートル四方。特に風の強い場所でなければ、5分間持続。
 効果:対電探煙幕を展開。半径20メートル、5分有効、敵の電探射撃・電探探査難易度+2.
 消費:4

【冷気招来】
 半径10メートル四方の気温を摂氏10度、低下させる。1回の低下作業には10分を要する。効果は20分持続。効果は累積する。
 効果:温度低下
 消費:6

【春季招来】
 半径10メートル四方の気温を摂氏10度、上昇させる。1回の作業には10分を要する。効果は20分持続。効果は累積する。
 効果:温度上昇
 消費:4

【凍霊火】
 極低温の液体を噴射する。1回の噴射で、1立方メートルの水を10秒で凍結させることができる。生物に使用した場合、対人ダメージ2として扱う。食材を冷凍すると、冷却時に細胞が破壊されるため、味が極端に悪くなる。
 効果:極低温の液体を噴射。射程3メートル
 消費:15
 
【粘縛樹脂弾】
 粘性の高い樹脂が封入された大型種子を射出する。容量は3リットルほど。命中すると、目標の機動力を低下させることができる。また、この樹脂は火をつけるとよく燃える。樹脂は着弾後1時間で硬化する。硬さは硬度表2ていどで、琥珀のそれに等しい。
 効果:高粘度樹脂を射出。人間大の目標で「技術」−4、トモガミで「動」判定値−2の修正を与える。射程50メートル。
 消費:9

【酸素吸収】
 半径20メートル内の酸素を吸収する。1回の作業に10分かかる。酸素以外の特定の気体を対象にすることもできる。閉鎖空間でなければ行えない。
 効果:特定の気体の吸収
 消費:14

【暴風障壁】
 全身の気孔から突風を噴き出し、気圧変化を生じさせて大気の障壁を作る。障壁の大きさは、天精花の前方、幅2メートル、高さ10メートル、長さ10メートル。この障壁は、有毒ガス、悪臭、温度変化を遮蔽する効果がある。
 効果:大気の障壁を作り、有毒ガスなどを遮断する。効果は10分間。
 消費:10

【笑気花粉】
 亜酸化窒素に似た効果をもつ花粉を放つ。半径5メートル以内にいるキャラクターを陽気な気分にさせる。鎮静作用と、弱い麻酔作用があり、軽い手術程度なら痛みを感じなくなる。効果は30分持続。その間、判断力は低下する。依存性や毒性はないが、精神的に依存することがあるため、天魂はこの花粉をみだりに使うことを戒めている。キャラクターの知性−2。
 効果:鎮静作用のある花粉を放つ。自身を中心に半径5メートル。
 消費:8

【劇症花粉弾】
 激しい炎症作用のある花粉弾を発射する。着弾地点から半径10メートル以内にいるキャラクターは、粘膜の激しい炎症、催涙作用により、理性的な行動をとれなくなる。キャラクターの能力値すべてに−3の修正。効果は20分持続。
 効果:催涙効果のある花粉弾を発射する。射程100メートル。
 消費:24

【強酸弾】
 金属と有機物に対して激しい腐食作用をもつ強酸性の種子を放つ。通常の防具は効果をもたない。命中した目標に、毎ターン、対人ダメージ3を与える。効果は1D+天華法/環境技能値ターンのあいだ持続。物体に対して使用した場合、効果は3分間持続するものとし、それにより5センチの鉄板を溶かし、およそ直径10センチの穴を開ける効果がある。木材に対しては厚さ・開口部の大きさがそれぞれ2倍になる。
 効果:毎ターン、対人ダメージ3.金属や有機物の腐食。
 消費:14

【鴻毛の囁き】
 重力制御により、目標一個の重量を一時的に二分の一にする。重さ50トンまでの物体に有効。逆に、重量を二倍にすることもできる。目標物が増加した自重に耐えられない場合、損傷する。
 効果:目標物一個の重量を二分の一、または二倍に。射程は100メートル。効果は20分。
 消費:32

【旋風の脚】
 トモガミ一騎または車輛一台の動ベクトルに合致させた瞬間的な重力制御により、動性を向上させる。
 効果:トモガミ一騎または車輛一台の動判定値+3、4ターン持続、射程200メートル
 消費:27

【大地の縛め】
 天精花から800メートル以内にある任意の座標を中心とし、半径100メートル以内の重力を増大させ、敵の動きを抑制する。座標設定に3ターンを要する。
 効果:指定座標から半径100メートル内の重力場増大。範囲内キャラクターの「技術」または「動」判定値−5.効果は4ターン持続。
 消費:40


<支援・妨害系>
 「天華法/支援・妨害系」技能(知系)で判定を行う。

【徹甲種子弾】
 徹甲弾芯をもつ硬い種子を高速で射出する。
 効果:徹甲・火弾ダメージ4、射程50メートル
 消費:3

【根性弾】
 興奮作用のある種子弾を撃ちこみ、目標キャラクターひとりが戦闘中に恐怖や混乱を感じないようにする。戦闘中なら3ターン、それ以外の場面では10分効果が持続。
 効果:キャラクター一人の「根性」+1。射程150メートル。
 消費:3

【鎮めの種】
 鎮静作用のある種子弾を撃ちこみ、目標キャラクターひとりが冷静に行動できるようにする。効果は3ターン持続。
 効果:キャラクター一人の「知性」または「知」+1。射程150メートル。
 消費:4

【爆雷種子】
 水中の装甲目標を攻撃するための生体爆雷機能をもつ、椰子の実ほどの大型種子を投射する。水深60メートルまでの目標を攻撃可能だが、視認可能な水中目標でも攻撃判定値−2、視認不能な目標については、何らかの手段で目標を補足しないと攻撃できない。
 効果:対潜攻撃。ダメージは徹甲・火弾5+爆風、水深60メートルまで攻撃可能
 消費:5

【角質強化弾】
 トモガミの表皮の細胞を強化する種子弾を撃ちこむ。一時的に、対火弾防御力が上がる。
 効果:トモガミ一体の対火弾・徹甲防御力+2。射程300メートル。4ターン持続。
 消費:8

【武人の風】
 興奮作用のあるガスと花粉をはなち、戦闘中、効果範囲内の知性体が恐怖や焦りを感じないようにする。戦闘中なら6ターン、それ以外の場面では1時間効果が持続する。
 効果:半径15メートル内にいるキャラクターの「戦場の狂気判定」を不要にする。
 消費:12

【閃きの風】
 大脳機能を増幅する作用のある花粉を放ち、キャラクターの判断力を向上させる。「知性」「技術」+3。
 効果:半径10メートル内のキャラクターの知性および技術+3.30分持続。
 消費:15

【夢見の風】
 キャラクターの性本能を刺激し、魅力的にふるまわせる花粉を放つ。効果は1時間持続。ガルナス・ガダンに対しては効果+4.
 効果:半径20メートル内のキャラクターの魅力+2.
 消費:8

【桃源猫の種】
 星覇の繁殖衝動を刺激し、平常時よりさらに見境ない性行動に走らせる花粉弾を発射する。効果は30分持続。「根性」判定に失敗した星覇は、視界に入るキャラクターのうち、もっとも「龍魂」値が高いものに対し、激しく情熱的に求愛行動を行う。行動後、その星覇の「生命」−1.「根性」判定の際、1ゾロをふった場合、その星覇は妊娠する。
 効果:星覇を性行動に走らせる。射程10メートル。30分持続。
 消費:18

【龍の息吹】
 龍魂能力を高める花粉を放つ。龍魂体が微量に含まれているという説もあるが、天魂自身にもその組成は分からない。効果は10分持続。
 効果:キャラクターの龍魂+3.
 消費:12

【火弾阻止】
 内部に誘爆花粉のつまった種子弾を発射する。目標地点に命中後、その効果範囲内で火弾火器を発砲した瞬間、誘爆をおこす。効果は6ターン持続する。
 効果:着弾地点を中心に、半径60メートル四方において、発砲されたあらゆる火弾兵器をその場で誘爆させる。6ターン持続。射程300メートル。
 消費:14

【幻視の種】
 目標生物の脳神経に作用する化合物をふくむ種子弾を撃ちこみ、目標生物に幻覚をみせる。幻覚の内容は制御できないが、多くは抽象的な光や色の塊を見る。見張り業務など、視覚が大きな要素を占める作業は行えなくなる。効果は10分持続。
 効果:目標生物一体に対し、幻覚を見せる。射程70メートル.
 消費:8

【幻聴の種】
 目標の聴覚神経に作用する化合物をふくむ種子弾を撃ちこみ、目標生物に幻聴を聞かせる。幻聴の内容は制御できないが、多くは耳障りな騒音や、囁き声を聞く。楽器の調音、駆逐艦の聴音手(ソナー手)など、聴覚が大きな要素を占める作業は行えなくなる。効果は10分持続。
 効果:目標生物一体に対し、幻聴を聞かせる。射程70メートル。
 消費:9

【幻の美味】
 目標の味覚神経に作用する種子弾を撃ちこみ、あるいは種子の中身を食物に混ぜ、どんな下手な料理でも、美味に錯覚させる。物理的に食べることが不可能な物質に対しては無効。
 効果:目標生物一体の味覚を騙し、まずい料理を美味に感じさせる。射撃する場合は射程20メートル。
 消費:8

 効果【眠りの種】
 催眠作用のある種子を目標に撃ち込む。天魂の判定値を目標値とした体力判定に失敗した目標は眠りこんでしまう。誰かに起こされたり、大きな物音、振動などによって普通に目覚める。
 効果:目標一体を眠らせる。射程150メートル。
 消費:10

【けだま重力加速】
 星覇に重力加速をかけ、次ターン以降での白兵攻撃の破壊力を増強させる。
 効果:星覇(星娘含む)の白兵攻撃ダメージ【徹甲値】+6。5ターン持続。
 消費:16

【闘魂一発】
 キャラクター一人またはトモガミ一柱に、興奮作用と覚醒作用をもつ種子弾を撃ちこみ、敵の龍魂攻撃や天華法攻撃に対する抵抗力を上げる。判定に成功した場合、撃ち込まれた次ターン以降でのそのキャラクターの「根性」判定+3。
 効果:根性+3.効果は4ターン持続。
 消費:20

【幻惑の花弁】
 半径20メートル内に、気圧変化による旋風をまきおこし、多量の花弁を友軍周辺に舞い散らせ、敵の射撃難易度を+4させる。しかも天魂がかっこよく見えるので、魅力+2。花弁の種類は基本的には真紅の薔薇であるが、任意に設定できる。
 効果:敵の射撃難易度+4、自分の魅力+2、4ターン持続。
 消費:14

 以下は、従来は紙のルールブックにのみ掲載されていたボーナス天華法です(笑)。2006年10月12日html版にも追加。

【迷いの影】
 自分、もしくは他人にそっくりな三次元映像を投影する。自分の思うとおりに動かせるが、映像そのものからは音声は発せられない。見破るには、この天華法の発動判定で天魂が出した達成値以上の目を、観察者が「知性」で出す必要がある。
 効果:人物の立体映像投影、30分持続
 消費:6

【迷いの声】
 聞いたことがある他人の声や、動物の音声を模倣する。この天華法の発動判定の達成値以上の値を「知性」で出したキャラクターには、ホンモノの声でないことがばれてしまう。
 効果:音声の模倣
 消費:4



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清水三毛 2005.8.〜