2012年3月25日 オフラインセッション ある週末。某所の公民館に、GMの呼びかけでプレイヤーが集まった。 和訳版の発売が決まっている最新SF・TRPGエクリプス・フェイズを体験版ルールでプレイするのだ。 GM・シナリオ作成:清水三毛 【プレイヤーキャラクター紹介】 いずれもデータはサンプルPCを使用。 ![]() ハルノブ 知性化タコの盗掘屋。宇宙船の残骸などを漁って生計を立てている。 日本語を話し、水墨画と美少女フィギュア収集が趣味。器用で色々できるが、回避は苦手。 エゴは男性らしい。好奇心旺盛。 ![]() オレーシャ 外見は武骨な戦闘円盤。 星間軍事企業ダイレクト・アクション社の宇宙傭兵。エゴは若い女性で、戦闘大好き。 レールガンやマシンガンで重武装している。義体はリーパー型。 (サプリメント「サンワード」のサンプルPCより) * * * ![]() エクリプス・フェイズの舞台は、未来の太陽系だ。 各惑星に人類のコロニーがある時代で、サイバー技術やナノテクの進歩も著しい。 ほとんどの人は脳内にコンピュータを埋め込み、遺伝子調整やサイバー化は当たり前だし、 お金さえあれば、魂(エゴ)をデジタルデータ化し、義体(モーフ)を自由に乗り換えることができる。 これにより、人は実質的に死ななくなった。 知性化された動物や、データだけの電子生命体などもいる。 だが、10年前、軍用人工知能TITANs(ティターンズ)が自我に目覚め、人類と機械の戦争が勃発。 総人口の9割が失われ、人類は絶滅の危機に瀕している。 核、自律マシン兵器やナノテク兵器によって地球は壊滅し、惑星連合によって封鎖されてしまった。 今また、人類が絶滅しかねないリスクの芽があれば、早めに摘み取らねばならない。 そういうわけで君たちPCは、人類絶滅リスク「X-リスク」を消去するため、秘密組織ファイアウォールの工作員をやっている。 大まかにいって、太陽から火星までの内惑星圏では巨大星間企業(ハイパーコープ)勢力が強く、 天王星などの外惑星圏では無政府主義者などの極端な勢力がうごめいているイメージかな。 ![]() プレイヤー1 知性化タコかなあ。「メルクリウスの盗掘屋」。 プレイヤー2 戦闘系キャラをやるかな。スカムの宇宙海賊姉さん、ウルティメットの傭兵、ダイレクト・アクション社の傭兵あたりがガチ戦闘系ですか。ダイレクト・アクションにしましょうか。軍事企業の傭兵社員って分かりやすい。 ![]() プレイヤー1 じゃあ、宇宙船の興味や水墨画に加えて、人型のフィギュアを趣味で集めていることにしよう。 「骨のある種属でも、少女だけは鑑賞に値するのだ」 ![]() プレイヤー1 TITANs(ティターンズ)に滅ぼされた地球の遺跡を漁っているうちに、美少女フィギュアにハマってしまったのだ。 そして故郷の海でいつの日か泳ぎたい、と思っているタコなのだ。 ![]() 名前は母国語から決めていいよ。タコは日本語かな。 プレイヤー2 こっちのサンプルPC、母国語がロシア語で、命名が難しいですね。 戦闘機メーカーの名前か、武装神姫あたりからとってみますか。 ![]() 性的な嗜好も人間の男女だけでなく知性化動物やエイリアンも含められるから、複雑な組み合わせが考えられるぞ。 プレイヤー1 ガンダムのボールみたいなリーパーが、メッシュ通信時のアイコンでは初音ミクみたいな美少女グラフィックということもありうるわけか……。 ![]() プレイヤー1 ぱねぇ。浮世絵師からとって、名前はハルノブにしよう。 「僕は芸術家だ。まだ見ぬ文化財を保護するため、冒険するのだ(キリッ)」 ところでこのタコさん、武装のデータは、ピストルとしか書いてないな。 ![]() あとそのタコさん、超テルミット爆薬があるから、エクスサージェント・ウィルスに汚染された敵を焼却したり、 最悪の場合は自爆したりするのにも便利だ。 プレイヤー2 名前は、オレーシャ・ザラフィアンス。エゴは戦闘狂というかんじの女性で。 精神年齢は二十代前半ぐらいです。 「ハハッ、戦闘は楽しいネェ」 ![]() プレイヤー2 レールガンとかミサイルとか、武器のかたまりですよ。 プレイヤー1 もう既に我々は知り合いなんだろうか。 ![]() このあと軽く模擬戦闘をしてから、セッションを開始した。 シーン1 秘密の依頼 ![]() ![]() 冒険心あふれる宇宙船サルベージ業者で、文化財保護のためにフィギュア集めもしているぞ。 精神的には20歳ぐらいで。 ![]() 女性、26歳。「スリルシーカー」「重商主義」の特徴をもっている。戦闘狂で、報酬をもらって戦うのが好き。 ハイパーコープの社員ですね。義体はリーパー。 ![]() ![]() ![]() 「前のあなた方は失敗したようね」 ぶっちゃけ、前の君たちは死亡したようだ。 ![]() ![]() 青い髪の女の子だが、どこか整いすぎて不自然な外見だ。 少女はファイアウォールの連絡役(プロキシ)、コードネームは仮にGとでもしておこう。 君たちはファイアウォールに属する工作員(センティネル)、彼女のことは何も知らない。 ファイアウォール構成員は互いを知らず、組織の全貌も一切分からない。 ただ、X-リスクに結びつきそうなウィルス兵器だのTITANsの遺産などに関する情報が入ると、 プロキシから君たちセンティネルに指令が下る。 ![]() ![]() 君たちの脳には「スタック」という大脳皮質記録装置が埋め込まれていて、そこに記憶がセーブされている。 さて、君らの眼内映像に座標データが表示される。 いま居る場所は、火星の義体クリニックのようだ。 「いま、バックアップからあなた方を起動したところです。 残念だけど、完全な記憶はサルベージできなかった」 Gは事務的に言って、画像をメッシュ経由で君らに送信してきた。 「前任の」オレーシャとハルノブが最期に見たものは、衛星軌道上の宇宙港ドックだった。 小型シャトルのものらしいコクピットの主観映像だ。 そのディスプレイの一つに、古びたドックが映し出されている。 「あれが目標の宇宙港だな。これより潜入し、捜査する。データ送信は1分後に終了」 ホロ・ディスプレイに、接近するための軌道要素が予測進路として立体表示され、ほの青く光っている。 機首のスラスタかららしい逆噴射のプラズマが、キャノピーの外で輝く。 順調だ。相対速度差は徐々に小さく…… 突如、警報。 閃光が走り、意識と記録は途絶えた。 ![]() ![]() ![]() 会社と関係ないミッションで死んだ場合、上司への報告はどうするんだろうな。 ![]() 私物の義体なら問題ないでしょ。 「なんかお前、義体キレイになってね?」 「いやあ。ちょっと休暇中に死んじゃいまして。てへぺろ」みたいな。 ![]() ![]() ![]() ![]() 一ヶ月ほど前、火星の北極冠付近にある開拓コロニー<D192>が消息を絶ちました。 この地域でハイパーコープによる秘密の実験があったという情報もあり、 X-リスクが存在する可能性があります。 まだ正確な座標すらわかっていませんが、 原因をつきとめ、可能ならば、解決してください」 これが今回のシナリオ目標です。 ![]() ![]() まず極冠は、氷に覆われていて、まだまだ未開の地ということにしておこう。 火星は、現在テラフォーミング進行中。 ニュー上海をはじめとして巨大なドーム都市もあるけど、 まだ大気も薄くて外での行動には専用のモーフが必要。田舎にいくと西部劇の開拓時代のような環境だ。 そういう辺境では、安物の合成義体に入った人々、バルスーム人が開拓に従事している。 太陽系最大の火山、オリンポスは地表からの高さが27,000メートルもある。 山頂のカルデラには軌道エレベータが建設されており、 そこから宇宙に行くことも出来る。 ![]() 話がつながらないな」 ![]() 荒野を放浪しているテクノ漂泊民に話を聞くか、 ニュー上海みたいな大都市で情報を集めるか、といった選択肢がある。 移動手段としてはエアカーもあるし、磁気浮上特急もある。そんなに大変ではない、としておこう。 ![]() ![]() ![]() ![]() その前に、「ネットワーキング:自治主義者」技能をもっている人は判定をしてもらえるかな。 判定は、%ダイスをふり、判定値以下の数字が出れば成功。 例えば、ある技能の値が60の人は、修正がなければ60%の確率で成功する。わかりやすいね。 出目が30、判定値を下回るとエクセレント成功といって、より良い結果となる。 ゾロ目での成功は決定的な成功、ゾロ目の失敗は決定的な失敗。 あと、00は常に決定的成功で、99は常に決定的失敗となる。 ちなみに、判定する人を「チームワーク」で応援すると、協力者1名につき+10%される。 今日はプレイヤーが2人しかいないけど、もっといれば最大+30%まで加算できる。 ![]() 「まず近場から調べたらどうですか」 ![]() (10面体サイコロを2個転がす)……10だ。応援のおかげでエクセレント成功。 ![]() そいつらがメッシュ(ネット)で噂を流している。 >>消息を絶った極冠の村、ヤバイ病気が流行ったっていう通信ログがあるらしいぞ >>ソースうpよろ >>現地で確認できないか? >>ジャミングかけられてるらしい >>まさかクソ企業どもがパンドラ・ゲートから何か持ち込んだとか? >>オワタ >>人類オワタwww ![]() シーン2 ある漂泊民氏族との遭遇 ランド・バギーに乗って、オレーシャとハルノブは火星の平原を行く。 ![]() 漂泊民の一氏族らしい。 安っぽいロボットのような合成義体(シンセ・モーフ)を着た労働者っぽい連中や、 高空から偵察しているらしいトンボ型の義体も見える。 トンボ義体は1メートル以上もある大きな航空モーフで、腹部にはスナイパーライフルを装備している。 変なことをすれば上空から狙撃されるかもしれない。 ![]() ![]() ガシャガシャとパージ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ラブアンドピース、みたいな絵を! ![]() ![]() 応援しないね。 ![]() 「伝説のウキヨエを描いてみたのにっ。駄目でした、ホクサイ=サン……!」 ![]() ![]() 八本の脚を使って手品で和ませよう! 「いつもより多めに回しているのだ!」 ![]() ![]() ![]() と、合成義体の人々が集まってくる。 「何か話を聞きたいとか?」 漂泊民に話を聞くと、 北極の開拓村で疫病が流行したという噂があることがわかった。 ![]() 物騒なことがあると、里者とたまに取引する我々としても困るのでな。気にしてるんだ」 ![]() ![]() 「そういや、環境主義テロリストの連中がニュー上海に集まってるってな話もあるナァ。 そこのお前みたいな知性化タコもいるらしいぞ。ネオ秋葉原の店だったかな」 ハルノブは「ネットワーキング:エコロジスト」の判定に成功。 関連する「e-rep」は40あるので、レベル3(業界通なら知っているレベル)の情報を知ることができた。 Rep(レプ)とは、メッシュ・ネットワークにおける人物の評価を数値化したもの。 貨幣経済のほかに、この時代では「信用経済」も存在しており、特定ジャンルでRepの高いキャラクターは、 人脈により支援をうけたり、情報を提供してもらったりすることができる。 現代でいうと、ツイッターのフォロワー数のようなものだ。 ![]() そこの<カフェ・セカンドアース>という店に、 環境主義テロリストを主導する知性化タコが出入りしているらしい。 環境テロリストというのは、火星環境を守るためならテロも辞さないという過激派だな。 というのも、 ハイパーコープによるテラフォーミングは氷の小惑星を落下させたりする乱暴な手法なので、 バルスーム人(開拓民)から反感を買っているという背景がある。 だから火星の環境保護運動も一定の支持を得ている、としておこう。 ![]() 「まさかその店に、わがダイレクト・アクション社に敵対する環境テロリストが来たり、してないよねえ?」 ![]() 視野のはじっこに「手配中の環境テロリストが潜伏している可能性あり」という表示が。 ![]() 本来の目的を忘れている(笑) ![]() 今回の事件について、何らかの情報は得られそうな気もする。 ![]() ……エクセレントです。 ![]() さらに、近ごろ、知性化種による反政府・反企業運動が盛り上がっていると分かった。 ダイレクト・アクション社にも、反体制運動を抑制するよう、企業から依頼がきているらしい。 ![]() とはいえ、ダイレクト・アクション社の傭兵という表の仕事と天秤にかけつつ(笑) ![]() ![]() シーン3 喫茶「セカンド・アース」 ![]() ニュー上海にやってきた。 鈍く銀色に輝く巨大ドーム都市で、あたりの空には無数のエアカーが行き交っている。 ![]() タコノブ頼んだよ」 ![]() ![]() 砲塔とランチャーを展開して見せつける。 ![]() 「そこのリーパー! 重戦闘モーフは市街地立ち入り禁止だ!」 ![]() ![]() ![]() ![]() 鏡台に向かう乙女のようにレールガンを手入れしている。鼻歌でも歌いながら。 ![]() ![]() ![]() 雑踏からは中国語をはじめ、英語、ヒンズー語、アラビア語なども聞こえてくる。 中華圏っぽい鮮やかなネオンと立体広告の中、色々な義体の人々が歩いている。 ロボット的な合成義体の人もいれば、翼を背中から広げた生体義体の人もいる。 お金持ちの人は、荷物持ちロボットを連れていたり。 ![]() ![]() 妙にアニメっぽい美少女義体が目につく。 中身はアニオタ(男)なんだろうなあという気がする(笑) ![]() ![]() トランスヒューマンも業が深い。 ![]() ![]() 強制的に、視野にエロ画像が重ねられる。 肉体的快楽をはじめ、成人向けの五感が強制ダウンロードされてくるよ。 ![]() 「都会はイヤなところだなあ」 ![]() 小さなカフェだ。中は薄暗い。 上品な音楽が流れる中、失われた地球の樹木が植えられ、人工の小川があり、 知性化オウムが飛んだりしている。知性化ゴリラやハイパー・ギボンもいるぞ。 タコ用に、地球の海岸を模したプールもある。有料だが。 ![]() ![]() ハルノブが泳いでいるプールの映像を見て、水の冷たさも感じた。 ![]() 彼の視界にウィンドウを開いて、いらいらした表情でエゴ・アイコンを表示させる。 ![]() ![]() ?/GM 「ずいぶんお楽しみのようだな、ハルノブ」 威圧感のある低い声がする。年老いた大柄な知性化タコが現れる。 ハルノブは彼を知っている、火星を根城にするスカベンジャーたちの元締めだ。 サイバー化した半機械化タコで、あちこちに武装も埋め込んでいる。 アーマーは弾痕や傷痕だらけだ。 名はスダールといい、実はこの店のオーナーでもある。 ![]() ![]() <第一級警戒対象人物> <当社との交戦記録あり> <警戒せよ> ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 火星までも住めなくするのはけしからん。 で、その北極の噂だが。 あるハイパーコープが意図的に、その辺りに輸送船を墜落させたという情報があってな。 それで集落が壊滅したというのだよ。 レッドエデン・プロジェクト絡みって噂もある」 ![]() ![]() 22ドッキングベイだ。輸送船はそこから発進したらしい」 ![]() ![]() 「ここでも住む場所がなくなっちゃあ、俺たちも困る。 どうだ、俺からの頼みとおもって、一つ調べちゃくれねえか」 ![]() ![]() 貨物にまぎれて潜入するのが安全だ。 宇宙船で軌道から接近したら対空レーダーにひっかかるからな、そんなことする素人じゃねえと思うが」 ![]() ![]() 秘密ドックには何らかの物理的な証拠がある可能性が高い。 だから、前の君たちは敢えて潜入しようとしたのだろう。 ![]() 秘密の宇宙港から発進した輸送船はどこに向かったのか? オレーシャは「ネットワーキング:ハイパーコープ 60%」で事前調査を試みる。 人脈を使った情報収集だが、かなりの難易度とみて、GMは−30の修正をかけた。 ハルノブの「チームワーク」応援と本人のロールプレイによって+20修正、 結果として修正は−10に抑えられ、判定結果はエクセレント成功であった。 ![]() その22ドッキングベイには軌道エレベータから行くことが出来る。 ドックのセキュリティ体制は標準、侵入するならハッキングして解除しなければならない。 当然、防衛戦力もあるだろう。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() その前に、ちょっと知性化タコのメイド喫茶に寄って行こうかな。 ![]() シーン4 第22衛星軌道ドック ![]() 軌道上の宇宙港に搬入される資材にまぎれこんで、目標の22ドッキングベイに潜入するんだね。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() オレーシャの「セキュリティ・オペレーション」を−10%で使ってもよい。 アクセス用の端末の位置を探ったかんじ。 ![]() ![]() 軌道上からの識別不明機に対しては対宇宙ミサイル、 施設内の不審者に対しては、室内の20ミリ機関砲が全自動で対処する仕組みになっている。 ![]() ![]() ![]() ![]() と、チームワークで応援(笑)。 ![]() ![]() ![]() 途中、浮遊機雷ドローンがそばを通り過ぎていったりした。 ドッキングベイの管理事務所っぽい部屋に出る。人はいないようだ。 ![]() 45%、お、3だ。エクセレント成功。 ![]() そして機密の指令書がみつかった。 「MM−99株の感染力は制御不能と判断。実験エリア全域を焼却処分せよ。 セキュリティランク:極秘」 ![]() ![]() これを蒸発させて温室効果で気温を上げる事業がテラフォーミングの一環として行われており、 副産物として生じる水については、作業員が泊まっている開拓村で利用されているんだな。 その上水道に何かを混ぜるのは、簡単ですよね。 ![]() ![]() その氷床をミラー衛星で溶かしているうちに、氷の下から何か出てきたらしい。 非・地球起源の巨大物体……異星の宇宙船がね。 「当社はレッドエデン・プロジェクトの副産物として非地球起源宇宙船の調査を進め、 新種のエクスサージェント・ウィルス<MM−99株>の分離に成功した」 ![]() ![]() 説明しよう! エクスサージェント・ウィルスとは、外宇宙を起源とするウィルスである。 人間や機械に感染して怪物化させたり、超能力を発現させたりする厄介きわまりない病原体で、 基本的にX-リスクである。 TITANsの戦闘マシン、エイリアンの遺物や遺跡にはしばしばエクスサージェント・ウィルスが潜んでいるため、 そうした物体に触れるのは非常に危険である。 ![]() ![]() ![]() 「状況は予断を許さないわね。直ちに現地に飛んで、調査してちょうだい。 もし汚染された物体が残っていたら大変だからね」 ![]() ![]() 付近に戦力はほとんどないわ。奴らの野望を打ち砕くのよ!」 ![]() ![]() 現地は火星名物、砂嵐のせいで電磁妨害されているようだ。 ![]() ![]() 何もハイパーコープと戦争しろってんじゃなくて、X-リスクがちゃんと焼却されているか確認してほしい、ということだよ。 ![]() ![]() シーン5 北極潜入作戦 ![]() ![]() 帰りはバギーで脱出すればいい。 君たちはダイレクト・アクション社のいかつい軍用強襲揚陸機を雇って、手近な空港から離陸した。 ![]() ![]() ![]() バギーごと、パラシュート使って自由落下だね。フリーフォール(無重力活動)技能を使っていい。 ![]() ![]() ![]() ふたりは分担して、逆噴射と着陸の判定を行う。 「フリーフォール」「地上車両」技能を使い、結果はエクセレント成功。 ![]() だが、目的の村に近づくと、ものすごい砂嵐で前が見えない。地上車両で操縦判定を。 ![]() ![]() ![]() ![]() ただ一つ、病院の残骸みたいなものは村外れに見えているけどね。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 知覚でふってみてくれ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() だが、その水を飲んだ生体義体の者や、 その水でパーツ洗浄をした合成義体の村人たちが、次々に異形へと変わっていってのう。 そしてあの夜、空から火の玉が墜ちてきて村は全滅じゃ。 その後で、白い防護服を着た奴らが降りてきて、何もかも持ち去ってしもうた。わしの妻の義体も……」 ![]() ![]() ![]() ![]() 生存者の顔がゴムのようにぐにゃああと歪んで、義体がぽんっと真っ二つに弾ける。 内側からは、数百本はあろうかという無数の触手が蠢き飛び出し、君たちに襲いかかってくる。 エクスサージェント・ウィルスに既に感染していたようだ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ハルノブは、元・生存者の怪物から距離3メートル、その後ろにオレーシャという配置で戦闘開始。 イニシアティブはオレーシャがとった。 一射め、オレーシャはレールガンをフルオート射撃、怪物にクリティカルで命中させる。 一撃で37ダメージ。 その一撃で、怪物の身体は半分が吹き飛び、汁っぽい音とともに後ろに吹き飛んだ。 ![]() ![]() ![]() もう君らは分かる、 そのハイパーコープは、明らかに故意にMM−99ウィルスをこの集落に流したのだ。 あとは、上水道パイプラインを辿っていけば出所を探ることができそうだ。 ![]() あたしの武装に、H.E.弾頭があるんだけど。ダメージ3D+12。 ![]() その弾頭は炸裂弾なので、使えばきれいにウィルスは除去できる、としておこう。 病院の残骸は動かないので、実体弾技能+10で判定していい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「勇気」は各キャラクター固有のいわゆるヒーローポイントで、 これを消費すると1と10の出目を入れ替えたり、成功した判定を決定的な成功にしたり出来る。 ![]() 明らかにテラフォーミング関係のハイパーコープが手がけている大気改造プラントだ。 ![]() ![]() ![]() 重装甲の攻撃機が7機、クレーターの縁をなめるように低空飛行してきた。 機首を君たちに向け、攻撃態勢に入ったのが見えるよ。 翼の下には何十発というロケット弾。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「潜入」で判定してもらえるかな、+20で。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() クレーター内部は火山のように燃えさかり、黒煙を噴き上げた。 ![]() ![]() 攻撃機は君たちには気づかなかったようで、飛び去っていった。 まあ、隠密行動の最中に爆破するという行動はこのような結果を招くわけです。 ![]() シーン6 突入、大気改造プラント ![]() ファイアウォールの連絡役から通信が入る。 「大変、なぜか奴らが活発化しはじめたみたい。大型輸送シャトルを呼び寄せて、 集落から回収した残骸を宇宙に運び出すつもりよ。 ウィルス汚染された物体がテロにでも使われたら取り返しがつかない。阻止して!」 ![]() ![]() 大丈夫、この混乱にまぎれて潜入して、敵大型シャトルの着陸を阻止するだけでいいから」 ![]() ![]() ![]() ![]() ファイアウォールの手配した降下艇に乗り込み、2人は大気改造プラントへと接近する。 ![]() 林立する鉄塔からもうもうと水蒸気や二酸化炭素ガスが噴出し、火星大気の気温を上昇させつつある。 警告灯が各所に点滅し、戦闘ドローンやリーパー部隊が慌ただしく右往左往している。 ![]() ![]() ![]() ![]() 敵の大型シャトルが降りてくる予定の着陸パッドは近くに見えている。 ![]() 何もかも燃えて証拠も残らないさね。 ![]() 数百万年前に落下してきたらしい、外宇宙の船だ。 有機的で異質な、禍々しい船体形状がみてとれる。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 爆薬の設置判定は、出目98で失敗。「勇気」を使ってスワップしても失敗である。 ![]() ![]() ![]() ![]() 雪上車から飛び降りるのに失敗しても起爆するようセットしておこう(汗) ![]() 「誰だお前は!」 「何をしている、止まれ!」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() オレーシャはイオノクラフトを吹かして飛び降りた。 テルミットが起爆し、燃料タンクに誘爆した。いくつも大爆発が起こる。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() カメレオン・スキンも使って潜入。管制塔に忍び込むぞ。判定成功。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ハルノブは衝撃と爆風で大空に投げ出された。ダメージ10ね。 ![]() ![]() ![]() やつらが持ち出す予定だったコンテナを探して、H.E.弾頭を撃ち込む。 あっ、判定に失敗したので、最後の「勇気」を使って成功にします。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 多脚ロボットめいたマシンに変形して君たちの方に飛んできたぞ。(フレックス・ボット義体の絵を見せる) ![]() ![]() ![]() 大型シャトルに合体して操縦していたらしい。 ![]() 「後顧の憂いは絶っておかなきゃねえ?」 ![]() フレックスボットも多脚を展開し、マシンガン・アームを構える。 ![]() イニシアティブはオレーシャから。 次にハルノブ、最後にスカベンジャーという順になった。 オレーシャはホローポイント弾をバースト射撃。2レベル成功で命中させる。 1射めはダメージ+5されて、合計22。2射めは25。合計47。 その二射を受け、スカベンジャーは何もしないうちに大破した。 装甲4、耐久25しかないので仕方無い。 ![]() まだスカベンジャーは生きてはいるが、全判定−40%修正だから戦闘終了にしよう。 後ろから、ぞろぞろとリーパー部隊がかけつけてくるが。 ![]() ![]() 逃げ出した君らの前にファイアウォールの降下艇がやってきて、回収してくれる。 ![]() ![]() ![]() しばらくして、「極冠の大気改造施設でシャトル墜落事故」 「航法装置の不備か」などというニュースが流れる(笑) ![]() 今日も人類の未来が守られた。サンキュー、ファイアウォール! エンディング ![]() ![]() ![]() 「……だいぶ派手にやったみたいじゃねえか。これで企業どももしばらくは悪さをしねえだろう。 ただな、盗掘屋ってのはな、あんまり派手に立ち回るもんじゃないんだぞ」 ![]() ![]() 近所の知性化種メイド喫茶のチケットをくれる。それと10クレジットほど小遣いを。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「今回の休暇は派手だったねえ」 ![]() ![]() ![]() 「事情はわからんが、頼もしいな。君のそういうところを買っているんだよ。内惑星圏で何かあったら頼むよ」 ![]() 一同 お疲れ様でしたー! 終わり
GMによるあとがきメモ ロール&ロール誌92号掲載の体験版ルールでGMしたところ、 ハードなSF世界に反してマスタリングは楽に出来る印象でした。 SF描写をたくさん出来て、楽しいTRPGですね! プレイヤーが2名だったので、判定やダメージは甘めにしました。 ラスボスをフレックスボットにしたのは、2ターンもてば手近なメカに合体して、より強い戦闘マシンへと変形させようと目論んでいたため。しかしそれまでの戦闘がすでに激しかったのとリーパーの火力が予想以上だったので、戦闘はそこで打ち切りにしました。 GMが独自に想像をふくらませたり、EP体験会でのセッションを元に妄想した設定が多々あることをご了承ください。 Eclipse Phase (エクリプス・フェイズ)は、Posthuman Studios LLC の登録商標です。
本作品はクリエイティブ・コモンズ「表示・非営利・継承 3.0 非移植」ライセンスのもとに作成されています。 ライセンスの詳細については、以下をご覧下さい。 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/3.0/ |
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