三龍戦騎


交渉判定


1、交渉判定
 三龍戦騎RPGでは、交渉も、戦闘同様、重要な判定である。
 交渉判定には、「魅力」系技能で行うものと、「知性」系技能で行うものとがある。前者は、理屈よりも、人間的、あるいは性的魅力によった交渉において用いる。共通技能の「社交」技能は、魅力系交渉に用いる技能の代表である。
 後者は、理屈により相手を整然と説得したり、いいくるめたりする際に用いる。「交渉」技能がその代表である。GMは、どちらの交渉判定なのか、事前に決定すること。それにより、使用する技能が変わってくる。プレイヤーの演技によっても、「魅力」系交渉なのか、「知性」系交渉なのかが異なってくる。

2、交渉点
 通常、交渉判定は、相手との対抗判定によって処理するが、相手が重要でないNPCの場合には、難易度判定で簡単に処理してもよい。こうした場面では、交渉判定の回数自体も1回で終了する。
 しかし、シナリオ上盛り上がるべき重要な場面での交渉判定では、その駆け引きを表現するため、何回かに分けて交渉判定を行う。
 そうした重要な交渉判定では、戦闘同様、まず主導権判定をおこなう。これは知性、または魅力のいずれかによる。これに勝った者が、最初の攻撃的主張を行う。
 交渉じたいは、戦闘同様、ターン制で、それぞれの攻撃的主張・防御的主張(反論)で表現される。必ずロールプレイを行うこと。
 この際、1回、攻撃者が交渉判定に成功するするたびに、<交渉点>が攻撃者に入る。防御されれば入らない。
 ふつう、このポイントは1点だが、成功レベル数があがるごとに+1点づつ追加される。


 交渉判定に参加しているキャラクターの達成値を比べあい、相手の数値を上回ったほうを勝者とする。同じ数の場合、先に判定を宣言した方を勝者とする(即決判定)。即決判定に1回勝つごとに<交渉点>が勝者側に入る。

 なお、複数キャラクターどうしの即決判定では、部隊指揮官どうしが判定を行う。その際、指揮官は、判定値に以下の修正を得る。  1、味方の、交渉場面に適した交渉技能の全ての合計値。(2006.8.16.削除、追記)

 そして、所定の「交渉点」を先に得たほうが、その交渉での勝者となる。この点数は、場の盛り上がり、シナリオ全体における重要性から、GMが決定するが、以下の基準を参考にしてもよい。
 通常、交渉判定1ターンには20分以上かかるものとする。また、新たな交渉判定を挑めるのは、新たな提案、新たな証拠、新たな条件が呈示される場合に限る。それに応じたロールプレイを行うこと。

 【交渉判定に勝つために必要な<交渉点>の例】
 ア、それなりに重要な交渉(問題額が60万リン以上)、それなりに譲れない論点:3点
 イ、重要な交渉、法律問題(問題額が140万リン以上)、個人の重要な財産に係る論点:4点
 ウ、とても重要な交渉(問題額が1,000万リン以上)、個人の生命、国家や種属の誇りに係る論点:5点以上

 補足:「問題額」というのは、例えば商談における製品の値段や、裁判における損害賠償請求額のことである。

2−2、交渉開始時の修正
 交渉開始時、すでにどちらかに有利な条件、あるいは不利な条件である場合、有利な方の判定値に、修正を加える。有利な方が最初から何点かの交渉点をすでに取得しているものとして扱う。(2006.8.16.削除および修正)
 以下の例を参考にGMが決定すること。

 ア、自分が決定権を持っている問題についての交渉である+2
 イ、自分の主張を裏付ける法律文書がある+2
 ウ、自分の主張を裏付ける証人が同席している+1
 エ、有利な証拠がある+1

3、多数人を相手とする交渉判定
 大勢の市民に演説をして決起を呼びかけたり、マガツの襲撃に逃げ惑う市民の避難誘導を行う、などといった場合は、<多数交渉判定>となる。この場合も、重要でない場面なら、難易度判定で一括処理してもよい。重要な交渉なら、「交渉点」ルールを導入すること。その場合、多人数の集団の中で、もっとも知性または魅力の高いキャラクターを仮に代表者として、その判定値によって対抗判定を行う。なお、実際に相手集団から代表者が選出されるなら、普通の1対1の交渉判定になる。
 以下の修正が交渉技能に付加される。
 ア、人数が多すぎて、或いは騒音などで声が通りづらい:−1
 イ、恐慌状態である:−2
 ウ、相手集団が話者に敵意を抱いている:−1〜−4程度

4、種属修正
 敵対的な種属、あるいは生物学的構造がかけ離れている種属に対して、民族問題などが絡む交渉を行う場合、交渉をしかける側の判定値に−1〜−4程度の不利な修正値が加えられる。以下は、そうした交渉において、交渉をもちかける側の判定値に加えられる修正の例である。
 もっとも、専門技能によっても修正が異なるし、状況や個人差があるので、最終的にはGMが修正値を決定すること。下記はあくまで一例である。
 ア、星覇が、天魂に恋愛(繁殖行動)のすばらしさを説く:−1
 イ、星覇が、カワアガニに恋愛のすばらしさを説く:−3以上
 ウ、カワアガニが、星覇に星覇王国内の木材伐採を申請する:−1以上
 エ、天魂が、光合成のすばらしさを他種族に理解させる:−2
 オ、星覇がカワアガニを誘惑する:−6
 カ、星覇が同性のシンテツ兵を誘惑する:−2
 キ、星覇が同性のアラガミ師を誘惑する:−1
 ク、シンテツ兵に、美食の素晴らしさを理解させる:−2
 コ、シンテツ兵が、他種族に<分裂>の楽しさを理解させる:−4
 サ、ガルナス・メイが、3つの性の魅力について他種属に理解させる:−3
 シ、ガルナス・メイが、ガルナス・ダガンに対し、ガーグ宗王国は独立国家であると主張する:−2〜−4
 ス、ガルナス・ダガンが、ガルナス・メイに対し、天魂の素晴らしさを説く:0
 セ、ファーグニル人が、アラガミ師に恐竜肉の美味を理解させる:−10

5、情報収集
 情報収集は、「文献調査」や「観察」技能以外にも、交渉判定によって行うことができる。手順は通常の交渉判定と同じである。ある特定の地域において、交渉によって情報を収集する場合、以下の修正が判定値に加えられる。これはあくまで一例であるから、状況に応じて、GMが修正値や難易度を決定すること。
 ア、よく知らない地域である:−1以上
 イ、交渉できる相手がいない:−2以上
 ウ、敵対的、あるいは価値観が異なる種属が多い地域である:−2〜−4以上



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清水三毛 2005.8.