三龍戦騎


2−5、シンテツ


カワキタ41型


 「生身の連中は面倒だな、有機物を摂取しないと生きていけないとは」
 ――シンテツ兵


 ●1、シンテツとは
 シンテツとは、アマミツヨで巨大な国家を形成している節足動物に似た金属生物である。巨大プラント型、航宙艦型など、さまざまな形態のシンテツが存在する。PCがトモガミとするのは、小型の戦闘用シンテツ種である。その外観は、金属の肉体をもつ甲殻類に似るが、機能としては小型の戦車に近い。
 シンテツは、各種の装備、とくに<拡張筐体>を使用することで航空機、潜水艦などとしての運用が可能であり、汎用性が高い点が特長である。このため、民間でも、労働力として多く利用されている。
 シンテツ種に冠された名称は、歴史上、その系統種と最初に契約した人類の名前である。

 三龍帝国をはじめとする各国の支配階級はアラガミ師や竜撃士といったマブイ持ちであるが、彼女たちは基本的に貴族階級であり、戦力としてはなかなか数が揃わない。また、前線で戦闘をうけもつ人員が長らく不足しているという問題もあった。
 シンテツとの協調には、龍魂は必要ないため、誰でもシンテツのゲキとなることができる利点がある。このため、前線で戦う兵として、おもに三龍帝国とガルナス帝国で、シンテツ兵は多く雇われている。

 ●2、シンテツ兵
 共榮圏にウツロヒにやってくるシンテツには、人間の脳が搭載されている。正確にいうなら、<第192工廠>は、三龍帝国などから、知性体の生殖細胞(精子や卵子)を定期的に輸入し、脳のみを培養し、小型シンテツの騎体に移植しているのである。この、シンテツに接続された人間(の脳)をシンテツ兵という。

 脳を体から摘出するのではない。第192工廠の深奥に立ち入った人間は存在しないため、詳細は知られていないが、そこでは最初から、脳神経のみを発生させ、培養するのだという。
 誕生した脳は、一定年齢になるまで、第192工廠の深奥にあるといわれる培養プラントにて、同時多重的に仮想空間に接続され、人間(の脳)どうしで社会経験を積む。
 脳の年齢が思春期に達すると、共榮圏の慣わしに従い、彼らはウツロヒの旅に出る。彼らがシンテツの騎体に接続されるのは、このときである。手続きとしては、シンテツ種とゲキ(脳)との<共闘契約>の締結がおこなわれ、以後、ともに協力して生きていくことになる。

 そもそも、第192工廠が三龍帝国と同盟関係になった原因のひとつに、<赤の嵐>があった。金属を腐食させるこの災害の伝承は、シンテツをひどく恐れさせ、これに耐えうる新たな種の創造がなされたのである。
 その回答は、有機生物組織とシンテツ組織の融合体を誕生させることだった。このため、今なお一定数のシンテツには、常に人間の脳神経系統が組み込まれているのである。PCとなるのは、そうしたシンテツ種である。

 そうしたシンテツ種は、外部行動用・他種属との意思疎通のために、人間大の、機械人形を常に搭載している。これは<ヒトガタ>と呼ばれる。ゲキPCとなるのは、このヒトガタである。この人形は常にシンテツ本体の脳に無線で接続され、脳の意識としては、自分のもうひとつの体としてヒトガタを把握している。

 ヒトガタには万素(ナノマシン)が多用されており、状況に応じて様々な形状に変化させることが可能。ヒトガタは瞬時に液状化することも可能であり、火弾兵器によるダメージを常に半減させる。
 もっとも、機械人形とはいえ、生命や能力値そのものは、普通の人間と同程度であるから、例えば、星覇に殴られたり、戦車に砲撃されたりすればひとたまりもなく破壊されてしまう。

   ●3、シンテツの歴史
 シンテツがアマミツヨに最初に来訪したのは、天世歴1568年のことである。この接触により、アマミツヨ中世は終わりを告げる。かつて銀河文明諸族の一員であった機械知性<シンテツ>との歴史的な<再接触>であった。三龍第41皇朝の時代である。

 太古の昔、故郷の星で戦略生物の襲撃を受けたシンテツは、その遺伝情報を、星間カプセルの形で遺していた。  その遺伝情報を回収した三龍帝国は、シンテツを誕生させ、同梱されていた工業製品などから、かれらの技術力を知った。
 シンテツはやがて増殖し、帝国大会議により、人権主体となることを承認された。やがてシンテツは三龍帝国から独立し、国家らしきものを形成した。機械国家<第192工廠>の誕生である。

 シンテツは、自我をもち、周辺環境から金属やエネルギーを吸収して増殖する金属生物の一種である。
 彼らは、生来の特徴として、大規模エネルギー・プラントを形成する能力、強力な武装、移動能力を有していた。
 当初、第192工廠は、ファーグニル共和連合と友好関係を結ぼうとする。しかし、金属鉱脈をはじめとする数々の天然資源を欲する彼らは、同じくそれらの利権を狙う共和連合とは相容れなかった。

 加えて、共和連合では、機械兵器を軍事の中心にすえているため、シンテツを本質的に自分たちと対等な知性体として扱いきれず、知性体差別問題が生じた。それはやがて、国際紛争にまで発展する。
 第一次(1719年)、第二次(1800〜1845年)を数えたこのシンテツ・共和連合間の総力戦は、<鉄血大戦>とよばれた。

 大戦後、和平条約を締結し、領土を確保した第192工廠は、第三の大国となった。
 同国と共和連合との間には一定の非武装海域が設定された。国力を磨耗した共和連合が、ここぞとばかりに休戦を申し入れた共榮圏および第192工廠との間に和平条約を締結したのは、当然のことだった。

 なお、シンテツと共榮圏が同盟関係に入ったため、それまで龍魂能力に乏しいため奴隷として扱われてきた男性にも、軍事参画の機会が与えられることとなった。結果として、三龍帝国では、長く敷かれていた奴隷制が廃止された。ただし、現在でも共榮圏の多くの地域では、男性は奴隷であったり、きわめて低い社会的地位におかれている。

 ●4、シンテツの立場
 シンテツの国家<第192工廠>は、ファーグニル共和連合とは軍事的に対立しており、三龍帝政共榮圏と同盟関係にある。人間の思考や行動を学び、より効率的な共同軍事作戦を展開できるよう、数多くの軍用シンテツが共榮圏にやってくる。
 また、シンテツは<赤の嵐>の名残に対して脆弱なので、関連する情報をもっとも多くもっている共榮圏の人間に接触したがる傾向がある。

 ●5、キズナ判定
 シンテツ兵がキズナ判定を行う場面は、アラガミ師と同様、戦闘後や長距離移動後である。シンテツキズナは、「技術」系の技能である。
 ためた武魂は、任意に、自己の判定値に加算するか、難易度判定の難易度低下に使用することができる。武魂1点あたり、判定値+1、または難易度−1として利用できる。
 また、攻撃時、照準機の精度を高めるために利用することも可能であり、この場合、消費した武魂に等しいマイナス修正が大打撃値になされる。これは攻撃前に宣言する必要があり、攻撃が外れた場合でも消費される。
 例:武魂2点を消費し、照準精度を高めると宣言すると、直後の攻撃において、大打撃値−2される。

 ●6、白兵戦
 シンテツは、白兵戦はできない。もし、恐竜などの敵に、白兵戦の距離にまで接近された場合、回避判定は試みることができるが、防御は不可能で、一方的にダメージを受ける。

 ●7、シンテツとゲキの意思疎通
 シンテツは高い知能をもつ。ゲキの脳は、直接、機械言語によってトモガミであるシンテツと意思疎通を行い、自分の身体のようにシンテツの騎体を動かすことができる。シンテツの外部感知器が得た情報も、神経情報に翻訳され、身体感覚としてゲキの脳に送られる。なお、シンテツを下車すると、ゲキの脳にはヒトガタからの外部情報が優先的に入力される。
 シンテツは機械生物なので、人間の微妙な感情は理解できない。また、必要に迫られたり、上級シンテツから指令が下れば、三龍帝国より、自国の利益を優先する。
 とくに、人間にとっての上官と異なり、上級シンテツの指揮権は絶対なので、ゲキと対立が生じる場合が多い。ゲキとトモガミシンテツが意見対立した場合、キズナ判定をおこない、成功すれば、シンテツはゲキの意見にしたがってくれる。
 遊戯上、シンテツ騎体は人語を会話しないため、騎体の演技は行う必要がない。

 ●8、共闘契約の解約
 滅多にないことだが、あまりにもゲキが無能だったり、シンテツに対して過酷な扱いを続けたりした場合、シンテツ側から、共闘契約の解約告知をされることがある。その場合、ゲキは、解約せざるをえないばかりか、第192工廠の法律にしたがって多額の損害賠償をしなければならない。
 GMは、PCがシンテツ乗りとして倫理的に不適切な行動をつづけるようであれば、シンテツに解約をほのめかせること。

 ●9、宿敵・キョウコツ
 シンテツ種のうち、たんぱく質や糖分を摂取し、動力源とするよう戦闘適応したものが、キョウコツと呼ばれる。かれらは積極的に人間や恐竜を襲うので、共榮圏では発見され次第攻撃される。自己複製機能をもつ、恐るべき無人自律兵器である。シンテツ同様、高い知性をもつらしいが、他人種には確認できない。
 キョウコツは、天航船などの遺跡周辺を縄張りとし、侵入者を攻撃、捕食するものが多い。天航船など、<旧星界>時代の遺跡には高度技術の産物が埋蔵されていることが多いため、ひとたび遺跡が発見されると、各国軍や遺跡荒したちが大挙して押し寄せる。そんな彼らの最初の障害となるのが、遺跡を防衛している(らしい)キョウコツである。キョウコツは、強力な武装と強固な防御力をもち、ファーグニル軍にも恐れられている。
 シンテツとしても、共榮圏の人間との同盟関係を揺るがしかねないキョウコツの存在を放置しておくわけにはいかず、キョウコツの発見と撃滅は、すべてのシンテツに課せられた大きな使命とされる。通常、キョウコツを発見したシンテツは、特別な事情のないかぎり、全力で、キョウコツを撃滅しようとする。

 ●10、シンテツ諸元について
 「環境」「年代」/年代修正は受けないが、環境による修正は受ける。

 ●11−1、装備
 シンテツは、自分の「体」の2倍に等しい重量の装甲と武装を装備できる。
 シンテツ兵の「トモガミ技能」には、技能だけではなく、特殊な装備が必要なものがある。その場合、技能取得と同時にその装備も購入して装着したものとしてよい。重量が設定されているものもあるので、注意すること。技能取得に必要な装備は、以後、同じ技能を成長させる際に購入しなおす必要はない。
 シンテツの<装火点>は、3箇所である。総じて、シンテツは、火力と装甲で(通常時の)アラガミを凌駕している。

 ●11−2、拡張筐体
 シンテツ兵は、自己のトモガミを<拡張筐体>に接続することで、様々な環境で活躍できる。拡張筐体は、いわばシンテツ用の発展部品である。基本的には、賃貸専用。
 技術的には旧式に属するものが多く、生産性が高い。第192工廠や三龍帝国などで多数が製造され、共榮圏各地に出荷されている。地域により改造などがされていることも多く、GMは、創作した筐体を登場させてもよい。
 ある程度の大きさの街では、たいてい「筐体屋」なる商店があり、各種の筐体を1日あるいは時間単位で借りることができる。個人で所有している民間人も多い。借りるためには、まず「調達」などの難易度判定により、借りたい筐体を扱っている商店を探す必要がある。ふつうの街で知性系難易度10、田舎の集落では14の判定に成功すれば、筐体屋を発見できる。1回の判定には1時間かかる。
 もし、賃貸中に筐体を損傷させてしまうと、修理費を請求される。
 積載可能重量は、接続しているシンテツとシンテツ兵とその装備の重量を除いた値である。
 拡張筐体に接続されると、シンテツは、その筐体の機能を自己のものとして自在に操ることが出来る。たとえば、船舶型の筐体に接続したシンテツは、海上航行が可能となる。操縦も、シンテツ内から直接に行える。修正値を加えたトモガミ判定値で判定すること。
 接続・離脱にはおよそ30分を要する。判定は不要。
 筐体を装備した状態で攻撃を受けた場合、ダメージは直接にシンテツ(トモガミ)に及ぶ。武装は元のトモガミのものをそのまま使用する。一部大型筐体では、シンテツ兵以外の乗員が操作できる固定武装が装備されている。
 一部の例外を除き、筐体の操縦は、シンテツ兵一人で行う。(正規軍では、複数のシンテツにより制御される大型艦艇の筐体が多数配備されているが、PC個人で調達することはできない。)
 燃料補給などの日常整備は、シンテツのキズナ判定で一括処理してよい。シンテツの動力系統をそのまま使用しているからである。ただし、飛行する型の筐体については、後述の飛行ルールを適用する。
 「乗員」は、必要人員ではなく、乗せることが出来る人数を示す。
 要するに、機能が追加され、操縦感覚がやや変わるだけで、規則上は、ほぼトモガミのままということである。なお、分類番号の「キ」は、「筐体」の意。

 ●11−2−2、シンテツの生命回復
 「筐体屋」は、格調筐体の換装設備だけでなく、シンテツやシンテツ兵の修理設備も有している。たいてい、年経たシンテツ兵が筐体屋を経営しているため、シンテツ関連の技術に秀でているのである。
 シンテツやシンテツ兵の生命は、他のPCと同じく1日1点回復する。しかし、生物とは異なり、それ以外の回復手段はないため、重傷を負った場合には「筐体屋」で修理・生命回復を行うこと。ゲキ・トモガミは、筐体屋での1日の修理で1D+1点の生命回復が可能。料金は、回復1点あたり10万リン。

 ●11−3、拡張筐体の飛行ルール
 一部の拡張筐体は、シンテツに飛行能力を与える。これによる飛行の最高速度は動×100km/時、巡航速度はその二分の一である。戦闘行動半径は、各機の標準的な武装をほどこした状態で、体×150km。上昇限度は高度8km。1時間の飛行で生命4点を消費する。ルール上、飛行時間がどんなに短くとも、最低1時間飛行したものと扱う。
 通常、離陸には最低200mの滑走が可能な平地または穏やかな水面が必要。舗装されている必要はない。垂直離着陸を行う場合、滑走はまったく不要となるが、消費生命は2倍となる。飛行中の動は、とくに記されていない限り、陸上のものと値は同じである。離着陸に失敗すると、トモガミ生命−1D。

 ●11−4、戦車型拡張筐体の特則
 キ95など、装甲板でトモガミ全面を覆う型の陸上車輛系筐体を装備する際には、シンテツの全ての装火点から武装をとりはずし、筐体側の固定兵装を使用すること。
 また、装甲板でトモガミを覆うため、外部情報を確認しづらくなり、知系判定値に不利な修正を受ける。とくに、近接する歩兵を視認しづらくなる。詳細は各筐体の諸元を参照のこと。
 ただし、他の乗員が、砲塔上部にあるハッチから上半身を出して外部の状況を確認し、操縦者であるシンテツ兵に機内無線で教えることで、「知」系判定値に対するマイナス修正をなくすことができる。なお、このようにして外部を確認する者は、装甲防御力を得られない。このため、外敵の狙撃や爆風ダメージを直接受ける点に注意。
 副武装の機銃は、操縦者(シンテツ兵)以外の乗員が操作すること。

 拡張筐体 一覧

 キ43輸送船
 全長30メートルほどの輸送船型の拡張筐体。海上航行が可能になる。三騎隊などが集団で渡航する場合に、非常に便利な筐体である。海上輸送の多くをこの筐体が担っており、共榮圏で普通に見かけられる船舶である。貨物の積載可能重量は20トン。軽武装をほどこして対海賊用の護衛船や、武装商船として運用されることも多い。
 諸元修正:装甲/対火弾・徹甲+2
 トモガミ判定値修正:「動」判定値−1
 賃料/日:10万リン
 乗員:10人
 価格:200万リン
 調達難易度:7

 キ50輸送船
 全長60メートルの大型筐体。大部隊が渡航する場合に多用される。民間でも大手海運業者などが好んで使用している。固定兵装はないが、海賊やファーグニル企業軍対策に、榴弾砲や機関砲を搭載する例が多い。積載可能重量は100トン。
 諸元修正:装甲/対火弾・徹甲+2
 トモガミ判定修正:「動」判定値−2
 賃料/日:40万リン
 乗員:30人
 価格:700万リン
 調達難易度:11

 キ95軽戦車
 全長4メートルほどの小型戦車型の筐体。小型陸上シンテツ用。過去の対ファーグニル戦争で、歩兵支援用に開発された高機動シンテツの外装を転用したもので、本機を装備することで手軽に装甲強化を図れる。また、走行は履帯(いわゆるキャタピラ)によるため、不整地走破性能が高く、不整地でも機動判定に修正を受けない。現代では、本格的な対機甲戦闘には使われないが、武装勢力や軍閥が跳梁する辺境地域では重宝されている。小型で愛らしい外観から、一部愛好家にも人気。主砲として33ミリ砲(筆者訳)が搭載されているが、現代では火力不足といわれる。副武装は80式軽機一門。砲塔は、シンテツ兵以外の乗員が肩で押して回転させる。積載可能重量150キログラム。全備重量7トン。
 諸元修正:装甲/対火弾・徹甲+1、不整地での機動判定修正なし
 トモガミ判定修正:「知」判定値−1
 賃料/日:10万リン
 乗員:3人
 固定武装:11丸戦車砲。徹甲・火弾ダメージ3、射程200、装弾数20発、運用難易度11.副武装は80式軽機(400発)。
 価格:100万リン
 調達難易度:10

 キ97中戦車
 全長5メートルほどと、多少大型化したキ95の発展型。小型陸上シンテツ用。火力がやや増加しているが、基本的には現代の対機甲戦闘には全く役不足。主砲は54ミリ砲。生産数が少なかったため、現代ではあまり民間でも用いられていない。旧式のループアンテナが手すりのように砲塔上に配されている。積載可能重量200キログラム。
 諸元修正:装甲/対火弾・徹甲+1、不整地での機動判定修正なし
 トモガミ判定修正:「知」判定値−1
 賃料/日:20万リン
 乗員:4人
 固定武装:18丸砲。徹甲・火弾ダメージ4、射程300.装弾数20発、運用難易度12.副武装は80式軽機(400発)。
 価格:180万リン
 調達難易度:14

 キ38号ヘ式突撃砲
 全長7メートルほどの装軌式の戦闘車両。重量は16トンほど。他の陸戦筐体同様、旧式ではあるが、不整地走破性が高く、火力や装甲もそこそこ。過去の戦争において、某国の主力だった小型戦車を流用し、多数量産された対戦車突撃砲である。砲塔を撤去して固定型にし、全面を傾斜装甲で覆うことで、生産性を向上させると同時に、(当時としては)火力と装甲を強化している。主砲は76ミリ砲。防御陣地での待ち伏せ戦闘を得意とした。砲身が低い位置にあるため、発砲煙により周囲が確認しづらくなる欠点があった。今日では、正規軍ではもちろん使用されず、さりとて民間用としては固定武装が邪魔なので、あまり運用されない。積載可能重量200キログラム。
 諸元修正:装甲/対火弾・徹甲+2、不整地での機動判定修正なし
 トモガミ判定修正:「知」判定値−2
 賃料/日:50万リン
 乗員:4人
 固定武装:38丸砲。徹甲・火弾ダメージ6、射程400、装弾数30発、運用難易度12.副武装は80式軽機(300発)。
 価格:300万リン
 調達難易度:17

 キ22短艇
 全長7メートルほどの小型艇。海上航行が可能に。共榮圏では非常に多く見られる拡張筐体。輸送のほか、連絡、漁業用にと幅広い用途に使われる。積載可能重量は300キログラムまで。
 諸元修正:なし
 トモガミ判定値修正:なし
 賃料/日:5万リン
 乗員:2人
 価格:50万リン
 調達難易度:9

   キ2型大艇・改
 全長30メートルほどの大型飛行艇タイプの筐体。水上にて離発着が可能。波高3メートルまでの荒れた海上でも離発着が可能なすぐれた性能をもつ。機動性は低い。現代戦では旧式に過ぎるが、過去の戦時には、哨戒、輸送、偵察など多くの任務で活躍した。群島国家である共榮圏では、今なお非常に有用な航空筐体である。消火用、離島での人命救助など、民間でも数多く利用されている。4発式のレシプロエンジンを搭載。積載重量は10トン。
 諸元修正:装甲/対火弾・徹甲+1
 トモガミ判定値修正:「動」判定値−2、「知」判定値+1
 賃料/日:60万リン
 乗員:8人
 武装:対空銃座×2(三式重機。手動式)
 価格:500万リン
 調達難易度:11

 キ99水戦
 全長10メートルほどの水上戦闘機型の筐体。大型フロートを主翼下に二基装備し、水上にて離発着可能。過去の戦争において、当時としては高い積載能力と稼働率から、多くのシンテツ艦の艦載機として採用された。戦闘用のほか、観測用など様々な任務に就いた。現在でも運用の手軽さから、多くの筐体屋で在庫を抱えている。単発の空冷発動機を搭載。積載可能重量は200キログラム。
 諸元修正:なし
 トモガミ判定値修正:「動」判定値+2
 賃料:60万リン
 乗員:操縦者を含めて2名
 価格:400万リン
 調達難易度:10

 キ01陸攻
 全長20メートルほどの航空型筐体。開発当時は爆撃機として運用されたが、現在では中型輸送機や貨客機として、民間でも広く用いられている。99年前、当時の対ファーグニル紛争において、陸上攻撃機として使用するために三龍帝国海軍の要請を受けて開発された。渡洋爆撃を主任務としており、速度と航続距離の長大さが求められたため、主翼内にも燃料槽を配置するなど、設計上にかなりの工夫がなされている。そうした点が評価され、生産数は同型機のなかで最多の2,400機に達した。派生型も多い。反面、防弾装備は貧弱で、被弾するとよく燃えた。双発機。重量7トン。積載可能重量は1トン。
 諸元修正:自機の大打撃値−2、飛行時の「生命」消費が半減
 トモガミ判定値修正:なし
 賃料/日:100万リン
 乗員:7名
 武装:対空銃座×1(三式重機。手動式)
 価格:700万リン
 調達難易度:14

 キ33可潜艇
 全長20メートルほどの小型潜水艇。旧式なため、潜水可能な時間は限られている。水深30メートルまで、時速10キロで、最大2時間潜行可能。水中駆動音がうるさく、敵に発見されやすい(水中での隠密判定値−2)。積載可能重量は2トン。水中作業用の機械腕を内蔵するが、白兵戦には使えない。
 諸元修正:水中行動による不利な修正を受けなくなる
 トモガミ判定値修正:水中では「動」判定値−2、水上では修正なし
 賃料/日:10万リン
 乗員:4名
 価格:100万リン
 備考:水中での隠密判定−2
 調達難易度:8

シンテツ

カワキタ41型
 央天青でもっともよく見かけられる、小型の陸上型シンテツ。4本の脚の先端に、万素成型された可変式の球輪をそなえており、これを高速回転させて全方位機動を行う。不整地の走破性は低いものの、機動性にすぐれる。
乗員:1名
全長:3m
環境:草原
知6、体4、動5
難易度:13
生命:15
白兵ダメージ:なし

キタムラ05型
 カワキタ系列機の、白兵戦専用の派生型シンテツ。機体の構造はほぼカワキタ41型と同様であるが、装火点がなく、代わりに一対の白兵戦用武装<機械拳01>を装備している。火器は一切搭載できないが、高騎動力で敵に肉薄し、白兵攻撃を行う。試作機としてごく少数が生産されたものの、実用性なしと評価され、早々に生産が打ち切られた。本機のみ【騎乗白兵戦】技能を取得できる。
乗員:1名
全長:3m
環境:草原
知5、体5、動5
難易度:14
生命:15
白兵ダメージ:5
備考:火器は搭載できない

ナカノ62型
 機関出力の高い、大型陸上用シンテツ。六本の脚をもち、機動性よりも走破性を重視。重装甲・高火力な装備を搭載でき、支援用として人気が高いシンテツである。
 騎体は、兵装搭載用の上部甲殻装甲と、駆動系の配された下部で構成されており、両者は柔軟な関節で連結されている。通常は体高4mほどだが、状況により、その半分にまで姿勢を低くすることが可能である。
乗員:1名
全長:7m
環境:草原
知6、体6、動3
難易度:14
生命:20
白兵ダメージ:なし

ユアサ11型
 物資輸送用のシンテツ。8つの球体駆動輪をもつ大型機。機動性に劣るが、甲羅状の重装甲を装備可能な上、弾薬や食料を多量に輸送できる。5トンまでの物資、または、拡張筐体1機および筐体換装設備を積載可能。
全長:10m
環境:草原
知2、体8、動2
難易度:12
生命:20
白兵ダメージ:なし

type higuchi
ヒグチ25型


ヒグチ25型
 小型の偵察用シンテツ。気軽に乗り回せるため民間では人気。上部装甲はなく、ゲキは上半身を外部にさらすことになる(対人ダメージ、爆風ダメージを受ける。なお、徹甲ダメージはトモガミが受ける)。機動性は高い。日常用としても人気があり、市街地でよく見かけられる。装火点は1箇所のみ。ユアサ11型の装火点に搭載することができる。その場合、重さ1の装備として扱う。
全長:1.5m
環境:草原
知3、体2、動7
難易度:12
生命:10
白兵ダメージ:なし
備考:隠密+2


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清水三毛 2005.7.