三龍戦騎


生物NPC


 「撃たないで。ダイカイリュウもソウリュウも、みんな友達だよ」
 ――トオミ属の言葉

 ●生物NPC
 NPCとして登場する生物を紹介する。GMは、ここにあげるような野生動物の運用については、無闇と戦いをしかけることのないよう注意すること。巨大なウミトカゲリュウといえども動物であって、狩りや自衛戦闘をのぞいては、無駄に襲いかかることはない。ただ、縄張りをもつ動物や、子連れの動物は攻撃的になることがある。
 キャラクターは、無闇と野生動物を殺傷しないよう、心がけること。共榮圏では、恐竜や海生爬虫類などは神の使いとして大事にされており、キャラクターの心理として、不必要な殺傷は極力避けようとするからである。
 肉食性の動物は、もちろん空腹ならば襲ってくることもあるし、犯罪者が、乗騎として恐竜などを使うこともある。その場合でも、共榮軍の一般的な軍法により、正当防衛や緊急避難の場合をのぞき、動物の不必要な殺傷は許されない。また、動物と戦う場合には、破壊力の大きい火器は使用せず、白兵戦で押さえ込んだり、威嚇射撃で威圧するなどの方法がとられることが多い。

 ただし、惑星掃討獣やキョウコツといった、本質的に、共榮圏の人々と敵対する生物や自律機械は別である。それらとの戦いこそが、アラガミ師やシンテツ兵の存在意義であるから、遭遇すれば高い確率で交戦状態に入る。
 ここに記すデータも、特にことわりない限りトモガミ・車輛表記であり、徹甲値を有する。
 GMは、生物の個体差を表現するため、取得していてもおかしくない技能については、付加して、オリジナルのNPCを制作してもよい。ここにあげるのは一例であり、アマミツヨには様々な生物が存在する。

 ●生物の生命回復
 NPCに限らず、生物は、激しい行動を行わない限り、1日あたり1点、生命が回復する。機械は自動的には回復しない。

 ●NPCアラガミ師やカワアガニ
 武魂については、登場場面にあわせて、既に何点か取得しているものとしてよい。シナリオ上、武魂発動による必要があるかどうか、事前に決定しておくこと。

 ●NPCのランク表記
 キャラクター作成規則に従ってNPCを作成してもよいが、GMの手間を省くため、重要でないNPCについては、「ランク表記」を行うとよい。例えば「1ランクNPC」は、全ての判定値が1、生命も1点である。能力値、技能の区別はしない。防具、武器は個別に設定する。こうしたいわゆるザコ敵NPCについては、GMは、判定なしで、その生死を決定してもよい。
 雑兵なら1〜3ランク、5ランクNPCとなれば、新米アラガミ師にとってはそれなりの実力者といえ、地方のツカサ(下級貴族)ぐらいがこれに相当する。
 もう少し個性を出したい場合、ランク表示の上で、個別の技能、種属修正、個性的な武器を付加すればよい。NPCの個性を演出する上で重要なのは、その行動、言動、性格であるから、そちらを疎かにしないようにすること。

 ●建物の生命
 アラガミと惑星掃討獣などとの戦闘で、巻き添えとなり破壊される建物について。建物の生命は以下の通りであり、それ以上のダメージを受けると壊れる。ちなみに、建材は、サンゴ、木材、石材であり、近代的な合成資材は存在しないか、あってもごく少ない。崩壊場面をかっこよく描写すること。
 平屋建ての住居、商店:7
 数階立ての建物や御殿:12
 要塞:30〜

陸上生物

 【雑兵】
 武装勢力、海賊、ファーグニル軍の一般兵など。GMは適宜この諸元を調整すること。多数の雑兵が爆風ダメージを受けた場合、判定不要で、みな戦死したことにしてもよい。なお、この諸元は対人表記である点に注意。(2006.8.17修正)
 年代:――
 環境:――
 分布:色々
 体長:色々
 体重:色々
 体力2、技術2、知性2、魅力2
 【携行火器】(技術)レベル4(=射撃判定値6)
 【砲術】(知性)レベル3(=砲撃判定値5)
 生命:2
 【武装】74式突撃銃
 属性:対人、火弾、連射・半自動
 破壊力:7
 射程:150
 弾数:20
 運用難易度:12
 白兵ダメージ:銃剣/対人火弾1(大打撃あり)
 防具:なし

 【恐竜】
 アラガミ/恐竜の諸元を参照のこと。冒険の舞台にあわせた年代・環境のものを選択する。キズナレベル5以上の種は、おおむね個体数は少ない。

 【オオマクガン】
 全長2〜3mほどの、大型のヤシガニ。体重は1トンにもなる。星覇王国に生息する。星覇王国では、滅亡した哺乳動物などに変わり、甲殻類が生物群集を構築しているのである。本種はそのなかでも最も普通に見られ、星覇によって、乗用、運送用などに多用されている。強固な外骨格と、巨大なハサミによる打撃力はあなどれない。鋭い爪で、地面を掘削したり、樹木に登ることも容易である。そのため、通常は木登り判定は不要。野生の個体は、日中は巣穴のなかにじっとしており、曇りの日や夜間に地上に出る。陸上生活に適応しており、水中行動はできない。雑食性で、果実や、動物の死骸などを食べる。積載可能重量は約500キログラム。
 エビ目・ヤドカリ下目・オカヤドカリ科
 年代:――
 環境:森林  分布:星覇王国
 体長:3m
 知3、体5、動3  生命:18
 騎乗難易度:12
 白兵ダメージ:ハサミ/4
 装甲:対火弾2
 備考:木登りできる

 【ツバサマクガン】
 オオマクガンの飛行種。頭胸部に一対の飛翔翼をもち、飛行することができる。星覇の交通手段として多用される。大紅樹林(巨大マングローブ)の樹冠に近い木部を掘削し、巣穴を作って生活する。オオマクガンより肉食性が強い。積載可能重量は100キログラム。飛行には滑走は不要。1時間の飛行で生命1を消費する。速度は時速90キロほど。衝角により、空中からの白兵攻撃も可能。その際は加速度により白兵ダメージ+2.着陸に失敗すると自分もダメージ1を受ける。
 年代:――
 環境:森林
 分布:星覇王国
 体長:3m
 知4、体2、動5
 生命:15
 騎乗難易度:14
 白兵ダメージ:衝角/3
 装甲:対火弾1
 備考:飛行能力

 【ダイマオウマクガン】
 大紅樹林のヌシともいわれる、巨大なマクガン。その体表には、コケ類や樹木まで生えているといわれる。数十年に一度しか目撃されないといわれるほど、個体数が少ない。繁殖期にはつがいをつくり、数体の幼体を保護、養育する。草食性。縄張りを侵すものに対しては攻撃的になるといわれる。星覇も本種に対しては畏敬の念をもっている。共榮圏の特別保護指定種。これを狙うファーグニルなどの密猟者との戦いは、星覇の重要な任務である。
 年代:――
 環境:森林
 分布:星覇王国
 体長:30m
 体重:120t
 知5、体9、動3
 生命:38
 騎乗難易度:24
 白兵ダメージ:ハサミ/12
 装甲:対火弾2D+2

 【ヒメトウゾクリュウ】
 地球名ヴェロキラプトル。体長1.5メートルほどの獣脚類。細長い東部をもち、体表には羽毛が生えている。オスの羽毛の色彩は鮮やかな赤と青で、目立つ。メスは地味な茶色系統の色彩をしている。小柄だが、知性は高く、群れで狩りを行う。後足にある強力な爪で獲物を攻撃する。夜間など、山間部を少人数で行動する人間を襲うこともある。体格が小さすぎるので、トモガミとはされない。農家などで警備用に飼いならすことはある。対人NPCとして扱い、諸元はゲキ同様の対人表記である。
 年代:白亜紀後期
 環境:森林、平原
 分布:共榮圏各地
 体長:1.5m
 体重:15kg
 体力3、技術5、知性5、魅力3
 生命:15
 飼育難易度:15
 白兵ダメージ:爪/対人、対火弾3
 防具:なし

 【ナミトウゾクリュウ】
 地球名ディノニクス。獰猛な獣脚類である。体表には羽毛が生える。知性は高く、高速(時速50km)で走行し、群れで狩りを行う。後ろ足の長さ13cmになる鉤爪が武器。人間を襲うことも多い。体格が小さいため、トモガミとはされない。国境警備用として軍で飼いならすことはある。対人NPCとして扱い、諸元はゲキ同様の対人表記である。
 年代:白亜紀前期
 環境:森林
 分布:共榮圏各地
 体長:3m
 体力4、技術4、知性5、魅力2
 生命:20
 飼育難易度:17
 白兵ダメージ:爪/対人、対火弾5
 防具:羽毛+1

 【火竜ヒメイカヅチ】
 飛行能力と、火炎放射能力をもつ大型爬虫類。生体ジェット器官と翼を装備した恐竜に似ている。一説によると、クリュウが種として定着したのではないかともいわれるが、定かではない。生息地域の生態系最上位の獣脚類と競合する関係にあるが、個体数が多くないため、現在のところ、恐竜の生態系が撹乱されている様子はない。飛行するため被害範囲が広く、人間を積極的に襲うため、アラガミ師によって退治される。滑走なしで飛行可能、1時間の飛行で生命消費1点。
 年代:――
 環境:――
 分布:アマミツヨ全土
 全長 :17m
 食性:肉食(人間を好む)
 知4、体6、動5
 生命:15
 【武装】火炎放射
 属性:火弾
 破壊力:5(火竜前方180度以内の全てに及ぶ)
 射程:40
 運用難易度:9 (2006.8.17追記)
 消費生命:一射ごとに1
 白兵ダメージ:牙/7
 装甲:対火弾+2

 【惑星掃討獣ネッセンイクチ】
 最下級<天魔>の一種。甲殻に覆われた禍々しい蛇のような形態。知性は低く、惑星侵攻作戦の終盤で、地表面に残った目標を掃討するために創造された戦術生物と推測される。太古の昔、天魔が襲来した際、多数の耐久卵をアマミツヨに生み残していったらしく、今なお、工事現場や天航船遺跡などからしばしば出現する。人間や恐竜を積極的に捕食する。三龍帝国軍の交戦規定では、威嚇射撃不要で、直ちに銃殺するよう定められることが多く、アラガミ師の不倶戴天の敵である。多少の経験を積んだアラガミ師たちにとっては、大した敵ではない。
 年代:――
 環境:――
 分布:アマミツヨ全土
 全長 :20m
 食性:肉食(人間や恐竜を好む)
 知2、体5、動5
 生命:15
 【武装】口部生体熱線砲
 属性:電磁
 破壊力:4
 射程:400
 消費生命:一射ごとに1
 運用難易度:10 (06.8.17.追記)
 白兵ダメージ:牙/5
 装甲:対火弾、1D

 【惑星掃討獣グリンドルツ・ナガ】
 下級<天魔>の一種。巨大な軟体動物に似た生物で、頭部には数百のレンズ眼と触手がうごめいている。背面などに甲殻を有し、防御力もある。知性はごく低く、人間などを捕食し、上級天魔のための蛋白質ブロックに加工するための生体食品工場と推測されている。天航船遺跡などからしばしば出現するほか、隕石などに卵が付着して落下してくることがある。触手で目標を拘束し、クチバシで捕食する。触手攻撃が命中したら目標は拘束され、全行動に−5の修正を受ける。毎ターン、「体」による脱出判定を行い、成功するまで解放されない。
 年代:――
 環境:――
 分布:アマミツヨ全土
 全長:40m
 食性:肉食
 知2、体6、動2
 生命:25
 武装:頭部陽子砲
 属性:電磁
 破壊力:6
 射程:200
 消費生命:一射ごとに1
 運用難易度:9 (06.8.17.追記)
 白兵ダメージ:クチバシ/4、触手/目標を拘束
 装甲:対火弾、2D

 【攻竜兵クラドガルド】
 天魔の一種。獣脚類のアラガミに似た二足歩行型の竜型生物。流線型の生体装甲をまとった、均衡のとれた形態である。天航船遺跡などから、まれに発掘され、落雷などで覚醒して暴れることがある。性質は凶暴であり、交渉は通じない。とにかく目につくものを破壊し、生物を殺傷することを好む。強力な生体粒子砲をそなえており、きわめて危険な戦術生物である。高効率な龍魂体をもち、発砲しても生命消費はない。出現した場合、ツカサ国管内の全アラガミ師に召集がかけられる。
 年代:――
 環境:――
 分布:アマミツヨ全土?(出現頻度は少ない)
 全長:20m
 食性:不明
 知6、体8、動8
 生命:28
 【武装1】口部荷重力粒子砲
 属性:電磁
 破壊力:16+爆風
 射程:5,000
 運用難易度:12 (06.8.17.追記)
 備考:重力子により竜紋を貫通する
 【武装2】頭部ヤシャダマ機関砲
 属性:電磁、連射
 破壊力:3(2回攻撃)
 射程:300
 運用難易度:10 (06.8.17.追記)
 白兵ダメージ:牙/8、ヤシャダマ爪/電磁5
 装甲:対火弾および対電磁2D

海生生物



【ダイカイリュウ】
 地球名リオプレウロドン。恐竜ではなく首長竜の仲間だが、首の短い一群に属する。頭部は最大3mにも達し、戦略生物をのぞけば最大級の肉食動物である。大型魚や海生爬虫類、ときには海岸にいる恐竜までも捕食する。獰猛であるが、トオミ属上位神官のトモガミとされることがある。分布海域では食物連鎖の頂点に立つ。それだけに 個体数は少ない。未確認だが25mに達する個体も存在するらしい。卵胎生で、波の穏やかな内湾などで出産を行う。
 爬虫類・広弓亜綱・長頚竜目・カイリュウ科
年代:ジュラ紀後期
 環境:海洋
 分布:三龍帝国近海(地球では欧州)
 体長:20m
 肉食性
 知3、体9、動5
 キズナ難易度:17
 生命:30
 白兵戦ダメージ/牙:9、大打撃あり

【ソウリュウ】
 地球名モササウルス。蒼竜。恐竜ではなく、巨大な海のオオトカゲである。強力な顎には鋭い歯が並んでおり、肉食性である。四肢はヒレ状になり、尾は縦に扁平で、上陸はできない。このため、卵胎生であり、水中で出産を行う。小型種でも体長8メートル、最大の種では17メートルにも達する。近海の浅く温暖な海に広く生息している。ウミアガニが最もよくトモガミとする種。一部地方のトオミ属もトモガミにしている。あまり深くは潜行できない。
 分類:鱗竜上目・有鱗目・トカゲ亜目・ソウリュウ科
 年代:白亜紀後期
 環境:海洋
 分布:共榮圏全海域
 体長:14m
 肉食性
 知4、体7、動5
 キズナ難易度:14
 生命:25
 白兵戦ダメージ/牙:6、大打撃あり

【オオクビナガリュウ】
 地球名エラスモサウルス。体長14メートルのうち、およそ8メートルを長い首が占める。椎骨の数は76個にもなり、しなやかな首を柔軟に動かして、魚や甲殻類を捕食する。頭骨そのものは大きくないため、人間などを積極的に襲うことはない。卵胎生であり、水中で出産を行う。沿岸海域に多く、ウミアガニがよくトモガミとする種。本種で魚などを捕まえ、あとで吐き出させるという漁法をとるアガニもいる。あまり深くは潜行できない。
 爬虫類・広弓亜綱・長頚竜目・ムカシクビナガリュウ上科・オオクビナガリュウ科
 年代:白亜紀後期
 環境:海洋
 分布:三龍帝国北部
 体長:14m
 肉食性
 知3、体5、動4
 キズナ難易度:12
 生命:22
 白兵戦ダメージ/牙:2

【カマギョリュウ】
 地球名オフタルモサウルス。恐竜ではなく、イルカに似た体型をした魚竜類の一種。流線型をしていて高速で泳ぐことができる。直径10センチにもなる巨大な眼球をもち、深海でイカ類を好んで捕食する。最大潜行深度は500メートル、最長潜水可能時間は20分。水圧による不利な修正を受けない。卵胎生で、水中で出産する。白い鎌に似た模様が体表にあるためこの名がついた。トオミ属がトモガミとする。
 爬虫類・広弓亜綱・魚竜上目・魚竜目
 年代:ジュラ紀後期
 環境:海洋
 分布:三龍帝国北部
 体長:4m
 肉食性
 知4、体2、動8
 キズナ難易度:11
 生命:16
 白兵戦ダメージ/牙:2
 備考:水圧修正を受けない

【メダマギョリュウ】
 地球名テムノドントサウルス。大型の魚竜で、眼球の直径は26センチを超える。長い顎をもち、ゲソボラ(アンモナイト)やイカ類を中層域で好んで捕食する。最大潜行深度は700メートル、最長潜水可能時間は40分。水圧にともなう不利な修正を受けない。外洋での高速航行にも適しており、トオミ属の神官が好んでトモガミとする。
 爬虫類・魚竜目・メダマギョリュウ科
 年代:ジュラ紀前期
 環境:海洋
 分布:三龍帝国南部
 体長:9m
 肉食性
 知5、体4、動6
 キズナ難易度:14
 生命:24
 白兵戦ダメージ/牙:3
 備考:水圧修正をうけない


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清水三毛 2005.8.