三龍戦騎


戦闘手順(2)


 ここでは、より発展的な戦闘方法について解説を行う。

1、連射
 武器諸元に「連射」とある火器は、連射可能である。これは、いわゆるフルオート射撃である。引金を引いている間、弾丸が次々と連射されつづける強力な射撃方法である。ただし、弾丸が連射されるため、反動が累積し、命中精度は通常射撃よりも低下する。(三ニ型修正ずみ)

 一部の武器は、「連射」しか行えない。「連射」と「半自動」の切り替えは、火器についている選択ツマミを切り替えることで行う。これには1ターンを要する。戦闘開始前に、いずれの射撃方法をとるか宣言していなかった場合、「集中射」(1−2参照)として扱う。

1−2、連射のルール
 連射すると、攻撃回数や範囲が増える。しかし、照準は不正確になるので、「大打撃」は生じなくなる。(追記)

 連射には、「集中射」「掃射」「制圧射撃」の三種がある。「集中射」では、1ターンの攻撃で、同一目標に対して3回、攻撃判定を行う。複数行動判定の必要はない。ただし、反動により、火器の運用難易度に不利な修正が加わる。1射めは難易度+1、二射めは+2、三射めは+3の修正を受ける。(三ニ型で修正、削除ずみ)

 1ターンの連射により、一弾倉すべてが消費される。(三ニ型で修正)

 ひとつの弾倉の弾薬を全て撃ち尽くした場合、弾倉交換を行い、次弾を装填しなければ撃てない。弾倉交換作業には1ターンかかる。その間、他の行動はできない。
 残弾数が3発以上の場合、「集中射」は可能。残弾数が3発未満の場合、1射めの判定のみ行うこと。その場合、その射撃で残弾数は零となる。

1−3、特殊な連射
 「掃射」:
 広範囲の目標に、なぎ払うように多量の銃弾をあびせる、連射ならではの射撃法。目標の数が多いときに有効である。掃射を行うキャラクターは、戦闘行動の宣言時に、「掃射」する旨を宣言すること。
 判定方法は、「集中射」と同じ。
 射手の前方180度以内の、射程距離内に存在する全目標に対し、攻撃判定を行うことが出来る。
 火器の射線上の【破壊力】メートル内にいる目標全てについて、まとめて攻撃判定を行える。たとえば、零式短機関銃の破壊力は4なので、射手の前方、任意の4メートル内にいる目標すべてを掃射の対象にできる。(削除ずみ)

 ただし、銃身をふりまわして撃つため、1個の目標に対しては、集中射とは異なり、それぞれ1回づつの攻撃判定しか行えない。

 射手は、射撃前に、掃射の範囲を指定すること。
 1回の掃射による弾薬消費は、1弾倉すべてである。但し、ドラムマガジン・弾薬箱などの大型弾倉を装備している火器については、1回の掃射による弾薬消費は30発として扱い、複数ターンの「掃射」が可能である。

 「制圧射撃」:
 連射による威嚇効果を利用して、敵の行動を制限し、味方を支援する射撃方法。射手は、制圧射撃を行う目標を指定し、どのように威嚇的な射撃方をするのか、具体的に宣言すること。描写が具体的でない場合、制圧射撃は行えない。
 例:「敵が隠れている岩と手前の地面に、バリバリ着弾の煙を上げて連射を叩き込んで、制圧射撃します」

 宣言後、射撃判定値−2で射撃判定を行う。このときの達成値を、射手はよく覚えておくこと。
 射撃判定が成功だった場合、制圧射撃をされた側は、指揮官の「根性」によって、攻撃側の射撃判定の達成値を目標とした対抗判定を行う。失敗すると、目標とされた部隊のキャラクター全員が、制圧射撃によって畏怖してしまい、その後1ターン、その場で伏せたまま、行動不能になる。
 射撃判定が失敗した場合、何ら効果は生じない。その場合でも弾薬は消費する。
 1回の制圧射撃による弾薬消費は、1弾倉全てである。大型弾倉を装備している火器については、弾薬消費は30発として扱う。

 以下、使用頻度が低いので三ニ型で削除ずみ
2、間接射撃
 正確には間接照準射撃。武器諸元に「間接射撃」表記がある火器がこれを行える。間接射撃とは、目標を視認せず、斜め上方に角度をつけて発砲する射撃方法である。主に榴弾砲や、迫撃砲でおこなう。
 弾道が高くなるため、遠距離目標や、障害物に隠れている目標を上空から攻撃できる。堅固な建築物や、低速で移動する大部隊などを遠距離から攻撃するさいにとられる射撃法といえる。欠点としては、至近距離の目標や、高速移動する目標の射撃には向かない点があげられる。
 間接射撃においては、砲手は目標を視認しないため、別に「着弾観測員」が必要となる。間接射撃の攻撃判定値は、砲手と着弾観測員の「砲術」技能の平均値となる(着弾観測員抜きでの無観測射撃では、したがって間接射撃の判定値は砲手の二分の一となる。)。
 この平均値により、まず任意の観測基準点を指定した上で試射を行い、その弾着を観測する。観測員は、弾着の誤差から、必要な座標修正を砲手に報告する。砲手は、次に修正射を発射。これが正確に命中した場合、連続的に効力射を行い、目標を制圧する。
 この手順を表現するため、間接射撃は、1射めでは砲術判定値−3、2射めでは−2、3射めでは修正なしとする。間接射撃は、初弾から命中することは少ない。

2−2、PCが遠距離から間接射撃される場合
 ここでは、PCが間接射撃を受ける場合や、間接射撃の目標物の付近にキャラクターがいる場合のルールを説明する。
 長距離の間接射撃では、着弾までに時間がかかる。また、長距離の射撃のため、風向きなどによる影響を受け、間接射撃を受けるPCは、着弾地点を予測しづらいという性質がある。
 したがって、砲から目標までの距離が5キロ以上の場合、この着弾までの時間や着弾誤差を表現するため、独自の処理を行う。
 まず、GMは、間接射撃を受けるPCに対して、間接射撃の命中の正否を教えないこと。着弾までの間、それは撃たれる側には知りえないことだからである。
 標準的な砲弾(弾速が秒速600メートル)を使用した場合の、発砲から着弾までのおおよその時間の目安は、以下のとおり。
   距離:時間
 30キロ:50秒=10ターン
 20キロ:30秒=6ターン
 10キロ:15秒=3ターン
  5キロ:10秒=2ターン

 攻撃を受けるキャラクターは、(自分が攻撃を受けることを知っていれば)着弾までの間の時間に、
 1、着弾範囲からの離脱。(4をしなければ出来ない)
 2、着弾観測員を探し、対砲迫戦を行う。(最低2ターン必要)
 3、音源評定。(発砲音から発射位置を探知する)
 4、対砲迫レーダーによる発射地点探知および着弾地点の予測。
 4、砲弾を迎撃する。

 といった行動をとることが出来る。それぞれの行動には1ターン以上を要する。
 着弾観測員を攻撃するには、まず探すのに1ターン以上を要する。また、着弾範囲からの離脱が可能かどうかは、移動距離ルールに従って計算すること。

   間接射撃では、1射めの着弾点を観測員が観察し、修正座標を砲手に報告し、砲撃を修正していく。したがって、最初の二射までは、前に発射された砲弾が着弾するまでは、次の砲弾は撃たない。「効力射」の段階になれば、毎ターン、連続して砲撃を行える。
 以後、2射、3射と、同様に処理していく。

2−3、着弾までにキャラクターができること
 着弾範囲からの離脱:
 着弾範囲は、対砲迫電探によって飛翔中の砲弾を感知し、着弾地点を予測しなければ分からないため、離脱するには、まず着弾地点の予測が必要である。このため、対砲迫電探による着弾予測判定で、まず1ターンを消費し、離脱できるのはそれ以後となる。爆風や破片の範囲から離脱できるかどうか、移動距離ルールに従って計算すること。

 着弾観測員を探して攻撃する:
 着弾観測部隊を攻撃し、機能を喪失させれば、砲撃の命中精度は半減する。戦術的に、ある程度、観測班の潜伏地点は推測できることもある。GMは難易度を設定し、陸上戦術技能などで判定をさせること。

 対砲迫戦:
 こちらにも間接射撃可能な火砲がある場合に、敵火砲を攻撃する。ただし、砲撃前に、敵火砲のおおまかな座標を評定(特定)しなければならない。これに1ターンを消費する。また、着弾観測員や砲の操作人員をそろえる必要がある。

 評定:
 音源評定(発砲音から発射位置を探知する)や対砲迫レーダー等による発射地点探知を行う。1ターンを要する。判定に失敗すればそれだけ消費ターン数も多くなる。

 砲弾迎撃:
 砲弾を空中で迎撃できる装備や技能がある場合、着弾までのターンに迎撃を試みることができる。一回の迎撃には1ターンを消費する。敵火砲の砲撃判定での達成値を目標値として、対応する技能で判定を行うこと。

2−4.陣地変換など
 間接射撃を行える火砲は、小銃のように、構えて直ちに発砲する、というわけにはいかない。特に遠距離での間接射撃を行う場合、発射時の反動にそなえるため、火砲をしっかりと大地に「布置」する必要がある。また、弾道計算や照準にも時間がかかる。詳細はそれぞれの砲の諸元を参照のこと。
 状況にもよるが、砲撃終了後は、敵の反撃を避けるため、直ちに陣地変換を行う必要がある。火砲を輸送可能な状態に戻し、場所を移動する。

間接射撃兵器
 大規模な紛争でもない限り、PCが扱うことはほとんどないはずである。一般市場では入手できないが、砲術教練を行うツカサの御殿には配備されている場合もあり、珍しい火器ではない。

 52式35丸榴弾砲
 小型で軽量な榴弾砲。現在では射程が短く、旧式といわれる。重量2トン。
 属性:火弾、間接射撃
 破壊力:20+爆風(爆風も徹甲ダメージ)
 射程:11km
 弾数:20発以上
 運用難易度:12  重さ:5
 必要人員:10名
 発射準備時間:6ターン

 M99 自走榴弾砲
 大口径、長射程のファーグニル製自走榴弾砲。軍以外で運用されることはなく、央天青で見かけることはほとんどない。車体は装甲車を素体としている。履帯により自走し、装甲も有する。対歩兵用に、防御機銃を装備。
 全長:11m 全幅:3.2m 全高:4.3m
 戦闘重量:40t
 必要人員(乗員):4名
 路上最高速度:49.6km/時
 路上航続距離:300km
 知5、体2、動3、生命20
 白兵戦不可
 【武装1】M76−HMG
 属性:火弾、連射
 破壊力:3(3回攻撃。弾薬消費量も3倍)
 射程:250
 弾数:箱弾倉、連環式、100発入り
 運用難易度:12
 【武装2】155ミリ榴弾砲
 属性:火弾、間接射撃
 破壊力:40+爆風(爆風も徹甲ダメージ)
 射程:35km
 弾数:40発
 運用難易度:12
 装甲:対火弾2D
 発射準備時間:12ターン



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清水三毛 2005.8.