1、NPC諸元

 サイバードラグーンの脚本作製の助けになるよう、重要NPCの諸元を掲載しておく。

 首都防衛戦略機竜<玄武>
攻撃力主砲火力ミサイル防御力機動力装甲値耐久値人員
50(1ターン充電して、1000)36*550-1(陸上のみ)5000160400/3400
 *防御銃座の火力は24。竜紋はなし。四肢打撃力150、顎200。尾は戦闘用ではない。
 *玄武は飛行できないため、もはやサイバードラゴンとは呼称されない。

 かつてサイバードラゴンが大型化の傾向をたどっていたころに建造された、超大型首都防衛機竜。全長400メートル、戦闘重量は実に100000トンにも達した。大気圏外のガルダを迎撃するため、大型の対艦ミサイルを500発以上も塔載していた。当時としては高性能な電波探信儀(レーダー)および誘導装置を有し、1斉射で100発もの対艦ミサイルを放つことができた。
 機体後部には防御銃座楼がある。連装46センチ砲が2基、連装40ミリ副砲4基、他に30ミリ連装対空機銃を14基ほど有しており、対空火力も充実していた。
 特筆すべきは主砲の特殊射法である。10秒間の粒子加速をおこうことで、原子核粒子ビームを発射することができた。これは、亜光速まで加速したむきだしの原子核を直に目標に衝突させ、核爆発を誘発するという兵器である。その破壊力は戦術核兵器と同等といわれた(対人ダメージ:10000/5000)。現在でも、アナンタから100キロほどの密林に、複数の巨大なクレーター湖というかたちで、戦いの形跡が残されている。
  強力な火力を誇った本機だが、低すぎる機動力に加え、竜紋が未完成であったのが致命的だったといわれる。55年前、<第3次ガルダ襲来>においてアナンタ/星系首都<白仙柳>を防衛し、3体のガルダ成体と激しい戦闘をくりひろげ、大破した。現在でもその残骸はアナンタに残されており、体高390メートルにも及ぶ巨体は、首都のどこからでも見ることができる。ナーガローカ史上、もっとも多くの伝説と英雄を生んだ機体である。とくに、最後の<玄武>艦長、華 烈鱗(カ レツリン)大佐の物語は、何度も映像化されており、ドラグーンの鑑とすらいわれる。かれはユタラプトル・ハーフであり、恐竜ハーフ戦略家の中でも人気が高い人物である。同大佐は、第3次ガルダ襲来時、玄武と運命をともにした。

電装巨竜軌道上母艦<インドラ>
攻撃力主砲火力ミサイル防御力機動力装甲値耐久値人員
40-2000150100/400
 アナンタ軌道上を周回するサイバードラゴン専用の航宙空母。4基もの高加速・電磁カタパルトを有し、インドラ中隊機全16機を、わずか4分で射出することができる。
 全長は5000メートルほど。戦艦を改装して建造されたらしいが、報道管制が厳しく、詳しいことはわかっていない。<スタードラグーン>の本拠地であり、ナーガローカ防衛を一手に担っているため、ナーガローカ市民にとって心の支えとなっている。

軽ダイノスピーダー
陸/空/水中機動力5/-/-
攻撃力
防御力-
四肢/尾/顎部打撃力1/-/-
耐久値
装甲値
竜紋値/類別2/電磁
火力-
兵装類別-
備考-
ドラグーン-
 機械化歩兵部隊のほか、ナーガローカ市民の足としてつかわれている小型のダイノモービル。固定兵装はないが、機体右側面のハードポイントに、重機関銃(艦載機の副砲)または対車輌ミサイルを塔載することができる。本機も小型のマニ宝珠をもつため、ガルダに対して打撃を与えられる。しかし塔載火器そのものが貧弱なため、おもに対幼体ガルダ戦・偵察用である。
 脚部にジャンプジェットを備え、高さ10メートル、距離20メートルほど跳躍することができる。跳躍には1ターンの準備が必要である。
 価格は300万ガメル。ナーガローカの都市部でなら、エアカー代わりに、どこででも調達することができる。

重ダイノスピーダー
陸/空/水中機動力3/-/-
攻撃力
防御力-
四肢/尾/顎部打撃力1/2/-
耐久値
装甲値
竜紋値/類別4/電磁
火力-
兵装類別-
備考煙幕弾X2(フレアまたはチャフ1発も塔載可能)
ドラグーン-
 大型のダイノスピーダーである。重機関銃を合計2門、または対車輌ミサイルを合計2門塔載することができる。最も好まれるのは、機銃とミサイルをそれぞれ1門づつという選択のようである。煙幕弾を発射すると、50メートル四方に白煙がひろがり、本機を攻撃する者は判定値に−2の修正を受ける。効果は3ターン持続。また、<ホバーアタック>も可能であり、その場合、四肢ダメージ+1。
 本機の価格は500万ガメル。ナーガローカ都市部でなら、どこででも調達することができる(調達難易度3)。

ダイノパンツァー
ダイノパンツァードに関する公国陸軍下士官の証言


 自分は、ナーガローカの惑星ヴァスキに駐屯地を置く歩兵大隊所属の戦車砲砲手です。
 戦車ではなくてパンツァードの砲手を勤めるようになって3年、未だに対サイドラ戦闘や対ガルダ戦闘には慣れません。
 というのも、匿名証言なので率直に述べますが、近年のヴァスキにおけるパンツァードの運用に不満があるからです。パンツァードは火力を集中しないとサイドラやガルダには勝てないのです。 大きさこそ戦車の何倍もあり頼もしいのですが、戦車戦におけるMBT(訳注:主力戦車のこと)と同じように運用されては、 損耗率が高くなってしまうのです。

 ダイノパンツァードが戦車大隊ではなく歩兵大隊に配備されていることからわかるように、少なくともこのヴァスキでは、IFV(歩兵戦闘車)として、サイバードラゴンや 主力艦の援護を行うべき機種です。上官がパンツァードに理解がないと、われわれも苦労するのです。

 しかし、火力を集中して機動的に運用すれば、パンツァードはサイバードラゴンや成体ガルダにもひけをとらないと考えます。 多銃身37ミリ機関砲2門と、AA−FS34式火器管制コンピュータの組み合わせは、そういう結果をひきだすものです。
 また、師団防空戦車の砲塔を流用している特性上、多数襲来する小型の敵性飛行体、たとえば飛行型幼体ガルダの群れ、サイドラ編隊に対しても、有効な阻止戦闘が可能です。
この映像は、そうした 阻止戦闘における典型的なパンツァードの運用を示すものです。ただ、ずいぶん機数が多い。最近では<帝龍解放戦線>相手でもここまではやらないと思うんですが。

 射撃時は、大型の薬莢が排出されるので、歩兵は注意が必要ですね。 もはや1発づつの発射音が聞き分けられず、恐竜の咆哮みたいに聞こえるあのブオオオンという砲声が響けば、誰でも退避するでしょうけど(笑)。

ガルダ

 幼体:4ランク ダメージ5(大顎)、6[1](生体レーザー)、装甲5 ○○○○ 気絶/死亡
 注:絵札防御規則により<前駆竜紋>を展開し、[火力値]をもたない火器からはダメージを受けない。

 亜生体:駆逐艦の諸元を流用。判定値は攻撃力+1、ほかは数値をそのまま使用。ただし主砲火力+6。装甲値+100。四肢打撃力20。
 前駆竜紋を展開すると、火力にかかわらず、通常兵器からは一切のダメージを受けない(絵札防御規則で展開)。
 特殊攻撃:サイドラ属性一覧のクローバー・ハートのA、ダイヤ・スペードの7、ダイヤの10を標準装備。

 成体:巡航艦の諸元を流用。判定値は攻撃力+1、ほかは数値をそのまま使用。ただし主砲火力+15、装甲値+800。四肢打撃力40。前駆竜紋を常に展開しており、通常兵器からは、火力にかかわらず、一切のダメージを受けない。
 絵札防御規則により、対ダイノモービル用の<真性竜紋>を展開でき、マニ宝珠を介した光線・弾丸系の火器すべてを防ぐ。真性竜紋の防御力は主砲火力と同じ。
 特殊攻撃:亜生体と同じ。(透過プラズマ砲、地裂昇竜弾、プラズマ尾、プラズマ牙、プラズマ・フィールド、マルチロックオン)

(特徴)

 サイバードラゴンを生み出す原因となったバーサーカー変異体。ナーガローカ星系の惑星上にも、耐久卵が多数うもれており、数ヶ月に1度、ときおり孵化する。周期性があるらしく、多いときには数週間に1体のガルダが出現する。
 十分な食料があれば、幼体から成体まで、1週間で成長する。人間を捕食する。幼体は3日に1度、カード1枚人数分を捕食する。亜成体はカード1枚×2000人を捕食し、成体はカード1枚×5000人を捕食する。中規模の発電所や巡航艦があれば、そちらのエネルギーを直接吸収するため、人間は襲わない。
 電磁波で意思疎通し、また、ECMも積極的におこなう。ECMの判定値は6。
 真性竜紋のほか、<前駆竜紋>を展開し、通常兵器の攻撃をふせいでしまう。戦闘用ダイノモービルの攻撃だけは、前駆竜紋を貫通する(規則上は、サイバードラゴンおよびダイノスピーダーだけは、前駆竜紋を無視できる。ガルダが前駆竜紋を展開していても、ふつうに攻撃してダメージを与えられる)。
 きわめて突然変異が生じやすく、さまざまな変異体が報告されている。諸元も、幅広く設定してよい。とにかく、強力な宇宙怪獣らしい雰囲気を保っていれば、ガルダらしくなる。

2、ヘックスシート
 付属のヘックスシートについて。
 パラフリRPGでは本来、ヘックスシートは使わない。しかし、いきおい音声だけに偏りがちなTRPGにおいて、視覚的な道具の使用はきわめて効果的である。戦術も具体的に細かく考えることができる。以下、サイバードラグーンの戦闘において使用する場合の注意点をあげておく。

、障害物があるヘックスは、障害物を破壊しないと侵入できない。
、サイバードラゴンの機体の大きさから考えて、1ヘックスはおよそ50メートルほどとしておく。距離ランク2の陸上戦闘において使用する。
、光線系、弾丸、ミサイルは、直線上にしか撃てない。障害物があれば、貫通しないかぎり、攻撃は目標に到達しない。榴弾砲などの間接射撃兵器は、大角度の射撃により、障害物を無視して戦える。また、一部のプラズマ兵器は、障害物の制約を受けない。
、障害物のあるヘックスには、装甲値におうじて大小のサイコロなどを置いておくと、より視覚的効果がたかまるだろう。
、戦場ランダム作製法。というほどのものではないが。
 まず、大小のサイコロを転がす。止まったヘックスに、大きいサイコロでは出た目×20装甲値、小さいサイコロでは出た目×10装甲値の障害物を設置する。サイコロは、当該障害物が破壊されたら取りのぞく。
、サイドラのコマとしては、ガシャポンや食玩の小型怪獣模型の使用をおすすめする。最近のものは造形も良く、みているだけで楽しい。


やっとあとがきだ!

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清水三毛. 2000.12ディスク2版作成