三龍戦騎


2−7、専門技能

 キャラクターは、一般技能のほかに、それぞれの種属に特有の<専門技能>を取得できる。
 専門技能は、一般技能に比べて、特殊化していたり、効果が特殊なものが多い。また、専門技能は、それ自体、種属の特徴をしめしている。どの専門技能を修得するかによって、キャラクターの性格が決まってくるので、そうした観点から技能を選ぶとよい。

 ●1、ゲキ技能とトモガミ技能
 一般技能と同じように、専門技能も、「ゲキ技能」と「トモガミ技能」にわかれている。
 ゲキ技能は、ゲキが単体で習得し、使用する技能である。トモガミ技能は、ゲキとトモガミがともに協力して習得し、使用する技能である。多くは、トモガミと供に行動しているときに使用する。
 トモガミ技能は、あらかじめ算出した「トモガミ判定値」に加算して用いる。

 ●2、判定について
 専門技能は、その技能を取得していない場合、その種属であっても判定を行えない。たとえば、天魂であれば、天華法技能を取得していなければ、天華法の発動判定は行えない。ただし、共通技能の場合は、技能がなくても判定自体は可能である。
 専門技能で行う判定は、たとえその技能を取得していなくても、その種属ならば判定を行える。例えば、天魂であれば、天華法技能を1つも取得していなくとも、三系統すべての天華法の発動判定を行えるのである。
 他種族はそうした判定そのものを行えない。但し、共通技能で行う判定は、すべての種属が、技能がなくても判定を行うことができる。
(2006.8.16.削除、修正)

 
アラガミ師


 
ゲキ技能
<体力系技能>

 戦術格闘【体力】
 軍隊式の格闘術。白兵戦闘で使用。敵の急所をつき、迅速に殺害する。一般の格闘技では禁じ手とされる技も含む。ゲキの白兵攻撃判定において、大打撃値−2。通常の敵なら大打撃値が8になる。

 銃剣突撃【体力】
 小銃や突撃銃に銃剣を着剣し、雄たけびとともに敵に突撃する技能。判定不要で、技能レベル×10メートル以内の「雑兵」NPC全てを恐怖させ、逃走させることができる。目標NPCが雑兵かどうかはGMが決めること。雑兵でないキャラクターを相手にする場合、本技能と、相手の「根性」で対抗判定を行い、成功すれば逃走させることができる。本技能をもつ者は戦意旺盛であり、「戦場の狂気」判定において本技能を使用できる。

<技術系技能>

 兵器修理【技術】
 銃器から魚雷や大砲まで、全ての火弾兵器を修理できる万能技能。

 必殺の一弾【技術】
 この技能で射撃判定に成功すると、技能レベルに等しい追加対人ダメージを与えることができる。

<知性系技能>

 アラガミ学【知性】
 アラガミ、恐竜、マガツ、クリュウ、天魔に関する総合的な知識。生物学、歴史学、社会学などあらゆる側面からアラガミなどの戦術生物を分析する技能。未知の<戦術生物>やマガツの生態などを推理する際にも使える。本技能による判定に成功した場合、GMは、目標の数値を教えること。細かい値まではわからないが、四捨五入した判定値や、主な武装ぐらいは分かる。

 法部【知性】
 のりべ。法律の専門家としての技能。本技能をもつものは法部としての資格をもっている。アラガミ師は、ウツロヒを終えて正式に着任すると一等法部として裁判官や検察官に似た業務を行うが、PCは二等法部であり、正式な法廷では働けない。市民間の仲裁・調停の判断を下したり、法律文書の作成、交渉における有利な証拠の発見などの判定に使用する技能である。また、法律を拡大解釈して適当な理屈をこねて、交渉相手を煙にまくこともできる。ただし、証拠や文書を偽造すると、最低でも懲役3年の刑罰を受けるので注意すること。

 爆薬【知性】
 時限爆弾、地雷を設置、または解除する技能。手榴弾をワイヤ式の仕掛け罠として設置することもできる。設置された仕掛け爆弾を他のキャラクターが解除する場合、最初に設置されたときの達成値以上の値を出す必要がある。

 指揮【知性】
 指揮をおこなう技能。本技能をもつ者は部隊の指揮官であり、戦闘開始時にこの技能で主導権判定を行う。また、自分の行動ターンで本技能による難易度判定に成功すると、味方に適切な指示を下すことができる。指示された味方は、次の行動で判定値+1。成功レベルが1増加するごとにこの修正も+1づつ増加する。この際、必ず軍人らしく指揮の演技を行うこと。部下が戦意を喪失しそうなときなど、自らの指揮能力が試される場面でも使用できる。

<魅力系技能>

 五族共和【魅力】
 対立している種属をそれぞれ説得し、和解させる交渉技能。シナリオの中核にからむ重要な交渉においては、ちゃんと具体的な解決策が呈示されなければ本技能による判定は行えない。歴史背景などから仲の悪い種属を和解させる場合、−1〜−4の修正が入る。

 帝国軍人の誇り【魅力】
 軍人らしさを強調して交渉し、相手を魅了する場面で使用する。遊戯者は軍人らしさを演技すること。対ガルナス・ダガン交渉で+1の修正を得る。

 上官命令【魅力】
 軍人、軍属に対して有効。意見具申も含み、上官に対しても可能。命令として自分の意見をおしとおしたい場合に交渉判定で使用する。

 七生報国【魅力】
 愛国的な行動を行う場合に使用する。魅力系の判定以外にも技能レベル値を加算できる。この技能をもつ者は熱狂的愛国者である。
 
 三龍大社で会おう【魅力】
 ともに戦い、死ぬことを誓った親しい戦友(NPC含む)の支援に使用する。戦闘中1回のみ、自分のターンを消費してその戦友に声をかけることで、技能レベル値を彼(彼女)の判定値に加算できる。判定は不要だが、必ず、戦場らしい演技をすること。

<龍魂系技能>

 アラガミ感知【龍魂】
 アラガミ、天魔などの戦術生物や、そのゲキの龍魂波を感知し、その居場所や、現在のおおまかな行動(戦闘中、睡眠中など)を察知することができる。ゲキ単体の感知にも使用可能。効果範囲は技能レベル×1km。

 感情感知【龍魂】
 対象とする生物一体の感情を感知する。喜怒哀楽が分かる程度で、詳細までは読みとれない。射程は技能レベル×10mで、対象生物を目視で確認する必要がある。感知されたくない場合、目標は本技能や、龍魂で対抗判定を行う。機械的な映像を介しては本技能は使用できない。

 感情投射【龍魂】
 対象とする生物一体の感情を操作し、自分の望む感情を投射できる。投射できる感情は喜怒哀楽程度。射程は技能レベル×10mで、対象生物を目視確認する必要がある。目標は本技能や、龍魂で対抗判定を行う。機械的な映像を介しては本技能は使用できない。使用すると和魂−2.

 放心惹起【龍魂】
 対象とする生物一体の感情を左右し、放心状態にする。潜入工作時、監視兵にかけるなど、使用頻度は高い。射程は技能レベル×10mで、対象生物を目視確認する必要がある。目標は本技能や、龍魂で対抗判定を行う。機械的な映像を介しては本技能は使用できない。使用すると和魂−2.
 この技能は、戦闘時などで目標が精神を集中していたり激しい感情をもっているときには使用できない。平常時に使用した場合、効果は約3分間、持続する。「和魂消費」を2点増やすごとに、効果持続時間を3分増やすことができる。2006.8.16.追記。また、対抗について、各技能に「本技能や」龍魂で対抗判定を行う、と追記。

 龍魂衝撃波【龍魂】
 対象とする生物一体の脳神経に衝撃を与え、気絶させる。射程は技能レベル×10mで、対象生物を目視確認する必要がある。目標は、本技能や、龍魂で対抗判定を行い、失敗すると気絶する。機械的な映像を介しては本技能は使用できない。使用すると和魂−4.

 和魂削り【龍魂】
 対象とする生物一体の脳神経系に作用し、和魂を減少させる。射程は技能レベル×20mで、射程内ならば、人工的な映像などを介しても攻撃可能。目標は、本技能や、龍魂で対抗判定を行い、失敗すると和魂にダメージを受ける。ダメージは、【1D+技能レベル】である。使用すると和魂−2.

 和魂送り【龍魂】
 対象とする生物一体の脳神経系に作用し、和魂を増加させる。射程は技能レベル×20mで、人工的映像などを介しても可能。自分が減少させた和魂に等しい点数分、相手の和魂が増加する。その値は術者が任意に決定すること。

 アラガミ召喚【龍魂】
 離れたところにいる自分のトモガミを呼び寄せる。技能レベル×50mまで有効。呼び寄せるには、単に脳裏でトモガミに呼びかけるだけでよい。通常は判定不要だが、激しい戦闘中など、精神を集中できない状況ならば、判定が必要。壁などがあっても妨害されない。使用すると和魂−1.

トモガミ技能

<知系技能>

 威嚇【知/獣脚類専用】
 トモガミの姿と咆哮が見聞きできる範囲にいる者を威嚇する。目標と対抗判定を行い、成功すれば、目標は威圧され、戦意を喪失する。目標は「知」「根性」で抵抗すること。

 魅了【知/角竜、剣竜、鳥脚類専用】
 襟飾り、背中や頭の突起で他の恐竜やトモガミを魅了する。目標と対抗判定を行う。

 必殺の砲弾【知】
 この技能で砲撃判定に成功すると、技能レベルに等しい追加火弾ダメージを与えることができる。

 対空戦闘【知】
 この技能を有するトモガミは、対空戦闘において不利な修正を受けない。

 間接射撃【知/竜脚類、剣竜専用】
 障害物ごしに、あるいは視程外にある大遠距離の目標を狙って射撃する技能。「騎乗砲術」の派生技能といえ、障害物ごしや視程外目標の射撃でも不利な修正を受けない。ただし、本技能による直接射撃は行えない。また、砲手のほか、着弾観測員が必要。

 情報伝達【知/鳥脚類専用】
 友軍にトモガミの肉声で情報を伝える。敵の数、方位、脅威の度合いていどは伝達可能。戦闘中に行う場合、自分のラウンドをひとつ消費するが、技能レベル値を味方1騎の攻撃判定または白兵戦防御判定に加算できる。敵から射撃攻撃を受ける味方に対して「情報伝達」を行うと、敵側の射撃難易度が技能レベル値分上昇する。鳥脚類(イグアノドン類も含む)専用。

<体系技能>

 水中白兵戦【体/タッキリュウ系統専用】
 水中で白兵戦闘をおこなう技能。この技能を有するトモガミは、水中白兵戦を行う場合、不利な修正を受けない。

 怒号突撃【体】
 咆哮をあげ、敵に突撃する技能。判定不要で、技能レベル×20メートル以内の「雑兵」NPC全てを恐怖させ、逃走させることができる。車輛やトモガミについても同様。目標NPCが雑兵かどうかはGMが決めること。雑兵でないキャラクターを相手にする場合、本技能と、相手の「根性」または「知」で対抗判定を行い、成功すれば逃走させることができる。

 くわえ投げ【体/獣脚類専用】
 白兵戦において、目標一体にかみつき、ふりまわしてから手近な物体に叩きつけることで、より大きなダメージを与える。白兵戦の攻撃判定で使用する技能。目標の重量制限はなし。追加火弾ダメージ+1D+技能レベル。この判定を行う場合、遊戯者は20秒以内に、どういう物体に目標を叩きつけるのか、具体的にかっこよく描写しなければならない。判定に成功しても、その場に存在しない物体を描写するなど、描写が不適切な場合、効果は生じない。

 肉の盾【体/竜脚類専用】
 友軍をかばい、自らの肉体でダメージを受け止める。対象はトモガミ一体サイズまで。射撃攻撃に対しては自動的に、白兵攻撃に対しては、この技能判定値を用いた白兵防御判定に成功することで、対象の身代わりとなってダメージを受ける。

 地響き【体/竜脚類専用】
 大地を踏み鳴らし、激しい振動により、周囲の車輛、トモガミの行動を制限する。体×20メートル以内の全ての陸上車輛、トモガミに有効で、範囲内の目標は、「体」「動」判定値−2の修正を受ける。判定は不要、自分の攻撃ターンにおこなう。効果は1ターンのみだが、連続して行うことができる。行うと疲れるので、1ターンごとにトモガミ生命−1.

 ふみつぶし【体/竜脚類専用】
 上半身をもちあげ、自分の全体重をかけ、目標一体を踏み潰す。踏み潰せないほど大きな目標には行えない。この技能を使った白兵攻撃判定に成功する必要がある。追加火弾ダメージ+2D+技能レベル。大打撃は生じない。

 堅い頭【体/堅頭竜専用】
 白兵戦闘で、攻撃時にはダメージに、防御時には防御力に、それぞれ本技能レベル値を加算できる。判定は不要。属性は火弾ダメージ。大打撃はなし。また、堅頭竜に対する威嚇判定(知系判定)においては、トモガミの「知」と本技能レベル値を加算できる。

 なぎはらう尻尾【体/竜脚類専用】
 後方の敵を攻撃できる。尾の届く範囲は、【トモガミ全長の二分の一メートル】として扱う。この技能による攻撃は、「奇襲攻撃」を受けたターンでも行える。ダメージは、【「体」値+本技能レベル】火弾属性。後方180度の目標すべてにダメージが及ぶ。大打撃なし。

 突き刺さる尻尾【体/剣竜専用】
 後方の敵を、尾にあるトゲで攻撃する。尾の届く範囲は、トモガミの全長の三分の一メートル。この技能による攻撃は、「奇襲攻撃」を受けたターンでも行える。ダメージは【「体」値+本技能レベル】、火弾属性。後方180度の目標全てにダメージが及ぶ。大打撃あり。

<動系技能>

 高速騎動【動/獣脚類専用】
 通常の二倍の速度で陸上を移動する。

 死の突進【動/角竜専用】
 突進して、目標に角による白兵攻撃を加える。この技能を使って白兵戦攻撃に成功した場合、「複数行動」ルールによることなく、1ラウンドの攻撃で、「突進」と白兵攻撃を行える。1回この攻撃を行った場合、再度行うには、白兵戦距離から離脱する必要がある。

 乱れ斬り【動/蹴り・爪ダメージをもつ獣脚類専用】
 1攻撃ターンに複数回の白兵攻撃をおこなう技能。この技能で白兵戦攻撃を行える。この技能を使って白兵戦攻撃に成功した場合、技能レベルに等しい回数、追加白兵攻撃を行える。疲れるので、行うとトモガミ生命−1。

 
<龍化時の技能>

 以下の技能は、龍化時のみ使用できる。

 火弾弾き【体】
 火弾属性の攻撃判定の達成値を目標値として白兵防御判定を行い、成功した場合、敵弾の弾道をそらすことができる。

 熱線迎撃【体】
 電磁属性の攻撃判定の達成値を目標値として白兵防御判定を行い、成功した場合、自分が吐いた熱線で敵の電磁兵器に押し勝ち、攻撃をそらしたことになる。

 大跳躍【体】
 重力制御を行い、判定値×20メートルの大跳躍を行う。通常の状況なら「普通の行為」の難易度でよい。

 敵弾回避【動】
 敵の射撃判定の達成値を目標値として動判定を行い、成功した場合、敵弾を回避できる。銃口や視線などから弾道を読むため、電磁兵器にも適用できる。



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清水三毛 2005.8.